JPH11333437A - 繊維製品のリサイクル方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維製品のリサイクルのためには、釦、フア
スナ等の付属品を人手により除去し、布を裁断して粉砕
機に供給し、綿状に粉砕する必要があるが、この方法は
極めて手数を要し、従って殆どは焼却処分されている。
本発明はかゝる点に鑑み、上記繊維製品のリサイクルを
自動化し、その利用の効率化を計ることを目的とする。 【解決手段】 繊維製品を破砕する破砕機２と、破砕に
より布片に含まれる異物を除去するための異物選別除去
機構３と、異物を除去された布片を開繊する開繊機４と
備え、これら一連の移送を空気流により行ない、バルキ
ー性を有する繊維素材を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、服、その他の繊維
製品を各種繊維製品の原料に使用するための繊維製品の
リサイクル方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】古着、縫製の際の切断屑、その他の繊維
製品の利用方法としては、適宜の大きさに切断して雑
巾、ウエス等に一部が利用されているが、これも材質に
制限がある。一部においてそのリサイクルが試みられ、
釦、フアスナ等の付属品を人手により除去し、布を裁断
して粉砕機に供給し、綿状に粉砕し、これに低溶融性の
合成繊維を混合してブロック状または適宜厚さの板状に
成形し加熱してフエルト状として断熱材等に利用するこ
とが試みられたり、圧縮梱包して反毛（再生原綿）を製
造している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法は極め
て手数を要し、従って殆どは焼却処分されている。本発
明はかゝる点に鑑み、上記繊維製品のリサイクルを自動
化し、その利用の効率化を計ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の繊維製品のリサイクル方法は、繊維製品を破
砕し、該破砕により製品に付着する釦、ファスナ等の付
属品を布片と分離可能とし、比重等により布片と分離
し、ついで布片を開繊機により開繊してバルキー性を有
する綿状の繊維素材とすることを特徴とする。

【０００５】上記の方法からなる本発明は、先ず繊維製
品を破砕することにより、該製品に付着する釦、ファス
ナ等の付属品の除去が可能となる。これを除去した後、
開繊することによりバルキー性を有する綿状の繊維素材
とすることが出来る。

【０００６】第２の発明は、上記方法を実施する装置に
係わり、繊維製品を破砕する破砕機と、破砕により布片
に含まれる異物を除去するための異物選別除去機構と、
異物を除去された布片を開繊する開繊機と備え、これら
一連の移送を空気流により行ない、異物の除去された布
片をを開繊し、バルキー性を有する綿状の繊維素材とす
ることを特徴とする。

【０００７】上記の構成からなる本発明は、繊維製品を
破砕する破砕機と、異物を除去するための選別除去機構
と、異物を除去された布片を開繊する開繊機とを接続
し、これら一連の移送を空気流により行うことにより、
その開繊操作を自動的に行うことが出来る。

【０００８】また第３の発明は、上記繊維製品の破砕
は、繊維製品を粗く破砕する粗破砕機と、粗砕された繊
維製品を更に小片に粉砕する粉砕機とにより構成したこ
とを特徴とする。

【０００９】上記の構成からなる本発明は、繊維製品の
破砕に際して、粗破砕機と粉砕機との２段破砕を行うこ
とにより、投入される原料が大型でも破砕は効果的に行
うことができる。

【００１０】又第４の発明は、上記開繊機は複数台備
え、異物選別除去機構により異物を除去された布片は分
配供給機を介して各開繊機に分配供給されると共に、上
記分配供給機は開繊手段を備えたことを特徴とする。

【００１１】上記の構成からなる本発明は、分配供給機
に開繊手段を備えたことにより、布片の開繊は更に効果
的に行うことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図において、繊維製品のリサイク
ル装置１は、繊維製品を破砕する破砕機２と、破砕され
た布片から異物を除去するための異物選別除去機構３
と、異物を除去された布片を開繊する複数の開繊機４
と、上記選別除去機構３からの布片を各開繊機に分配供
給する分配供給機５とを備える。この際、上記破砕機２
は、梱包された大型の繊維製品の原料を、そのまゝ投入
して破砕するために、粗破砕機６と、粗破砕された繊維
製品を小片に粉砕するための粉砕機７とより構成するこ
とが好ましい。

【００１３】上記粗破砕機６の一例を図２乃至図４に示
す。この粗破砕機６は上部を開口した筐体１０内に、対
をなす上部破砕ローラ１１、１２とその下方に位置して
配備される下部破砕ローラ１３とを備える。上部破砕ロ
ーラ１１、１２は、それぞれスクリュー状の破砕刃１
４、１５を備える。両破砕刃のスクリューは同一方向の
ねじれとし、かつ一方の破砕刃１４は単一のスクリュー
刃とし、他方の破砕刃１５はダブルスクリュー刃とし、
投入された材料を噛み込むように逆方向に回転し、かつ
矢符Ａ、Ｂで示す如く投入材料を互いに引きちぎる方向
に作用させる。

【００１４】また下部破砕ローラ１３は、ピッチの異な
る２個のスクリュー状の破砕刃１６、１７とにより升目
１８を形成してなる。なお、図中１９ａは下部破砕ロー
ラ１３の排出側に対向して設けたカウンターナイフ、ま
た１９ｂはその反対側に設けられた補助ガイドを示す。
なお、２０は該粗破砕機６により破砕された布片を粉砕
機７に移送するためのコンベアを示す。

【００１５】粉砕機７は回転刃と固定刃とより構成され
る周知構造のものを適用し、スクリーン２１を備える。
このスクリーン２１は例えば１０ｍｍ径のパンチングメ
タルを使用する。このスクリーン２１を通過した微細布
片及び釦等の異物は吸引フアン２２により異物選別除去
機構３に供給される。図例は吸引ファン２２による移送
を示したが、コンベア（図示省略）で移送してもよい。

【００１６】この選別除去機構３は、上記布片、異物と
これらを移送する搬送気流とを分離するサイクロン等の
気流分離器２５と、搬送気流と分離された布片と異物と
の重量比を利用して分離する風力分離器２６とより構成
される。この分離器２６は多数の受け板２７を傾斜して
配置し、吸引フアン２８による吸引作用を該受け板２７
に沿って引き上げ方向に作用させ、上方から下方へ移行
する軽量の布片は上昇気流により吸引され、重量のある
異物は気流の影響を受けることなく下方に落下させる。
これにより分離された布片は、上記吸引フアン２８によ
り分配供給機５に供給される。但し、上記コンベア（図
示省略）で選別除去機構３に移送した場合は、空気分離
器２５及び吸引ファン２２を必要としない。

【００１７】この分配供給機５は、開繊手段を備えたも
ので、その一例を図５及び図６に示す。この分配供給機
５は上記吸引フアン２８により送り出された布片を収納
するタンク３０とその下方に取付けられる前後に対をな
す繰り出しロール３１（図は手前のロールのみ示す）
と、その下方に配置されるビータ３２、該ビータにより
開繊された原料を吸引し分配機構３４に移送する吸引ブ
ロア３３とを備える。ただし３５は繰り出しロール駆動
用モータ、３６はビータ３２の駆動用モータを示す。

【００１８】上記分配機構３４は、多数の開繊機４を２
個のグループに分けて、それぞれに交互に間欠的に原料
を供給するようにしたもので、それぞれの開繊機に連な
るブランチダクト４０、４１を接続する分岐管４２と、
基端は上記ブロア３３の排出口に接続され、他方は何れ
か一方のブランチダクト側に開口する曲管４３を備えた
もので、該曲管４３は基端を中心として回動可能に支持
される。４４はその駆動モータを示す。これにより開繊
された原料を各開繊機４に対して交互に間欠的に輸送す
るものである。但しこの分配供給機５は周知構造であり
（特公昭６１ー１０２４１９号公報参照）、詳細な説明
は省略する。また、開繊機４を一台しか必要としない場
合は、ビータ３２により、開繊及び除塵を行った後にコ
ンベア（図示省略）にて開繊機４に移送してもよい。こ
の場合、上記ブロワ３３、ブランチダクト４０、４１、
分岐管４２、曲管４３、駆動モータ４４を必要とせず、
安価に製作できる。

【００１９】各開繊機４は所謂オープナ（またはスーパ
オープナ）と称せられるもので、原料の布片を受け入れ
るホッパ５０を備え、該ホッパ５０に前記ブランチダク
ト４０、４１を図示の如く接続する。なお、供給した余
剰材料はリターンダクト５１を介して前記分配供給機５
に返却する。

【００２０】上記構成において、古着等の原料繊維材料
は粗破砕機６に供給する。この粗破砕機６は対をなすス
クリュー刃を備えることにより繊維材料は引っ張りと切
断の作用を受けて引きちぎられる。その状態を図７
（ａ）に示す。この場合の切断片Ｗは後工程の粉砕機７
において処理可能の大きさ、例えば最大８０ｍｍ角程度
に破砕する。

【００２１】破砕された布片はコンベア２０により粉砕
機７に供給される。この粉砕機７により小片に粉砕さ
れ、スクリーン２１を通過した小片（例えば１０ｍｍφ
以下）のもののみ吸引フアン２２により異物選別除去機
構３に搬送気流と共に移送される。その時の布片の状態
を図７（ｂ）に示す。ただし図中ａは布片、ｂは糸屑を
示す。図例はスクリーン２１を通過する小片を１０ｍｍ
φと記載したが、必要とする繊維長に応じて、パンチン
グメタルの径を適宜選択する。

【００２２】異物選別除去機構３において、軽量の布
片、糸屑は吸引フアン２８の吸引作用により吸い上げら
れ、釦、フアスナ等の重量物は下方に落下して風力によ
る分離が行われ、布片、糸屑の原材料は分配供給機５に
移送される。

【００２３】該分配供給機５では、タンク３０内に供給
された布片等は繰り出しロール３１により順次繰り出さ
れビータ３２により一部は開繊及び除塵され、吸引ブロ
ア３３により吸引され、回転する曲管４２によりブラン
チダクト４０、４１に対して交互に原料布片等を供給す
る。また除塵された塵埃は集塵機やロータリフィルタ等
（図示せず）に移送するのが好ましい。

【００２４】この間欠供給により、各ブランチダクト４
０、４１内の供給材料は、移送と停止とが繰り返され、
これにより各開繊機４のホッパ５０内に原材料は効率よ
く分配供給され、該原材料は開繊及び除塵され、バルキ
ー性を有する綿状とすることかできる。同様に除塵され
た塵埃は集塵機やロータリフィルタ等（図示せず）に移
送するのが好ましい。その状態を図７（ｃ）に示す。た
だし図中ｃは微小布片、ｄは綿のフイラメントを示す。

【００２５】この際、図７（ｃ）に示す如く、若干の微
小布片ｃを残存する場合があるが、もし、これの完全除
去が望まれる場合には再度開繊機４を通過させればよ
い。ただしこれにより綿の繊維に若干の損傷を受けるこ
とは避けられない。

【００２６】上記開繊機４から繰り出された綿状製品
は、適宜の梱包機により梱包して搬出するか、またはそ
のまゝ次工程の成形工程に送り出し、例えば低溶融繊維
と混合し、適宜の厚さのブロック状または平板状とし、
加熱成形し再利用する。

【００２７】

【発明の効果】以上の如く本発明によるときは、繊維製
品を破砕し、ついで該製品に付着する釦、ファスナ等の
異物を選別除去し、ついで開繊機により開繊してバルキ
ー性を有する繊維素材とすると共に、これら一連の操作
を原料繊維材料の移送を空気流により行うことにより、
自動的に行うようにしたから、古着等を有効利用するこ
とができる。またこの際、繊維製品の破砕は、繊維製品
を粗く破砕する粗破砕機と、粗砕された繊維製品を更に
小片に粉砕する粉砕機とにより構成することにより、大
型の梱包材料の投入を可能とし、破砕を能率的に行うこ
とができる。また、開繊機は複数台備え、原料繊維材料
を分配供給機を介して各開繊機に分配供給されると共
に、上記分配供給機構は開繊手段を備えるときは、開繊
を一層効果的に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の繊維製品のリサイクル方法の全体回路
図である。

【図２】粗破砕機の縦断面図である。

【図３】図２における平面図である。

【図４】図１における下部破砕ローラの平面図である。

【図５】原料繊維の分配供給機の縦断面図である。

【図６】図５における分配機構の縦断面図である。

【図７】開繊された原料繊維の状態の説明図で、（ａ）
は粗破砕機により破砕された状態、（ｂ）は粉砕機によ
り破砕された状態、（ｃ）は開繊機により開繊された状
態を示す。

【符号の説明】

１ 繊維製品のリサイクル装置 ２ 破砕機 ３ 異物選別除去機構 ４ 開繊機 ５ 分配供給機 ６ 粗破砕機 ７ 粉砕機

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 繊維製品を破砕し、該破砕により製品に
   付着する釦、ファスナ等の付属品を布片と分離可能と
   し、比重等により布片と分離し、ついで布片を開繊機に
   より開繊してバルキー性を有する綿状の繊維素材とする
   ことを特徴とする繊維製品のリサイクル方法。
2. 【請求項２】 繊維製品を破砕する破砕機と、破砕によ
   り布片に含まれる異物を除去するための異物選別除去機
   構と、異物を除去された布片を開繊する開繊機と備え、
   異物の除去された布片をを開繊し、バルキー性を有する
   綿状の繊維素材とすることを特徴とする繊維製品のリサ
   イクル装置。
3. 【請求項３】 繊維製品の破砕は、繊維製品を粗く破砕
   する粗破砕機と、粗砕された繊維製品を更に小片に粉砕
   する粉砕機とにより構成したことを特徴とする請求項２
   記載の繊維製品のリサイクル装置。
4. 【請求項４】 開繊機は複数台備え、異物選別除去機構
   により異物を除去された布片は分配供給機を介して各開
   繊機に分配供給されると共に、上記分配供給機は開繊手
   段を備えたことを特徴とする請求項２または３記載の繊
   維製品のリサイクル装置。