JPH0251565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はコンバインの脱穀装置から放出された
排藁を結束処理したり、細断処理したりするコン
バインにおける排藁処理装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、脱穀装置の排藁放出部にカツターと結束
装置とを装着したコンバインは、通常カツターを
脱穀装置にオーバーハング状に取付け、その更に
後部に結束装置を装着していた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインの排藁処理装置を構成す
るカツター及び結束機はいずれも重量が大である
ため大型コンバインでも、機体がヘツドアツプ
し、それが圃場における作業時及び運搬時等の障
害になつた。

また、上記問題点を解決すべくカツターと結束
機とを上下に配設すると、必要な地上高を得難か
つた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、機台上に搭載した脱穀装置の排藁放
出部の下部に結束機を装着し、該結束機の両側に
カツターを配設し、前記排藁放出部を、上下に切
換えられる切換手段を介して、下方の経路で結束
機に、上方の経路でカツターに連通させ、前記カ
ツターに通ずる経路に排藁を２つ切りにする切断
手段を設け、該切断手段の両側から前記カツター
の内側部に向けて案内板を配設することにより前
述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 脱穀装置から放出される排藁を結束処理する場
合は、切換手段を切換えて下方の結束装置に連通
させると、排藁は結束機により結束処理されて藁
束として圃場に放出される。

また、排藁を細断処理する場合に切換手段を上
方へ切換えると、排藁は、上方の経路で切断手段
により２つ切りにされて落下する。

その際、排藁の左右の切断端は案内板に誘導さ
れて結束機の左右に配設されているカツターの内
側にそれぞれ滑落している細断される。

(ヘ) 実施例 本発明の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置を有する機台上に搭載した脱穀装置
であつて、その排稈口の後部の排塵選別室１ａ上
には排藁チエン２ａと挟持レール２ｂとからなる
排藁搬送体２を配設し、前記脱穀装置１の後部の
中央に結束機Ａを装着し、該結束機Ａの両側には
デスク型のカツターＢを２分して一体的に取付
け、前記結束機Ａの通路６とその上方にあつてカ
ツターＢに通ずる通路の始端には上下擺動する切
換板３を介装してある。

そして、前記結束機Ａの結束ケース５は案内板
４上の通路６上に臨み、該結束ケース５には前方
から順に第１パツカー軸７と、ドア軸８及び第２
パツカー軸９と、軸線を一致させた結節軸１０及
びニードル軸１１とが支承してあり、それらの軸
には、左右一対のパツカー１２，１２、ドア１
３，１３及び移送パツカー１４，１４を取付けて
あり、脱穀装置内１の軸により駆動される第１パ
ツカー軸７に固定したスプロケツト１５はチエン
１６を回転させ、該チエン１６は第２パツカー軸
９、中間軸１７及び結節軸１０に遊嵌したスプロ
ケツト１８，１９，２０に巻き掛けてあるので、
パツカー１２，１２は常時掻込作動し、前記第２
パツカー軸９の一回転クラツチ２１がドア１３，
１３の感知作動により入ると、移送パツカー１
４，１４は集束室ａに集束された排藁を結束室ｂ
に掻込み、結節軸１０の一回転クラツチ２２は、
中間軸１７に枢支した揺動アーム２３を介して前
記一回転クラツチ２１のクラツチ板の突起２４に
よりその回転終期に起動する。

前記結束軸１０はそれに付設されている上記一
回転クラツチ２２と共に回転し、傘歯車２７によ
りビル２５、ホルダー２６を駆動すると共に傘歯
車２７によりピンを介して回転する扇形カム２８
は、後部ドア軸２９に遊嵌されている後部ドア３
０の基部のロール３０ａに摺接していて後部ドア
３０を稈受姿勢と放出時の開放姿勢とになし、前
記扇形カム２８のボスから突出させたアーム３１
ａはスイーパー３１を放出作動させ、ニードル３
２はニードル軸１１によりクランクアーム３３，
３３、ロツド３４及び軸３５を介して作動し、前
記移送パツカー１４，１４によつて掻き込まれた
排藁に紐を巻き掛けると共にビル２５及びホルダ
ー２６に紐を供給し、ビル２５及びホルダー２６
が回転してから後部ドア３０が開放状態となり、
スイーパー３１は節抜きしながら藁束を後方へ放
出する。

カツターＢの前部の回転軸は第１パツカー軸７
を両外側に突出させ、その外端を側板３６，３６
に軸受して構成し、突起付回転刃３７…を所定間
隔に取付け、後部の回転軸３８，３８は結束ケー
ス５の両側面と前記側板３６，３６との間に架設
すると共に大径の丸鋸状刃３９…を取付け、前記
第１パツカー軸７の両端に取付けた大径歯車４
０，４０は、回転軸３８，３８の外端に取付けた
小径歯車４１，４１に噛合しており、第１パツカ
ー軸７の一端に取付けたスプロケツト４２は脱穀
装置１の適宜の軸により駆動される。

また、結束ケース５の前部よりの上部には、第
４図に示す如く突起付回転刃３７′と大径の丸鋸
状刃３９′とを軸支してあり、それらの軸４３，
４４に取付けたスプロケツト４３ａ，４４ａは第
１パツカー軸７と一方の回転軸３８とに取付けた
スプロケツト７ａ，３８ａによりそれぞれチエン
を介して４５，４６により覆われている。

前述の排藁処理装置において、排藁を結束する
場合は、切換板３を第１図に鎖線で示すように下
降回動させると、排藁は案内板４上に落下してパ
ツカー１２，１２により株元側と穂側を掻き込ま
れて、左右のドア１３，１３の前面の集束室ａに
集稈され、それが所定量に達すると一回転クラツ
チ２１が入り、結束室ｂ内で待機していた移送パ
ツカー１４，１４が集束室ａから結束室ｂへ掻込
み、その最圧縮点よりやや手前で結節軸１０の一
回転クラツチ２２が入つて結束放出する。

また、排藁を細断する場合は、切換板３を実線
で示す位置へ上昇回動させると、排藁は結束ケー
ス５の上方の経路で突起付回転刃３７′と丸鋸状
刃３９′とに供給され、それらがガイド板４７，
４８により切口側を案内されて落下し、前後のカ
バー４５，４６の間の送込口から左右のカツター
Ｂ，Ｂに供給され、そこで多数の突起付回転刃３
７…と丸鋸状刃３９…とにより細断される。そし
て、細断された切藁は前記結束機Ａの案内板４上
に落下して後方へ滑落し、排塵口１ｂの排塵作用
を阻害することがない。

更に、走行中カツターＢ，Ｂは結束機Ａの左右
に装着されているので左右バランスが良く、かつ
カツターＢ，Ｂと結束機Ａとを前後に設けたもの
のようにヘツドアツプすることがなく安定した走
行を行なうことができる。

(ト) 発明の効果 本発明は前述のように機台上に搭載した脱穀装
置の排藁放出部の下部に結束機を装着し、該結束
機の両側にカツターを配設し、前記排藁放出部
を、上下に切換えられる切換手段を介して、下方
の経路で結束機に、上方の経路でカツターに連通
させ、前記カツターに通ずる経路に排藁を２つ切
りにする切断手段を設け、該切断手段の両側から
前記カツターの内側部に向けて案内板を配設した
ので、排藁放出部から放出される排藁を、切換手
段の切換操作によりカツターの刃物軸を進退可能
にしたものより構成を著しく簡単にすることがで
きると共に切換操作を容易に行なうことができ
る。

また、この切換手段の切換操作により排藁の放
出部から放出される排藁を上下の結束機とカツタ
ーとに別々の経路で直接供給することができ、従
来の脱穀装置の後部にカツターと結束機とを前後
に配設したコンバインのようにそれらが後方へ大
きく突出して機体がヘツドアツプすることがなく
安定した作業を行なうことができる。

更に、排藁をカツターに供給する場合、それに
通ずる経路で切断手段により２つ切りにして、結
束機の両側に分けて別々のカツターに供給するこ
とが可能になり、その際、排藁の切口側は案内板
によりそれぞれ左右のカツターの内側へと誘導さ
れることとなり、結束機の両側にカツターを配設
したものでありながら２つ切りにした排藁をカツ
ターに整然とした姿勢で供給して所定寸法に切断
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの前部を省略した側面図、第
２図は同上平面図、第３図は伝動装置の展開断面
図、第４図は第１図のＡ−Ａ矢視図である。 Ａ……結束機、Ｂ……カツター、３……切換
板、６……通路、７……第１パツカー軸、１２…
…パツカー、１３……ドア、１４……移送パツカ
ー、３０……ニードル、３１……スイーパー、３
８……回転軸、３７，３７′……突起付回転刃、
３９，３９′……丸鋸状刃。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機台上に搭載した脱穀装置の排藁放出部の下
   部に結束機を装着し、該結束機の両側にカツター
   を配設し、前記排藁放出部を、上下に切換えられ
   る切換手段を介して、下方の経路で結束機に、上
   方の経路でカツターに連通させ、前記カツターに
   通ずる経路に排藁を２つ切りにする切断手段を設
   け、該切断手段の両側から前記カツターの内側部
   に向けて案内板を配設したことを特徴とするコン
   バインにおける排藁処理装置。