JPH024901B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は画像記録装置に関し、特に画像状の電
気信号に対応して粉体顕画剤の搬送部材に対する
付着を制御し、この搬送部材に画像を形成する装
置に関する。

従来、電気信号により顕画剤を直接記録部材へ
付着させる画像形成法としては、コントログラフ
イとして知られるものがある。この方法は記録部
材上に液体顕画剤を配して針電極により、この液
体顕画剤を記録部材へ付着させるものである。し
かし、液体現像剤を用いるこの方法は、記録部材
へのキヤリア液のしみ込みが問題となり実用的で
はなかつた。これに対して乾式顕画剤を用いるコ
ントログラフイとしては、記録部材へ針電極を接
触させ、この記録部材の反対側から顕画剤を供給
する方法が知られている。しかし、この場合には
記録部材の厚さ及び導電率により解像力の低下が
目立ち、充分満足できる画質が得られていない。

本発明の目的は上述従来例の欠点をなくした新
規な画像記録方法及び装置を提供するものであ
り、更に乾式の粉体顕画剤を使用することが可能
であり、高い解像度の画像を湿度等の雰囲気の影
響を受けることなくかつ低い記録電圧で得ること
を可能とする画像記録装置を提供することにあ
る。

上記目的を達成する本発明の画像記録装置は、
磁性トナーを堆積する手段と、そのトナー堆積手
段の下部に配置され、表面に絶縁層を有し、移動
することでトナーを搬送するトナー搬送手段と、
トナー堆積手段のトナー搬送手段移動方向下流側
の出口部に位置し、トナー搬送手段の幅方向に多
数の電気的に絶縁された磁性電極を、トナー搬送
手段とは非接触に配設したゲート部と、トナー搬
送手段を介して上記ゲート部の磁性電極に対向し
て位置し、堆積手段内側のトナーがゲート部から
流出するのを防止する磁界を形成するための磁極
とを有し、上記磁性電極に信号電圧を印加するこ
とで、搬送手段の絶縁層にトナーを静電的に付着
させ、ゲート部でのトナー流出阻子のための磁界
に打勝つて、トナー搬送手段上にトナー像を形成
するものである。

以下、本発明を実施例に従つて詳説する。

第１図は本発明の一実施例を示す画像記録装置
の断面図を示す。

図において１は円筒状のトナー搬送部材で、表
面に絶縁性薄層１ａを有する導電性非磁性円筒部
材１ｂより成り矢印方向に回転する。この搬送部
材１の内部に固定磁石２を有している。導電性の
磁性トナー４はこのトナーを堆積するトナー容器
３に蓄えられている。このトナー容器からのトナ
ー流出を制御するゲート部材５は磁性又は非磁性
の支持体６に絶縁層７を介してトナー搬送部材の
全幅に渡つた独立して存在する多数の電極８を接
着して構成され、この電極８は各々信号発生源９
に結線され磁性体材料により構成されている。一
方、トナー搬送部材の内側の固定磁石２には、上
記ゲート部材５に対向して磁極が設けられてお
り、特に磁性体材料で構成してある電極８との間
に強い磁界が形成され、トナー４はトナー搬送部
材１が回転しても磁界の束縛により、ゲート部材
を弾過して流出しない力のバランスにある。

上記構成により電極８へ電気信号発生源９より
制御された電圧が印加されると、電極８より導電
性磁性トナーが通じて電流が流れトナー搬送部材
の絶縁層をはさんでトナーと導電性円筒１ｂとの
間に充電されてトナーへ静電引力が作用し、ゲー
ト部材位置での磁界によるトナー流出の束縛に打
ち勝ち、トナー搬送部材１の表面に選択的に流出
して付着することによりこのトナー搬送部材表面
に顕画像が形成される。トナー搬送部材１上の絶
縁層１ｂは、薄い程上記電極８への印加電圧が低
くとも強い静電引力が作用するため数ミクロン以
下であるのが好ましい。又、このトナー搬送部材
を繰り返して使用するためには、１回転以内の間
にトナーの電荷は放電し、帯電電荷の蓄積を生じ
ないのが望ましい。又、トナー搬送部材に使用さ
れている材質は常にトナーと摺擦しているので、
トナーとの摩擦抵抗が小さく滑りを生じ易い様に
表面エネルギーの低い物質を使用することが有効
である。そして、トナー搬送部材１上に形成され
たトナーによる画像は、適当なコロナ放電器１０
等の電界印加手段により転写紙等の他の記録部材
１１へ転写され定着されて利用される。

転写されずにトナー搬送部材上に残つたトナー
像は、次にゲート部材を通過する時に消去される
ため特別なクリーニング手段は設ける必要がない
が、熱転写手段を用いた場合等顕画剤が再使用に
適さない場合にはゴム、プラスチツク、金属等よ
り成るブレードの様なクリーニング手段を設けて
も良い。

又トナー容器３のトナー搬送部材に近接する部
分を磁性体とし、固定磁石２のその部分に対向す
る位置に磁極を配置すると、磁性体トナーがトナ
ー容器より流出するのを防止すると同時に残存ト
ナー像のクリーニングも兼ねることができる。

ところで本発明においては画像形成時以外にゲ
ート部材からのトナーの流出がない様にしなけれ
ばならないが、このためにはゲート部材位置での
束縛磁界の形状が重要となる。第２図はゲート部
材位置でのトナーの流出がし難い磁極配置の一実
施例を示すゲート部材部の断面図を示す。なお、
第１図の構成部材と同一の作用を有するものは、
同一符号を付してある。

第２図に示す様にトナー搬送部材１を介して固
定磁石１２の磁極に対し、磁性体より成る電極８
を正対する位置よりトナーが堆積している側に若
干ずらして配置する。破線で示す磁力線１３が図
の様な方向になると、トナーの通過の阻止が良く
行われる。この様に固定磁石１２に対してゲート
部材の電極がトナー搬送部材の移動方向に対して
カウンター方向に磁界が斜めになる程、トナー通
過の阻止は完全になる。しかし、磁界に沿つてト
ナーのチエーンが発生するため、電極に電圧が印
加されると電流はこのチエーンに沿つて流れる傾
向があるので、トナーのチエーンが斜めになり過
ぎると解像力が低下し、電極８に対する印加電圧
を上昇させる必要が出る。そして更に、磁界が斜
めになり過ぎた場合、トナーの移動が起こり難く
なり電圧印加によりトナーが記録のためにゲート
部材と搬送部材との間より持ち去られた後、この
間隙部を埋めるトナーがすみやかにゲート部材と
トナー搬送部材との間を満すことができなくな
る。これらの制約を考慮すると、この磁界の傾
き、即ち、トナーの搬送部材面とは垂直な線に対
する上記磁界の方向が成す角度は、およそ０〜
60゜で特に30゜〜45゜の範囲に選択することが好まし
い。

前記実施例では導電性磁性トナーを用いる場合
について述べたが、絶縁性磁性トナーを用いても
同様にトナー搬送部材上への画像形成は可能であ
る。ただしこの場合、導電性磁性トナーを用いた
場合より一般的に記録に必要な電極８への印加電
圧を高くすること、及びトナーが帯電してその鏡
像力によつてトナー搬送部材へトナーが付着し易
く、顕画像にかぶりを生じ易いという欠点があ
る。このかぶり現像を防止する手段として、トナ
ー搬送部材上との摩擦帯電により生じるトナーと
同極性に帯電する物質で被覆するのが考えられ
る。又、ゲート部材の形状も種々の変形が考えら
れ、トナー容器中でのトナーが固化（ブロツキン
グ）を起こさない工夫も必要とされる。例えばゲ
ート部材５の支持体６を磁性体で形成し、ゲート
部材によるトナーの束縛力を増大させるのも可能
である。

トナー搬送部材上に形成したトナー像の形成以
降についても種々の変形が可能であり、ローラを
用いた静電転写や圧力転写、更に熱転写等の公知
技術で流用でき、又トナー搬送部材として第２図
に示す如くシート状のものを用い転写を行わずに
このシート状部材を最終記録材として直接定着し
ても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す記録装置の断
面図、第２図はゲート部材の部近傍の部分断面図
である 図中、１はトナー搬送部材、２は磁気手段、３
はトナー堆積用の容器、５はゲート部材を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁性トナーを堆積する手段と、 そのトナー堆積手段の下部に配置され、表面に
   絶縁層を有し、移動することでトナーを搬送する
   トナー搬送手段と、 トナー堆積手段のトナー搬送手段移動方向下流
   側の出口部に位置し、トナー搬送手段の幅方向に
   多数の電気的に絶縁された磁性電極を、トナー搬
   送手段とは非接触に配設したゲート部と、 トナー搬送手段を介して上記ゲート部の磁性電
   極に対向して位置し、堆積手段内側のトナーがゲ
   ート部から流出するのを防止する磁界を形成する
   ための磁極とを有し、 上記磁性電極に信号電圧を印加することで、搬
   送手段の絶縁層にトナーを静電的に付着させ、ゲ
   ート部でのトナー流出阻止のための磁界に打勝つ
   て、トナー搬送手段上にトナー像を形成すること
   を特徴とする画像記録装置。