JPH0248707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は車両におけるイグニツシヨンコイルの
取付構造に関する。

（従来技術） 車体フレーム側に一端が枢支され後輪と共に上
下揺動するパワーユニツトを備える自動二輪車、
三輪車等の車両においては、ワイヤハーネスの屈
曲動をなくし、点火プラグソケツトへの応力を少
なくするため、イグニツシヨンコイルをパワーユ
ニツト側に取付固定することが望ましい。

そのため従来においてはパワーユニツトに取付
けたエアクリーナのクリーナケースにイグニツシ
ヨンコイルの収容部を一体に形成し、該収容部を
開閉する蓋体をエアクリーナケースカバーに一体
に形成したものが提供されている。

しかしながら前記収容部の開口部を上方に向
け、該開口部を塞ぐように蓋体をエアクリーナケ
ースカバーに設けた場合には、パワーユニツトの
上下振動時、蓋体が微小変形し易くなるので、収
容部と蓋体との間に隙間が生じるのを防ぐ為の手
段が必要となる。

また、エアクリーナケースカバーにイグニツシ
ヨンコイルの収容部の蓋体を一体に設けた場合に
は、クリーナエレメントの清掃、交換時に開閉頻
度の少ない収容部をその都度開放することになり
着脱箇所が増える不具合がある。

（考案の目的） 本考案は前記事情に鑑み案出されたものであつ
て、本考案の目的とする処は、パワーユニツトの
上下振動によつても収容部と蓋体との間に隙間が
生ずるのを防止し、また蓋体のずれを少なくする
と共に、クリーナエレメントの清掃、交換時にそ
の都度収容部が開放されることがない車両におけ
るイグニツシヨンコイルの取付構造を提供するに
ある。

（考案の構成） 本考案は前記目的を達成するため、エアクリー
ナケースにイグニツシヨンコイル取付用の収容部
を一体に形成し、前記収容部に係脱自在で収容部
を開閉するスライド式の蓋体をエアクリーナケー
ス及びエアクリーナケースカバーとは別に設け、
且つ蓋体のスライド方向をパワーユニツトの揺動
方向に略合致させ、蓋体の変形やずれを防止する
ようにしたことを特徴とする。

（実施例） 以下本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
説明する。

第１図は第２図の−線断面図、第２図はス
クータの一部切欠き側面図、第３図は第２図の
矢示から視たエアクリーナの図、第４図はケース
カバー側から視たエアクリーナケースの正面図を
示す。

１はスクータ、２は前輪、３は後輪で、車体フ
レーム４上には足載せフロア５が設けられ、また
車体フレーム４にはセンターカバー６、リヤカバ
ー７を取着し、センターカバー６上にはシート８
を設ける。

センターカバー６、リヤカバー７の内側には、
前部を車体フレーム４に不図示の枢軸により枢支
してパワーユニツト１１を矢印１１ａで示す上下
方向に摺動自在に設け、車体フレーム４上部とパ
ワーユニツト１１後部間に緩衝器１２を介設し駆
動輪をなす後輪３を懸架支持する。

前記パワーユニツト１１は前部にエンジン１３
を備え、前後方向に延出するミツシヨンケース１
４上にはエアクリーナ２１を配設する。

エアクリーナ２１はミツシヨンケース１４へ取
付けるべくブラケツト２２，２２が一体に形成さ
れたエアクリーナケース２３と、エアクリーナケ
ース２３の左側方でボルト２４，…を介して着脱
自在に取着されるケースカバー２５とを備え、エ
アクリーナエレメント２６はエアクリーナケース
２３側に内装され、エアクリーナケース２３とケ
ースカバー２５は共に合成樹脂製である。

前記ケースカバー２５における前方側の周面部
２５ａには外気導入口３１，３１を開口させ、該
外気導入口３１，３１の近傍を覆う如くエアクリ
ーナケース２３から遮蔽板３２を一体に延出形成
する。尚図面中３３は遮蔽板３２の開口部、３４
は気化器調整用孔、３５は気化器、３６は吸気管
である。

前記エアクリーナケース２３における上面部２
３ａには、前寄り箇所にイグニツシヨンケーブル
ハーネス１０１の保持部４１を、その後方にイグ
ニツシヨンコイル１０２の収容部４２を夫々上面
部２３ａから一体に膨出形成する。

前記保持部４１は前後に間隔をおき、且つ互い
に対向する方向に開放部を臨ませた二つのコ字状
の保持片４３，４３を備え、この保持片４３，４
３によつてイグニツシヨンケーブルハーネス１０
１は保持される。

前記収容部４２は車両の側方、即ち、ケースカ
バー２５側に開口部５１を有し、収容部４２の前
側面５２にはイグニツシヨンケーブルハーネス挿
通用の開口部５３を、後側面５４には端子１０
３，１０３と接続するリード線１０４，１０４挿
通用の開口部５５，５５を夫々設ける。

前記収容部４２の上面６１における開口５１寄
り箇所にはスリツト６２を形成し、底面６３には
該スリツト６２に対応する係止溝６４を形成す
る。イグニツシヨンコイル１０２は斯かる収容部
４２に収容し、前記スリツト６２から挿し込んだ
蓋体７１で収容部４２を閉塞し、蓋体７１のスラ
イド方向はパワーユニツト１１の上下揺動方向１
１ａに略合致させる。

前記蓋体７１は前記係止溝６４に挿入され係止
溝６４の縁部下面に係止する係止突起７２を有す
る係止片７３を備え、蓋体７１の他側部には蓋体
７１の開閉スライド操作を容易ならしめるように
肉厚部７４を形成すると共に、収容部上面６１に
係止する係止部７４ａを形成し、収容部４２と蓋
体７１は合成樹脂製の紐７５で繋げ第４図中７１
ａで示した方向に回して蓋体７１を取付け、図中
７６は収容部上面６１に形成され、係止部７４ａ
と略等しい長さで係止部７４ａに近接配置された
水切り用突条である。

本考案は前記のように構成したので、パワーユ
ニツト１１が上下に振動しても、該振動方向に蓋
体７１は延出し、且つ振動方向で係止突起７２が
係止溝６４周縁に係止するので、蓋体７１は変形
する虞はなく、また蓋体７１は外れる、ずれる等
の虞はない。

また、蓋体７１をケースカバー２５とは別体に
設けたので、クリーナエレメント２６の清掃、交
換時に開閉頻度の少ない収容部４２をその都度開
放する不具合もない。

第５図及び第６図は本考案の第２実施例を示
し、第５図はその要部の断面側面図を、第６図は
収容部の平面図を示す。

第２実施例では蓋体１１１の上部に水切りリブ
１１２を形成し、収容部１１３の上面１１３ａに
形成した突条部１１４と蓋体１１１とでリード線
１１５，１１５を挟持する如く保持し、前記水切
りリブ１１２でリード線１１５，１１５を覆い、
水滴のリード線１１５，１１５への落下を水切り
リブ１１２で防止するようにしたものである。尚
図面中１１６は把手となる肉厚部、１１７は蓋体
１１１の外面上部の略中央部に配設した係止突
起、１１８は蓋体１１１の凸部１１７ａを挿通す
る係止溝、１１９は蓋１１１挿入用のスリツトで
ある。

（考案の効果） 以上の説明で明らかなように本考案によれば、
パワーユニツトの上下振動によつても収容部と蓋
体との間に隙間が生ぜず、また蓋体はずれること
なく、またクリーナエレメントの清掃、交換時に
その都度収容部が開放することがない等の優れた
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図の−線断面図、第２図はス
クータの一部切欠き側面図、第３図は第２図の
矢示から視たエアクリーナの図、第４図はケース
カバー側から視たエアクリーナケースの正面図、
第５図及び第６図は第２実施例を示し、第５図は
第２実施例の要部の断面側面図、第６図は収容部
の平面図である。 尚図面中１１はパワーユニツト、２１はエアク
リーナ、２３はエアクリーナケース、２５はケー
スカバー、４２は収容部、７１は蓋体、１０２は
イグニツシヨンコイルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後輪と共に揺動するパワーユニツトに取付固定
   されたエアクリーナケースを備える車両におい
   て、前記エアクリーナケースにイグニツシヨンコ
   イル取付用の収容部を一体に形成し、前記収容部
   に係脱自在で収容部を開閉するスライド式の蓋体
   を設け、且つ該蓋体のスライド方向をパワーユニ
   ツトの揺動方向に略合致させたことを特徴とする
   車両におけるイグニツシヨンコイルの取付構造。