JPH0248357B2 - Akikannopuresushorisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は使用済みの空き罐をプレスし、そのプ
レス物を材質別、具体的にはスチール等の磁性体
製のものとアルミ等の非磁性体製のものに選別し
て回収できるようにした空き罐のプレス処理装置
に関する。

近時、ジユースやコーヒー等の罐入り飲料の需
要は極めて多く、その使用済み空き罐の処理対策
としては空き罐を一個づつプレスして小容積化
し、そのプレス物を材質別に選別して回収できる
構造のプレス装置を用いることが知られている。
ところが、従来知られているこの種のプレス装置
としてプレス部内に空き罐の選別機構を組付けて
ある構造のものでは、必要な部品点数が比較的多
くなつて機構が複雑となり、故障が起り易いとい
つた問題がある。

例えば、プレス装置の押し板に永久磁石を取付
け、空き罐のプレス段階でプレス物を材質別に選
別できるように構成された従来装置では、押し板
に吸着した磁性体製のプレス物をプレス直後に剥
離するための突き出し機構を押し板に組付けてお
く必要があつて、選別機構側にかなりの負担を与
えることは避けられない。即ち、空き罐のプレス
処理に必要な荷重が押し板に作用する関係で永久
磁石の欠損が生じ易く、また、突き出し機構に故
障が発生した場合は、プレス装置そのものを解体
して修理しなければならないといつた大がかりな
作業が必要となる等、メンテナンスの面で非常に
不利となる。

そこで、本発明は空き罐がプレス処理された後
の段階、即ち、プレス処理物がシユート上に放出
された段階で該処理物の材質的選別をプレス作業
と同調させて行なうことができる空き罐のプレス
処理装置を提供しようとするものであつて、本発
明によれば選別機構の簡素化を図り得ることは勿
論のこと、選別機能の向上、そしてメンテナンス
の面でも著しく有利となり、信頼性の極めて高い
プレス処理装置を構成できるものである。

即ち、本発明の特徴とする空き罐のプレス処理
装置は受け板と該受け板に対し前進後退自在であ
る押し板とによつて空き罐を一個づつプレスし、
プレスされた空き罐を排出する落下口の下方にシ
ユートを配置した空き罐のプレス処理装置におい
て、上記押し板には該押し板の前進方向へのみ回
動できるように支持されている押しレバーを設
け、自由端側がそれぞれ上記押し板の後退方向へ
延びている上記シユート及びこのシユートの下面
に当接自在である保持板をそれぞれ回動自在に支
持すると共に、シユートの回動通路上には該シユ
ートの自由端側を下方に位置させた傾射状態でそ
の上限傾斜位置と下限傾斜位置をそれぞれ規制す
るストツパーを設け、一方、保持板の自由端側に
は永久磁石を取付けると共に、この保持板を常時
は上記シユートを上方へ向けて押圧できるように
バネの作用下に置き、かつ、保持板には上記押し
レバーの移動通路上に臨ませて該押しレバーと係
脱自在である係合子を、その係合子が押しレバー
により押された段階で上記シユートの下限傾斜位
置より下方へ保持板を回動させることができる位
置に設けて成るものであつて、以下にその実施例
を添付図面を参照しながら説明する。

第１図に示す如く、総括的に符号１で示したプ
レス処理装置は箱体２内に適当な支持手段によつ
てセツトされ、箱体２には空き罐Ｋを投入するた
めの投入口３の部分を開閉する扉板４を枢着５し
てあり、扉板４には投入された空き罐Ｋをプレス
処理装置１側に案内する案内板４ａを一連的に設
けてある。また、プレス処理装置１の下方には空
き罐Ｋのプレス処理物を材質別に収容する回収容
器６，７が並設されている。

プレス装置体１は固定状態に支持された受け板
１１及び支持板１２と、上記受け板１１に対し前
進後退できるようにセツトされた押し板１３を備
え、受け板１１と支持板１２は適当な間隔を置い
て一体の連結棒１４により結合している。押し板
１３は作動シリンダー１５により作動されるピス
トンロツド１６の先端に固定され、ピストンロツ
ド１６は支持板１２を貫通しており、また、作動
シリンダー１５は公知の電動油圧ポンプ（図示省
略）等を動力源として作動できる仕組になつてい
る。受け板１１と押し板１３との間に形成される
プレス部１７は空き罐Ｋを一個収容できる大きさ
とされ、その底面部（空き罐Ｋの載置部）１７ａ
の前端と受け板１１との間には落下口１８が形成
されており、この落下口１８の下方にはシユート
１９を設けてある。

上記押し板１３の一側部には該押し板１３の前
進方向へのみ回動することが許容された押しレバ
ー２１を枢着してあり、２２はその支軸であつ
て、押しレバー２１は押し板１３側に設けたスト
ツパー２３に背面部が当接自在であつて、常時は
自体の重力によつて垂設状態に支持されている。
一方、シユート１９は固定枠２４に一端部１９ａ
を枢着し、このシユート１９の自由端１９ｂは上
記押し板１３の後退方向へ向かつて延びており、
このシユート１９の回動通路上には該シユート１
９の自由端１９ｂを下方に位置させた傾斜状態で
その上限傾斜位置と下限傾斜位置をそれぞれ規制
するストツパー２５，２６を設けてある。

この両ストツパー２５，２６は固定枠２４の側
面部にそれぞれ設けてあり、シユート１９の一側
上縁部と底面部に当接自在な配置とされている。

シユート１９の下面側に保持板２７を設けてあ
り、この保持板２７はシユート１９と同様な状態
で固定枠２４に枢着され、その自由端２７ａ側に
は永久磁石２８を取付けてある。この保持板２７
には固定枠２４との間に戻しバネ２９を掛け止め
てあり、該戻しバネ２９は保持板２７を常時は上
方へ向けて付勢し、保持板２７により押圧される
シユート１９をその上限傾斜位置側に設けたスト
ツパー２５に当接させ、その傾斜状態を保持する
ように機能付けられている。また、保持板２７の
一側部には前述した押しレバー２１の回動通路上
に臨む係合子３１を設けてあり、この係合子３１
は押しレバー２１の前進時に該押しレバー２１に
よつて押圧され、保持板２７を戻しバネ２９に抗
して回動させる部材であつて、係合子３１は上記
シユート１９の下限傾斜位置より下方に保持板２
７を若干回動させることが可能な位置に設けてあ
る。

即ち、係合子３１の設定位置は、具体的にはシ
ユート１９が下限傾斜位置に回動したとき、この
シユート１９上に停止している空き罐Ｋのプレス
処理物に永久磁石２８の磁力が作用しなくなる位
置まで保持板２７を回動させることができる部分
であればよい。

なお、前述した回収容器６，７はシユート１９
の自由端１９ｂ側、即ち、シユート１９の放出口
側下方に並設されており、図上左側のものは磁性
体製のプレス処理物を、また右側のものは非磁性
体製のプレス処理物をそれぞれ回収する容器とし
て用いられる。図中、３２はシユート１９及び保
持板２７の枢軸、３３，３４は戻しバネ２９の掛
け止め用フツクである。

以上の構成によれば、プレス部１７内に収容さ
れた空き罐は押し板１３の前進運動によつてプレ
スされ（第２図参照）、そのプレス処理物Ｋは押
し板１３の後退動作と同時にシユート１９上に落
下し、このプレス処理物K′が非磁性体製のもの
であれば、該プレス処理物K′は第２図の仮想線
で示す傾斜状態にあるシユート１９上を滑動し、
第３図の仮想線で示すように一方の回収容器７内
に放出されることになる。しかして、シユート１
９上に落下したプレス処理物K′が磁性体製のも
のであれば、第３図に示す如く該プレス処理物
（同図上実線で示されたもの）K′は永久磁石２８
の吸着作用によつてシユート１９上に一時停止す
ることになる。この場合、押し板１３の後退動作
が開始される前に押しレバー２１から係合子３１
が外れ、保持板２７は戻しバネ２９によつてシユ
ート１９とともに元の非作動位置に復帰するの
で、この復帰した状態では保持板２７はシユート
１９の下面に当接しており、シユート１９上を滑
動してくる磁性体製のプレス処理物K′は永久磁
石２８によつて確実に吸着され、シユート１９上
に一時停止できるものである。この停止後に、プ
レス部１７内に空き罐Ｋが投入されてプレス作業
が開始すると、見掛け上はプレス処理物K′を吸
着しているシユート１９と保持板２７は下方へ、
即ち、図上時計方向へ向かつて回動する。この回
動々作でシユート１９がその下限傾斜位置で停止
し保持板２７がシユート１９より離れると、永久
磁石２８の磁力がプレス処理物K′に作用しなく
なり、プレス処理物K′は自由となつて他方の回
収容器６内に放出され、ここに本発明の目的とす
る空き罐Ｋのプレス処理物K′の材質別による選
別回収を達成できる。

なお、シユート１９及び保持板２７は合成樹脂
等の非磁性体により形成するのが好ましく、ま
た、以上の実施例は空き罐Ｋを横倒させてプレス
する場合について図示説明したが、これは空き罐
Ｋを起立させてプレスできるように実施すること
も可能であり、更にまた、前記特許請求の範囲の
構成から逸脱しない限りは、本発明は随時設計的
変更して実施することができる。

本発明は上記の如くであつて、空き罐のプレス
処理物を材質別に選別する機構をシユート側に設
け、該選別機構はプレス装置部側とは押し板に設
けた押しレバーと同調できる構成を採用したの
で、選別機構の組付けは従来装置と比較して非常
に容易となるし、また、部品点数は大巾に節減さ
れて構造の簡素化を達成でき、選別機能に優れて
いることは勿論のこと、保守保全の面でも非常に
有利である等、その実用的価値は極めて多大であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
箱体にセツトした状態の要部側断面図、第２図乃
至第４図は作動状態を段階的に示した要部側断面
図、第５図は要部背面図である。 図中、１１は受け板、１３は押し板、１７はプ
レス部、１８は落下口、１９はシユート、１９ｂ
は自由端、２１は押しレバー、２５，２６はスト
ツパー、２７は保持板、２７ａは自由端、２８は
永久磁石、２９は戻しバネ、３１は係合子、３２
は枢軸である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 受け板と該受け板に対し前進後退自在である
   押し板とによつて空き罐を一個づつプレスし、プ
   レスされた空き罐を排出する落下口の下方にシユ
   ートを配置した空き罐のプレス処理装置におい
   て、上記押し板には該押し板の前進方向へのみ回
   動できるように支持されている押しレバーを設
   け、自由端側がそれぞれ上記押し板の後退方向へ
   延びている上記シユート及びこのシユートの下面
   に当接自在である保持板をそれぞれ回動自在に支
   持すると共に、シユートの回動通路上には該シユ
   ートの自由端側を下方に位置させた傾射状態でそ
   の上限傾斜位置と下限傾斜位置をそれぞれ規制す
   るストツパーを設け、一方、保持板の自由端側に
   は永久磁石を取付けると共に、この保持板を常時
   は上記シユートを上方へ向けて押圧できるように
   バネの作用下に置き、かつ、保持板には上記押し
   レバーの移動通路上に臨ませて該押しレバーと係
   脱自在である係合子を、その係合子が押しレバー
   により押された段階で上記シユートの下限傾斜位
   置より下方へ保持板を回動させることができる位
   置に設けて成ることを特徴とする空き罐のプレス
   処理装置。