JPH025652B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば高速オフセツト印刷機などの印
刷機に自動的に供給される枚葉紙を側方で見当合
せするための装置であつて、枚葉紙が、定位置の
サイドゲージケーシングに振動可能に配置された
綿ローラー又はセグメントによつて、やはりサイ
ドゲージケーシング内で往復運動する、引張りシ
ユーとして働くスライドプレート上に押しつけら
れ、更に該スライドプレートによつてサイドゲー
ジのストツパに向つて引張られるようになつてい
る形式のものに関する。

枚葉紙印刷機のサイドゲージの有する課題は周
知の通り、給紙装置から走入してくる枚葉紙を側
方で正確に見当合せすることである。見当合せの
誤差は印刷された部の間にインキの差異を生ぜし
め得るのでこの見当合せは極めて正確に行なわれ
なければならない。それ故に最適の見当合せを得
るためには枚葉紙が精確にストツパへ引張られ得
なければならず、この際ストツパの所での枚葉紙
の押しつぶしも回避されている必要がある。その
結果引張り力は、枚葉紙の大きさ、厚さ、重さに
よつて、また表面紙質に応じた摩擦によつて変え
て調節可能である必要がある。

ドイツ連邦共和国特許第1015009号明細書に基
づいて既に公知の、印刷機に自動的に供給される
枚葉紙を側方で見当合せするための装置ではその
作業は完全に機械的であり、この場合綿ローラー
が枚葉紙を、該枚葉紙の搬送方向に対して直角に
往復運動するスライダの上に押し付けるようにな
つている。この引張り小薄板とも呼ばれるスライ
ダは例えば種々異なる紙表面（つまり粗い、細か
い、なめらかなど）によつて要求される摩擦に応
じて形成することができる。更に必要とあればこ
の公知の装置では、ばねの予荷重を変えることに
よつて又はばねを交換することによつてスライド
プレートへの綿ローラーの押付け圧力を変えるこ
とが可能である。例えば高速運転の印刷機では見
当合せ工程のために極めて僅かな時間しか使えな
いので枚葉紙の側方運動には高い加速度が要求さ
れる。厚い印刷された枚葉紙の場合は前記の調節
は比較的問題にならないが、薄い紙の場合は、引
張り式ゲージの力調節とその摩擦を配分して、一
方では枚葉紙が予め与えられた加速度を受けるよ
うにし他方ではストツパに達した後すぐに横すべ
り運動を移行して枚葉紙の押しつぶしを回避せし
めるようにするのは困難である。この困難さは特
に、見当合せされるべき枚葉紙が静止状態から加
速されていかねばならず。そのために可及的に高
い最初の加速度が必要とされることに起因する。
これらの関連によつて、特に時間単位ごとの枚葉
紙処理数が極端に多い場合には公知の引張り式ゲ
ージでは十分に正確かつ確実に作業し得ない事態
が生じる。

それ故に本発明の課題は冒頭に述べた形式の、
自動的に供給される枚葉紙を側方で見当合せする
ための装置を改良して、任意の力調節が可能であ
りかつ見当合せされるべき枚葉紙の最初の加速度
を高くすることが可能であり、またこの場合機械
的な部材の交換が必要とはされないようなものを
提供することである。

この課題は本発明によれば、スライドプレート
が複数の吸込み開口を有しており、該吸込み開口
を介して吸込み空気が供給されるようになつてお
り、綿ローラーの降下時に、見当合せすべき枚葉
紙へ向けて吸込み空気が接続され、枚葉紙の側方
向の加速が生じた後にしかも枚葉紙がストツパに
達する前に、吸込み空気が遮断されるか又は綿ロ
ーラーが持上げられるように、前記吸込み空気の
供給時点がスライドプレートの引張り運動及び綿
ローラーの振り運動と同期されておりかつ吸込み
空気供給の継続時間が調節されていることによつ
て解決された。本発明の有利な実施態様は特許請
求の範囲第２項乃至第６項に記載した通りであ
る。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第1278449号明
細書に基づいて、枚葉紙を側方で見当合せするた
め空気力式作動の装置が公知であり、この装置で
は枚葉紙搬送方向に対して直角に移動可能な吸込
みスライダによつて、当該の見当合せされるべき
枚葉紙がストツパに向つて引張られるようになつ
ている。しかしこの形式の公知装置においては全
見当合せ工程に亘つて連続的に吸込み空気が作用
せしめられており、つまり完全に機械的に作業す
る装置の場合と同様に、加速工程が付加的に補助
されることは不可能である。その上、特に薄い紙
の場合は見当合せされるべき枚葉紙が吸込みノズ
ルを完全に覆わず、またつるつるした表面の厚い
紙の場合は見当合せ行程のために必要な時間が長
過ぎてしまう。

上記の公知構造に対して本発明による装置で
は、綿ローラーを用いることによつて、見当合せ
されるべき枚葉紙がその都度スライドプレート内
の吸込み開口の上に押し付けられそれによつて該
吸込み開口が正確におおい閉じられ得る。本発明
による装置の重要な利点は、加速工程を補助すべ
き真空を時間的に異ならせて作用せしめ得る点で
あり、それによつて枚葉紙の静止状態で比較的大
きくなつていた付着摩擦又は付着モーメントが迅
速に克服せしめられ、また吸込み空気を適時に遮
断することによつてストツパの所での枚葉紙の押
しつぶしが回避され得る。同じく綿ローラーをス
トツパへの倒達の前に持ち上げることも可能であ
る。更に、引張り工程の最初の段階において真空
による補助作用が行なわれることによつて機械的
な調節力が減少可能であり、その結果付加的なが
らストツパの所での枚葉紙の押しつぶしの危険が
押えられるか又は減少せしめられる。本発明の装
置においては引張り工程の終了が極めて僅かな引
張り力で行なわれ得るので、綿ローラーの圧着力
とスライドプレートの表面の粗さ加減を互いに精
密に調和せしめる必要はない。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

図面の符号１は、給紙テーブル（図示せず）の
右側に配設された引張り式サイドゲージを示して
いる。見当合せされるべき枚葉紙は図面上の平面
２３に対してほぼ垂直にフロントゲージ（図示せ
ず）の方へ搬送される。この際、枚葉紙の右側縁
が、シエル２に係合している綿ローラー３の下に
達する。綿ローラー３は回転可能な綿ローラーレ
バー４に支承され、該綿ローラーレバー４は軸５
を中心に旋回可能である。

綿ローラー３によつて枚葉紙に作用せしめられ
る押圧は押しばね６によつて予め調節可能であ
る。スライドプレート８の上にはシエル２が示さ
れており、該シエル２のスライドプレート８から
の間隔は、その都度処理されるべき枚葉紙の厚さ
に適合せしめるために調節ねじ７によつて調節可
能である。綿ローラー３の接触圧はねじスリーブ
１９の回転によつて変化され得、この調節を固定
し保つには、該ねじスリーブ１９の上に回転可能
に配置されたナツト２０が止め固定される。また
該ねじスリーブ１９内には押しばね６の上に配設
されたばね棒１８が案内されている。

枚葉紙搬送装置と同期されたスピンドル２５の
上にはカム１５が固定的に装着されており、それ
によつて該カム１５はスピンドル２５と共に回転
する。スピンドル２５が回転されるとカム１５の
カム軌道に沿つてローラー１４が走行し、更に案
内レバー１６を介して綿ローラーレバー４に、前
記カム形状に対応して行なわれる軸５を中心とし
た旋回運動が生ぜしめられる。こうして綿ローラ
ーレバー４内で頭付ピン２１に支承された綿ロー
ラー３が同じリズムで、シエル２とスライドプレ
ート８との間に位置する枚葉紙に圧着される。

スピンドル２５は更に別のカム２２を支持して
おり、該カム２２は案内ブシユ１７を介してカム
１５と結合されかつねじ２７によつて、複数のス
リツトを有する案内ブシユ１７に結合されてい
る。カム２２のカム行程と該カム行程の長さとに
よつて引張り運転のための制御範囲が定義され、
該制御範囲はカム２２の回動によつて変位せしめ
られる。スライダ２９と結合されたローラー１１
がカム２２内で走行しており、その結果案内ロー
ラー１２及び１４上に案内されたスライダ２９
の、枚葉紙走行に対して直角に行なわれる左右移
動が前記カム２２の回転によつてひき起こされ
る。スライダ２９上には少なくとも１つの固定ね
じ９によつてスライドプレート８が位置固定され
ている。

枚葉紙搬送と同期された１つの共通のスピンド
ル２５に回転可能なカム１５及び２２が配置され
ている結果、カム範囲の形状成形によつて、綿ロ
ーラー３がスライドプレート８の上に当て付けら
れる時点をスライドプレート８の引張り運動に合
わせて調整することが可能であり、それによつて
右側の縁がスライドプレート８と綿ローラー３と
の間に位置している枚葉紙が右側のストツパ２８
に向つて引張られ得る。

案内ブシユ１７上を回動せしめて行なわれるカ
ム２２の調節は調節マーク２６の利用によつて一
層容易となり、この際調節工程のためには、カム
２２を案内ブシユ１７と結合せしめているねじ２
７が弛められなければならない。

スライドプレート８は複数の吸込み開口３０を
し、該吸込み開口は真空室３１を介して吸込み空
気で負荷されている。真空室３１からは接続部３
２と可撓性の導管３３とを介して空気が吸取られ
ている。可撓性の導管３３は制御弁３４と接続し
ており、導管３５を介して案内される真空が前記
制御弁３４によつて時間的に制御されている。真
空の強度は減圧装置３６によつて調節される。真
空は吸込み導管３７を介して図示されていない真
空源によつて生ぜしめられる。

スピンドル２５又は別の１回転軸上には少なく
とも１つの制御円板３８が配置されている。固定
ねじ３９及び４０を弛めることによつて制御円板
３８が所望の周方向位置にもたらされ、続いて位
置固定される。制御円板３８は周方向で延びる切
欠きを制御縁部４１と４２との間に有している。
この切欠きが延びている範囲に亘つて吸込み空気
は有効に作用せしめられる。

制御円板３８の上には検知部材として電気的な
検出スイツチ４３が略示されており、該検出スイ
ツチ４３は給紙テーブルの適当な位置に固定され
得る。検出スイツチ４３はその脚部４４及び４５
で制御円板３８の周囲に係合しており、最初の制
御縁部（例えば４１）が現われてから第２の制御
縁部（例えば４２）が現われるまで電気的な信号
を発信し、この信号によつてスライドプレート８
内の吸込み開口３０への吸込み空気供給が制御弁
３４内で解放される。残りの時間の間、つまり約
330度の残余角度に亘る回転運動の間は制御弁３
４が吸込み開口３０への吸込み空気供給を遮断し
ている。この遮断作用は公知方法で、供給路の中
断によつて、または周囲の外気への接続路を設け
ておいてこの接続によつて真空状態がこわされる
ようにすることによつて作用せしめられ得る。

制御弁３４を介しての吸込み開口３０までの真
空供給は、綿ローラー３と協働するスライドプレ
ート８の引張り運動開始と時間的に合致せしめら
れており、それによつてストツパ２８に向つて引
張られるべき枚葉紙が極めて素早く加速せしめら
れ、この際綿ローラー３によつて当該の枚葉紙が
その都度吸込み開口３０に対して圧着され、それ
によつて該吸込み開口３０は完全におおわれて空
気漏れが生じないようになる。この加速段階にお
いて、印刷された枚葉紙に作用する吸込み空気力
が綿ローラー３及びスライドプレート８の引張り
運動を補助し、その結果引張り行程の最初には静
止している枚葉紙に比較的大きな付着力が生じて
いた場合でもその枚葉紙を素早く加速せしめるこ
とが可能である。

全引張り工程のための時間の約４分の１を必要
とする前の加速段階の後に、切欠き４１，４２が
走過し終ると真空供給が再び遮断されて、綿ロー
ラー３とスライドプレート８とによつて、見当合
せされるべき枚葉紙が減少せしめられた引張り力
でストツパ２８に向つて引張られる。この結果ス
トツパ２８の所で枚葉紙に押しつぶしやはね返り
が生じる危険は著しく減少せしめられるか又は除
去される。加速段階中に吸込み空気による補助が
なされていることによつて、前もつて調節される
スライドプレート８に対する綿ローラー３の押圧
を減少せしめることが可能となり、その結果引張
り工程の最後の段階は横すべり運動に移行され得
る。このことは更に、枚葉紙がストツパ２８に達
した後に波状にうねつてしまうことをも防ぐ働き
をする。

従つて制御円板３８を用いることによつて、吸
込み空気が所定の時点にかつ所定の長さで引張り
工程中の引張り運動を補助することができる。吸
込み空気が見当合せされるべき枚葉紙の上に作用
する強さは減圧装置３６によつて調節される。

引張り工程中の吸込み開口の作用の持続時間に
任意の適合又は変更が要求されている場合は、電
気的な部材を用いての切欠きの検出の際、即ち最
初の制御縁部が現われた際に、調節可能なタイマ
ーによつて制御弁３４を制御することが可能であ
る。しかしこれと同じ効果は、もう１つの制御円
板４６を用いてそれを図面では制御円板３８の隣
りにスピンドル２５の上に配置することによつて
も得られる。制御円板３８と一点鎖線で示された
制御円板４６との間の相対的回転運動によつて、
周方向に延びる切欠きの作用程度が可変ならしめ
られる。この結果吸込み開口３０への吸込み空気
供給の開始を、綿ローラー３とスライドプレート
８の引張り運動及び該引張り運動の時間的長さと
強さとに任意に適合せしめることが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を部分的に破断して示
す図である。 １……引張り式サイドゲージ、２……シエル、
３……綿ローラー、４……綿ローラーレバー、５
……軸、６……押しばね、７……調節ねじ、８…
…スライドプレート、９，３９，４０……固定ね
じ、１１，１４……ローラー、１２……案内ロー
ラー、１５，２２……カム、１６……案内レバ
ー、１７……案内ブシユ、１８……ばね棒、１９
……ねじスリーブ、２０……ナツト、２１……頭
付ピン、２３……平面、２４……案内ローラー、
２５……スピンドル、２６……調節マーク、２７
……ねじ、２８……ストツパ、２９……スライ
ダ、３０……吸込み開口、３１……真空室、３２
……接続部、３３，３５……導管、３４……制御
弁、３６……減圧装置、３７……吸込み導管、３
８，４６……制御円板、４１，４２……制御縁部
（切欠き）、４３……検出スイツチ、４４，４５…
…脚部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印刷機に自動的に供給される枚葉紙を側方で
   見当合せするための装置であつて、枚葉紙が、定
   位置のサイドゲージケーシングに振動可能に配置
   された綿ローラー又はセグメントによつて、やは
   りサイドゲージケーシング内で往復運動する、引
   張りシユーとして働くスライドプレート上に押し
   つけられ、更に該スライドプレートによつてサイ
   ドゲージのストツパに向つて引張られるようにな
   つている形式のものにおいて、スライドプレート
   ８が複数の吸込み開口３０を有しており、該吸込
   み開口３０を介して吸込み空気が供給されるよう
   になつており、綿ローラー３の降下時に、見当合
   せすべき枚葉紙へ向けて吸込み空気が接続され、
   枚葉紙の側方向の加速が生じた後にしかも枚葉紙
   がストツパ２８に達する前に、吸込み空気が遮断
   されるか又は綿ローラー３が持上げられるよう
   に、前記吸込み空気の供給時点がスライドプレー
   ト８の引張り運動及び綿ローラー３の振り運動と
   同期されておりかつ吸込み空気供給の継続時間が
   調節されていることを特徴とする印刷機に自動的
   に供給される枚葉紙を側方で見当合せするための
   装置。 ２ 吸込み空気が、枚葉紙搬送と同期されたスピ
   ンドル２５に配置された制御円板３８によつて制
   御されている特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 制御円板３８が、周方向に延びていて電気的
   又は電子的な部材４３によつて検出される少なく
   とも１つの切欠き４１，４２を備えており、か
   つ、吸込み空気が、前記部材４３によつて制御さ
   れた弁３４によつて接続及び遮断される特許請求
   の範囲第２項記載の装置。 ４ スピンドル２５には制御円板３８の他にさら
   に、周方向に延びる切欠きを備えた少なくとも１
   つの別の制御円板４６が配置されており、この制
   御円板４６の回転によつて、電子的な部材４３に
   よつて検出される切欠きが変化可能である特許請
   求の範囲第１項から第３項までのいずれか１項記
   載の装置。 ５ 各切欠きがほぼ角90度の範囲にわたつて延び
   ている特許請求の範囲第３項又は第４項記載の装
   置。 ６ 各切欠き４１，４２の周方向の寸法が吸込み
   作用の所要の継続時間に相当している特許請求の
   範囲第３項記載の装置。