JP2972309B2 - 刈取結束機における穀稈放出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は、圃場に植立する穀稈を刈取りながら結束し
放出する刈取結束機における穀稈放出装置に関する。

（ロ） 従来の技術 従来、刈取装置により刈取られた穀稈を結束して機体
の左側又は右側に選択的に放出できる刈取結束機は、例
えば、特公昭51−８号公報が存在する。

（ハ） 発明が解決しようとする課題 ところが、上記特公昭51−８号公報に記載された刈取
結束機は、結束通路の後方に機体横方向に横搬送通路を
位置させて、同横搬送通路に沿ってベルト状の横搬送体
を左右方向に回動移動自在に設けており、したがって、
穀稈束の左右方向への放出が円滑にできないものであっ
た。

また、刈取結束機の前後の長さが長くなると共に、全
体構造が複雑で大型となり運転操作が困難であるといっ
た問題点を有していた。

（ニ） 課題を解決するための手段 本発明では、刈取装置の後部に結束装置を配設し、同
結束装置の結束通路を機体前後方向に配設すると共に、
同結束通路を挾んで左右両側方に穀稈放出手段を設けた
刈取結束機において、上記結束通路の後部に機体横方向
に左放出通路と右放出通路を連設し、同左放出通路と右
放出通路との略中間部に結束装置駆動用入力軸を略垂直
状に配設し、同結束装置駆動用入力軸を入力軸パイプに
よりカバーし、同入力軸パイプの中途部に穀稈束の放出
方向を左方向、又は、右方向のいずれか一方に切換える
切換体を取付けて、同切換体により左右放出通路のいず
れか一方のみを通して穀稈束の放出を可能となすと共
に、入力軸パイプの上方位置には、上記切換体と連動し
て作動する穂先ガイドを配置して、同穂先ガイドにより
穀稈穂先部を放出方向に向けてガイドするようにしたこ
とを特徴とする刈取結束機における穀稈放出装置を提供
せんとするものである。

（ホ） 作用・効果 本発明によれば、次のような作用効果が得られる。

すなわち、本発明では、結束装置駆動用入力軸を左放
出通路と右放出通路との略中間部に略垂直状に配設して
いるために、同入力軸を左右の放出アームの回動軌跡の
外側位置に接近させて設けることができ、これにより結
束装置の前後方向の長さを短くすることができる。しか
も、左右の放出通路の幅員を広く確保することができ
て、穀稈束の放出が円滑に行える。

この際、結束装置駆動用入力軸をカバーしている入力
軸パイプの中途部に切換体を取付けると共に、同入力軸
パイプの上方位置に上記切換体と連動して作動する穂先
ガイドを配置して、これら切換体と穂先ガイドとが協働
して左放出通路と右放出通路の切換を行って、いずれか
一方の放出通路に沿わせて穀稈束を放出ガイドするよう
にしているために、この点からも穀稈束の放出が円滑に
行える。

（ト） 実施例 本発明の実施例を図面にもとづき詳説すれば、（Ａ）
は刈取結束機で、同刈取結束機（Ａ）は前部に刈取フレ
ーム（１）を突出せしめると共に、後方には原動機
（２）を搭載している。

（３）は刈取フレーム（１）の右側前方に傾斜状に設
けた穀稈引起しケース、（４）は引起用タイン、（５）
は刈取フレーム（１）の左側前方に傾斜状に固着した穀
稈分草板である。（６）はバリカン型刈取装置、（７）
は同刈取装置（６）の後部に設ける結束装置で、同結束
装置（７）は結束通路（８）を機体前後方向に配設して
いる。

そして、結束通路（８）を挾んで一方の左側には、ク
ランク運動をしながら穀稈を集束する穀稈集束杆（９）
と、穀稈を受止める穀稈受止ドア（10）、及び間歇的に
回動して結束紐を供給する結束用ニードル（11）、並び
に、穀稈を左側方に放出する左側穀稈放出アーム（12）
を設けている。

また、結束通路（８）の他方の右側には、結節ビル
（13）及び紐ホルダー（14）を位置させ、かつ、同結節
ビル（13）と紐ホルダー（14）をカバーする結節カバー
（15）を位置させていると共に、穀稈を右側方に放出す
る右側穀稈放出アーム（16）を設けていると共に、上記
左側穀稈放出アーム（12）と右側穀稈放出アーム（16）
により穀稈放出手段（12a）（16a）を構成している。

また、上記結束通路（８）の後部は、機体横方向に設
ける左放出通路（17）と右放出通路（18）に連設されて
いる そして、左放出通路（17）と右放出通路（18）の略中
間部の後部位置（19）には、先端（20）が前記穀稈受止
ドア（10）位置と、結節カバー（15）位置とに選択的に
切換えることができる切換体（21）を設けており、同切
換体（21）の切換作動により穀稈束の放出方向を左側、
又は、右側に切換自在としている。また、（22）は左放
出通路（17）と、右放出通路（18）の略中間部の後部位
置（19）に垂直状に設ける結束装置駆動用入力軸であっ
て、同入力軸（22）をカバーする入力軸パイプ（23）上
に前記切換体（21）の基部（21−１）を嵌装している。
また、入力軸（22）は左右放出アーム（12）（16）の回
動軌跡の外側位置に接近して設けている。

（24）は入力軸パイプ（23）の上方位置に配置した穂
先ガイドであって、第３図に示す如く、切換体（21）と
連動して作動しながら穀稈穂先部を放出方向に向けてガ
イドするものである。

また、第４図及び第５図において、（25）は切換体
（21）と穂先ガイド（24）を左右に連動状に切換える切
換機構で、上部の嵌合部（25−１）には穂先ガイド（2
4）側の突起ピン（24−１）を嵌合している。

また、下部の嵌合部（25−２）には切換体（21）側の
突起ピン（21−２）を嵌合している。（26）は切換機構
（25）の上下位置を各々支持する支持部、（26−１）は
支持ピンであって、上記切換機構（25）を支持してい
る。

また、第３図及び第４図において、（27）は結束装置
（７）の結束伝動ケースであって、後部中央部には、ボ
ス部（28）を高く形成して結束装置駆動用入力軸（22）
の下端を取付けている。

（29）はボス部（28）の左右位置に一体的に連設する
通路壁で、左放出通路（17）及び右放出通路（18）を形
成している。

第２図において、（30）は、上記切換機構（25）を左
方向、又は、右方向に切換える手元レバーで、ハンドル
（31）に設けられている。（32）は手元レバー用取付ボ
ックス、（33）はエンジン（２）に連結するミッション
ケース、（34）は走行用車輪である。

また、第４図から第７図において、（30−１）は引張
りワイヤ、（30−２）は引張りバネ、（30−３）は戻し
バネ、（30−４）は切換体（21）の基部（21−１）に設
ける回動レバー、（30−５）は左側穀稈放出アーム（1
2）と右側穀稈放出アーム（16）の作動を切換える作動
レバーで、両側に引張りワイヤ（30−６）（30−７）を
連結している。

また、（35）は穀稈束を左方向、又は、右方向に放出
する際に穂先部をもたれさせる穀稈案内板である。（3
6）は刈取部変速ケースで、駆動軸（37）を介してミッ
ションケース（33）と連動している。また、刈取部変速
ケース（36）は前記入力軸（22）と連結している。

また、第８図は結束装置（７）の背面断面図であっ
て、図中、（40）は入力軸（22）の下端に設けるスプロ
ケットで、無端チェン（41）を介してPTO軸（42）のス
プロケット（43）、及び、ニードル軸（44）に遊嵌する
スプロケット（45）を駆動自在としている。（46）はク
ラッチギヤ、（47）は伝動ギヤ、（48）はパッカー軸、
（49）は刈刃伝動ケース、（50）は刈刃駆動用クランク
軸、（51）はクランクで刈取装置（６）と連動してい
る。

（52）は一回転クラッチ機構、（54）は左側穀稈放出
アーム（12）を駆動する駆動機構、（55）は入切機構、
（56）はドア軸、（57）は結節駆動軸であって、上部に
駆動傘歯車（58）及び右側穀稈放出アーム（16）を連結
している。（59）は入切機構である。

本発明の実施例は上記のように構成されており、上記
刈取結束機により穀稈の刈取作業を行う場合は、エンジ
ン（２）を回動させて走行用車輪（34）を駆動して機体
を走行させながら刈取装置（６）を作動させる。

すると、圃場に植立する穀稈が穀稈引起ケース（３）
により引起され、同時に株元を刈取装置（６）により刈
取る。

そして、刈取られた穀稈は、常時回動する穀稈集束杆
（９）により結束通路（８）に導かれて後方の穀稈受止
ドア（10）に集められる。

そして、穀稈の量が一定量に達すると一回転クラッチ
機構（52）がONされて結束用ニードル（11）及び結節部
（13a）を作動させる。

また、結束された穀稈束を右側に放出する場合は、手
元レバー（30）を前方に位置させておく。そして、切換
体（21）の先端（20）を穀稈受止ドア（10）側に位置さ
せると共に、同切換体（21）に合せて穂先ガイド（24）
も右側に傾斜させて位置させる。

また、上記切換体（21）の切換に応じて右側穀稈放出
アーム（16）のみを作動させて穀稈束を右放出通路（1
8）より放出するものである。

さらに、穀稈束を左側に放出する場合は、上記手元レ
バー（30）を後方に倒しながら、切換体（21）及び穂先
ガイド（24）を逆方向に作動させる。

そして、左側穀稈放出アーム（12）を作動させて穀稈
束を左放出通路（17）より放出するものである。

以上の如く上記実施例によれば、結束装置（７）の結
束通路（８）を機体縦方向に配設し、同結束通路（８）
の後部に左右両側方向に左放出通路（17）と右放出通路
（18）を連設し、同左右の放出通路（17）（18）の略中
間部の後部位置（19）に切換体（21）を左右切換自在に
設けたものであるから、穀稈束の左放出、又は右放出が
確実、かつ、安定した状態で行われるものである。

また、切換体（21）を装着する結束装置駆動用入力軸
（22）を左放出通路（17）と右放出道路（18）との略中
間部に配設することにより、同入力軸（22）を左右の放
出アーム（12）（16）の回動軌跡の外側位置に接近させ
て設けて結束装置の前後方向の長さを短くすることがで
き、また、左右の放出通路の幅員を広く確保することが
でき、したがって、穀稈束の放出が円滑に行なわれるも
のである。

また、上記入力軸（22）を支持するボス部（28）及び
同ボス部（28）に連設する左右の通路壁（29）を左右放
出通路（17）（18）に沿って高く構成しているので、同
通路壁（29）により穀稈束放出時の株元部の搬送ガイド
を兼用することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであって、第１図は
本発明を装備する刈取結束機の斜視図、第２図は同全体
側面図、第３図は本発明の要部である結束装置の平面
図、第４図は同側断面図、第５図は切換機構部の背面
図、第６図は切換体の取付状態を示す概略平断面図、第
７図は穂先ガイドの取付状態を示す概略平断面図、第８
図は結束装置の背面断面図である。 （６）：結束装置 （７）：結束通路 （12a）：穀稈放出手段 （15）：結節カバー （16a）：穀稈放出手段 （17）：左放出通路 （18）：右放出通路 （21）：切換板 （22）：入力軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01D 37/00 - 37/06 A01D 59/00 - 59/14

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】刈取装置（６）の後部に結束装置（７）を
   配設し、同結束装置（７）の結束通路（８）を機体前後
   方向に配設すると共に、同結束通路（８）を挾んで左右
   両側方に穀稈放出手段（12a）（16a）を設けた刈取結束
   機において、 上記結束通路（８）の後部に機体横方向に左放出通路
   （17）と右放出通路（18）を連設し、同左放出通路（1
   7）と右放出通路（18）との略中間部を結束装置駆動用
   入力軸（22）を略垂直状に配設し、同結束装置駆動用入
   力軸（22）を入力軸パイプ（23）によりカバーし、同入
   力軸パイプ（23）の中途部に穀稈束の放出方向を左方
   向、又は、右方向のいずれか一方に切換える切換体（2
   1）を取付けて、同切換体（21）により左右放出通路（1
   7）（18）のいずれか一方のみを通して穀稈束の放出を
   可能となすと共に、 入力軸パイプ（23）の上方位置には、上記切換体（21）
   と連動して作動する穂先ガイド（24）を配置して、同穂
   先ガイド（24）により穀稈穂先部を放出方向に向けてガ
   イドするようにしたことを特徴とする刈取結束機におけ
   る穀稈放出装置。