JPH0750903Y2 - 結束装置における穀稈放出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （ロ）従来の技術 従来、刈取装置により刈取られた穀稈を結束装置にて結
束して機体の左側、又は右側に選択的に放出できる刈取
結束機は、例えば、特公昭51−８号公報に示すものが存
在する。

（ハ）考案が解決しようとする課題 ところが、上記特公昭51−８号公報に記載された刈取結
束機の穀稈放出装置は、結束された穀稈束を横搬送通路
側へ放出する左右の放出手段とベルト状の横搬送体より
構成されており、構造が複雑であると共に、同穀稈束の
放出作用が確実でなく、したがって、穀稈束を損傷する
と共に、刈取結束作業を能率的にできないといった問題
点を有していた。

（ニ）課題を解決するための手段 そこで、本考案では、結束装置の中央に結束通路を機体
前後方向に設けて、同結束通路を挾んで一側に結節部を
設け、他側には結束用ニードルを設けた結束装置におい
て、結節部の上方に同結節部と連動して作動する一方の
穀稈放出アームを配設すると共に、結束用ニードルの上
部位置に、他方の穀稈放出アームを配設して、同結束用
ニードルを駆動するクラッチ軸と上記他方の穀稈放出ア
ームとを連動連結し、かつ、穀稈放出時に、穀稈を受け
止め支持する穀稈受止ドアを一回転する如く構成し、結
束通路の後部に、機体の左右横方向に二又状に分岐して
伸延する左放出通路と右放出通路とを形成し、両放出通
路の分岐部の近傍に、いずれか一方の放出通路を選択的
に遮断して、穀稈束の放出方向を切換える切換体を配設
したことを特徴とする結束装置における穀稈放出装置を
提供せんとするものである。

（ホ）作用 刈取結束機を前進させて穀稈の刈取作業を行う場合は、
エンジンを回動させてその動力をミッションケースに導
き、さらに刈取部変速ケースを介して結束伝動ケースに
突設する入力軸に伝達する。そして、入力軸の下端に位
置するスプロケット及び無端チェンを介して左右のPTO
軸やパッカー軸を常時回転状態に駆動する。

また、PTO軸側では、穀稈の掻込み装置及び穀稈引起ケ
ースを駆動する。そして、パッカー軸側では穀稈集束杆
及び刈取装置を駆動するものである。

また、穀稈受止ドア側に一定量の穀稈が集束されると、
結束用−回転クラッチ機構がONされてクラッチ軸が一回
転のみ回転する。

したがって、クラッチ軸の回転に連動してドアー軸が一
回転すると共に、結節駆動軸が同時に回転して穀稈の結
束を行うものである。

また、結節作業と同時に左側穀稈放出アーム、又は、右
側穀稈放出アームのいずれか一方が作動して結束された
穀稈束を機体の側方に放出するものである。

この際、結束通路の後部に二又分岐状に左放出通路と右
放出通路とを形成し、両放出通路の分岐部の近傍に切換
体を配設して、同切換体により左右いずれか一方の放出
通路を選択的に遮断することができるようにしているた
めに、穀稈束を損傷等させることなく、他方の放出通路
より円滑かつ確実に放出させることができる。

（ヘ）効果 本考案によれば、結束装置の中央に結束通路を機体前後
方向に設けて、同結束通路を挾んで一側に結節部を設
け、他側には結束用ニードルを設けた結束装置におい
て、結節部の上方に同結節部と連動して作動する一方の
穀稈放出アームを配設すると共に、結束用ニードルの上
部位置に、他方の穀稈放出アームを配設して、同結束ニ
ードルを駆動するクラッチ軸と上記他方の穀稈放出アー
ムとを連動連結し、かつ、穀稈放出時に穀稈を受け止め
支持する穀稈受止ドアを一回転する如く構成し、結束通
路の後部に機体の左右横方向に二又状に分岐して伸延す
る左放出通路と右放出通路とを形成し、両放出通路の分
岐部の近傍に、いずれか一方の放出通路を選択的に遮断
して、穀稈束の放出方向を切換える切換体を配設してい
るために、穀稈束を左・右放出通路のいずれかを通し
て、円滑かつ確実に放出することができる。

また、穀稈束の放出時に穀稈受止ドアが邪魔にならない
ので、特に、穀稈束の株元部が途中でひっかかるような
ことがなく、したがって、穀稈の刈取結束作業を能率的
に行うことができるものである。

また、左右の穀稈放出アームの動力伝達構造が簡単であ
るから、安価に製作することができるものである。

（ト）実施例 本考案の実施例を図面にもとづき詳説すれば、（Ａ）は
刈取結束機で、同刈取結束機（Ａ）は前部に刈取フレー
ム（１）を突出せしめると共に、後方には原動機（２）
を搭載している。

（３）は刈取フレーム（１）の右側前方に傾斜状に設け
た穀稈引起ケース、（４）は引起用タイン、（５）は刈
取フレーム（１）の左側前方に傾斜状に固着した穀稈分
草板である。（６）はバリカン型刈取装置、（７）は同
刈取装置（６）の後部に設ける結束装置で、同結束装置
（７）は結束通路（８）を機体前後方向に配設してい
る。

そして、結束通路（８）を挾んで一方の左側には、クラ
ンク運動をしながら穀稈を集束する穀稈集束杆（９）
と、穀稈を受止める穀稈受止ドア（10）、及び間歇的に
回動して結束紐を供給する結束用ニードル（11）、並び
に、穀稈を左側方に放出する左側穀稈放出アーム（12）
を設けている。

また、結束通路（８）の他方の右側には、結節ビル（1
3）及び紐ホルダー（14）を位置させ、かつ、同結節ビ
ル（13）と紐ホルダー（14）をカバーする結節カバー
（15）を位置させていると共に、穀稈を右側方に放出す
る右側穀稈放出アーム（16）を設けていると共に、上記
左側穀稈放出アーム（12）と右側穀稈放出アーム（16）
により穀稈放出手段（12a）（16a）を構成している。

また、上記結束通路（８）の後部には、機体の左右横方
向に二又状に分岐して伸延する左放出通路（17）と右放
出通路（18）を形成している。

そして、左放出通路（17）と右放出通路（18）の略中間
部の後部位置（19）には、先端（20）が前記穀稈受止ド
ア（10）位置と、結節カバー（15）位置とに選択的に切
換えることができる切換体（21）を設けており、同切換
体（21）の切換作動により穀稈束の放出方向を左側、又
は、右側に切換自在としている。

また、（22）は左放出通路（17）と、右放出通路（18）
の略中間部の後部位置（19）に垂直状に設ける結束装置
駆動用入力軸であって、同入力軸（22）をカバーする入
力軸パイプ（23）上に前記切換体（21）の基部（21−
１）を嵌装している。また、入力軸（22）は機体の左右
方向の略中心位置（７−１）に位置していると共に、左
右放出アーム（12）（16）の回動軌跡の外側位置に接近
して設けている。

（24）は入力軸パイプ（23）の上部に嵌装する穂先ガイ
ドであって、第３図に示す如く、切換体（21）と連動し
て作動しながら穀稈穂先部を放出方向に向けてガイドす
るものである。

また、第４図及び第５図において、（25）は切換体（2
1）と穂先ガイド（24）を左右に連動状に切換える切換
機構で、上部の嵌合部（25−１）には穂先ガイド（24）
側の突起ピン（24−１）を嵌合している。

また、下部の嵌合部（25−２）には切換体（21）側の突
起ピン（21−２）を嵌合している。（26）は切換機構
（25）の上下位置を各々支持する支持部、（26−１）は
支持ピンであって、上記切換機構（25）を支持してい
る。

また、第３図及び第４図において、（27）は結束装置
（７）の結束伝動ケースであって、後部中央部には、ボ
ス部（28）を高く形成して結束装置駆動用入力軸（22）
の下端を取付けている。

（29）はボス部（28）の左右位置に一体的に連設する通
路壁で、左放出通路（17）及び右放出通路（18）を形成
している。

第２図において、（30）は、上記切換機構（25）を左方
向、又は、右方向に切換える手元レバーで、ハンドル
（31）に設けられている。（32）は手元レバー用取付ボ
ックス、（33）はエンジン（２）に連結するミッション
ケース、（34）は走行用車輪である。

また、第４図から第７図において、（30−１）は引張り
ワイヤ、（30−２）は引張りバネ、（30−３）は戻しバ
ネ、（30−４）は切換体（21）の基部（21−１）に設け
る回動レバー、（30−５）は左側穀稈放出アーム（12）
と右側穀稈放出アーム（16）の作動を切換える作動レバ
ーで、両側に引張りワイヤ（30−６）（30−７）を連結
している。

また、（35）は穀稈束を左方向、又は、右方向に放出す
る際に穂先部をもたれさせる穀稈案内板である。（36）
は刈取部変速ケースで、駆動軸（37）を介してミッショ
ンケース（33）と連動している。また、刈取部変速ケー
ス（36）は前記入力軸（22）と連結している。

また、第８図は結束装置（７）の背面断面図、第９図は
結束装置の動力伝達機構であって、図中、（40）は入力
軸（22）の下端に設けるスプロケットで、無端チェン
（41）を介してPTO軸（42）のスプロケット（43）、及
び、クラッチ軸（44）に遊嵌するスプロケット（45）を
駆動自在としている。（46）はクラッチギヤ、（47）は
伝動ギヤ、（48）はパッカー軸、（49）は刈刃伝動ケー
ス、（50）は刈刃駆動用クランク軸、（51）はクランク
で刈取装置（６）と連動している。（52）は一回転クラ
ッチ機構、（52−１）は結節伝動チェン、（52−２）は
ニードル駆動用スプロケット、（52−３）はドアー軸駆
動用スプロケット、（52−４）はドアー軸伝動ギヤ機
構、（52−５）は結節駆動軸用スプロケットである。

また、（42−１）は穀稈掻込み用スターホイル（42−
４）を軸支するスターホイル取付軸、（42−２）はスプ
ロケットで、無端チェン（42−３）を介して前記スプロ
ケット（43）と連動連結している。

そして、結節伝動チェン（52−１）によりニードル駆動
用スプロケット（52−２）及びドアー軸駆動用スプロケ
ット（52−３）並びに結節駆動軸用スプロケット（52−
５）を連動自在としている。

また、（53）は中間軸、（54）は左側穀稈放出アーム
（12）を駆動する駆動機構、（55）は入切機構、（56）
はドア軸、（57）は結節駆動軸であって、上部に駆動傘
歯車（58）及び右側穀稈放出アーム（16）を連結してい
る。（59）は入切機構である。

本考案の実施例は上記のように構成されており、上記刈
取結束機を前進させて穀稈の刈取作業を行う場合は、エ
ンジン（２）を回動させてその動力をミッションケース
（33）に導き、さらに刈取部変速ケース（36）を介して
入力軸（22）を回動させる。

そして、入力軸（22）の下端に位置するスプロケット
（40）及び無端チェン（41）を介してPTO軸（42）やパ
ッカー軸（48）を常時回転状態に駆動する。

また、PTO軸（42）側では、穀稈の掻込み装置及び穀稈
引起ケース（３）を駆動する。

そして、パッカー軸（48）側では穀稈集束杆（９）及び
刈取装置（６）を駆動するものである。

また、穀稈受止ドア（10）側に一定量の穀稈が集束され
ると、結束用一回転クラッチ機構（52）がONされて結束
用ニードル（11）を駆動するクラッチ軸（44）が一回転
のみ回転する。

したがって、ニードル駆動用スプロケット（52−２）、
及びドアー軸駆動用スプロケット（52−３）、並びに結
節駆動軸用スプロケット（52−５）を結節伝動チェン
（52−１）により連動させて穀稈の結束を行うものであ
る。

また、結束作業と同時に左側穀稈放出アーム（12）、又
は右側穀稈放出アーム（16）のいずれか一方が作動して
結束された穀稈束を機体の側方に放出するものである。

以上の如く、上記実施例によれば、結束装置（７）の中
央に結束通路（８）を機体前後方向に設けて、同結束通
路（８）を挾んで一側に結節部（13a）を設け、他側に
は結束用ニードル（11）を設けた結束装置（７）におい
て、結節部（13a）の上方に同結節部（13a）と連動して
作動する一方の穀稈放出アーム（16）を配設すると共
に、結束用ニードル（11）の上部位置に、他方の穀稈放
出アーム（12）を配設して、同結束用ニードル（11）を
駆動するクラッチ軸（44）と上記他方の穀稈放出アーム
（12）とを連動連結し、かつ、穀稈放出時に穀稈を受け
止め支持する穀稈受止ドア（10）を一回転する如く構成
し、結束通路（８）の後部に機体の左右横方向に二又状
に分岐して伸延する左放出通路（17）と右放出通路（1
8）とを形成し、両放出通路（17）（18）の分岐部の近
傍に、いずれか一方の放出通路を選択的に遮断して、穀
稈束の放出方向を切換える切換体（21）を配設している
ために、穀稈束を左・右放出通路のいずれか一方を通し
て、円滑かつ確実に放出することができる。

また、穀稈束の放出時に穀稈受止ドアが邪魔にならない
ので、特に、穀稈束の株元部が途中でひっかかるような
ことがなく、したがって、穀稈の刈取結束作業を能率的
に行うことができるものである。

また、左右の穀稈放出アームの動力伝達構造が簡単であ
るから、安価に製作することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
本考案を装備する刈取結束機の斜視図、第２図は同全体
側面図、第３図は本考案の要部である結束装置の平面
図、第４図は同側断面図、第５図は切換機構部の背面
図、第６図は切換体の取付状態を示す概略平断面図、第
７図は穂先ガイドの取付状態を示す概略平断面図、第８
図は結束装置の背面断面図、第９図は結束装置の動力伝
動機構図である。 （７）：結束装置 （８）：結束通路 （10）：穀稈受止ドア （11）：結束用ニードル （12）：穀稈放出アーム （13a）：結節部 （16）：穀稈放出アーム （44）：クラッチ軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】結束装置（７）の中央に結束通路（８）を
   機体前後方向に設けて、同結束通路（８）を挾んで一側
   に結節部（13a）を設け、他側には結束用ニードル（1
   1）を設けた結束装置において、 結節部（13a）の上方に同結節部（13a）と連動して作動
   する一方の穀稈放出アーム（16）を配設すると共に、結
   束用ニードル（11）の上部位置に、他方の穀稈放出アー
   ム（12）を配設して、同結束用ニードル（11）を駆動す
   るクラッチ軸（44）と上記他方の穀稈放出アーム（12）
   とを連動連結し、かつ、穀稈放出時に、穀稈を受け止め
   支持する穀稈受止ドア（10）を一回転する如く構成し、 結束通路（８）の後部に、機体の左右横方向に二又状に
   分岐して伸延する左放出通路（17）と右放出通路（18）
   とを形成し、両放出通路（17）（18）の分岐部の近傍
   に、いずれか一方の放出通路を選択的に遮断して、穀稈
   束の放出方向を切換える切換体（21）を配設したことを
   特徴とする結束装置における穀稈放出装置。