JPH0259000B2 - - Google Patents

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JPH0259000B2
JPH0259000B2 JP59213384A JP21338484A JPH0259000B2 JP H0259000 B2 JPH0259000 B2 JP H0259000B2 JP 59213384 A JP59213384 A JP 59213384A JP 21338484 A JP21338484 A JP 21338484A JP H0259000 B2 JPH0259000 B2 JP H0259000B2
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tank
bod
phosphorus
aerobic tank
raw water
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Masahide Shibata
Tetsuro Fukase
Arimasa Myaji
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は汚水の処理方法に係り、詳しくは、
BOD成分、窒素成分及びリン成分を含む汚水、
例えばし尿、下水その他の産業廃水などの汚水
(以下これを便宜上「原水」というときもある。)
を生物学的に処理する方法に関する。 [従来の技術] 従来、BOD成分、窒素成分及びリン成分を含
む汚水を処理する方法としては、BOD及び窒素
成分を硝化脱窒工程を有する処理装置で処理した
のち、その処理水に凝集剤を添加して化学的にリ
ン成分を除去する方法、あるいはBOD及びリン
成分を生物学的に処理する方法、すなわちリン成
分を汚泥中に取り込んで除去する方法が知られて
いる。 しかしながら、窒素成分とリン成分を汚水中か
ら同時に除去するには問題が多い。それは、脱窒
処理における好気処理条件と脱リン処理における
好気処理条件に相違があるところから窒素成分と
リン成分とを同時に処理して期待する水質の処理
水を得ることができないためである。即ち、生物
学的リン除去法における原水の好気槽滞留時間
は、原水BOD濃度によつてその最適値は異なる
が、一般的には短い方がリン除去効率が高い。例
えば都市下水であれば、リン除去のための好気槽
の滞留時間は一般に3〜4時間程度が最適である
と考えられている。ところが、この滞留時間では
年間を通して硝化菌を維持することは困難である
ことから硝化反応は起こり難く、特に冬期におい
ては硝化反応はほとんど起こらないと考えられ
る。このように望ましい好気槽滞留時間は、硝化
菌維持のための好気槽滞留時間とリン除去のため
の条件とで相反する。そして硝化反応が行なわれ
なけらば脱窒も行なわれなくなる。 また、生物学的リン除去法において、脱窒反応
を行なうことにより、行なわない場合よりも、リ
ン除去効率が低下する。即ち、生物学的脱リンだ
けを行なう場合に比し、脱窒工程を設けて脱窒も
行なう場合には、リン除去効率は低下し、かつ脱
窒量が増すほどリンの除去率の低下の度合は大き
くなる。なお脱窒量が及ぼすリン除去率低下の程
度は、原水のBOD成分により変わつてくるが、
一般的にはBOD成分濃度が低い方が影響が大き
い。 本出願人は、このような汚水の処理方法につい
て研究した結果、脱窒処理における硝化工程を工
夫し、好気槽に生物固定手段を設けることによ
り、BOD成分、窒素成分及びリン成分を同時に
除去できることを見い出し、先に出願した(特願
昭57−77119、特公昭61−17558号公報参照、以下
「先願」という。)。また、本出願人は、先願
に基づき、更に処理効率を向上させるべく研究を
重ね、更に効率の良い汚水の生物学的脱窒、脱リ
ン装置を発明し、特許出願した(特願昭58−
207109、特公昭60−52880号公報参照、以下「先
願」という。)。 第2図は先願に係る装置の系統図である。第
2図において、原水はまず嫌気槽1にて嫌気性処
理され、BOD成分が微生物に取り込まれると共
に、リン化合物が加水分解されてリン(正リン
酸)が放出される。 液は次いで脱窒槽2で脱窒処理(硝酸イオン及
び亜硝酸イオンの窒素ガスへの還元処理)された
後、適当な生物の固定手段(図示せず)を有する
硝化槽(好気槽)3に送られて好気性処理され、
微生物によるアンモニアの硝化と正リン酸の取り
込みが行なわれる。この後、液は、沈殿分離槽4
にて沈降分離処理されて処理水とされる。而して
沈殿分離槽4からの汚泥の一部は経路12によつ
て前記嫌気槽1へ返送され、また硝化槽(好気
槽)3からの流出液の一部は循環経路11によつ
て脱窒槽2へ返送される。 また先願に係る装置は、第2図の装置におい
て、返送汚泥中のNO- 2、NO- 3やDOを十分に除去
した後、嫌気槽1に供給し、嫌気槽1の嫌気状態
を高めるようにしたものである。即ち、第2図の
経路12の代わりに、脱窒槽の処理液の一部を嫌
気槽へ循環させる経路と、返送汚泥を脱窒槽へ返
送する経路とを設けるように構成されたものであ
る。(なおこの先願の経路構成は本発明例に係
る後述の第1図bのものと同様である。) 而して、本出願人は、より効果的な汚水の処理
方法について更に研究を重ね、汚水を嫌気槽、脱
窒槽、好気槽及び沈殿槽の順に通水して処理する
際の、原水の好気槽滞留時間を1.0〜3.0時間に限
定することにより、極めて良好な水質の処理水を
得ることができることを見い出し、特許出願した
(特願昭58−237400、特開昭60−129194号公報参
照、以下「先願」という。)。 [発明が解決しようとする問題点] この先願、及びに係る方法及び装置によ
れば、BODはもちろん、窒素及びリン成分をも
同時に処理することが可能である。 而して、汚水を生物処理して窒素、リンを同時
除去する場合、脱窒反応によりリン除去効率は低
下するが、好気槽滞留時間を短くすることにより
この低下の度合を少なくすることができる(第21
回下水道研究発表会。1984;生物的リン除去法小
論文集P.19、栗田工業株式会社刊行、昭和59年4
月)。しかしながら、好気槽滞留時間が過度に短
くなると、処理装置の系統全体が嫌気的になり、
これがために処理水の透視度が低下するおそれが
ある。 [問題点を解決するための手段] 本発明は前記従来の方法に更に改良を加えるこ
とにより、汚水に含有されるBOD成分、窒素成
分及びリン成分を同時にしかも更に十分に除去す
ることができ、得られる処理水質が極めて良好
な、汚水の処理方法を提供するものであり、 BOD成分、窒素成分及びリン成分を含む原水
を嫌気槽、脱窒槽、好気槽及び沈殿槽の順に通水
すると共に、沈殿槽で分離された汚泥の一部を嫌
気槽に返送し、かつ好気槽処理液の一部を脱窒槽
に返送して、BOD成分、窒素成分及びリン成分
を生物学的に除去する汚水の処理方法において、
好気槽には生物固定手段が設けられており、好気
槽における原水の滞留時間は原水中のリン成分濃
度とBOD成分濃度との比、即ちP/BOD、が
0.035である場合を境界とし、該値が0.035以上の
場合には好気槽における原水の滞留時間を1〜
2.5時間とし、P/BODが0.035よりも小さい場合
には好気槽における原水の滞留時間を2.7時間以
上とすることを特徴とする汚水の処理方法、 を要旨とするものである。 一般に、汚水中の窒素及びリンを生物学的に同
時除去する場合、脱窒量が多くなると、リン除去
効率が低下し、処理水のリン濃度が高くなる傾向
を示す。この理由は、 脱窒反応槽においてリンの一部が汚泥に摂取
され、 この反応において汚泥中に吸収された貯蔵有
機物(例えばPHB(ポリベータハイドロキシブ
チレート))が一部利用されて減少する、 従つて、 脱窒反応槽では、好気槽での反応と同様に、
リンの汚泥への摂取、汚泥中の貯蔵有機物の減
少が生じている、 ためと考えられる。従つて、好気槽滞留時間を短
縮することにより、処理水のリン濃度が低下し、
リン除去率が改善される。 このような理由から、脱窒反応によるリン除去
効率の低下影響をより少なくするために、好気槽
の滞留時間はリン除去のみを行なう場合よりも短
くなるように運転するのが好ましい。即ち、脱窒
反応は、最終電子受容体がO2ではなくてNOxで
ある点が好気反応と異なるのみで、前述の如く、
有機物の消費という観点からは、好気反応と同質
であるとみなされる。そしてリン除去の観点から
見ると、脱窒槽はリン摂取槽という意味で好気槽
とみなせる。このため、脱窒工程を有するリン除
去法では、リン摂取槽は脱窒槽プラス好気槽であ
り、リン除去にとつての好気槽相当滞留時間は実
質的に長くなつたことになる。窒素成分及びリン
成分を同時除去する装置において、好気槽滞留時
間を短くし、脱窒槽及び好気槽の滞留時間の合計
(好気槽相当滞留時間)を、リン除去のみの場合
の好気槽滞留時間と同程度とすることにより、リ
ン除去効率の低下は少なくなる。 しかしながら、前述の如く、好気槽滞留時間を
過度に短くしすぎると、プロセス全体が嫌気的に
なり、処理水透視度を低下させる恐れがある。 本発明者らはこのような現象について種々検討
を重ねた結果、原水のP成分濃度とBOD成分濃
度との比、即ち、P/BOD、に基づき、原水の
好気槽滞留時間を決めることにより、得られる処
理水の透視度を向上させ、リン濃度を低下させる
ことができることを見い出した。 なお、原水のP成分濃度等は、都市下水が原水
の場合は、季節により、あるいは人口の増減等に
より変化する性質がある。 本発明はかかる知見に基づいてなされたもので
ある。 以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。 第1図a及びbは本発明の実施に好適な装置の
一例を示す系統図である。 まず、第1図aに示す装置により、汚水を処理
する方法について説明する。 原水(汚水)は、系路12からの返送汚泥と混
合されて、嫌気槽1に導入され、嫌気槽1内で一
定時間撹拌されながら滞留させられる。この間、
汚泥中の微生物は呼吸によつてはエネルギーを得
られないので、体内に蓄積していたリン化合物
(例えば、ポリリン酸のマグネシウム塩)を加水
分解することにより、BOD成分を取り込むエネ
ルギーとする。すなわち、この嫌気槽1では、微
生物はBOD成分を取り込み、代りにリン化合物
の加水分解によつて生じたリン(正リン酸)を放
出するのである。このような作用は嫌気槽1を溶
存酸素や亜硝酸イオン、硝酸イオンが殆ど存在し
ないような嫌気状態にすることによつて達成され
る。 嫌気槽1からの流出液は、系路11を通つて供
給される好気槽(硝化槽)3の処理液の一部と共
に脱窒槽2に受け入れられる。脱窒槽2では混合
液は撹拌状態に保たれ、ここで微生物は、BOD
成分を有機炭素源として、硝酸イオン及び亜硝酸
イオンを窒素ガスに還元する。 脱窒槽2から流出される脱窒槽処理液は、次の
好気槽3に受け入れられる。この好気槽3は空気
供給装置5を用いて曝気する等の適宜の方法によ
り好気性に保たれ、微生物はアンモニアを硝酸ま
たは亜硝酸にするとともに、呼吸によるエネルギ
ーで正リン酸を取り込み、体内にポリリン酸の形
で貯留する。 本発明においては、好気槽(硝化槽)3に流入
する原水の好気槽滞留時間は、原水中のP成分濃
度及びBOD成分濃度に基づいて制御される。原
水の好気槽滞留時間は原水中のP成分濃度と
BOD成分濃度との比、即ちP/BODが0.035であ
る場合を境界として決め、P/BODが0.035以上
の場合には滞留時間を1〜2.5時間、好ましくは
2.0〜2.5時間とし、P/BODが0.035より小さい
場合には滞留時間を2.7時間以上、例えば2.8〜3.2
時間、好ましくは3時間程度とする。 本発明においては、好気槽3に適当な生物固定
手段6を設けることにより、好気槽滞留時間が1
〜3時間程度の極めて短時間でも、硝化反応とリ
ン吸着反応をより確実に行なうことが可能とな
る。このように好気槽の滞留時間が短かい本発明
では、BOD、窒素及びリン成分の同時処理とい
う効果の他に、好気槽容量を小さくすることがで
きるという利点をも有している。 本発明において好気槽に設ける生物の固定手段
としては、微生物を固定できるものであればその
種類を選ばず、回転円板、波板をブロツク状に重
ねたもの、多孔質体等のスポンジ状物を浮遊させ
てなる流動担体、槽内の原水中に紐を吊下してな
る紐状固定材等が挙げられる。これらのうち、紐
状物体又は流動担体、とりわけ紐状物体を固定手
段として用いるのが、目詰りが発生せず、また好
気状態に保つために槽内の液を循環するに要する
動力が小さくてよいことから特に有効である。生
物固定手段として回転円板を採用する場合には、
一部を液中に浸漬した状態で設けられた円板の回
転により槽内を好気性に保つことができるので、
空気供給装置5は特に必要とされない。 好気槽3からの排出液は、一部は系路11によ
り脱窒槽2に返送され、残部は沈殿層4へ導入さ
れて、リンを体内に取り込んだ微生物群からなる
汚泥と、BOD、窒素及びリン成分が除去された
処理水とに分離される。処理水は系外に排出さ
れ、汚泥はその一部が系路12より返送汚泥とし
て嫌気槽1に返送され、残部は余剰汚泥として排
出される。 本発明において、原水に微生物を加えて嫌気性
処理する嫌気槽1を、NO- 2、NO- 3、DO(溶存酸
素)のいずれもほとんど存在しない十分な嫌気状
態に保つようにすれば処理効率は格段に向上され
る。このために、第1図bの如く、返送汚泥を系
路13によりまず脱窒槽2に導入し、ここで
NO- 2、NO- 3及びDOを十分に除去した後、系路1
4により嫌気槽1へ供給するように構成してもよ
い。こうすることにより、嫌気槽が極めて良好な
嫌気状態に保たれ、第1図aの方法に比べ一層効
率の高い処理が行なわれる。 なお本発明方法を実施するに当つては、硝化槽
3から沈殿分離槽4に導入される液を、一旦別の
脱窒槽に導入してメタノール等を添加してより十
分な脱窒反応を行なわせ、次いで異なる好気槽に
導入して余剰のメタノールの処理を行なつた後、
沈殿分離槽4に導いても良い。このように本発明
方法は、図示以外の種々の態様によつても実施し
得る。 [作用] 本発明の構成により透視度の高い、優れた水質
の処理水が得られる理由は以下のように推測され
る。 一般に嫌気処理により生じたSSの分離は好気
処理により生じたSSの分離に比べて悪く、SSは
好気条件における程分離し易い。また、プロセス
が嫌気的であると菌体がフロツクに吸着されにく
く、処理水中に混入して、処理水の透視度が低下
するものと考えられる。 このように、SSないしは菌体分離の分離効率
の面からは原水の好気槽滞留時間を可能な範囲で
長くしプロセスを好気的とするのが好ましい。 原水のP/BODが0.035より小さい場合には、
前述した脱窒反応によるリン除去効率の低下の影
響は実質上少なく、好気槽滞留時間は3時間程度
の長目に選定でき、従つて処理水透視度に悪影響
はない。しかしながら原水のP/BODが0.035以
上の場合には脱窒反応によるリン除去効率の低下
の影響を受けるため、好気槽滞留時間を短かくす
る必要がある。 従つて、原水のP/BODが0.035の場合を境界
として、P/BOD≧0.035の場合には原水の好気
槽滞留時間を1〜2.5時間とし、P/BOD<0.035
の場合には原水の好気槽滞留時間を2.7時間以上
とすることにより、脱窒反応によるリン除去効率
の低下とプロセスの嫌気化による処理水透視度の
低下とのバランスを調整し、良好な脱窒、脱リ
ン、脱BODの同時処理を行なうこが可能となる。 [実験例及び実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下
の実施例に限定されるものではない。 実験例 1 前述のように、脱窒槽もリン摂取槽という意味
では好気槽とみなせるので、一般的な都市下水を
汚水の代表として、第3図に示す装置を用い、脱
窒のリン除去に対する影響を好気槽滞留時間との
関係において調べた。 第3図に示す装置において、BOD100mg/、
PO4−P3〜4mg/でP/BOD比が第1表に示
す値の原水を嫌気槽1に導入して経路14からの
返送汚泥と混合した。その流出液は脱窒槽2に導
入し、脱窒を行なつた。脱窒槽2にはNO3−N
を原水に対して20mg/になるように添加した。
NO3−Nを添加するのは、第1図aに示すフロ
ーを簡素化するためである。この脱窒槽2の流出
液は好気槽3に流入させた。好気槽3にはチオ尿
素を添加して硝化を抑制した。 このようなフローにおいて、好気槽3の滞留時
間を1.5時間、2.5時間、2.7時間、3.0時間に変化
させた。好気槽3の流出液は沈殿槽4で固液分離
して、汚泥は経路14から嫌気槽1へ返送すると
ともに処理水を得た。処理水のT−P濃度を第1
表に示す。
【表】 この結果から、原水のP/BODが0.035以上の
場合には硝化槽の滞留時間を2.5時間以内にしな
いとリンが処理水中に残留することがわかる。 実施例 1 第1図aに示す装置を用い、都市下水の処理を
行つた。この際、嫌気槽滞留時間を1.5時間、脱
窒槽滞留時間を3.0時間、好気槽滞留時間を後述
の滞留時間で処理を行つた。なお、好気槽処理液
返送率を200%、MLSSを2000〜2800として運転
した。 当初原水の平均リン濃度(T−P)が4.0mg/
、BOD濃度120mg/(P/BOD≒0.033)で
あつたので、好気槽滞留時間を3.0時間で運転を
行つた。このときの処理水リン濃度(PO4−P)
は0.5〜1.0mg/と良好であり、処理水透視度も
良好であつた(No.1)。 上記の好気槽滞留時間で運転を継続していたと
ころ、処理水リン濃度(PO4−P)が1.0〜2.0
mg/と悪化していることが判明した。このとき
の原水の平均リン濃度とBOD濃度は、前者が5.5
mg/、後者が95mg/(P/BOD≒0.058)で
あつた(No.2)。この原水の水質変化は季節変動
によるものと思われる。 そこで好気槽滞留時間を2.5時間に変更し運転
を継続したところ、処理水リン濃度(PO4−P)
は0.5〜1.0mg/と前回と同程度まで回復してき
た(No.3)。このときの処理水SSは好気槽滞留時
間3.0時間のときよりも約5mg/増加し、幾分
透視度が低下したけれども、放流基準を満足し、
問題にならない程度の増加であつた。 この状態の運転をしばらく継続したところ、処
理水リン濃度は、0.5〜1.0mg/で継続して良好
であつた。しかし、処理水窒素濃度については、
好気槽滞留時間3.0時間のとき4〜6mg/であ
つたのに対し、好気槽滞留時間2.5時間では7〜
9mg/とやや悪化した。この原因は、滞留時間
を短くしたことにより、好気槽での硝化率が低下
したためである。 その後、原水の水質が平均リン濃度(T−P)
3.5mg/、BOD濃度105mg/(P/BOD=
0.033)となつたため、再び、好気槽滞留時間を
3.0時間に変更して運転を継続した。その結果、
処理水窒素濃度は4〜6mg/となり、2.5時間
の場合よりも改善された。一方、処理水リン濃度
(PO4−P)は、0.5〜1.0mg/であり、継続して
良好な処理水が得られた(No.4)。 実施例 2 実施例1と同様に、第1図aに示す装置を用
い、都市下水の処理を行つた。その際、嫌気槽滞
留時間を1.5時間、脱窒槽滞留時間を3.0時間、好
気槽滞留時間を3.0時間、好気槽処理液返送率を
200%、MLSSを2000〜2500mg/として運転し
た。 その結果、原水の平均リン濃度(T−P)は
3.3mg/、BOD濃度は99mg/(P/BOD=
0.037)であり、処理水のリン濃度(PO4−P)
は1.5〜2mg/と悪かつた(No.1)。そこで、好
気槽滞留時間を2.25時間に変更したところ、処理
水のリン濃度(PO4−P)は0.5〜1.0mg/と良
好になり、一方透視度は若干低下した程度であつ
た(No.2)。その後、原水のT−Pが3.0mg/、
BODが100mg/(P/BOD=0.030)と変化し
たので、好気槽滞留時間を3.0時間に戻した。そ
の結果、処理水のリン濃度(PO4−P)は0.5〜
1.0mg/と継続して良好であり、透視度も良好
となつた(No.3)。なお、窒素(T−N)は、こ
の間、原水15〜25mg/に対し、処理水4〜6
mg/と良好であつた。 実施例 3 第1図bに示す装置を用い、食品加工排水と下
水との混合排水を処理した。その際、嫌気槽滞留
時間を2.0時間、脱窒槽滞留時間を2.5時間、好気
槽滞留時間を3.5時間、好気槽処理液返送率を200
%、MLSSを2500〜3000mg/として運転した。 その結果、原水の平均リン濃度(T−P)は
5.0mg/、BOD濃度は150mg/(P/BOD=
0.033)で、処理水のリン濃度(PO4−P)は0.5
〜1.0と良好であつた(No.1)。 その後、原水のT−Pが7.0mg/、BODが
170mg/(P/BOD=0.041)と変化し、処理
水のリン濃度(PO4−P)が2〜2.5mg/と悪
くなつた(No.2)ので、好気槽滞留時間を2.5時
間と短くした。その結果、処理水のリン濃度
(PO4−P)は0.5〜1.0mg/と良好となつた(No.
3)。なお、窒素(T−N)はこの間、原水20〜
40mg/に対し、処理水4〜6mg/と良好であ
つた。 以上の実施例1〜3の結果をまとめて第1表に
示す。
【表】 *2:No.2の場合よりも透視度良好

第1表より明らかなように、本発明に従つて、 原水のP/BOD≧0.035の場合には、原水の
好気槽滞留時間を1〜2.5時間とし、 原水のP/BOD<0.035の場合には、原水の
好気槽滞留時間を2.7時間以上とする。 ことにより、処理水透視度を良好に保ちながら、
処理水のリン濃度を大幅に低下させることができ
る。 [発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の方法に従い、原水
の好気槽滞留時間を原水中のリン成分濃度及び
BOD成分濃度に基づいて決めることにより、即
ち、原水のP/BOD≧0.035の場合には原水の好
気槽滞留時間を1〜2.5時間とし、原水のP/
BOD<0.035の場合には原水の好気槽滞留時間を
2.7時間以上とすることにより、処理水透視度を
良好に保ちながら、汚水中のBOD成分、窒素成
分及びリン成分を同時にかつ効率良く除去するこ
とができ、処理水の水質が極めて安定でかつ優れ
たものになる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は汚水の処理方法を
説明する装置の系統図である。 1……嫌気槽、2……脱窒槽、3……好気槽、
4……沈殿槽、5……空気供給手段、6……生物
固定手段。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 BOD成分、窒素成分及びリン成分を含む原
    水を嫌気槽、脱窒槽、好気槽及び沈殿槽の順に通
    水すると共に、沈殿槽で分離された汚泥の一部を
    嫌気槽に返送し、かつ好気槽処理液の一部を脱窒
    槽に返送して、BOD成分、窒素成分及びリン成
    分を生物学的に除去する汚水の処理方法におい
    て、 好気槽には生物固定手段が設けられており、 好気槽における原水の滞留時間は、原水中のリ
    ン成分濃度とBOD成分濃度との比、即ちP/
    BOD、が0.035である場合を境界とし、該値が
    0.035以上の場合には好気槽における原水の滞留
    時間を1〜2.5時間とし、P/BODが0.035よりも
    小さい場合には好気槽における原水の滞留時間を
    2.7時間以上とすることを特徴とする汚水の処理
    方法。 2 生物固定手段は紐状物体であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項に記載の方法。
JP21338484A 1984-10-12 1984-10-12 汚水の処理方法 Granted JPS6190795A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21338484A JPS6190795A (ja) 1984-10-12 1984-10-12 汚水の処理方法

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JP21338484A JPS6190795A (ja) 1984-10-12 1984-10-12 汚水の処理方法

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Publication Number Publication Date
JPS6190795A JPS6190795A (ja) 1986-05-08
JPH0259000B2 true JPH0259000B2 (ja) 1990-12-11

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ID=16638304

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