JPH0247121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は鉄骨鉄筋コンクリート造外壁に使用さ
れる、鉄筋の一部が内側に突設された部分PC板
（オムニアム板）の出入り調整装置に係るもので
ある。

（従来の技術） 従来、前記外壁板に使用される部分PC板の出
入り調整金具は、鉄骨梁フランジ天端にアングル
ピース等を溶接して同ピースに調整用のボルトを
挿入して、オムニアム板の内側に突設されたオム
ニアム筋と鉄骨梁とを連結し、オムニアム板の出
入り調整、固定を行なうか、または鉄骨梁のフラ
ンジをアングル材とボルト等で挾み込み、オムニ
アム板の調整、固定を行なつていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら前者の方法ではアングルピースを
溶接するために手間がかかり、またオムニアム筋
の正確な位置出しが困難なためオムニアム筋の取
付け直前に墨出しをして溶接作業を行なうので、
火花が落下し、その養生に配慮しなければならな
い。

また後者の方法でも、固定機能と調整機能とが
同一のボルト、ナツトでなされているため、調整
及び固定に時間がかかつていた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、鉄骨梁のフランジの内外両側縁
に係合された内外一双のアングル片をボルトで緊
締し、外側アングル片に貫挿されたＵボルトの先
端フツク部を前記鉄骨梁の外側にセツトされた
PC外壁板より内側に突設された鉄筋に係止する
とともに、前記Ｕボルトの外側アングル片に対す
る貫挿部にナツトを螺着緊締してなることを特徴
とするPC外壁板出入り調整装置に係るものであ
る。

（作用） 本考案は前記したように構成されているので、
前記鉄骨梁のフランジの内外両側縁に係合される
内外一双のアングル片を、鉄骨梁の外側にセツト
されたオムニアム板の内側に突設されたオムニア
ム筋の対向位置まで移動調整してボルトにより当
該位置に固定し、外側アングル片に貫挿されたＵ
ボルトの先端フツク部を前記オムニアム筋の突出
部に係止し、同Ｕボルトの前記外側アングル片に
対する貫挿部に螺装されたナツトを緊締調整する
ことによつて、前記オムニアム板の出入りを調整
するとともに、同オムニアム板を所定位置に固定
するものである。

（考案の効果） このように本考案によれば鉄骨梁の上部フラン
ジに対してオムニアム板の出入り調整及び固定金
具をオムニアム板の内側に突出するオムニアム筋
の位置に自由に取付けることがき、前記鉄骨梁の
外側縁に係止された外側アングル片に対するＵボ
ルトの貫挿部に対するナツトの締付操作だけで、
オムニアム板の出入り調整、及び固定が可能とな
り、工数が節減されるとともに施工精度安全性が
向上されるものである。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

Ａは鉄骨梁でその上部フランジ１の内外両側縁
に夫々アングル片２，３が係止され、同各アング
ル片２，３に挿貫されたボルト４にナツト５を螺
着緊締することによつて、前記アングル片２，３
が上部フランジ１に固定されるようになつてい
る。

Ｂは前記鉄筋梁Ａの外側にセツトされた外壁板
を構成するオムニアム板、Ｃは同板Ｂに内蔵さ
れ、一部内側面より突出されたオムニアム筋であ
る。

前記外側アングル片２にはＵボルト６が貫挿さ
れ、内外一双のナツト７，８が螺装されている。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、前記内外一双のアングル片２，３をオムニ
アム筋Ｃの対向位置に位置するように鉄骨梁Ａの
上部フランジ１の内外両側縁に係止して、ボルト
４ナツト５によつて当該位置に締付け固定する。

次いで前記Ｕボルト６の先端フツク部をオムニ
アム筋Ｃに係止するとともに、同フツク部におけ
るボルト６の躯体及び折曲片６ａに亘つて締付板
９を嵌挿し、折曲片６ａにナツト１０を螺着緊締
して前記フツク部をオムニアム筋Ｃに固定する。

次いで前記ボルト６の外側アングル片２に対す
る挿貫部に螺装されたナツト７，８を螺回調整し
て、オムニアム板Ｂの出入りを調整する。

前記調整作業完了後ナツト７，８を互いに締付
けてオムニアム板Ｂを調整位置に固定する。

なお第３図に示すようにオムニアム板Ｂの接合
位置Ｄが床面より上方に位置するときは、前記実
施例に示すように、オムニアム板Ｂの出入り調
整、固定金具Ｅは鉄骨梁Ａの上部フランジに取付
けられるが、第４図に示すように、オムニアム板
Ｂの接合位置Ｄが床面と同一水平面に位置すると
きは、前記調整金具Ｅは鉄骨梁Ａの下部フランジ
に取付けられる。

このように前記実施例によれば内外一双のアン
グル片２，３を鉄骨梁Ａのフランジに対して所定
の位置に固定することによつて、Ｕボルト６の位
置を調整し、同Ｕボルト６の先端フツク部をオム
ニアム板Ｂの内側に突出するオムニアム筋Ｃに固
定することがきる。また前記Ｕボルト６の外側ア
ングル片２に対する貫挿部に螺装されたナツト
７，８を操作するだけでオムニアム板Ｂの出入り
の調整、及び固定が可能となり、作業が簡単、且
つ精確に行なわれるとともに、作業の安全性が向
上されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るPC外壁板出入り調整装
置の一実施例を示す縦断側面図、第２図はその平
面図、第３図及び第４図は夫々PC外壁板の出入
り調整位置を示す縦断面図である。 Ａ……鉄骨梁、Ｂ……オムニアム板、Ｃ……オ
ムニアム筋、１……上部フランジ、２，３……ア
ングル片、４……ボルト、５……ナツト、６……
Ｕボルト、７，８……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄骨梁のフランジの内外両側縁に係合された内
   外一双のアングル片をボルトで緊締し、外側アン
   グル片に貫挿されたＵボルトの先端フツク部を前
   記鉄骨梁の外側にセツトされたPC外壁板より内
   側に突設された鉄筋に係止するとともに、前記Ｕ
   ボルトの外側アングル片に対する貫挿部にナツト
   を螺着緊締してなることを特徴とするPC外壁板
   出入り調整装置。