JPH0246695B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、種々の織物の切れはしの糸をほぐ
し、種々異なるシステムに於いて再利用しうる繊
維を得て、糸や、断熱フエルト、詰め物製品等を
形成するために繊維業界で使用するタイプの糸ほ
ぐし機に関する。

現在、この種の機械として、ぼろほぐし機、あ
るいは裁ち屑ほぐし機という名称で呼ばれている
ものが知られており、この従来機は、１個若しく
は複数個のピン付きドラムから成つている。各ピ
ン付きドラムは、織物の裁ち屑層の手前で回転す
るよう構成されている。このように１つのドラム
によつて繊維分離を行つた素材を次のドラムに供
し、該次のドラムが更に素材を細断し、完全に繊
維分離を行うまで続けられる。繊維、あるいは裁
ち屑を連続的にピン付きドラムに供するため種々
のタイプの供給装置が使用されている。

繊維分離の品質を更に高めるため、従来公知の
ぼろ布ほぐし機には、一般的に、十分に繊維分離
されていない素材の再循環装置がとり付けられて
いる。この十分に繊維分離されていない素材はド
ラムの出口で回収されて、機械の供給口に自動的
に案内されるよう構成されている。

この従来タイプの再循環装置付きぼろほぐし機
により、最終的に極めて良好な状態で繊維分離を
行うことができるが、従来機に使用される再循環
システムは構造が比較的複雑であり、かつ高価で
あるという欠点を有している。この再循環システ
ムに使用しうる構造体は次の２つのタイプがあ
る。

すなわち、第１のタイプはフランス特許No.
1432694及び、No.1467276で開示されているもの
で、ピン付きドラムによつて繊維分離されたが、
その繊維分離状態が不十分とみなされた素材が、
調整装置によりドラムの下で選択収集され、次
に、コンベヤベルトにより搬送され、機械内を再
通過させるよう供給機構まで送られるように構成
されている。

第２のタイプのものは、ピン付きドラムが上方
向に回転するもので、繊維分離が不十分な素材は
その上部で選択収集され、次に、空気流により気
圧管へ吸引され、該気圧管により分離サイクロン
へ移送され、そして機械の供給装置へ送られるよ
う構成されている。

これら２種類の従来システムのいずれの場合
も、コンベヤベルトといつた機械装置、あるいは
分離サイクロン及び空気導管といつた、特別に配
備した空気圧装置のように、構造が複雑で、かつ
高価な手段を再循環のために使用する必要があつ
た。

本発明の目的は、各布ほぐし機、あるいは裁ち
屑ほぐし機内に穿孔負圧ドラムを配備し、該ドラ
ムの強い吸引力により繊維分離した素材の再循環
を行う再循環装置の構造を簡略化することにあ
り、少なくとも１つの穿孔負圧ドラムと、該ドラ
ムの繊維分離すべき素材層の移送方向側に配置し
た少くとも１つの糸ほぐしピン付き回転ドラム
と、該糸ほぐしピン付き回転ドラムの外周面とケ
ーシングとの間の移送路に開口部を設けて形成し
た、十分に糸ほぐしを行なつた素材から十分に糸
ほぐしの行なわれていない素材を選別するための
選択装置と、十分に糸ほぐしの行なわれていない
素材を上記穿孔負圧ドラム側に再循環する装置と
から構成されており、該再循環装置は、上記移送
通路の開口部に連通する十分に糸ほぐしの行なわ
れていない素材を受容する容器と、一端を該容器
に開口させると共に、他端を上記穿孔負圧ドラム
の下側に形成したケーソンに開口させた吸引管と
から成り、該循環装置により、十分に糸ほぐしの
行なわれていない素材が、上記穿孔負圧ドラムに
よりケーソン内に形成された吸引作用によつて、
吸引管の内部を通つて該穿孔負圧ドラムの周縁に
付着するように構成されていることを特徴とする
繊維用再循環装置付き糸ほぐし機に係るものであ
る。

次に、添附図面を参照に本発明の実施例と、そ
の特徴及び利点について詳細に説明を行う。

第１図は本発明の実施例を示しており、該糸ほ
ぐし機に於いて、繊維分離を行う素材１は、矢印
３の方向に回転する穿孔負圧ドラム２の前に送ら
れてくる。ドラム２の内部は従来タイプの送風機
（図示せず）により大きな負圧状態になつており、
これにより、繊維分離すべき素材１と、それと混
合状態になつている再循環してきた素材６とによ
り形成された素材層が、２個の送出ロール４，５
の方向に送給されるよう構成されている。２７は
吸引押え部材で、ドラム２の内部で旋回するよう
配備されている。これにより角度領域が必要部分
に集中されて、布屑が良好に吸引される。素材
１，６から成る混合素材層は、２本の送出ロール
４，５間を通過して供給システム７の方向に送ら
れる。そして、この供給システム７により、素材
層は糸ほぐしピン付き回転ドラム８のピン部に送
られる。この実施例の場合、該ドラム８は矢印９
で示す反時計方向に回転するよう構成されてい
る。

糸ほぐしピン付き回転ドラム８は遠心力によ
り、繊維分離された素材を、該回転ドラム８の外
周面とケーシングとの間の移送路に開口部を設け
て構成した従来タイプの選択装置１０の方向に押
出す。そして、該装置は適切な調整装置により、
次段階の負圧穿孔ドラム１２の方向に送られる十
分に繊維分離された素材１１と、十分にほぐされ
ずに再循環が必要な素材１３とに選択分離を行
う。

本発明は特に、後者の素材１３を再循環させる
ため、すなわち、それらを機械の入口の素材１の
方向に送給して混合するために使用される簡単か
つ効率のよい手段に関するものである。

本発明に係る装置は、吸引管１５の端部に開口
する容器１４を有する。この吸引管１５の他方の
端部１６はケーソン１７の内部に開口しており、
該ケーソンは穿孔ドラム２の下方部の周囲に配置
されている。これによりドラム２の内部に存在す
る大きな負圧がケーソン１７の内部及び吸引管１
５の内部に作用することになる。

次に、本実施例の動作について説明する。

十分に糸ほぐしの行われていない素材１３は選
択装置１０によつて選択された後、容器１４内に
入り、管１５内に吸引されて矢印方向に沿つて送
られる。容器１４は、ぼろ布屑に在つてドラムの
ピンを破損する恐れのある重量の重い物質（木片
や金属片）を遠心力作用によつて排除するために
使用される。次に、この素材１３はケーソン１７
の内部に送られ、穿孔された回転ドラム２の外周
面１９に付着し、付着したままの状態で素材６の
部分に到達すると、新しい素材１と自動的に混合
される。前述したように、素材１と６の混合物体
によつて形成される混合素材層は供給装置７によ
つて、糸ほぐしピン付き回転ドラム８の方向に送
給され、該ドラム８がこれらの繊維を分離する。

繊維分離が十分であると判断された素材は、素
材１１として次段階の穿孔吸引ドラム１２に送ら
れ、ここで、十分に繊維分離されていないと判断
されて再循環してきた別の素材２０と混合され
る。

第２図に示す別の実施例も類似タイプの糸ほぐ
し機であるが、第１図に示すものとの相違点は、
糸ほぐしピン付き回転ドラム２１が矢印２２で示
す時計方向に回転するということである。尚、第
１図の実施例の各部材と対応する部材は第１図と
同じ番号を付している。

供給装置７によつて送給された素材はドラム２
１のピンによつて糸ほぐしが行われ、ドラム２１
の上方に搬送される。その後、前記選択装置１０
と略同様に構成された調整可能な選択装置２３に
より、十分に糸ほぐしが行なわれて次段階の穿孔
負圧ドラム１２方向に送られる素材１１と、十分
に糸ほぐしが行われていないと判断されてドラム
２１の繊維送出側の下方に配備された容器１４内
に回収される素材１３とに分離される。

容器１４の底部は管２５の口部２４に開口し、
管２５の他方端１６はケーソン１７に開口してい
る。尚、ケーソン１７は上述したように穿孔負圧
ドラムの下方部を包囲している。２８は小型の搬
送用送風機で、容器１４と穿孔負圧ドラム２との
間での素材の送給を容易に行いうるように負圧を
形成する。

この第２図に示す実施例の動作は第１図の実施
例と類似している。すなわち、十分に繊維分離さ
れていない素材１３はドラム２の負圧により、開
口１６、管２５、口部２４を経由して吸引され
る。矢印２６で示すように素材１３を再循環させ
るドラム２の外壁１９に付着せしめる作用を行う
のはドラム２のこの負圧のみであることに留意さ
れたい。

上述した２個の実施例のいずれの場合も、再循
環が機械の同一段階で行われる。すなわち、例え
ば、糸ほぐしピン付き回転ドラム２１の下手側か
らドラム２の上手側までの間で行われるというこ
とから、本発明の別の利点が得られるものであ
る。すなわち、糸ほぐし機が連続する複数個の段
階から成る場合、各段階がすでに適切な再循環シ
ステムを具備しうることになる。このことは、各
段階の素材が唯一の領域、すなわち機械全体の供
給口方向にしか再循環されないような従来タイプ
のシステムと比較して、格段に優れた糸ほぐし効
果をもたらすものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
反時計方向に回転する糸ほぐしピン付き回転ドラ
ムに装着した実施例１の概略側面図、第２図は時
計方向に回転する糸ほぐしピン付き回転ドラムに
装着した実施例２の概略説明図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの穿孔負圧ドラムと、該ドラ
   ムの繊維分離すべき素材層の移送方向側に配置し
   た少くとも１つの糸ほぐしピン付き回転ドラム
   と、該糸ほぐしピン付き回転ドラムの外周面とケ
   ーシングとの間の移送路に開口部を設けて形成し
   た、十分に糸ほぐしを行なつた素材から十分に糸
   ほぐしの行なわれていない素材を選別するための
   選択装置と、十分に糸ほぐしの行なわれていない
   素材を上記穿孔負圧ドラム側に再循環する装置と
   から構成されており、該再循環装置は、上記移送
   通路の開口部に連通する十分に糸ほぐしの行なわ
   れていない素材を受容する容器と、一端を該容器
   に開口させると共に、他端を上記穿孔負圧ドラム
   の下側に形成したケーソンに開口させた吸引管と
   から成り、該循環装置により、十分に糸ほぐしの
   行なわれていない素材が、上記穿孔負圧ドラムに
   よりケーソン内に形成された吸引作用によつて、
   吸引管の内部を通つて該穿孔負圧ドラムの周縁に
   付着するように構成されていることを特徴とする
   繊維用再循環装置付き糸ほぐし機。 ２ 糸ほぐしピン付き回転ドラムは反時計方向に
   回転するように構成され、容器は該ドラムの糸ほ
   ぐし領域の下方に配備されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の繊維用再循環装
   置付き糸ほぐし機。 ３ 糸ほぐしピン付き回転ドラムは時計方向に回
   転するように構成され、糸ほぐしされた素材層は
   該ドラムの上を移送され、十分に糸ほぐしされて
   いない素材用の容器は該ドラムの下方に配備され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の繊維用再循環装置付き糸ほぐし機。 ４ 十分に糸ほぐしされていない素材の循環は、
   穿孔負圧ドラムの吸引作用によつてのみ行なわれ
   るように構成されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項乃至第３項のいづれかに記載の繊
   維用再循環装置付き糸ほぐし機。 ５ 旋回可能な吸引押え部材が穿孔負圧ドラムの
   内部に配設されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１乃至第４項のいずれかに記載の繊維用
   再循環装置付き糸ほぐし機。 ６ 搬送用送風機が配備されて、穿孔ドラムと容
   器との間の素材移送を容易にするように構成され
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１乃至
   第５項のいずれかに記載の繊維用再循環装置付き
   糸ほぐし機。