JPH024969Y2

JPH024969Y2 -

Info

Publication number: JPH024969Y2
Application number: JP812184U
Authority: JP
Priority date: 1984-01-24
Filing date: 1984-01-24
Publication date: 1990-02-07
Also published as: JPS60120149U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、主として土木工事の竪坑あるいは
建築工事における地下または上部工事等における
高所と低所の工事現場をつなぐ人的交通の用に供
する仮設足場の吊昇降階段に係り、更に詳しくは
高低差の大小に拘らず動揺振動の少ない快適な人
的交通還境を提供し、しかも運搬、保管、格納に
当つてはコンパクトに折り畳み可能な吊昇降階段
に関するものである。

この種の工事現場における仮設足場の昇降階段
には各種のものがあるが、近来現場における架設
および撤去作業の簡便性を評価されて、折畳式吊
昇降階段が注目されるようになり、この種のもの
が種々考案されている。しかしその従来のものは
吊部材として、例えばチエーン様の可撓部材を用
いる場合が多く、架設や使用中に発生する動揺、
振動が大きくて安定性に問題を残しており、また
折り畳みに際しては、弛緩するチエーン等の処理
に手間がかかるばかりでなく、上下に重なる床枠
相互間のズレが大きく発生するなど、折り畳み中
および折り畳み後の安定性も劣悪で、運搬、保
管、格納に不便を来たすことが少なくなかつた。

本考案は、折り畳み作業の簡易化を図るととも
に、折り畳み状態の安定性を確保して運搬、保
管、格納の性能を高めた折畳式吊昇降階段を提供
するもので、以下図面に基いて詳細に説明する。

第１図第２図および第３図は本案昇降階段の単
位階段枠の夫々正面図、側面図および平面図、第
４図および第５図は工事現場において本案昇降階
段の複数の単位階段枠を竪に連結した全体の正面
図および側面図である。

第１図に示す如く、本案昇降階段の単位階段枠
は、方形の床枠１が上下に適切な間隔をおいて水
平に位置し、その上下の床枠１は、その四隅付近
に付設した吊金物３を介して４本の吊枠材２によ
り相互に連結され、その上下の床枠１，１間に斜
めにまたがつて階段５が架設されている。

この単位階段枠は、第４図に示すようにその複
数の単位を竪に連結して使用されるわけである
が、この場合の下位の単位階段枠は上位単位の下
床枠を自己の上床枠として共用する単位階段枠を
形成し同様に上方に向つては、下位の単位の上床
枠を自己の下床枠として共用して単位階段枠を形
成する形をとり、このようにして所要高さの吊昇
降階段を構成する。

床枠１は平行する３本の長辺梁１１，１１，１
１′とそれらの各端どおしをつなぐ２本の短辺梁
１２，１２とからなる枠体を基本とする。そして
その長辺方向の一端側には、中央長辺梁１１′の
左右の枠内空間M₁，M₂の各々を塞ぐ形で適当巾
の踊場１４が布設してあるとともに、その枠内空
間M₁，M₂のそれぞれの側において対向する長辺
梁１１，１１′内面に沿つて、後述の階段上下端
のローラ６，６が係合する断面Ｃ形のガイドレー
ル７，７が設けてある。ガイドレール７について
は、階段構造との関係において述する。床枠１
個々の構造は全てこのようなもので同一である
が、単位階段枠の上下の床枠としては、互いに逆
向き（水平に180゜回転した状態）にして使用した
形になつている。床枠の四隅位置には短い脚１３
が付設してあり、これは折り畳み時（第７図参
照）床枠間の間隔を適正に保持するスペーサとし
て機能する。また短辺梁１２，１２には同梁に対
しテレスコープ式に出入りし、かつその任意の位
置で固定可能な、既存建造物等に対する水平の当
て材８（第５図参照）を内蔵することが推奨され
る。

吊枠材２は図示のような平鋼その他種々の形鋼
など剛性体にて形成するとともに、そのほぼ中央
部位において特定の一方向へ屈折可能とする必要
がある。床枠に付設の吊金物３と連結する上下各
端は、その屈折方向へ可回転となす。図示例にお
いて、吊枠材２は上片２１および下片２２の２片
よりなり、その上片、下片の相互連結点２３にお
いて、前記床枠の長辺梁１１を含む垂直平面の中
を、内側に屈折可能に設けられている。なお、こ
の屈折方向については原則的には設計上許される
範囲で何れの向きに設定するも差支えないわけで
あるが、何れの場合にも設定した一方向にのみ自
然に屈折するように、上記連結点２３付近に逆折
防止板４を装着するようにする。なお、吊枠材は
床枠１の四隅に対応して少くとも４本は必要であ
るが、この４本に加える形で本数を増やすのは無
論差支えない。

上下床枠間にまたがる階段５は、その上下両端
が各々対応する前記床枠１に沿つて水平にスライ
ド可能にする必要がある。図示例ではその上下の
各端にローラ６が取付けてあり、これが上下床枠
１，１の前記ガイドレール７，７に係合して円滑
にスライドするようになつている。すなわち、上
下端のローラ６，６が、上下床枠１，１の同じ側
の枠内空間M₁，M₁にあつて互いに反対側に位置
するガイドレール７，７に各々係合した形になつ
ている。この階段５は、上下複数段の単位枠にお
いてその傾斜の向きと架設の位置M₁，M₂を交互
に変えて設置されており、その各階段は上下床枠
の踊場１４，１４間をつなぐ格好になつている。

折り畳み時、階段上下端のローラ６は第１図→
第６図→第７図の順にガイドレール７の外端側へ
移行しこれに伴い階段の斜きが水平に近づいてゆ
くことになるが、したがつてガイドレール７の外
端側は、階段５が第７図の略々水平の状態になる
までローラ６を導くに足る長さが必要とされる。
またその内端側については、階段が第１図の使用
状態における正規の姿勢をとる位置にローラ６を
導き得る長さが必要となる。このガイドレールの
両端は、それぞれ第１図、第７図の姿勢をとる位
置をこえてローラ６がオーバースライドしないよ
うにストツパー７′と床枠の短辺梁１２によつて
閉塞してある。

なお、上記ガイドレール７とローラ６の組合せ
は、例えば長孔とピン、その他のスライド構造に
設計変更が可能である。また、階段５の配置のし
方としても、必ずしも図示したようにその傾斜の
向きを交互に変える必要はなく、つねに同じ側に
傾いた形にしてもよい。この場合には全段を通じ
て同じ側の枠内空間（例えばM₁）に階段５を設
置し、他側の枠内空間（例えばM₂）は全て布板
を渡しそこを経て次の階段へ行くよう構成される
ことになる。

なお、養生対策としては、吊枠材２には、着脱
可能な手摺２４，２５を、また階段５にも着脱可
能または折り畳み可能な手摺５１を取付け、また
高所では外周を金〓で囲む等の措置をとるように
する。

以上のような構成になる本考案の昇降階段は、
折り畳みに際しては、安全防護材としての手摺、
金〓類の一部を取外すのみで、殆んど総ての主要
部材は取付けたままの状態でアコーデイオン式に
簡単迅速に折り畳むことが可能である。即ち、吊
り状態からクレーンを使つて地上に除々に降して
ゆけば、階段５の上下端のローラ６が夫々ガイド
レール７に沿つて床枠長辺梁１１の外端方向にス
ライドするとともに、吊枠材２が逆折防止板４の
作用で、各単位階段枠の床枠１間の垂直平面の中
を内側方に屈折を開始し（第６図）、吊枠材連結
点２３の動く範囲が上下の床枠間の次第に狭くな
る平面内に制約されているために、床枠１はその
上下間において横ズレなどの乱れもなく安定した
状態を維持しつつ自動調心的に相互の間隔を詰め
てゆく形となる。このようにして下方の単位から
順次折り畳みが進行してゆき、最終的に全段の単
位枠が、第７図に示すように上下床枠１，１が短
い脚１３，１３を介して隣接し階段５が略水平の
姿勢をとる偏平な形となつて安定する。

また、逆に折り畳んだものを架設状態にする場
合には、最上段の単位階段枠の上床枠１をクレー
ンにて吊り上げてやれば、上位単位から順に吊枠
材１が伸びてゆき階段５が上下端とも内側に向つ
てスライドし第７図→第６図→第１図（第４図）
の順に起上がつてくるから、それを既存の建造物
等に設けてある架台９に吊金物３を介して吊下せ
しめればよく、あとは手摺２４，２５及び５１等
をセツトして養生対策を施すだけである。

なお、架設状態では第５図に示すように床枠１
から当て材８を引出し既存建造物等の壁面に当接
させて固定すれば、吊階段全体の安定性を一段と
よくすることができる。

以上の説明から明らかなように本考案の吊昇降
階段は、従来のものと異なり、剛性のある鋼材か
らなる屈折可能な吊枠材２と、上下両端がともに
水平にスライド可能な階段５を採用したから、架
設や使用中における動揺、振動に対しすぐれた安
定性を発揮するとともに、折り畳んだ状態でも垂
直方向はもとより、水平方向にもきわめて安定的
なものであり、安全快適な人的交通環境を提供す
るのは勿論、架設および撤去作業の利便性はきわ
めて高く、運搬、保管、格納の面でも使い勝手す
こぶる良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の単位階段枠詳細の
正面図、第２図はその側面図、第３図は平面図で
ある。第４図と第５図は複数の単位階段枠を竪方
向に連結架設した工事現場の一例の正面図と側面
図。第６図は単位階段枠を折り畳む途中を示す正
面図であり、第７図は折り畳み完了後の正面図。図中、１……床枠、１１……床枠長辺梁、１２
……床枠短辺梁、１３……スペーササ、１４……
踊場、２……吊枠材、２１……吊枠材上片、２２
……吊枠材下片、２３……吊枠材連結点、２４…
…吊枠材用手摺、２５……吊枠材用手摺、３……
吊金物、４……逆折防止板、５……階段、５１…
…階段用手摺、６……ローラ、７……ガイドレー
ル、８……当て材、９……架台。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

単位階段枠を竪方向に複数連結してなる吊昇降
階段であつて、前記単位階段枠は、上下に適当な
間隔をおいて水平に位置する二つの方形の床枠１
と、之等をその少なくとも四隅付近において相互
に連結する剛性吊枠材２と、前記上下の床枠１，
１間に跨つて斜めに架設した階段５とを備え、前
記剛性吊枠材２はその、ほぼ中央部において屈折
可能であり、階段５はその上下両端が各々対応の
床枠１に沿つて水平にスライド可能であつて、上
下の床枠１，１間の間隔を詰めて折り畳み可能に
なつていることを特徴とする折畳式吊昇降階段。