JPH0246754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ヘツドレストステーをガイド内を
摺動させてヘツドレストの高さ調整を行なうタイ
プのヘツドレストを有する自動車のシート構造に
関する。

〔従来の技術〕

自動車のシート、特にフロントシートには、追
突時に乗員の頭部の過度の後傾を抑止するための
ヘツドレストが設けられている。ヘツドレストの
シートバツクへの取付けには種々のタイプがある
が、ヘツドレストステーをシートバツクに設けら
れたガイドに差し込むタイプのものが多い。そし
てガイドには、ヘツドレストの高さ位置を調整す
るためのステーロツク装置が備えられている。

ヘツドレストの高さ位置調整を可能にするため
に、バツクシート内に入り込むステーガイドまた
はヘツドレストステーの長さが比較的長く、これ
らが後席乗員の膝の位置までくることがある。

このような不具合を解消したヘツドレストを有
するシートの構造は実公昭50−23931号公報、実
開昭55−79252号公報、実公昭51−5865号公報等
に開示されてい。これらのシート構造は、シート
バツク上部に上方に向かうステーを固着し、該ス
テーの摺動ガイドをヘツドレスト側に設け、ヘツ
ドレストの位置調整をヘツドレスト内で行わしめ
るものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のシート構造では、シート組立時に常に該
ステーが突出しているために非常に危険であり、
またシートバツク搬送上、該ステーが邪魔になる
という問題点がある。またこの構造だと、ヘツド
レストをシートバツクから離脱させてシートバツ
クを後方にリクライニングさせた際に、該ステー
が突出していることからシートをフルフラツトに
できないという不具合もある。

また、従来の構造では、２本のステーがそれぞ
れ上方に独立してシートバツクから突出して配置
されているので、ヘツドレストの両ヘツドレスト
ステー間以外の部分に外力が加わり、ヘツドレス
トを水平面内で回動させる力が働いたときに、こ
の回動力によつてヘツドレストの上端の相対的位
置が変化してしまい、ヘツドレストが不安定な状
態になるという不具合がある。さらにまた、上記
構造においては、事故等でヘツドレストに過大な
外力が加つてヘツドレストが押し潰されたとき
に、ステーがヘツドレストを突き破つヘツドレス
トの表面に突出するおそれがある。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、シートバツクの上部に２本のヘツ
ドレストステーを介して高さ高さ調整可能に装着
されたヘツドレストを備えたシートであつて、ヘ
ツドレストには、内部に空間を有するキヤツプが
内装されると共に、各ヘツドレストステーの上端
部分を上記キヤツプの内部空間に摺動案内するス
テーロツク付きの第１ガイドが下部に設けられ、
シートバツクは、各ヘツドレストステーの下端部
を係脱自在に支持する上記シートバツクの中に埋
め込まれて設けられた第２ガイドを有しており、
両ヘツドレストステーは、それぞれの上端が上記
各ヘツドレストステーの上端部分を覆う断面逆Ｕ
字状の横桁により連結されて略コ字状を呈するよ
う構成されたシート構造にある。

〔作用〕

ヘツドレストステーの上端が横桁により補強さ
れ、ステーからのヘツドレストの抜脱が防止され
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を添付図面を参照し
て説明する。

第１図において、フロントシート１のバツクシ
ート２内には、ヘツドレストステー３を摺動案内
するための第２ガイド４（以下単にガイド４と記
す）が設けられており、ヘツドレスト５内にもス
テー３を摺動案内するための別の第１ガイド６
（以下単にガイド６と記す）が設けられている。
それぞれのガイド４，６には、ステー３をロツク
するためのロツク装置が付属している。バツクシ
ート側のガイド４は、第２図に示すように、頭部
４１と足部４２とからなり、両方を通じてステー
摺動穴４３が設けられている。足部４２は、バツ
クシート内のフレームまたはこのフレームに固定
されたガイド取付けブラケツトの穴に差し込ま
れ、差し込み動作時の押圧力によつて引込んだ係
止爪４４が、差し込み動作終了時にその弾性によ
り復帰して、上記バツクフレームまたは取付けブ
ラケツトに係止される。頭部４１には、摺動穴４
３の一部を横切る凹部４５が設けられていて、こ
の中にロツク用板ばね４６が差し込まれ、その基
部４６１の折り返し部にピン４７を介在させるこ
とにより、板ばね４６がヘツド４１に係止され
る。この組立て横断面が、第３図に示されてい
る。板ばね４６の基部４６１は、自由状態では凹
部４５に挿着した状態よりも広がつており、した
がつて挿着時には凹部４５の壁に圧接している。
ステー３を挿入するときは、板ばね４６の先端つ
まみ部４６２を指で押え、板ばね４６の弾性力に
抗してこれを押圧して板ばね４６を摺動穴４３か
ら退避させる。ステー３には、その軸方向に沿つ
て複数の係合溝が設けられているので、所望の位
置で板ばね４６の押圧力を解き、この係止溝に板
ばね４６を係合させて、ステー３のロツクを行な
う。

他方のヘツドレスト側のガイド６は、第４図お
よび第５図に示すように、そのフランジ６１とキ
ヤツプ７のフランジ７１との間にヘツドレスト５
の表皮５１を確実に固定することにより、ヘツド
レスト５に固定される。ガイド６のそれぞれのス
テー摺動穴の入口には、ステーロツク装置８が取
り付けられている。ステーロツク装置８は、第６
図に示すように、ガイド６に固着されるベース８
１と、ベース８１に形成された凹部８２に圧縮コ
イルばね８３に押圧されながら、ピン８４の回り
に回動可能なロツクレバー８５と、ベース８１に
被せられるカバー８６とからなる。ロツクレバー
８５をベース８１の凹部８２に組み立てたときに
は、第７図に示すように、コイルばね８３に押圧
されてロツクレバー８５の後縁がステー摺動穴８
７の中に一部進入している。したがつて、ステー
３を差し込むときは、ロツクレバー８５のつまみ
８８を指で押え、コイルばね８３の弾性力に抗し
てこれを押圧してロツクレバー８５の後縁を摺動
穴８７から退避させる。ステー３をロツクすると
きは、ロツクレバー８５の押圧を解いて、その後
縁をステー３の所望の係合溝３１に係止させる。

ステー３は、第４図および第５図に示すよう
に、その上端部が断面逆Ｕ字状の横桁３２によつ
て結合されており、横桁３２の中央部とガイド６
との間に引張コイルばね３３が掛けられて、ステ
ー３を常に横桁３２側に付勢している。したがつ
て、ヘツドレスト５を組み立てるときは、まず横
桁３２を取り付けたステー３をガイド６に取り付
け、ばね３３を取り付けた後にパツドおよび表皮
を取り付け、そしてロツク装置８を取り付ける。
一方、シートバツク側のガイド４は、シート組み
立て時にシートバツク２に固定される。

ヘツドレスト５に組み立てられたステー３は、
シートバツク２に固定されたガイド４に挿入さ
れ、そのロツク用板ばね４６をステー３の係合溝
３４に係止させて、ステー３のシートバツク２へ
のロツクを行なう。次に、ロツク装置８を解除し
て、ヘツドレスト５を上から押し下げながら適当
な位置で、ロツク装置８のロツクレバー８５をス
テー３の係合溝３１に係止させて、ヘツドレスト
５をステー３にロツクする。ヘツドレスト５の高
さ位置を再調整するときは、ロツク装置８を解除
すると、ばね３３によつてヘツドレスト５がポツ
プアップするので、同様にヘツドレスト５を押し
下げながら行なう。このばね３３によるヘツドレ
スト５のポツプアツプにより、再調整時にヘツド
レスト５を保持しておく必要がないので、再調整
の際の操作性が一段と向上する。シートバツク２
のカバーシートを交換するときは、ステー３をガ
イド４から引き抜く。

上記実施例においては、ヘツドレスト５の高さ
調整は、ステー３上端部とキヤツプ７天井部との
間の範囲で行なわれるが、ステー３下部の係合溝
３４の下にさらに係合溝３４が設ければ、この調
整範囲をさらに拡大することができる。ガイド
４，６およびロツク装置８等は、種々の形状およ
び構造のものをこの考案のために使用することが
できる。

〔考案の効果〕

以上、この考案によれば、一対のヘツドレスト
ステーの上端部が互に横桁により連結されている
ので、ヘツドレストのステー間以外の部分に外力
が加わり、ヘツドレストが水平面内に回動しよう
としても、上記横桁につて、回動が阻止されて、
両ステーの上端の相対位置が変わらないから、ヘ
ツドレストを常に安定した状態に保持させること
ができる。さらにまた、事故等によりヘツドレス
トに過大な外力が加わり、ヘツドレストが押し潰
されて、キヤツプ内面とヘツドレストステーの上
端部分とが接触する事態が発生しても、上記外力
を横桁で分散して受けることができるので、ヘツ
ドレストステー上端がキヤツプを突き破つて、ヘ
ツドレストの表面から突出することがなくなる。

さらにまた、ヘツドレストがステーより抜脱し
てステーが外部に突出する危険もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を備えたフロン
トシートの斜視図、第２図は、この考案の一実施
例におけるシートバツク側ステーガイドの分解斜
視図、第３図は、第２図に示すガイドの組立て横
断面図、第４図は、この考案の一実施例における
正面図、第５図は、第４図の側面図、第６図は、
この考案の一実施例におけるヘツドレスト側ステ
ーロツク装置の分解斜視図、第７図は、第６図に
示すロツク装置のカバーを取つた組立て平面図で
ある。 １……フロントシート、２……シートバツク、
３……ステー、４……シートバツク側ガイド、５
……ヘツドレスト、６……ヘツドレスト側ガイ
ド、７……キヤツプ、８……ロツク装置、３２…
…横桁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクの上部に２本のヘツドレストステ
   ーを介して高さ調整可能に装着されたヘツドレス
   トを備えたシートであつて、上記ヘツドレスト
   は、内部に空間を有するキヤツプが内装されると
   共に、上記各ヘツドレストステーの上端部分を上
   記キヤツプの内部空間に摺動案内するステーロツ
   ク付きの第１ガイドが下部に設けられ、上記シー
   トバツクは、上記各ヘツドレストステーの下端部
   を係脱自在に支持する上記シートバツクの中に埋
   め込まれて設けられた第２ガイドを備え、上記両
   ヘツドレストステーは、それぞれの上端が上記各
   ヘツドレストステーの上端部分を覆う断面逆Ｕ字
   状の横桁により連結されて略コ字状を呈するよう
   に構成されたことを特徴とするシート構造。