JPH0254479B2 - - Google Patents
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- JPH0254479B2 JPH0254479B2 JP58020642A JP2064283A JPH0254479B2 JP H0254479 B2 JPH0254479 B2 JP H0254479B2 JP 58020642 A JP58020642 A JP 58020642A JP 2064283 A JP2064283 A JP 2064283A JP H0254479 B2 JPH0254479 B2 JP H0254479B2
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Landscapes
- Thermal Insulation (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は断熱板、特に真空断熱構造体に関する
ものである。 従来例の構成とその問題点 従来、断熱材としてガラス繊維、石綿、珪酸カ
ルシウムなどの無機材料や、発泡ポリウレタン、
発泡ポリスチレンなどの有機材料が知られてい
る。このような無機材料は耐熱性や機械的強度は
良好であるが、熱伝導率は0.03〜0.05kcal/mh℃
で、断熱効果は余り良くない。低温用保温断熱材
としては硬質発泡ポリウレタンが一般に使用さ
れ、0.015kcal/mh℃の熱伝導率が達成されてい
るが、これ以上の断熱性能を向上することは容易
でない状況にある。また、液化窒素タンクや冷凍
庫などの極低温用保冷材として、二重壁構成の容
器の間隙に発泡パーライト等を充填し、
0.001Torr以下の高真空に排気した粉末真空断熱
法が知られているが、高真空に耐えるようにする
ために、真空容器材質として鉄などの金属製の機
械的強度の強い材質を使用して1mm以上の厚肉に
する必要がある。その結果、熱伝導性の良い金属
部を通じて熱が流れるために見かけの断熱性能が
悪くなる欠点がある。 この欠点を除去する対策として、真空容器とし
てアルミニウム箔とポリエチレンテレフタレート
フイルムとのラミネートフイルムを使用すること
が提案され、ガス透過を完全に遮断するためには
30μm以上の厚さのアルミニウム箔の使用が必要
であるとされているが、アルミニウムの熱伝導率
は約200kcal/mh℃で、この値は硬質発泡ポリウ
レタンの約1万倍にも達するために30μmの厚み
であつてもアルミニウム箔を通じて流れる熱の割
合が多くなり、断熱性能が悪くなる欠点がある。
特に硬質発泡ポリウレタンの熱伝導率
0.015kcal/mh℃よりも断熱性能を向上して、
0.075kcal/mh℃よりも小さい熱伝導率の断熱板
を得るためには、このアルミニウム箔の厚さが熱
伝導率に大きく悪影響を与える欠点があつた。 また、厚さが30μm以上のアルミニウム箔を使
用したラミネートフイルムを真空密封した場合
に、内容物の形状に密着してラミネートフイルム
が折れ曲がるが、このとき、折れ曲がつた部分に
ピンホールまたは小さな亀裂が生じて、真空漏れ
が起こる結果、断熱性能の経時劣化および高温高
湿度雰囲気中で大きく断熱性能が劣化するという
欠点もある。さらに、ラミネートフイルムの熱融
着を行なう場合、アルミニウム箔の厚さが厚くな
るにしたがつて、熱融着部の熱の伝わりが遅くな
るために熱融着温度を高くするか、または熱融着
時間を長くする必要があるが、このときにラミネ
ートの内層および表面層のプラスチツクフイルム
が高熱によつて劣化し、熱融着部を通じて真空漏
れが起こり、断熱性能が劣化するという欠点があ
つた。 発明の目的 本発明は真空に保たれた容器の中に高性能断熱
材が充填された真空断熱構造体において、真空容
器の熱伝達成分を少なくして断熱性能の悪化を抑
制すると共に、断熱性能の室温中および高温高湿
度雰囲気中の経時劣化が少ない断熱構造体を提供
することを目的とする。 発明の構成 本発明は、真空に保たれた容器の中に、高性能
断熱材が充填された真空断熱構造体において、容
器が少なくとも内層フイルムと表面保護層フイル
ムと厚さが20μm以下のアルミニウム箔層とより
構成されてなるラミネートフイルムであることを
特徴とする断熱構造体である。本構成により、ラ
ミネートフイルム中のアルミニウム箔の厚さが薄
いために、ラミネートフイルム容器を伝わる熱伝
導が小さく、真空充填断熱構造体の見かけの熱伝
導率の悪化度合が少なくなる利点がある。また、
ラミネートフイルム容器の熱融着時の加熱温度が
低く、加熱時間が短かくなるために、内層および
外層のプラスチツクフイルム部を劣化させること
がなくなり、断熱性能の劣化が少なくなる。さら
に、断熱材が真空に密封されたときに生じるラミ
ネートフイルムの折れ曲げに対して、アルミニウ
ム箔にピンホールや亀裂が生じることなく長期間
真空を保持し、断熱性能の経時劣化が少なくなる
などの効果を有する。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。第1図は本発明の断熱構造体の基本構成
の断面図である。1はラミネートフイルム容器で
あり、内層と20μm以下の厚さのアルミニウム箔
と外層とよりなる。2は断熱材であり、ラミネー
トフイルム容器1の内部に充填され、その空隙は
真空に保持されている。3はラミネートフイルム
の熱融着部である。 断熱材2は材質に特に制限はないが、シリカ、
パーライト、珪藻土などの粉末、ガラス繊維、セ
ラミツク繊維、ポリエステル繊維、木綿などの繊
維集合体、発泡プラスチツク成形体、発泡パーラ
イト、シリカマイクロバルーンなどの中空球殻状
粉末などの断熱性の優れた断熱材が使用可能で、
その断熱材の種類によつて断熱構造体の熱伝導率
は異なつてくる。 第2図はラミネートフイルムの基本構成の拡大
断面図である。4は内層の熱融着層で、材質に特
に制限はないが、ポリエチレンやポリプロピレン
などの熱融着しやすい10〜200μm層のフイルム
層である。5はアルミニウム箔で、本発明の特徴
である20μm以下の厚さのものが使用可能であ
る。アルミニウム箔の厚さが5μmよりも薄い場
合には原因は明らかでないが、気体透過が多いた
めに真空漏れが生じて、断熱特性の劣化が起こる
傾向にあり、また6μmでも劣化が生じ易い。そ
のため7μm以上が好ましい。従つてアルミニウ
ム箔5は7〜20μm厚が望ましい。20μmより厚
い場合には熱融着時にプラスチツクフイルムの熱
劣化が生じて真空漏れが起こり、また、ラミネー
トフイルムが折れ曲がつたときにアルミニウム箔
に亀裂が発生して真空漏れが起こるために、いず
れも断熱性能が劣化する。さらに、アルミニウム
箔を通じて流れる熱量が多くなるために断熱性能
が小さくなるなどの欠点がある。6は表面保護層
で、材質に特に制限はないが、ポリエチレンテレ
フタレートやポリアミドなどのフイルムが使用で
きる。これらの各層は接着剤で接着積層されてラ
ミネートフイルムを構成する。 つぎに、具体的な実施例によつてさらに詳しく
説明する。なお本実施例において、熱伝導率の測
定はダイナテツク社のK−マチツク熱伝導率測定
装置を用いて、ASTM−C518に準拠した方法で、
13℃と35℃との温度差における熱伝導率を測定し
た。 実施例 1 シリカ微粉末(平均単粒子径0.05μm)をクラ
フト紙袋に充填し、それを熱融着層が高密度ポリ
エチレン(厚さ90μm)、中間層がアルミニウム
箔(厚さ5μm、7μm、9μm、12μm、20μmまた
は30μm)、表面保護層がポリエチレンテレフタ
レート(厚さ25μm)よりなるアルミニウム箔厚
の異なるそれぞれのラミネートフイルム容器に充
填し、これを熱融着密封装置を具備した真空用容
器内に置いて、0.5Torrの真空度に排気した状態
で、フイルム容器の開放部を加熱融着密封を行な
つた後、真空用容器内に外気を導入して大気圧に
戻し、厚さ2cm、横幅30cm、縦幅30cmの内部が真
空に排気された真空充填断熱板を得た。 得られたそれぞれの真空充填断熱板について、
初期の熱伝導率、室温下で60日間放置後の熱伝導
率、50℃90%RH雰囲気中で30日間放置後の熱伝
導率および折れ曲げ部分の亀裂発生の有無を顕微
鏡で観察した結果を第1表に示した。 5μm厚のアルミニウム箔を含有するラミネー
トフイルムを使用して得た真空充填断熱板(試料
No.1)の場合、初期の熱伝導率は0.0042kcal/
mh℃で優れた断熱特性を示すが、アルミニウム
箔にピンホールがあるため経時劣化が生じ、50℃
90%RH雰囲気中30日間放置した後の熱伝導率は
0.0080kcal/mh℃となり、断熱性能は約1/2に劣
化した。アルミニウム箔の厚さが7μm、12μmお
よび20μmをそれぞれ含有するラミネートフイル
ムを使用して得た真空充填断熱板(試料No.2、
3、4)の場合、アルミニウム箔の厚さが厚くな
るにしたがつて、初期の熱伝導率は0.0044kcal/
mh℃から0.0054kcal/mh℃であり、アルミニウ
ム箔の断熱性能を悪化させる度合は小さい。ま
た、これらの室温60日後および50℃90%RH雰囲
気中30日後の熱伝導率には大きな劣化が認められ
ず、長期間初期の断熱性能を維持することがわか
る。これに対し、30μm厚のアルミニウム箔を含
有するラミネートフイルムを使用した真空充填断
熱板(試例No.5)の場合、初期の熱伝導率は
0.0081kcal/mh℃で悪く。また室温60日後およ
び50℃90%RH雰囲気30日後の熱伝導率はそれぞ
れ0.0128kcal/mh℃および0.0180kcal/mh℃と
大きく劣化した。これは、真空充填断熱板の折れ
曲げ部分に亀裂が発生し、その亀裂を通じて真空
漏れが起こつた為であると思われる。また50μm
厚のアルミニウム箔を含有するラミネートフイル
ムの場合(試料No.6)、熱融着を完全に行なうこ
とができなかつた。 このように、ラミネートフイルム容器を構成す
るアルミニウム箔の厚さが20μm以下の場合に
は、断熱性能の悪化度合が少ないと共に、断熱性
能の経時劣化が少ない。またアルミニウム箔の厚
さが20μmより厚くなると、初期の断熱性能の悪
化度合が大きく、さらに、経時劣化も大きくな
る。
ものである。 従来例の構成とその問題点 従来、断熱材としてガラス繊維、石綿、珪酸カ
ルシウムなどの無機材料や、発泡ポリウレタン、
発泡ポリスチレンなどの有機材料が知られてい
る。このような無機材料は耐熱性や機械的強度は
良好であるが、熱伝導率は0.03〜0.05kcal/mh℃
で、断熱効果は余り良くない。低温用保温断熱材
としては硬質発泡ポリウレタンが一般に使用さ
れ、0.015kcal/mh℃の熱伝導率が達成されてい
るが、これ以上の断熱性能を向上することは容易
でない状況にある。また、液化窒素タンクや冷凍
庫などの極低温用保冷材として、二重壁構成の容
器の間隙に発泡パーライト等を充填し、
0.001Torr以下の高真空に排気した粉末真空断熱
法が知られているが、高真空に耐えるようにする
ために、真空容器材質として鉄などの金属製の機
械的強度の強い材質を使用して1mm以上の厚肉に
する必要がある。その結果、熱伝導性の良い金属
部を通じて熱が流れるために見かけの断熱性能が
悪くなる欠点がある。 この欠点を除去する対策として、真空容器とし
てアルミニウム箔とポリエチレンテレフタレート
フイルムとのラミネートフイルムを使用すること
が提案され、ガス透過を完全に遮断するためには
30μm以上の厚さのアルミニウム箔の使用が必要
であるとされているが、アルミニウムの熱伝導率
は約200kcal/mh℃で、この値は硬質発泡ポリウ
レタンの約1万倍にも達するために30μmの厚み
であつてもアルミニウム箔を通じて流れる熱の割
合が多くなり、断熱性能が悪くなる欠点がある。
特に硬質発泡ポリウレタンの熱伝導率
0.015kcal/mh℃よりも断熱性能を向上して、
0.075kcal/mh℃よりも小さい熱伝導率の断熱板
を得るためには、このアルミニウム箔の厚さが熱
伝導率に大きく悪影響を与える欠点があつた。 また、厚さが30μm以上のアルミニウム箔を使
用したラミネートフイルムを真空密封した場合
に、内容物の形状に密着してラミネートフイルム
が折れ曲がるが、このとき、折れ曲がつた部分に
ピンホールまたは小さな亀裂が生じて、真空漏れ
が起こる結果、断熱性能の経時劣化および高温高
湿度雰囲気中で大きく断熱性能が劣化するという
欠点もある。さらに、ラミネートフイルムの熱融
着を行なう場合、アルミニウム箔の厚さが厚くな
るにしたがつて、熱融着部の熱の伝わりが遅くな
るために熱融着温度を高くするか、または熱融着
時間を長くする必要があるが、このときにラミネ
ートの内層および表面層のプラスチツクフイルム
が高熱によつて劣化し、熱融着部を通じて真空漏
れが起こり、断熱性能が劣化するという欠点があ
つた。 発明の目的 本発明は真空に保たれた容器の中に高性能断熱
材が充填された真空断熱構造体において、真空容
器の熱伝達成分を少なくして断熱性能の悪化を抑
制すると共に、断熱性能の室温中および高温高湿
度雰囲気中の経時劣化が少ない断熱構造体を提供
することを目的とする。 発明の構成 本発明は、真空に保たれた容器の中に、高性能
断熱材が充填された真空断熱構造体において、容
器が少なくとも内層フイルムと表面保護層フイル
ムと厚さが20μm以下のアルミニウム箔層とより
構成されてなるラミネートフイルムであることを
特徴とする断熱構造体である。本構成により、ラ
ミネートフイルム中のアルミニウム箔の厚さが薄
いために、ラミネートフイルム容器を伝わる熱伝
導が小さく、真空充填断熱構造体の見かけの熱伝
導率の悪化度合が少なくなる利点がある。また、
ラミネートフイルム容器の熱融着時の加熱温度が
低く、加熱時間が短かくなるために、内層および
外層のプラスチツクフイルム部を劣化させること
がなくなり、断熱性能の劣化が少なくなる。さら
に、断熱材が真空に密封されたときに生じるラミ
ネートフイルムの折れ曲げに対して、アルミニウ
ム箔にピンホールや亀裂が生じることなく長期間
真空を保持し、断熱性能の経時劣化が少なくなる
などの効果を有する。 実施例の説明 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。第1図は本発明の断熱構造体の基本構成
の断面図である。1はラミネートフイルム容器で
あり、内層と20μm以下の厚さのアルミニウム箔
と外層とよりなる。2は断熱材であり、ラミネー
トフイルム容器1の内部に充填され、その空隙は
真空に保持されている。3はラミネートフイルム
の熱融着部である。 断熱材2は材質に特に制限はないが、シリカ、
パーライト、珪藻土などの粉末、ガラス繊維、セ
ラミツク繊維、ポリエステル繊維、木綿などの繊
維集合体、発泡プラスチツク成形体、発泡パーラ
イト、シリカマイクロバルーンなどの中空球殻状
粉末などの断熱性の優れた断熱材が使用可能で、
その断熱材の種類によつて断熱構造体の熱伝導率
は異なつてくる。 第2図はラミネートフイルムの基本構成の拡大
断面図である。4は内層の熱融着層で、材質に特
に制限はないが、ポリエチレンやポリプロピレン
などの熱融着しやすい10〜200μm層のフイルム
層である。5はアルミニウム箔で、本発明の特徴
である20μm以下の厚さのものが使用可能であ
る。アルミニウム箔の厚さが5μmよりも薄い場
合には原因は明らかでないが、気体透過が多いた
めに真空漏れが生じて、断熱特性の劣化が起こる
傾向にあり、また6μmでも劣化が生じ易い。そ
のため7μm以上が好ましい。従つてアルミニウ
ム箔5は7〜20μm厚が望ましい。20μmより厚
い場合には熱融着時にプラスチツクフイルムの熱
劣化が生じて真空漏れが起こり、また、ラミネー
トフイルムが折れ曲がつたときにアルミニウム箔
に亀裂が発生して真空漏れが起こるために、いず
れも断熱性能が劣化する。さらに、アルミニウム
箔を通じて流れる熱量が多くなるために断熱性能
が小さくなるなどの欠点がある。6は表面保護層
で、材質に特に制限はないが、ポリエチレンテレ
フタレートやポリアミドなどのフイルムが使用で
きる。これらの各層は接着剤で接着積層されてラ
ミネートフイルムを構成する。 つぎに、具体的な実施例によつてさらに詳しく
説明する。なお本実施例において、熱伝導率の測
定はダイナテツク社のK−マチツク熱伝導率測定
装置を用いて、ASTM−C518に準拠した方法で、
13℃と35℃との温度差における熱伝導率を測定し
た。 実施例 1 シリカ微粉末(平均単粒子径0.05μm)をクラ
フト紙袋に充填し、それを熱融着層が高密度ポリ
エチレン(厚さ90μm)、中間層がアルミニウム
箔(厚さ5μm、7μm、9μm、12μm、20μmまた
は30μm)、表面保護層がポリエチレンテレフタ
レート(厚さ25μm)よりなるアルミニウム箔厚
の異なるそれぞれのラミネートフイルム容器に充
填し、これを熱融着密封装置を具備した真空用容
器内に置いて、0.5Torrの真空度に排気した状態
で、フイルム容器の開放部を加熱融着密封を行な
つた後、真空用容器内に外気を導入して大気圧に
戻し、厚さ2cm、横幅30cm、縦幅30cmの内部が真
空に排気された真空充填断熱板を得た。 得られたそれぞれの真空充填断熱板について、
初期の熱伝導率、室温下で60日間放置後の熱伝導
率、50℃90%RH雰囲気中で30日間放置後の熱伝
導率および折れ曲げ部分の亀裂発生の有無を顕微
鏡で観察した結果を第1表に示した。 5μm厚のアルミニウム箔を含有するラミネー
トフイルムを使用して得た真空充填断熱板(試料
No.1)の場合、初期の熱伝導率は0.0042kcal/
mh℃で優れた断熱特性を示すが、アルミニウム
箔にピンホールがあるため経時劣化が生じ、50℃
90%RH雰囲気中30日間放置した後の熱伝導率は
0.0080kcal/mh℃となり、断熱性能は約1/2に劣
化した。アルミニウム箔の厚さが7μm、12μmお
よび20μmをそれぞれ含有するラミネートフイル
ムを使用して得た真空充填断熱板(試料No.2、
3、4)の場合、アルミニウム箔の厚さが厚くな
るにしたがつて、初期の熱伝導率は0.0044kcal/
mh℃から0.0054kcal/mh℃であり、アルミニウ
ム箔の断熱性能を悪化させる度合は小さい。ま
た、これらの室温60日後および50℃90%RH雰囲
気中30日後の熱伝導率には大きな劣化が認められ
ず、長期間初期の断熱性能を維持することがわか
る。これに対し、30μm厚のアルミニウム箔を含
有するラミネートフイルムを使用した真空充填断
熱板(試例No.5)の場合、初期の熱伝導率は
0.0081kcal/mh℃で悪く。また室温60日後およ
び50℃90%RH雰囲気30日後の熱伝導率はそれぞ
れ0.0128kcal/mh℃および0.0180kcal/mh℃と
大きく劣化した。これは、真空充填断熱板の折れ
曲げ部分に亀裂が発生し、その亀裂を通じて真空
漏れが起こつた為であると思われる。また50μm
厚のアルミニウム箔を含有するラミネートフイル
ムの場合(試料No.6)、熱融着を完全に行なうこ
とができなかつた。 このように、ラミネートフイルム容器を構成す
るアルミニウム箔の厚さが20μm以下の場合に
は、断熱性能の悪化度合が少ないと共に、断熱性
能の経時劣化が少ない。またアルミニウム箔の厚
さが20μmより厚くなると、初期の断熱性能の悪
化度合が大きく、さらに、経時劣化も大きくな
る。
【表】
実施例 2
第2表に示すような種々の断熱材およびラミネ
ートフイルムを使用して、実施例1と同じ方法で
真空密封を行なつて、厚さ2cm、横幅30cm、縦幅
30cmのそれぞれの真空充填断熱板を得た。得られ
たそれぞれの真空充填断熱板について、初期の熱
伝導率、室温下で60日間放置後および50℃、90%
RH雰囲気中で30日間放置後の熱伝導率などを第
3表に示した。 第2表および第3表から明らかなように、7〜
20μm厚のアルミニウム箔を含有するラミネート
フイルムを使用して得た真空充填断熱板(試料No.
7、8、9)の場合、室温および高温高湿度雰囲
気中での熱伝導率の経時劣化度は0.0003〜
0.0004kcal/mh℃程度で非常に少ない。これに
対し、30μm厚のアルミニウム箔を使用した真空
充填断熱板(試料No.10)の場合、経時劣化度は
0.0032〜0.0096kcal/mh℃もあり、経時劣化もか
なり大きい。
ートフイルムを使用して、実施例1と同じ方法で
真空密封を行なつて、厚さ2cm、横幅30cm、縦幅
30cmのそれぞれの真空充填断熱板を得た。得られ
たそれぞれの真空充填断熱板について、初期の熱
伝導率、室温下で60日間放置後および50℃、90%
RH雰囲気中で30日間放置後の熱伝導率などを第
3表に示した。 第2表および第3表から明らかなように、7〜
20μm厚のアルミニウム箔を含有するラミネート
フイルムを使用して得た真空充填断熱板(試料No.
7、8、9)の場合、室温および高温高湿度雰囲
気中での熱伝導率の経時劣化度は0.0003〜
0.0004kcal/mh℃程度で非常に少ない。これに
対し、30μm厚のアルミニウム箔を使用した真空
充填断熱板(試料No.10)の場合、経時劣化度は
0.0032〜0.0096kcal/mh℃もあり、経時劣化もか
なり大きい。
【表】
【表】
発明の効果
以上のように、本発明は真空に保たれた容器の
中に、高性能断熱材が充填された真空充填断熱構
造体において、容器が少なくとも内層フイルムと
表面保護層フイルムと厚さが20μm以下のアルミ
ニウム箔層とより構成されてなるラミネートフイ
ルムであることを特徴とするものであり、容器を
伝わる熱伝導が小さいために真空充填断熱構造体
の見かけの断熱性能が悪くなる度合が少なくなる
と同時に、アルミニウム箔にピンホールや亀裂が
発生することがなく、長期間、真空を保持するこ
とができるために、断熱性能の経時劣化が非常に
少なくなるなどの効果を有する。
中に、高性能断熱材が充填された真空充填断熱構
造体において、容器が少なくとも内層フイルムと
表面保護層フイルムと厚さが20μm以下のアルミ
ニウム箔層とより構成されてなるラミネートフイ
ルムであることを特徴とするものであり、容器を
伝わる熱伝導が小さいために真空充填断熱構造体
の見かけの断熱性能が悪くなる度合が少なくなる
と同時に、アルミニウム箔にピンホールや亀裂が
発生することがなく、長期間、真空を保持するこ
とができるために、断熱性能の経時劣化が非常に
少なくなるなどの効果を有する。
第1図は本発明の断熱構造体の基本構成を示す
断面図、第2図は本発明の主要部であるラミネー
トフイルムの基本構成の拡大断面図である。 1……ラミネートフイルム容器、2……断熱
材、3……ラミネートフイルムの熱融着部、4…
…熱融着層、5……アルミニウム箔、6……表面
保護層。
断面図、第2図は本発明の主要部であるラミネー
トフイルムの基本構成の拡大断面図である。 1……ラミネートフイルム容器、2……断熱
材、3……ラミネートフイルムの熱融着部、4…
…熱融着層、5……アルミニウム箔、6……表面
保護層。
Claims (1)
- 1 真空に保たれた容器の中に、高性能断熱材が
充填された真空充填断熱構造体において、容器が
少なくとも内層フイルムと、表面保護層フイルム
と、厚さが7μm以上20μm以下のアルミニウム箔
層とより構成されてなるラミネートフイルムであ
ることを特徴とする断熱構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58020642A JPS59146993A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 断熱構造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58020642A JPS59146993A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 断熱構造体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59146993A JPS59146993A (ja) | 1984-08-23 |
JPH0254479B2 true JPH0254479B2 (ja) | 1990-11-21 |
Family
ID=12032873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58020642A Granted JPS59146993A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | 断熱構造体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59146993A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000104889A (ja) * | 1998-09-29 | 2000-04-11 | Mitsubishi Electric Corp | 真空断熱材の製造方法 |
JP2007093157A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Matsushita Environment Airconditioning Eng Co Ltd | 高温処理装置 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6196287A (ja) * | 1984-10-15 | 1986-05-14 | 松下冷機株式会社 | 断熱板 |
JPH0235119Y2 (ja) * | 1984-12-04 | 1990-09-21 | ||
JPS6197693U (ja) * | 1984-12-04 | 1986-06-23 | ||
US4668555A (en) * | 1984-12-27 | 1987-05-26 | Matsushita Refrigeration Co. | Heat insulating body |
JPS61241595A (ja) * | 1985-04-16 | 1986-10-27 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 真空断熱構造体 |
JPS62181795U (ja) * | 1986-05-10 | 1987-11-18 | ||
FR2643667B1 (fr) * | 1989-02-24 | 1991-06-21 | France Etat Ponts Chaussees | Bloc de maconnerie isolant et porteur et procede de fabrication du bloc |
JP5381306B2 (ja) * | 2009-05-08 | 2014-01-08 | パナソニック株式会社 | 袋体、および真空断熱材 |
KR101264912B1 (ko) * | 2012-10-17 | 2013-05-16 | 도영에이치에스 주식회사 | 고온 성형용 단열 필름, 이를 이용한 진공 단열재 및 진공 단열재의 제조 방법 |
CN111336346A (zh) * | 2018-12-19 | 2020-06-26 | 广州力及热管理科技有限公司 | 一种制作具有支撑结构的薄型真空隔热片的方法 |
-
1983
- 1983-02-10 JP JP58020642A patent/JPS59146993A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000104889A (ja) * | 1998-09-29 | 2000-04-11 | Mitsubishi Electric Corp | 真空断熱材の製造方法 |
JP2007093157A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Matsushita Environment Airconditioning Eng Co Ltd | 高温処理装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59146993A (ja) | 1984-08-23 |
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