JPH0251103A - 光干渉体 - Google Patents

光干渉体

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JPH0251103A
JPH0251103A JP63201041A JP20104188A JPH0251103A JP H0251103 A JPH0251103 A JP H0251103A JP 63201041 A JP63201041 A JP 63201041A JP 20104188 A JP20104188 A JP 20104188A JP H0251103 A JPH0251103 A JP H0251103A
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JP
Japan
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thin layer
layer
titanium
oxide
compound
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JP63201041A
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English (en)
Inventor
Soichiro Horikoshi
堀越 創一郎
Takeshi Sasagawa
笹川 健
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GIKEN KAGAKU KK
Iwasaki Denki KK
Original Assignee
GIKEN KAGAKU KK
Iwasaki Denki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、所望の波長域の光を選択的に反射又は透過
する光干渉体、特に、酸化チタンと酸化ジルコニウムの
少なくとも一方の酸化物と、酸化アルミニウムとの複合
酸化物の薄層を少なくとも1層含む光干渉体の改良に関
するものであり、該光干渉体は電球や高圧放電灯などの
光源の一部を構成する部材、あるいは光源との組み合わ
せにより機能する照明機器を構成する部材、及び光学フ
ィルターなどの光学部品などに適用される。
〔従来の技術〕
光干渉の理論に基づき所望の波長域の光を選択的に反射
又は透過させるために誘電体などの多層膜を形成する技
術は非常に古くから知られており、それを応用した製品
も例えば光源の管球や光学フィルターなど、今日までに
数多く生み出されている。代表的な誘電体である酸化チ
タンなどの金属酸化物の薄層を基体表面に形成する方法
としては、該金属酸化物に対応する有機金属化合物の溶
液をスプレー法1回転法、浸漬法などによって基体表面
に塗布し、高温での熱分解により金属酸化物に変化させ
て成膜する方法が、比較的安価であり簡便であるために
従来から広く用いられてきた。
ところで、光干渉体を構成する誘電体多層膜は、これを
金属酸化物薄層群によって構成する場合、高屈折率の酸
化物薄層と低屈折率の酸化物薄層とを交互に重層して形
成されることが多いが、該多層膜の光透過特性の向上な
どの目的で、高低両屈折率の中間の屈折率を持つ薄層が
構成要素として必要な場合もある。中間的屈折率の薄層
を多層膜中に設けることによる具体的な効果は、例えば
特開昭62−268051号公報に示されている。
中間的屈折率、特に1.6〜1.9の範囲の屈折率を実
現する従来の方法は、酸化アルミニウム(Altos)
薄II(屈折率:1.6〜1.7)のような単一酸化物
の薄層を用いる方法と、酸化チタン(TiOg>と酸化
ケイ素(SiOz)の複合酸化物の薄層(屈折率:1.
5〜2.2)のような複数の酸化物の複合酸化物の薄層
を用いる方法とに大別できる。このうち、後者の方法で
は、例えば有機チタン化合物と有機ケイ素化合物の混合
物の溶液を薄層形成剤として用いれば、両化合物の溶液
中での組成比率を調整するだけで、TiOx薄層の屈折
率(2,2前後)とStow薄層の屈折率(1,45前
後)との間の任意の屈折率を持つ薄層を作成できる。し
たがって、1.6〜1.9の範囲の屈折率を任意に、し
かも簡便に実現できるという意味では後者の方法が優れ
ている。
酸化チタン(Tidy) と酸化アルミニウム(Alt
os)の複合酸化物(xTioz ・(1−x)Alt
os +但し、Q<x<1)の薄層(以下、rTiog
  AltO+ 薄層」と略称する)もまた、TiO2
薄層の屈折率(前出)と^1to1層の屈折率(前出)
の間の任意の屈折率を与える0本発明者の一人は既に、
特開昭62−268051号公報(前出)におイテ、T
i1t−Ahos薄層の形成のために、チタンアルコキ
シド(Ti(OR)4. Rは1価の炭化水素基)とア
ルミニウムアルコキシド(A1(oR)s)の混合物の
溶液を用いる方法を開示した。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、チタンアルコキシド及びアルミニウムアルコキ
シドは、それぞれがともに加水分解し易く安定性に乏し
い性質があるため、それらの混合物の溶液も変質し易く
、寿命が短いという欠点があった。したがって、それら
の混合物の溶液をTlotnhozfiI層の形成に用
いる場合には、液の劣化を抑えるための特別な装置を必
要とするか、又は新鮮な液との交換を頻繁に行う必要が
あって、TiO*AIzO3薄層の形成に係る工程が複
雑になり、コストが高くなるなどの不都合な面があった
。更に、前記のアルコキシド混合物の溶液から得られる
TiOx^1to+薄層は、迅速な加水分解の進行によ
る白濁を伴うことが多い、他の層との密着性や整合性が
悪いために4層以上の多層膜の構成成分としては不向き
である、などの欠点を持っていた。
上述の種々の欠点は、チタンアルコキシドとアルミニウ
ムアルコキシドだけに限らず、金属アルコキシド(M(
OR)、、Mは金属元素、nは整数)及びそれらの複数
種の金属アルコキシド混合物に共通することである。
上述の問題を解決する方法に、金属アルコキシドをキレ
ート化合物へ変換する方法があり、これが有機金属化合
物の安定性の向上に有効であることは既によく知られて
いる。また、このキレート化のために、例えばアセチル
アセトン(CHsCOCHtCOCHx”)のように、
α−水素を持つ、β−ジケトン(RCOCHICOR’
但しR,R’は1価の炭化水素基(以下同じ))。
β−ケトエステル(RCOCRIGOOR’ ) 、 
 β−ジエステル((ROOC)CHx(COOR’ 
))などの化合物(「β−ジカルボニル化合物」と総称
する)を用いることも周知であるが、これは、α−水素
を持つβ−ジカルボニル化合物が、1つの炭素原子を隔
てて存在する2つのカルボニル基の各酸素原子によって
、チタンなどの金属原子と結合して6員キレート環を形
成する性質を利用したものである。なお、これらのα−
水素を持つβ−ジカルボニル化合物のうち、β−ジケト
ンなどいくつかのものは通常の状態で、  0冨C−C
−C−0なる構造のケI4 ル型の2つの異性体が存在し、これら両異性体の間に化
学平衡が成り立っていることが知られている。
しかし、前述のキレート化の手法が、2種以上の有機金
属化合物の混合物の溶液に対しても有効かどうか、ある
いは、その混合物中のどの有機金属化合物もすべてキレ
ート化すべきかどうか、などについてはこれまで明らか
にされていなかった。
更に、その有機金属化合物の混合物の溶液から複合酸化
物の薄層を作成する場合、この薄層を、)3明で、且つ
他の層との密着性や整合性が良好で多層暎を構成するの
に通し、なおかつ熱的耐久性に優れた薄りとするための
条件も明らかになっていなかった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので
、保存性の優れた有機金属化合物溶液を原料として作成
され、且つ透明で、他の層との密着性や整合性が良好で
、熱的耐久性に冨む光干渉膜を有する光干渉体を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕上記問題点を解
決するため、本発明者らは、まず、代表的複合酸化物で
ある、酸化チタン(TiOl)と酸化ケイ素(Styx
)の複合酸化物について検討した。しかし、α−水素を
持つβ−ジカルボニル化合物を用いて複合酸化物薄層形
成剤中のチタンとケイ素の両方の原子をキレート化する
など、いくつかの手段を試みたが、いずれの場合にも該
薄層形成11の安定性を維持することができず、形成剤
作成後数日以内で沈澱を生じるなど、寿命の短い場合が
多かった。また、比較的長い期間寿命を保つことができ
た場合でも、形成される薄層の特性(M折率、t1層性
など)が該薄層形成側の新鮮度によってかなり大きく変
動した0以上のことは、Ti01と5kOtの複合酸化
物に限らず、他に酸化ジルコニウム(ZrOz)と5i
02の複合酸化物など、他の多くの複合酸化物に共通す
ることであり、これらの場合は、キレート化の手法を取
り入れても、その手法を用いない従来技術における欠点
は解決できなかった。
これに対して、Altozを構成要素の一つとする複合
酸化物、特に’IMOzとA1□O7の複合酸化物。
Zr0zとA1.01の複合酸化物、及びTl0IとZ
rO。
とA11Ozの複合酸化物の場合は、他の複合酸化物と
異なり、前述のキレート化の手法が極めて有効であり、
また、形成される薄層も従来には見られない優れた特性
を示すことを見出したので、更に詳細を検討した結果、
本発明を創出するに至った。
すなわち、本発明は、酸化チタンと酸化ジルコニウムの
少なくとも一方の酸化物と、酸化アルミニウムとの複合
酸化物からなり、1.6〜1.9の範囲の屈折率を持つ
薄層を少なくとも1N含む光干渉膜と、該光干渉膜を表
面に被覆するための基体とからなる光干渉体において、
該薄層を、これに対応する原料化合物、すなわち、チタ
ン化合物とジルコニウム化合物の少なくとも一方と、ア
ルミニウム化合物とからなり、どの金属原子に対しても
、α−水素を持つβ−ジカルボニル化合物が結合したキ
レート化合物、の溶液を用いて形成される非晶質構造を
主体として構成することを特徴とするものである。
このように構成することによって、複合酸化物111層
形成用の溶液の保存性が向上するため、該溶液の劣化を
抑えるための特別な装置などを必要とせず、工程が簡単
化される。また保存性のよい溶液により形成された薄層
の特性も長期間に亘ってよ(再現される。更に該A1層
が非晶質構造主体であることを特徴としているため、こ
れによって該薄層を、透明で、他の層との密着性や整合
性が優れ、且つ熱的耐久性に富む薄層とすることが可能
となり、更に該薄層を含む多層光干渉体の機能範囲を拡
張することが可能となる。
〔実施例〕
以下実施例について説明する。第1図は、本発明に係る
光干渉体をハロゲン電球に適用した実施例を示す模式的
縦断面図で、第2図は、該電球の一部を拡大して示す模
式的断面図である。図において、1はTiO,−Al□
0コ薄層などからなる複合酸化物薄層、2はrtogF
ji層などの高屈折率層21と、5tozf1層などの
低屈折率層22とによる交互重層膜、3は薄層1と交互
重層膜2とからなり、層数が全部で7〜9層で、可視光
を透過し赤外線を反射する性質を有する本発明に係る光
干渉膜である。
4は透明石英ガラスバルブ、5はタングステンコイルフ
ィラメント、6,6はバルブ4の封止部内に埋設された
一対のモリブデン導入箔、7.7はフィラメント5と導
入箔6,6とに接続してバルブ4内に延在した一対の内
導線であり、バルブ4内には不活性ガス及び所要量のハ
ロゲン化合物が封入されている。そして、これらの部品
4〜7及びバルブ4内の封入物によって発光体を形成し
ている。
8はバルブ4などからなる前記発光体を支持するベース
である。9.9は一方の端部が導入箔6゜6に接続して
図示されていない一対の外導線と、これら外導線のもう
一方の端部に接続し電気エネルギーの導入口となる一対
の金属部分とからなる口金部である。そうして、これら
の部品8〜9によって発光体へ電気エネルギーを供給す
るための手段を形成する。外表面に光干渉膜3が形成さ
れているバルブ4は、本発明の光干渉体の構成要素の一
つである基体も兼ねている。
第3図は、本発明を反射防止窓ガラスに適用した他の実
施例を示す一部の模式的拡大断面図である0図において
、lOは硬質ガラス板で、本発明における構成要素の一
つである基体に対応するものであり、その両表面に本発
明に係る光干渉膜3′3′が形成されている。そして光
干渉膜3’、3’は、TiOオーAltos薄層などか
らなる複合酸化物薄層1と、Ti0i薄層などの高屈折
率層21と5ift薄層などの低屈折率層22とで構成
されている。
次に、本発明の構成要素の一つである光干渉膜3及び3
′の形成方法の一例(複合酸化物薄層としてTi0i 
 Altms薄層を選択した例)を説明する。
(1)TiOg  AI!03薄層用薄層形成剤の作製
初めに、チタン及びアルミニウムのキレート化合物ポリ
マーの溶液を作製する。チタンアルコキシド、例えばテ
トラn−ブトキシチタン(Ti(0−nBu)n) (
以下、単にrTi(0−nBu)sJと略す)及びアル
ミニウムアルコキシド、例えばトリイソプロポキシアル
ミニウム(AI(0−i Pr) s)(以下、単にr
Al(0−i Pr)sJと略す)の各エタノール溶液
を用意し、両者を所定の割合で混合する。この混合比は
、最終的にTi1t  AhOs薄層が形成されたとき
、該薄層の屈折率が1.6〜1.9の範囲の所望の値を
示すように逆算して経験的に求める。そして上記混合液
に水を加えて重合反応を起こさせ、次いでβ−ケトエス
テル、例えばアセト酢酸エチル(CHsCOCHxCO
OCJs)を、チタン及びアルミニウムの各1モルに対
して2モル以上の割合で添加して重合物をキレート化さ
せる。そして、反応生成物をしばらく放置した後、エタ
ノール、酢酸エチルなどの有機溶媒を加え、溶液の濃度
及び粘度を所定の値に調整する。
次に、チタン及びアルミニウムのキレート化金物モノマ
ーの溶液を作製する。 Ti(OnBu)*及びAI(
O1Pr)sの各エタノール溶液を用意し、上述のポリ
マー溶液の作製の場合と同じ混合比で両者を混合する。
そこへβ−ケトエステル、例えばアセト酢酸エチル(C
ToCOCHzCOOCxHs)を、チタン及びアルミ
ニウムの各1モルに対して2モル以上の割合で添加し、
次いでエタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒を加え、
溶液の濃度及び粘度を所定の値に調整する。
最後に、上述のポリマー溶液とモノマー溶液を所定の割
合、例えばl:1(体積比)で混合してTiOx−^1
*Os薄層用薄層形成剤を得る。
(I[)TiO□−AhOi薄層1の形成ハロゲン電球
バルブ4又はガラス板10を上記TiO□−^l!0.
薄層用薄層形成剤に浸漬し、−定速度でこれを引き上げ
、速やかに乾燥した後、約500〜600℃の大気中で
約3〜7分間熱処理してハロゲン電球バルブ4又はガラ
スvilOの表面にTi0z  Al□0.薄層lを形
成する。ガラス板10の場合には両面に同時に該薄IW
1が形成され(III)高屈折率層21及び低屈折率層
22の形成チタンアルコキシド、例えばTi(0−nB
u)aを原料として作製した有機チタン化合物をエタノ
ールなどの有機溶媒に溶解した液を用意し、これに上記
薄層Iを形成したバルブ4又はガラス板10を浸漬し、
一定速度でこれを引き上げ、約500〜600℃の大気
中で数分間熱処理して高屈折率層である酸化チタン(T
ilt)薄層21を形成する0次に、ケイ素アルコキシ
ド、例えばテトラエトキシシラン(Si(OCzHs)
n)を原料として作製した有機ケイ素化合物をエタノー
ルなどの有機溶媒に溶解した液を用意し、これに上記高
屈折率層21を形成したバルブ4又はガラス板10を浸
漬し、一定速度でこれを引き上げ、約500〜600℃
の大気中で数分間熱処理して低屈折率層である酸化ケイ
素(Sing)E1層22を形成する。
反射防止膜付硬質ガラスの場合は、上記過程までで光干
渉膜3′の形成は完了する。一方、ハロゲン電球の場合
は、上記の高屈折率層21と低屈折率層22の形成工程
を更に所望回数だけ交互に繰り返して光干渉膜3を形成
する。
次に本発明における光干渉体及びその形成方法の特長を
明らかにするため、前述の実施例において示したものと
同様、丁jOz  Altos″1層用薄層形成剤、及
びそれを用いて作製したTi1t−Altos薄層を例
にとって、それらの性質に関する従来技術との比較試験
の結果を説明する。試験結果の一例を第1表に示す。
第1表で、比較例Iに用いたTi Ot −A120 
s薄層用薄層形成剤は、従来技術によるものであって、
チタンアルコキシド、例えばTi(0−nBu)4 と
、アルミニウムアルコキシド、例えばA1(0−1Pr
)sとをエタノールなどの有機溶媒に溶解し、これに水
などを加えてチタン及びアルミニウム化合物の一部を重
合させたものである。また、本発明の実施例■〜m及び
比較例■に用いたTi1t−^1xOs薄層用薄層形成
剤はいずれも、前述の発明の詳細な説明で記述したもの
と同じである。
比較例H及びmに用いたTiO□−AItO,薄層用薄
層形成剤は、混合前のチタン化合物溶液とアルミニウム
化合物溶液において、チタン化合物とアルミニウム化合
物のどちらか一方にのみ、α−水素を持つβ−ジカルボ
ニル化合物が結合している溶液どうしを組み合わせて混
合したものである。
例えば、該β−ジカルボニル化合物が結合しているチタ
ン化合物の溶液と該β−ジカルボニル化合物が結合して
いないアルミニウム化合物の溶液とを混合してなる薄層
形成剤は次のようにして作製した。すなわち、所定のチ
タンアルコキシドを有機溶媒中で適度に加水重合させた
後、β−ケトエステルなどでキレート化して得た溶液と
、所定のアルミニウムアルコキシドを有機溶媒中で適度
に加水重合させて得た溶液とを所定の割合で混合した。
第1表中に示した薄層形成剤の寿命は、通常の使用状態
において、変色、白濁の発生、液粘度の異常な上昇など
を示した時期から大まかに判定したものである。
また、第1表に示した多層膜の性質は、Ti0□−AI
so、薄層を基体に隣接する第1層とし、その上に丁t
O,薄層と5lot薄層とをこの順序で交互に重層して
形成した多層膜についてのものである。
同表中の多層膜の層数とは、Ti0z−^180.薄層
Ti1z薄層及び5ift薄層の数の合計をさす、多層
膜の耐久性試験は、外表面温度が600℃以上に達する
ハロゲン電球バルブの外表面に多層膜を形成して、所定
の周期で該電球の点滅を繰り返すことによって行った。
Ti0z−^110s1層用薄層形成剤の作製の際に、
チタン化合物及び又はアルミニウム化合物に結合させる
キレート化剤として、第1表に示した化合物の他に、β
−ジエステルなどを用いた場合でも、第1表と同様の結
果を得た。また、実施例■のように該薄層形成剤中のチ
タン化合物とアルミニウム化合物とで結合しているキレ
ート化剤が異なる場合でも、すべて実施例■と同様の結
果を得た。
第1表 第1表から、まず、Ti0g  AhOs F1層用薄
層形成剤の安定性に関する本発明の効果が明らかである
。α−水素を持つβ−ジカルボニル化合物は、前述のよ
うに、キレート化剤として働くが、Ti01Ali()
+薄層用薄層形成剤をなすチタン化合物とアルミニウム
化合物においてチタンとアルミニウムの両方の原子に該
β−ジカルボニル化合物が結合している場合(実施例J
、  II、  nl)は、どのβ−ジカルボニル化合
物についても該薄層形成剤の安定度が高く、その寿命も
長かった。これに対し、チタン又はアルミニウムのどち
らか一方の原子が該β−ジカルボニル化合物を結合して
いない場合(比較例II、 I[[)は該薄層形成剤の
安定度が十分でなく、チタン又はアルミニウムの前原子
が共に該化合物を結合していない場合(比較例I)は更
に安定度が低かった。この事実からTi1t  Al!
03薄層の形成剤の安定度を保つには、キレート化剤と
しての、α−水素を持つβ−ジカルボニル化合物が、薄
層形成剤中の金属化合物のすべての金属原子と結合する
ことによって、それらすべての金属原子に対して、金属
原子とのキレート環の形成による、過度の加水重合の進
行の抑制という作用を及ぼすことが必要と考えられる。
次に、Ti0z −Altos 8層の性質に関しても
、第1表から、本発明の効果が明らかである。β−ケト
エステルなどのように、α−水素を持つβ−ジカルボニ
ル化合物は、これを添加して作製した薄層形成剤から形
成したTi1t−^l、0.薄層に、優れた積層性をも
たらした。但し、この効果は、該薄層形成剤中の金属化
合物のすべての金属原子にキレート化剤が結合している
時にもたらされるのであって(実施例I〜I[I)、チ
タンとアルミニウムのいずれか一方にしかキレート化剤
が結合していない場合(比較例n、 11[)には、キ
レート化剤を用いない従来の方法による薄層(比較例■
)と比べ、積層性が殆ど差がないか、もしくは若干改善
される程度であった。結局、α−水素を持つβ−ジカル
ボニル化合物によってすべて金属化合物がキレート化さ
れている薄層形成剤から形成したTi0z−^180.
薄層は、該薄層に他の薄層を積層する時の積層限界が、
従来の3層程度からIO層以上程度まで延長できた。
しかし、Ti0t  AI!03薄層を含む多層膜の性
質に関して更に検討を重ねたところ、同じキレート化剤
を用いた場合でも、条件によってはTi1t−AbOi
f1層が必ずしも良好な積層性や耐久性をもたらさない
ことがあり、このことはTiO!−AlxOz薄層の結
晶構造と深い関係を持っていることを見出した。但し、
このことはキレート化剤の種類とはあまり関係がなかっ
た。
Ti Ot  Aim Os薄層の結晶構造は、前述の
キレート化剤を用いるか否かに拘わらず、500〜60
0℃。
5分前後の条件での焼成では、すべてX線回折測定の結
果、非晶質構造が半分以上を占めていた。
しかし、焼成条件がこれよりも苛烈な場合、すなわち、
700℃以上の温度で10分以上焼成した場合には、結
果がいくつかに分かれた。まず、キレート化剤を全く用
いないか、又はチタン化合物とアルミニウム化合物のい
ずれか一方しかキレート化されていない薄層形成剤から
形成した時は、TiO□−AbOs薄層そのものが不良
であって、単膜層の状態でさえ、クラックや剥離を生じ
易く、実用に向かなかった。一方、チタン化合物とアル
ミニウム化合物が共にキレート化されている薄層形成剤
から形成した時は、前記のような苛烈な焼成条件を用い
ると、X線回折測定によれば、 Ti0x−Alオ0.
′gi層は結晶質構造が主体になっていた。
そうして、チタン化合物とアルミニウム化合物が共に同
じキレート化剤によってキレート化されている薄層形成
剤から形成したTi0z  Altos T1層につい
て、結晶構造の違いによる影響を検討すると、第1表に
示すように、他の層との積層性は非晶質構造主体の時(
実施例■)が結晶質構造主体の時(比較例■)よりも優
れており、耐久性試験を行うと両者の差が一層明瞭とな
った。このような積層性の相違は、非晶質主体の構造が
結晶買主体の構造よりも、焼成工程、電球に応用された
場合の点灯、などにおける熱衝撃に対して柔軟性に富む
ため、他の薄層との整合性が保持され易いことによるも
のと考えられる。
以上説明したように、α−水素を持つβ−ジカルボニル
化合物によって共にキレート化されているチタン化合物
とアルミニウム化合物の混合物からなるIN形成剤から
、非晶質構造が主体となる薄層を与えるような条件、例
えば、500〜600℃。
5分前後という比較的穏やかな条件での熱処理を経て形
成したTi1t−Altos 11層は、他の層との積
層性に優れ、また、この薄層を含む多層膜も熱的耐久性
が非常に良好であった。
次に上記本発明に係るTi0z−Alto□薄層を含む
多層膜からなる可視光透過赤外線反射多層膜をパルプ外
表面に形成したハロゲン電球を例にとって、本発明の効
果の一例を具体的に説明する。
第4図は、該多層膜の分光反射率の測定から求めた分光
透過率を示したもので、同図中曲線Aは、本発明の実施
例のハロゲン電球に適用された第2表に示す膜構成の9
N膜の分光透過率であり、また曲線Bは、同じくハロゲ
ン電球に適用された第2表に示す従来の膜構成の8層膜
の分光透過率である。
曲線Bで示す8層膜の場合、可視光領域の透過率曲線が
95〜100%の範囲で波打っているため、従来の構成
の多層膜を施したハロゲン電球では色温度や発光効率が
少L7変化するという問題がある。
更に、従来の技術においては、この問題の解決のため、
多層膜の第1層目に中間的屈折率層を配置すれば可視光
透過性が向上することが理論計算から予測されていたけ
れども、該中間的屈折率層の上に3層以上積層すること
自体が困難であった。
これに対して、本発明に係る多層膜を施したハロゲン電
球では、第1層目に中間的屈折率層を設置し9層膜を形
成しても十分な耐久性があり、膜特性は曲線Aで示すよ
うに、可視光領域の光透過率が100%に近く、また該
多層膜の形成によって、色温度や発光効率の変化を伴わ
ずに放射光中の赤外線だけを大幅に減少させたハロゲン
電球を得ることができた。
第2表 上述の各種比較実験の結果の説明においては、Ti0g
とA1.O,の複合酸化物、すなわちxTiot  ’
(1x)Altoz(0< x < 1)についてしか
説明しなかったが、Zr0zとA1.O,の複合酸化物
xZrCh・(1−x)AItos(0< x < 1
)及びTi0zとZr0tとAIgOzの複合酸化物x
Tioz’ yZrog・ (1−x−y)AItos
(0<X<1.O<y<l、Q<x+y〈1)について
も、Ti0zとAbOs(D複合酸化物と同様の結果を
得た。すなわち、xZrot  ・(1−X)A1t0
3及びxTiog−7ZrO* ・ (I  Xy)A
hOsのいずれについても、α−水素を持つβ−ジカル
ボニル化合物によってすべての金属化合物がキレート化
されている薄層形成剤は、そうでない薄層形成剤よりも
安定度が高く寿命が長かった。また、前者の薄層形成剤
から形成した複合酸化物薄層は、後者の薄層形成剤から
形成した場合よりも、他の層との密着性や整合性に優れ
、より層数の多い多層膜を構成することができ、更に該
複合酸化物薄層が非晶質構造主体の場合は、結晶質構造
主体の場合よりも積層性や多層膜の熱的耐久性がより一
段と良好であった。
本発明においては、中間的屈折率を有する薄層は、Ti
0zとZr0zの少なくとも一方の酸化物とAltos
との複合酸化物によって構成するが、該薄層の屈折率が
1.6〜1.9の範囲にあるという条件さえ満たされる
ならば、酸化物の組成比は問わない、しかし、Tiot
  Altos薄層を例にとると、この範囲のある一つ
の屈折率、例えば1.75を実現しようとする時、酸化
物組成比の選択の余地は広くはなく、限られており、経
験的には、酸化物の重量に換算しテTI O! : A
lt Os (7)重量比が70 : 30前後となる
組成の時に、その屈折率1.75が達成される。また上
記中間的屈折率層は、前述の実施例においては、多層膜
のうち、基体に隣接する第1層目に配置したが、本発明
においては、該中間的屈折率層を含んで有用な機能を発
揮する限り、多層膜のうちの任意の層に配置することが
できる。
更に該中間的屈折率層は、有用な機能を発揮するように
膜厚を選定した上で、単層膜で形成していてもよい。
また本発明においては、光干渉膜を構成する高屈折率層
には、前述の酸化チタンに限らず、酸化ジルコニウム、
酸化タンタルなど、高屈折率層として従来から用いられ
てきた物質をどれでも用いることができるが、好ましく
は金属酸化物であり、中でも酸化チタンが最適である。
一方、低屈折率層には、前述の酸化ケイ素に限らず、こ
れと屈折率が近い物質ならどれでも用いることができる
が、酸化ケイ素又はこれにリン、ホウ素などの元素を酸
化物の形で少量添加したものが好ましい。
更に、本発明においては、光干渉膜は、前述の実施例に
おける可視光透過赤外線反射膜及び反射防止膜だけでな
く、中間的屈折率層としてTi1tとZr0zの少なく
とも一方の酸化物と、AIgOzとの複合酸化物の薄層
を含んで有用な機能を発揮する光干渉膜ならば、どのよ
うな機能を持つものにでも応用できる。また光干渉膜を
表面に形成する基体は、前述の実施例における、透明石
英ガラス円筒及び硬質ガラスに限らず、他に種々の形状
を持つ耐熱性ガラス、セラミックスなどを基体として用
いることができる。
そうして、本発明は、前述の実施例における、可視光透
過赤外線反射膜付ハロゲン電球の他に、種々の光干渉膜
を有する、白熱電球、高圧蒸気放電灯などの管球にも適
用でき、更に反射防止膜付窓ガラスの他に、各種の光学
フィルターなどの光学部品にも適用できる。
〔発明の効果〕
本発明においては、光干渉膜が、酸化チタンと酸化ジル
コニウムの少なくとも一方の酸化物と、酸化アルミニウ
ムとの複合酸化物からなり中間的屈折率を存する薄層を
少なくとも一層含むものであり、且つ上記複合酸化物薄
層は、α−水素を持つβ−ジカルボニル化合物によりチ
タンとジルコニウムの少なくとも一方と、アルミニウム
の各々の化合物をいずれもキレート化して化学的安定性
を向上させた薄層形成剤を塗布し熱分解して形成される
ものであるので、該複合酸化物薄層の特性が長期に亘っ
て一定水準のものを提供することが可能であり、工業的
大量生産に最適である。更に本発明においては、光干渉
膜に含まれる上記複合酸化物薄層は非晶質構造を主体と
していて、優れた積層性と熱的耐久性を有しているので
、他の物質の薄層と組み合わせて、従来よりも層数が多
く、従来よりも多様な機能を持つ多層光干渉膜を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例である小型ハロゲン電球の
模式的縦断面図、第2図は、該電球の一部の模式的拡大
断面図、第3図は、本発明の他の一実施例である、反射
防止膜を両面塗布した窓ガラスの一部の模式的拡大断面
図、第4図は、可視光透過赤外線反射膜の分光透過率を
示す図である。 図において、1は酸化チタンと酸化アルミニウムの複合
酸化物薄層、2は交互重層膜、21は高屈折率層、22
は低屈折率層、3,3′は光干渉膜、4.10は基体を
示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1、1.6〜1.9の範囲の屈折率を持ち、酸化チタン
    と酸化ジルコニウムの少なくとも一方の酸化物と、酸化
    アルミニウムとの複合酸化物からなる透明な薄層を少な
    くとも1層含む、単層又は多層の光干渉膜と、該光干渉
    膜を表面に被覆する基体とを具備する光干渉体において
    、前記複合酸化物薄層は、該薄層に対応する原料化合物
    、すなわち、チタン化合物とジルコニウム化合物の少な
    くとも一方と、アルミニウム化合物とからなり、どの金
    属原子に対しても、α−水素を持つβ−ジカルボニル化
    合物が結合したキレート化合物、の溶液を前記基体表面
    に塗布し熱分解して形成される非晶質構造を主体として
    構成されていることを特徴とする光干渉体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02250201A (ja) * 1989-03-23 1990-10-08 Matsushita Electron Corp メタルハライドランプを備えた照明装置
JP2005336334A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Ube Nitto Kasei Co Ltd 非晶質酸化チタン複合塗膜形成用コーティング組成物、それを用いた塗膜およびその用途

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JPH02250201A (ja) * 1989-03-23 1990-10-08 Matsushita Electron Corp メタルハライドランプを備えた照明装置
JP2005336334A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Ube Nitto Kasei Co Ltd 非晶質酸化チタン複合塗膜形成用コーティング組成物、それを用いた塗膜およびその用途

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