JP3190170B2 - 反毛品の製造方法 - Google Patents

反毛品の製造方法

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JP3190170B2 JP12072393A JP12072393A JP3190170B2 JP 3190170 B2 JP3190170 B2 JP 3190170B2 JP 12072393 A JP12072393 A JP 12072393A JP 12072393 A JP12072393 A JP 12072393A JP 3190170 B2 JP3190170 B2 JP 3190170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は反毛品の製造方法に関
し、特には、従来反毛材料として使用されなかった合成
樹脂発泡体の裏打ち層を有しかつ繊維長の短い繊維また
は解繊時に短く切断されやすい繊維材料を使用して反毛
品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、古着やぼろ布あるいは布切れ
等の繊維材料を解繊して綿状の反毛品を製造することが
行われている。このようにして得られた反毛品はフェル
ト等に使用される。
【0003】従来のこの種反毛材料としては、化学繊
維、綿、ウール、麻など各種の繊維材料が使用される
が、しかしながら、繊維長の短いモケットあるいは解繊
時に短く切れやすいトリコット等の繊維材料は、解繊が
困難で反毛材料として使用されなかった。
【0004】また、例えば自動車用座席シート等にあっ
ては、これらの解繊が困難なモケット、トリコット等の
繊維材料に合成樹脂発泡層が裏打ちされた、いわゆるフ
レームラミネート繊維製品が多用されているが、これら
の合成樹脂発泡体の裏打ち層を有する繊維製品のリサイ
クル化も急務である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な状況に鑑みて、従来反毛材料として使用されなかった
合成樹脂発泡体の裏打ち層を有しかつ繊維長の短いまた
は解繊時に短く切れやすいモケットあるいはトリコット
等の解繊が困難な繊維材料を、効果的に解繊して反毛品
として利用することができる新規な製造方法を提案しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
合成樹脂発泡体の裏打ち層を有しかつ繊維長の短い繊維
または解繊時に短く切断されやすい繊維を含む第1材料
を使用して反毛品を製造する方法であって、前記第1材
料を所定大きさに切断する工程と、通常の反毛材料から
なる第2材料を所定大きさに切断する工程と、前記切断
工程によって切断された第1材料および第2材料を共通
のコンベアに移送し、前記共通のコンベアから略水平方
向へ曲げられた曲管状の吹き出しノズルからタンク内に
吹き出して混合する工程と、前記混合工程で混合された
第1材料および第2材料を連続的に設けられた数次の解
繊機によって混合解繊する工程とからなることを特徴と
する反毛品の製造方法に係る。
【0007】
【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明の実施例を
説明する。図1はこの発明による反毛品の製造方法の一
例を示す全体工程図、図2はその材料切断工程を示す概
略側面図、図3は同じくその材料混合装置の概略断面
図、図4は混合状態を表わす概念図、図5は同じく材料
の堆積状態とともに示した概念図、図6は材料送り装置
の概略断面図、図7は解繊装置を示す断面図、図8はそ
の要部の拡大断面図、図9は従来装置における混合状態
を表わした概念図である。
【0008】この発明は、前述したように、自動車の内
装品材料として多用されているが再利用されることのな
かった合成樹脂発泡体の裏打ち層を有するモケットある
いはトリコット等の繊維材料を、効果的に解繊して反毛
品となす方法に係る。すなわち、これらの繊維材料は繊
維長が短くまた解繊時に短く切れやすいので、従来の通
常の方法では、ほこり状の微細片となって、反毛品とし
て使用できないばかりか、解繊機および周辺設備のつま
りや各種トラブルの因となるばかりであった。
【0009】この発明では、このような繊維長の短い繊
維または解繊時に短く切断されやすい繊維を含むものを
第1材料として、従来使用している第2材料と混合する
ことによって、効果的な反毛製品を得るものであって、
第1材料の切断工程と、第2材料の切断工程、前記第1
材料と第2材料の混合工程、および混合解繊工程よりな
る。以下、図とともに詳細に説明する。
【0010】図1はこの発明による反毛品の製造方法の
一例を示す全体工程図である。まず、第1材料Sの切断
工程および第2材料Nの切断工程について説明すると、
合成樹脂発泡体の裏打ち層を有するモケットあるいはト
リコット等の繊維材料からなる第1材料Sが、従来公知
のロータリカッタ11等によって、概ね5〜10cm角
程度(形状は不定)の大きさに切断される。一方、従来
使用されている通常の反毛材料からなる第2材料も、同
様に、従来公知のロータリカッタ12等によって、概ね
5〜10cm角程度(形状は不定)の大きさに切断され
る。
【0011】この第1材料Sおよび第2材料Nの切断工
程は、図2に示すように、同時に別々のカッタ11,1
2で切断し、コンベア15,16等で共通のコンベア1
7へ送るようにする。図の符号13,14は各材料の材
料送りコンベアである。所定大きさに切断された第1材
料Sおよび第2材料Nは、共通のコンベア17からファ
ンFによって材料混合装置20へ送りこまれる。
【0012】材料混合装置20は、この実施例では、第
1材料Sおよび第2材料Nの混合と両者の混合材料Ma
とを一旦集積するタンクを兼ねるものであって、図3の
ようにしかるべき大きさを持った円筒または角筒状のタ
ンク21を備えている。そして、そのタンク21の上部
中央部には、図3に示すような略水平方向へ曲げられた
曲管状の吹出ノズル25が配置されていて、前記工程で
切断された第1材料Sおよび第2材料NがファンFによ
って配管18を経て空気輸送され該吹出ノズル25から
タンク21内に吹き出されるようになっている。
【0013】この吹出ノズル25からタンク21内に吹
き出された第1材料Sおよび第2材料Nは、吹出ノズル
25が略水平方向へ曲げられた曲管形状を有するもので
あるから、図4に示すように、タンク21内の上部に円
弧を描くように吹き出され、そのまま円弧状の動きを保
ちながら螺旋状Rに下方へ落下していく。第1材料Sお
よび第2材料Nがこのように螺旋状Rに落下していく間
に、両材料は離反、接近を繰り返して効率の良い混合が
なされ、混合材料Maとなってタンク21内に堆積して
いく。
【0014】このように略水平方向へ曲げられた曲管状
の吹出ノズル25を使用することによって、上記のよう
な効率のよい混合効果が得られる。と同時に、水平方向
へ曲げられた曲管状の吹出ノズル25によって、材料は
平面方向に広く散布されるので、図5のように、タンク
21内に混合材料Maが略水平方向に堆積され、優れた
集積効果がある。
【0015】図9は、従来の吹出ノズル29を設けた例
であるが、従来のノズル29では単に上から下へ混合材
料Maが落下するだけであるから、落下時に混合するこ
とを期待することができず、また材料堆積状況も図のよ
うに山状となって、集積効率が悪い。
【0016】混合装置20のタンク21に一旦集積され
た第1材料Sおよび第2材料Nの切断片よりなる混合材
料Maは、次いで図1のように、ファンFによって適
宜、材料定量供給装置30へ空気輸送される。なお、図
の符号31は切替弁装置、32は戻りダクトであって、
該切替弁装置31の操作によって、戻りダクト32から
再度混合装置20へ戻し前記吹出ノズル25から混合材
料Maをタンク21内へ吹き出すことによって、第1材
料Sおよび第2材料Nの混合を繰り返し、その混合攪拌
効率を高めることができる。
【0017】材料定量供給装置30は、図6に図示した
ように、タンク部60およびホッパ部61ならびに供給
ダクト62を有し、タンク部60内の材料を移動羽根部
材63によってコンベア64に送り、該コンベア64を
介してホッパ部61に送り込む。このコンベア64のコ
ンベア速度によって所定量の材料を供給することができ
る。符号65は材料落としドラム、66は材料の絡み取
り兼分量調整ドラムである。
【0018】材料定量供給装置30からの混合材料Ma
は、ファンFによって供給ダクト62から解繊装置40
に送られ解繊される。この解繊装置40は、解繊が困難
な第1材料Sの切断片を通常の反毛材料である第2材料
Nと混合することによって該第2材料Nをつなぎ材とし
て所定の解繊率に解繊するものであって、これら第1材
料Sと第2材料Nの混合材料Maを解繊機41,42,
43…に連続的に順次通過させることによって行なわれ
る。この実施例では、8機の解繊機41,42,43,
44,45,46,47,48によって、最終の綿状の
反毛品に解繊される。
【0019】ここで、解繊装置について説明すると、図
7に示すように、解繊装置40は解繊機が複数連結され
て構成されている。この解繊機は、基本的には、円周面
に多数の爪部71を突設した解繊ドラム70と、材料を
スプリング73等の一定の圧力でつかみながら回転する
つかみロール72からなる。繊維材料の切断片Maは、
つかみロール72によってつかまれながら解繊ドラム7
0の爪部71に引張られ引き裂かれて糸状に細かく砕片
化され、これを繰り返すことによって最終的に綿状に形
成されていく。
【0020】なお、図7の右側に示したように、編籠形
状の圧縮ドラム74によって材料を圧縮し、これを木製
の角型形状の押えロール75によって押えつつ送りロー
ル76に送り、この送りロール76から前記のつかみロ
ール72に材料を送り込むようにすると、解繊ドラム7
0のつまりやスリップが防止され、効果的な解繊を行な
うことができる。つかみロール72および押えロール7
5はスプライン歯形状を有する。また、図8に示すよう
に、押えロール75、送りロール76、つかみロール7
2の各ロール径を、この順に小さくなるように構成する
と、材料の安定供給が可能となりつまり等のトラブルが
減少して解繊効果および効率が上がる。図7において、
符号67は供給ダクトの吐出口、69は材料を解繊機に
送り込むコンベア、77は各解繊機の送りコンベア、7
8はリターンダクト、79は切替弁である。
【0021】解繊装置40によって、所定の解繊率に解
繊された第1材料および第2材料の混合解繊品Mxは、
図1の符号50で示す圧縮袋詰め装置によって袋詰めさ
れ最終の綿状反毛品として取り出される。
【0022】なお、この実施例において第1材料と第2
材料との混合比率は、この方法によれば重量比で半々程
度までは、従来の反毛品と同等のものが得られ、物性上
もほとんど問題がないことがわかった。
【0023】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に
よれば、従来再利用されることがなかった合成樹脂発泡
体の裏打ち層を有しかつ解繊が困難な繊維長の短いまた
は解繊時に短く切断されやすい繊維を含む第1材料を、
通常の反毛材料からなる第2材料と混合して、該第2材
料をつなぎ材として混合解繊して該発泡体ともども細分
化して最終的な反毛品となすようにしたものであるか
ら、従来反毛材料として使用されなかったあるいは使用
できなかった材料についても、効果的な再利用が可能と
なり、資源の再利用化に大きく寄与することができるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による反毛品の製造方法の一例を示す
全体工程図である。
【図2】その材料切断工程を示す概略側面図である。
【図3】同じくその材料混合装置の概略断面図である。
【図4】混合状態を表わす概念図である。
【図5】同じく材料の堆積状態とともに示した概念図で
ある。
【図6】材料送り装置の概略断面図である。
【図7】解繊装置を示す断面図である。
【図8】その要部の拡大断面図である。
【図9】従来装置における混合状態を表わした概念図で
ある。
【符号の説明】
11 カッタ 12 カッタ 20 混合装置 21 タンク 25 吹き出しノズル 30 材料定量供給装置 40 解繊装置 41 解繊装置 50 袋詰め装置 70 解繊ドラム 72 つかみロール 74 圧縮ドラム 75 押えロール 76 送りロール S 第1材料 N 第2材料
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡体の裏打ち層を有しかつ繊
    維長の短い繊維または解繊時に短く切断されやすい繊維
    を含む第1材料を使用して反毛品を製造する方法であっ
    て、 前記第1材料を所定大きさに切断する工程と、 通常の反毛材料からなる第2材料を所定大きさに切断す
    る工程と、 前記切断工程によって切断された第1材料および第2材
    料を共通のコンベアに移送し、前記共通のコンベアから
    略水平方向へ曲げられた曲管状の吹き出しノズルからタ
    ンク内に吹き出して混合する工程と、 前記混合工程で混合された第1材料および第2材料を連
    続的に設けられた数次の解繊機によって混合解繊する工
    程とからなることを特徴とする反毛品の製造方法。
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