JPH025835B2 - - Google Patents
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- JPH025835B2 JPH025835B2 JP12312286A JP12312286A JPH025835B2 JP H025835 B2 JPH025835 B2 JP H025835B2 JP 12312286 A JP12312286 A JP 12312286A JP 12312286 A JP12312286 A JP 12312286A JP H025835 B2 JPH025835 B2 JP H025835B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は自動車車体のごとく構成部材にカチオ
ン電着塗装を施す用途に使用した場合に塗装の仕
上り性が優れためつき鋼板に関する。 (従来技術) 北米、カナダ、北欧など冬季に凍結防止のため
道路に岩塩を散布するので、自動車車体の部材に
使用する鋼板には優れた防食性能が要求されてい
る。このためこのような用途には最近耐食性の優
れた純Znめつき鋼板やZn系合金めつき鋼板(例
えばZn―Fe系合金めつき鋼板、Zn―Ni系合金め
つき鋼板など)が使用されるようになつてきた。 しかしこれらのめつき鋼板は単層めつきである
と、リン酸塩処理後カチオン電着塗装を施した場
合に塗膜にクレータが発生してしまい、塗装仕上
り性が劣るという問題があつた。 そこでこのような塗装仕上り性の問題を改善し
ためつき鋼板として、純ZnまたはZn系合金めつ
きの上にさらに電着塗装性のよいFe系のめつき
を施した複層めつき鋼板が提案されている。この
種の鋼板として従来知られているのは、上層が
Fe含有率60〜90wt%の高Fe―Zn合金めつきのも
のとFeめつきのものとであるが、これらの複層
めつき鋼板にカチオン電着塗装を施してみると確
かに塗膜のクレータ発生は減少し、塗装仕上り性
は改善される。 しかし上層がFe含有率60〜90wt%の高Fe―Zn
合金めつきである複層めつき鋼板の場合、上層は
非常に固くて脆いため、部材に加工した場合無数
のクラツクが入り、その部位では下層が露出し、
電着塗装を施した場合下層に直接電着塗装が施さ
れるようになるため、クレータが発生しやすかつ
た。一方上層がFeめつきの複層めつき鋼板の場
合は上層が前記高Fe―Zn合金めつきより柔らか
く、部材に加工してもクラツクが発生しないた
め、塗膜に発生するクレータは少ないが、しかし
めつき付着量が3g/m2(片面)以下と少ない場
合クレータ発生量に変動がみられた。この変動原
因は明確ではないが、下層めつきに対する被覆率
が悪いせいか、または純度が高いことも起因して
か塗装前処理のリン酸塩処理において、リン酸塩
結晶としては大きなものが生成しやすくなり、そ
の結果リン酸塩結晶によるめつき層表面の被覆率
が低下し、またその被覆率も変動して、リン酸塩
結晶が析出した部分と析出しない部分とでは電着
塗装の際の通電性が異なつてしまうためであると
推定される。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、このように純ZnめつきまたはZn系
合金めつきの上にFe系めつきを施した複層めつ
き鋼板でも電着塗装性が完全でなかつたことか
ら、電着塗装性をさらに改善した複層めつき鋼板
を提供するものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明の複層めつき鋼板も上層にFe系めつき
を施したものであるが、Fe系めつきとしてB(ホ
ウ素)またはS(イオウ)を含有するものを施す
ことにより電着塗装性を改善したものである。す
なわち本発明は下層に純ZnめつきまたはZn系合
金めつきを施し、上層にB(ホウ素)またはS(イ
オウ)を含有するFeめつきを施したことを特徴
とする電着塗装性に優れためつき鋼板を提供する
ものである。 本発明のめつき鋼板が電着塗装性に優れている
のは、塗装前処理においてリン酸塩処理を施した
場合上層中のBまたはSがリン酸塩析出の際核に
なつて微細で緻密なリン酸塩皮膜が形成され、鋼
板表面全体の通電性が均一になるため、電着塗装
の際塗料が均一に電着し、クレータの発生が抑制
されるためであると推定される。このことは本発
明のめつき付着量が3g/m2以下でも同様であ
り、下層めつきへの被覆率が改善されているもの
と考えられる。 上層のFeめつき中に含有させるB量は0.001〜
3wt%に、またS量は0.001〜0.4wt%にするのが
好ましい。これはB量またはS量が0.001wt%未
満であると電着塗装でのクレータ発生およびその
変動がBまたはSを含有しないFeめつきと変わ
らず、B量が3wt%を越えたりあるいはS量が
0.4wt%を越えたりしてもその効果は飽和し、そ
れらより多くしても意味がないからである。 BをFeめつき中に0.001〜3wt%含有させるに
は通常のFeめつき浴にホウ酸、メタホウ酸、可
溶性メタホウ酸塩、可溶性4ホウ酸塩、テトラフ
ルオロホウ酸塩などのようなホウ素化合物を1種
または2種以上添加して、浴のPHを2〜4に調整
してめつきすればよい。同様にSをFeめつき中
に0.001〜0.4wt%含有させるには、上記ホウ素化
合物の代わりにチオシアン酸塩、チオ硫酸塩、チ
オ尿素、キサントゲン酸塩などのごとく分子中に
遊離しやすいイオウを有するイオウ化合物を1種
または2種以上添加してめつきすればよい。 また上層のめつき付着量はFeめつき中にBま
たはSを含有する場合でもともに0.5〜10g/m2
にするのが好ましい。これは0.5g/m2未満であ
ると下層の純ZnめつきまたはZn系合金めつきを
完全に被覆することができず、下層の露出に起因
したクレータの発生がみられ、10g/m2を越える
とクレータの抑制効果が飽和してしまつて、10
g/m2より多くする必要がないからである。 本発明のめつき鋼板は下層が純Znめつきまた
はZn系合金めつきである被覆めつき鋼板の電着
塗装性を改善するものであるが、下層が純Znめ
つきの場合、そのめつきが電気めつき法、蒸着め
つき法または溶融めつき法などにより行つたもの
であつても改善可能である。また下層がZn系合
金めつきの場合、合金めつきがZnとNi、Fe、
Cr、Mn、MoおよびTiなどの元素の1種または
2種以上との合金めつきであつても改善可能であ
り、さらに合金化を電気めつき法、蒸着めつき法
または溶融めつき法などにより直接行つたもので
あつても、あるいはめつき後熱拡散させて行つた
ものでも改善可能である。 次に実施例により本発明を説明する。 (実施例) 板厚0.8mm冷延鋼板に通常の脱脂および酸洗処
理を施して、表面を清浄にした後、第1表に示す
条件でまず純Zn、またはZn―Fe合金あるいはZn
―Ni合金の下層めつきを施し、次にその上にFe
―BまたはFe―Sの上層めつきを施した。 その後このようにしてめつきしためつき鋼板と
従来の上層Feめつきの複層めつき鋼板とより試
料を各めつき条件当り10枚採取して、それらを市
販のリン酸塩処理液(Bt3030、日本パーカー製)
で処理した後、カチオン電着塗装を施し、焼付乾
燥後塗膜に発生したクレータ数を調査した。なお
電着塗装の際は塗料としてはエレクロン#9000
(関西ペイント製)を使用して、ドカン法により
300Vで塗膜厚み25μmに電着し、焼付乾燥は180
℃で20分間行つた。第2表に上層にFe―Bを施
した場合の塗膜クレータ発生数を、また第3表に
Fe―Sを施した場合の塗膜クレータ発生数を示
す。 第2表、第3表より明らかなように上層にFe
―BまたはFe―Sのめつきを施した本発明のめ
つき鋼板は、下層が純ZnめつきまたはZn系合金
めつきであつても、従来の上層にFeめつきを施
した電着塗装性のよい複層めつき鋼板よりクレー
タの発生数とその変動が少ない。
ン電着塗装を施す用途に使用した場合に塗装の仕
上り性が優れためつき鋼板に関する。 (従来技術) 北米、カナダ、北欧など冬季に凍結防止のため
道路に岩塩を散布するので、自動車車体の部材に
使用する鋼板には優れた防食性能が要求されてい
る。このためこのような用途には最近耐食性の優
れた純Znめつき鋼板やZn系合金めつき鋼板(例
えばZn―Fe系合金めつき鋼板、Zn―Ni系合金め
つき鋼板など)が使用されるようになつてきた。 しかしこれらのめつき鋼板は単層めつきである
と、リン酸塩処理後カチオン電着塗装を施した場
合に塗膜にクレータが発生してしまい、塗装仕上
り性が劣るという問題があつた。 そこでこのような塗装仕上り性の問題を改善し
ためつき鋼板として、純ZnまたはZn系合金めつ
きの上にさらに電着塗装性のよいFe系のめつき
を施した複層めつき鋼板が提案されている。この
種の鋼板として従来知られているのは、上層が
Fe含有率60〜90wt%の高Fe―Zn合金めつきのも
のとFeめつきのものとであるが、これらの複層
めつき鋼板にカチオン電着塗装を施してみると確
かに塗膜のクレータ発生は減少し、塗装仕上り性
は改善される。 しかし上層がFe含有率60〜90wt%の高Fe―Zn
合金めつきである複層めつき鋼板の場合、上層は
非常に固くて脆いため、部材に加工した場合無数
のクラツクが入り、その部位では下層が露出し、
電着塗装を施した場合下層に直接電着塗装が施さ
れるようになるため、クレータが発生しやすかつ
た。一方上層がFeめつきの複層めつき鋼板の場
合は上層が前記高Fe―Zn合金めつきより柔らか
く、部材に加工してもクラツクが発生しないた
め、塗膜に発生するクレータは少ないが、しかし
めつき付着量が3g/m2(片面)以下と少ない場
合クレータ発生量に変動がみられた。この変動原
因は明確ではないが、下層めつきに対する被覆率
が悪いせいか、または純度が高いことも起因して
か塗装前処理のリン酸塩処理において、リン酸塩
結晶としては大きなものが生成しやすくなり、そ
の結果リン酸塩結晶によるめつき層表面の被覆率
が低下し、またその被覆率も変動して、リン酸塩
結晶が析出した部分と析出しない部分とでは電着
塗装の際の通電性が異なつてしまうためであると
推定される。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、このように純ZnめつきまたはZn系
合金めつきの上にFe系めつきを施した複層めつ
き鋼板でも電着塗装性が完全でなかつたことか
ら、電着塗装性をさらに改善した複層めつき鋼板
を提供するものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明の複層めつき鋼板も上層にFe系めつき
を施したものであるが、Fe系めつきとしてB(ホ
ウ素)またはS(イオウ)を含有するものを施す
ことにより電着塗装性を改善したものである。す
なわち本発明は下層に純ZnめつきまたはZn系合
金めつきを施し、上層にB(ホウ素)またはS(イ
オウ)を含有するFeめつきを施したことを特徴
とする電着塗装性に優れためつき鋼板を提供する
ものである。 本発明のめつき鋼板が電着塗装性に優れている
のは、塗装前処理においてリン酸塩処理を施した
場合上層中のBまたはSがリン酸塩析出の際核に
なつて微細で緻密なリン酸塩皮膜が形成され、鋼
板表面全体の通電性が均一になるため、電着塗装
の際塗料が均一に電着し、クレータの発生が抑制
されるためであると推定される。このことは本発
明のめつき付着量が3g/m2以下でも同様であ
り、下層めつきへの被覆率が改善されているもの
と考えられる。 上層のFeめつき中に含有させるB量は0.001〜
3wt%に、またS量は0.001〜0.4wt%にするのが
好ましい。これはB量またはS量が0.001wt%未
満であると電着塗装でのクレータ発生およびその
変動がBまたはSを含有しないFeめつきと変わ
らず、B量が3wt%を越えたりあるいはS量が
0.4wt%を越えたりしてもその効果は飽和し、そ
れらより多くしても意味がないからである。 BをFeめつき中に0.001〜3wt%含有させるに
は通常のFeめつき浴にホウ酸、メタホウ酸、可
溶性メタホウ酸塩、可溶性4ホウ酸塩、テトラフ
ルオロホウ酸塩などのようなホウ素化合物を1種
または2種以上添加して、浴のPHを2〜4に調整
してめつきすればよい。同様にSをFeめつき中
に0.001〜0.4wt%含有させるには、上記ホウ素化
合物の代わりにチオシアン酸塩、チオ硫酸塩、チ
オ尿素、キサントゲン酸塩などのごとく分子中に
遊離しやすいイオウを有するイオウ化合物を1種
または2種以上添加してめつきすればよい。 また上層のめつき付着量はFeめつき中にBま
たはSを含有する場合でもともに0.5〜10g/m2
にするのが好ましい。これは0.5g/m2未満であ
ると下層の純ZnめつきまたはZn系合金めつきを
完全に被覆することができず、下層の露出に起因
したクレータの発生がみられ、10g/m2を越える
とクレータの抑制効果が飽和してしまつて、10
g/m2より多くする必要がないからである。 本発明のめつき鋼板は下層が純Znめつきまた
はZn系合金めつきである被覆めつき鋼板の電着
塗装性を改善するものであるが、下層が純Znめ
つきの場合、そのめつきが電気めつき法、蒸着め
つき法または溶融めつき法などにより行つたもの
であつても改善可能である。また下層がZn系合
金めつきの場合、合金めつきがZnとNi、Fe、
Cr、Mn、MoおよびTiなどの元素の1種または
2種以上との合金めつきであつても改善可能であ
り、さらに合金化を電気めつき法、蒸着めつき法
または溶融めつき法などにより直接行つたもので
あつても、あるいはめつき後熱拡散させて行つた
ものでも改善可能である。 次に実施例により本発明を説明する。 (実施例) 板厚0.8mm冷延鋼板に通常の脱脂および酸洗処
理を施して、表面を清浄にした後、第1表に示す
条件でまず純Zn、またはZn―Fe合金あるいはZn
―Ni合金の下層めつきを施し、次にその上にFe
―BまたはFe―Sの上層めつきを施した。 その後このようにしてめつきしためつき鋼板と
従来の上層Feめつきの複層めつき鋼板とより試
料を各めつき条件当り10枚採取して、それらを市
販のリン酸塩処理液(Bt3030、日本パーカー製)
で処理した後、カチオン電着塗装を施し、焼付乾
燥後塗膜に発生したクレータ数を調査した。なお
電着塗装の際は塗料としてはエレクロン#9000
(関西ペイント製)を使用して、ドカン法により
300Vで塗膜厚み25μmに電着し、焼付乾燥は180
℃で20分間行つた。第2表に上層にFe―Bを施
した場合の塗膜クレータ発生数を、また第3表に
Fe―Sを施した場合の塗膜クレータ発生数を示
す。 第2表、第3表より明らかなように上層にFe
―BまたはFe―Sのめつきを施した本発明のめ
つき鋼板は、下層が純ZnめつきまたはZn系合金
めつきであつても、従来の上層にFeめつきを施
した電着塗装性のよい複層めつき鋼板よりクレー
タの発生数とその変動が少ない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
(効果)
以上のごとく本発明のめつき鋼板は従来のもの
よりカチオン電着塗装性に優れているので、自動
車車体の部材などのごとく加工後電着塗装を施す
用途に使用しても優れた塗装外観が得られる。
よりカチオン電着塗装性に優れているので、自動
車車体の部材などのごとく加工後電着塗装を施す
用途に使用しても優れた塗装外観が得られる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下層に純ZnめつきまたはZn系合金めつきを
施し、上層にB(ホウ素)またはS(イオウ)を含
有するFeめつきを施したことを特徴とする電着
塗装性に優れためつき鋼板。 2 上層にBを0.001〜3wt%含有するFeめつき
を施したことを特徴とする特許請求の範囲第1項
に記載の電着塗装性に優れためつき鋼板。 3 上層にSを0.001〜0.4wt%含有するFeめつき
を施したことを特徴とする特許請求の範囲第1項
に記載の電着塗装性に優れためつき鋼板。 4 上層のめつき付着量を片面当り0.5〜10g/
m2にしたことを特徴とする特許請求の範囲第1
項、第2項または第3項のいずれかに記載の電着
塗装性に優れためつき鋼板。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1449986 | 1986-01-25 | ||
JP61-14499 | 1986-01-25 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62253796A JPS62253796A (ja) | 1987-11-05 |
JPH025835B2 true JPH025835B2 (ja) | 1990-02-06 |
Family
ID=11862748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12312286A Granted JPS62253796A (ja) | 1986-01-25 | 1986-05-28 | 電着塗装性に優れためつき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62253796A (ja) |
-
1986
- 1986-05-28 JP JP12312286A patent/JPS62253796A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62253796A (ja) | 1987-11-05 |
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