JP2000328372A - 編、織生地の開繊装置とそれによるリサイクル装置 - Google Patents

編、織生地の開繊装置とそれによるリサイクル装置

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JP2000328372A
JP2000328372A JP13975699A JP13975699A JP2000328372A JP 2000328372 A JP2000328372 A JP 2000328372A JP 13975699 A JP13975699 A JP 13975699A JP 13975699 A JP13975699 A JP 13975699A JP 2000328372 A JP2000328372 A JP 2000328372A
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Japan
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needle
fiber
knitting
transport
raw material
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Fumio Sato
文雄 佐藤
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Nitto Shoji Ltd
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Nitto Shoji Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 編、織生地を繊維レベルまで解きほぐした最
終解きほぐし繊維物にしてフェルト原料などとしてリサ
イクルできるようにする。 【解決手段】 編、織生地を小片生地にカットし、この
小片生地を無数の針群2a、3aを持って相対移動する
有針面2、3間に入れて、前記針群2a、3aと小片生
地との引っ掛かりにより小片生地の糸どうしの編、織レ
ベルの絡みを解きほぐしたほぼ糸レベルの中間解きほぐ
し繊維物とした後、この中間解きほぐし繊維物をカード
に掛けることにより各糸の繊維どうしの縒りによる絡み
を解いた繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐし繊
維物としリサイクルに供することにより、上記の目的を
達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は編、織生地をほぼ糸
レベルの中間繊維物を経て繊維レベルにまで解きほぐし
てリサイクルを図る編、織生地のリサイクル方法と装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種製品となって用済みとなった編、織
生地は、工業用にはウエス、家庭用には雑巾といった払
拭作業用の材料、あるいはパッチワーク用の材料などと
して、一部はリサイクル使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、使用済みの繊
維製品の多くは家庭で発生し、その大半が廃棄されてい
る。これを大量に安価にリサイクル使用できれば省資源
に大きく貢献できる。
【0004】本発明者等はこのような視点から、近時、
断熱、防音などのための充填材や当て材、あるいはクッ
ション材料、他の用途の詰め物などとして不織シートや
フエルトが多用され、需要がさらに拡大される傾向にあ
るのに着目し、用済みの繊維製品をフェルト原料に好適
な繊維レベルまで工業的に解きほぐすことにつき研究を
重ねている。
【0005】本発明の目的は、上記のような研究の経験
から、編、織生地を繊維レベルまで解きほぐした最終解
きほぐし繊維物にしてフェルト原料などとしてリサイク
ルできるようにする編、織生地のリサイクル方法と装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の編、織生地のリサイクル方法は、編、織
生地を小片生地にカットし、この小片生地を無数の針群
を持って相対移動する有針面間に入れて、前記針群と小
片生地との引っ掛かりにより小片生地の糸どうしの編、
織レベルの絡みを解きほぐしたほぼ糸レベルの中間解き
ほぐし繊維物とした後、この中間解きほぐし繊維物をカ
ードに掛けることにより各糸の繊維どうしの縒りによる
絡みを解いた繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐ
し繊維物としリサイクルに供することを主たる特徴とし
ている。
【0007】このような構成では、編、織生地を小片生
地にカットすることにより、その処理単位を小さくする
のと同時に、編、織されている糸の連続性を断って、そ
の長さおよび編、織による互いの絡み合い域を、小片生
地の大きさまで小さくすることができ、次いで、この状
態の小片生地を相対移動する有針面間に入れることによ
り双方の針群が小片生地にその両側から引っ掛かって引
っ張り合い、小片生地の各糸どうしの編、織による互い
の絡みを、糸レベルの繊維物の長さおよび編、織による
絡み域が小さくなっていることにより効率よく迅速に解
きほぐしてほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物を得る
ことができる。
【0008】このようにして得た中間解きほぐし繊維物
をカードに掛けることにより、中間解きほぐし繊維物の
各糸の繊維にカードの各部の開繊機能が働いて、各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを解いて繊維レベルの最終
解きほぐし繊維物にまで解きほぐすことができ、不織シ
ートやフェルトの原料などとしてリサイクル使用に供し
て好適である。
【0009】また、中間解きほぐし繊維物をカードに掛
けて処理するのは勿論、用済みの編、織製品を小片生地
にカットしたり、小片生地を相対移動する有針面間に供
給して解きほぐしたりすることは工業的な手法で、大量
に効率よく安価に達成することができる。
【0010】編、織生地は天然繊維製のものを取り扱う
と、リサイクル使用後の廃棄や焼却に際し自然を汚染し
ない利点がある。
【0011】本発明の編、織生地のリサイクル装置は、
外周の無数の針群を持った有針面に原料の編、織生地を
担持しこれをカバーとの間で搬送する搬送ローラをその
往搬送機能が連続するように1段ないしは複数段設けた
原料搬送系と、搬送ローラの有針面とカバーの側の所定
位置で無数の針群を持って対面して双方の針群の相対移
動時の引っ掛かりによる引っ張り合いによって編、織生
地の糸どうしの編、織による絡みを解いて糸レベルの中
間解きほぐし繊維物まで解きほぐす固定有針面と、原料
の編、織生地を前記原料搬送系の搬送始端部に供給する
原料供給手段と、原料搬送系の搬送終端部上の中間解き
ほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する中間吸引捕集手
段とを備えたことを主たる特徴としている。
【0012】このような構成では、原料搬送系はその搬
送始端部に、原料となる編、織生地を原料供給手段から
自動的に供給されながら、その供給された原料を1段な
いしは複数段設けた搬送ローラの往搬送方向側の外周の
有針面に原料を担持してカバーとの間を搬送しながら、
前記外周の有針面と有針面が対面し相対移動する固定有
針面との間で、各有針面の針群が搬送する原料の編、織
生地に両側から引っ掛かって引っ張り合うことによっ
て、各糸どうしの編、織による絡みを必要程度まで解き
ほぐした糸レベルの中間解きほぐし繊維物にまで自動的
に連続して能率よく多量に処理し、処理し終えた中間解
きほぐし繊維物は原料搬送系の搬送終端部で中間吸引捕
集手段によって吸引して一所に捕集するので、工業的な
大量処理に好適であり、リサイクルのための次の作業に
一所への捕集状態から容易に能率よく供することができ
る。
【0013】この場合、中間解きほぐし繊維物の各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを各部の開繊作用により解
きほぐして繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にするカ
ードを組み合わせ備え、中間解きほぐし繊維物をカード
に供給する中間解きほぐし繊維物供給手段と、ドッファ
上の最終解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する最
終吸引捕集手段とを設けてあると、一所に捕集した中間
解きほぐし繊維物をカードの中間解きほぐし繊維物供給
手段にまで移送するとカードに自動的に供給してカード
の開繊作用に掛け、カードの各部での開繊機能により中
間解きほぐし繊維物の各糸をその繊維どうしの縒りによ
る絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にま
で自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕集手
段によって吸引し一所に自動的に捕集しリサイクルに供
せるようにするので、編、織生地をリサイクルするため
に繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまでする一貫し
た処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有益で
ある。
【0014】複数段設けられた搬送ローラが、上流側の
ものから下流側のものにつき周速が順次大きくなるよう
に設定されていると、原料が複数の搬送ローラの上流側
から下流側に移行する部分の隣接搬送ローラ間での有針
面どうしの相対移動によって、原料の編、織生地におけ
る糸どうしの編、織による絡みを双方の針群の間でドラ
フトを掛けながらより効果的に解きほぐすことができ、
解きほぐし効率が向上し、処理速度が高まる。
【0015】固定有針面が、複数段の搬送ローラの最終
段のもののみ往搬送方向側周面と復搬送方向側周面とに
対面して設けられ、他の段は往搬送方向側周面にのみ対
面して設けられていると、最終段以外の搬送ローラでは
往搬送方向側周面から復搬送方向側周面への反転部では
次段の搬送ローラが位置して、前段の搬送ローラが有針
面の針群によって往搬送してきた原料の次段の搬送ロー
ラへの受け渡しが双方の有針面の針群によって確実に行
われ、前段の搬送ローラの復搬送方向側周面に至ること
はないので、この範囲の固定有針面が省略されても問題
はなく原料搬送系の構造の簡略化に繋がる。最終段の搬
送ローラでは中間解きほぐし繊維物が中間吸引捕集手段
により吸引され捕集されるが、糸どうしの編、織による
絡みの解きほぐしが十分でない中間解きほぐし繊維物ほ
ど針群との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵抗が大きいた
めに搬送ローラの周面に残りやすく、残った中間解きほ
ぐし繊維物は最終段の搬送ローラの復搬送方向側周面に
オーバーランして再度往搬送方向側に戻るのに、前段の
搬送ローラとの間と、復搬送方向側周面での固定有針面
との間による解きほぐしを受けて解きほぐし不足が解消
し、解きほぐしがより均一化するので、カードでの開繊
に解きほぐし不足による無理をなくしカードの安全と最
終解きほぐし繊維物の品質向上とが図れる。
【0016】固定有針面が、フラット面に針を持った搬
送ローラの軸線方向に延びるフラットバーであって、搬
送ローラの搬送方向に隣接配置されていると、搬送ロー
ラの円弧面である有針面に対し、フラットな固定有針面
が対面して幅方向中央部にできる最接近部から両側に向
かって広がる隙間を形成するので、搬送ローラが搬送す
る繊維物を各有針面間で徐々に圧迫しながら解きほぐし
作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫と、解
きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバーごと
に繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるので、機
械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の圧迫と
圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される繊維物
層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上することがで
きる。
【0017】本発明の他の目的および特徴は、以下の詳
細な説明および図面の記載によって明らかになる。ま
た、本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは種々な組
み合わせで複合して用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てその実施例とともに図1〜図6を参照しながら説明
し、本発明の理解に供する。
【0019】本実施の形態の編、織生地のリサイクル方
法は、図1、図2に示すリサイクル装置を参照して説明
すると、衣服その他の用済みの編、織生地などリサイク
ル対象繊維物を、まず図1、図6の(a)に示すような
小片生地1にカットする。次いで、このカットした小片
生地1を相対移動する例えば図4、図5に示すような針
群2a、3aを持った有針面2、3間に入れる。このと
き、前記針群2a、3aと小片生地1との引っ掛かりに
より、小片生地1の各糸4の編、織による絡みを解き、
図6の(b)に示すような独立した糸4が主体で、それ
に糸4の繊維4aがほぐれてうっすら混じる程度といっ
た、必要な解きほぐし状態となるほぼ糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで解きほぐす。この後、この中
間解きほぐし繊維物1aを図2に示すようなカード5に
掛けることにより、中間解きほぐし繊維物1aの各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを開繊機能により解き、図
6の(c)に示すような糸4がない繊維4aばかりとな
る繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐし繊維物1
bとしてリサイクルに供する。
【0020】このように用済みの編、織生地を小片生地
1にカットすると、その処理単位を小さくして処理上取
り扱いやすくするのと同時に、編、織されている糸4の
連続性を断って、その長さおよび編、織による互いの絡
み合い域を、小片生地1の大きさ程度まで小さくするこ
とができる。従って、このような小片生地1を相対移動
する有針面2、3間で解きほぐすのに、図6の(a)に
示す小片生地1の編、織状態にある糸4どうしは相対移
動する有針面2、3の各針群2a、3aが両側から引っ
掛かって引っ張り合うことによって、長さおよび前記
編、織による絡み域が小さくなっていることによって、
その絡みが容易に効率よく解きほぐされ、図6の(b)
に示すほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物1aが得ら
れる。
【0021】このようにして得た中間解きほぐし繊維物
1aはカード5に掛けて次の処理をするが、カード5は
もともと綿状のラップと呼ばれる綿層が供給され、これ
を相対移動する有針面間で開繊および除塵して引き揃
え、繊維が長手方向に繋がったスライバーを製造する紡
機であって、相対移動する有針面どうしは細かなピッチ
で設けられた針布やメタリックワイヤによる針群によっ
てラップの各繊維に開繊作用を及ぼすもので、図2に示
すフラットを省略し、ディッシュプレート11、フィー
ドローラ12、テーカーインローラ13、シリンダー1
4、ドッファ15を備えたカード5によっても、図6の
(b)に示すような中間解きほぐし繊維物1aの各糸4
の各繊維に開繊作用が及び、糸4における繊維どうしの
縒りによる絡みを確実に解いていき、最終的に糸が存在
せず繊維ばかりとなる繊維レベルの図6の(c)に示す
ような最終解きほぐし繊維物1bとすることができる。
【0022】この最終解きほぐし繊維物1bはそのまま
でも断熱材や防音材、芯材などの詰め物としてリサイク
ル使用することができるし、圧縮処理やパンチング処
理、サーマルボンドなど適当なシート化処理することに
よりフェルトなどの不織シートとしてリサイクルするこ
とができる。
【0023】また、中間解きほぐし繊維物1aをカード
5に掛けるのは勿論、用済みの編、織製品を小片生地1
にカットしたり、小片生地1を相対移動する有針面2、
3間に供給して解きほぐしたりすることは工業的な手法
で、大量に効率よく達成することができる。
【0024】なお、このリサイクル方法において、編、
織生地は天然繊維製のものを取り扱うと、リサイクル使
用した後の廃棄や焼却に際し自然を汚染しない利点があ
り、用済み後そのまま廃棄される、自動車の座席シート
などの詰め物や、断熱、防音のための充填材や当て材と
いったフェルトなどに特に好適である。この場合、フェ
ルト化ないしは不織シート化の処理に必要な付加物があ
る場合にこの付加物も天然材料を用いるようにするのが
好適である。
【0025】本発明の編、織生地のリサイクル装置は、
図1に示す中間解きほぐし装置21と、図2に示す上記
カード5を利用した最終解きほぐし装置22とを組み合
わせ備え、上記工程に従って順次に用いられる。中間解
きほぐし装置21は図1に示すように、外周に形成した
有針群面2に原料を担持しこれをカバー16との間で搬
送するようにした搬送ローラ17をその往搬送方向が連
続するように複数段設けた原料搬送系18と、搬送ロー
ラ17のカバー16の側の所定位置で搬送ローラ17の
有針面2と無数の針群を持って対面し双方の針群2a、
3aの相対移動時の引っ掛かりによる引っ張り合いによ
って搬送ローラ17により搬送される原料の編、織生地
の編、織された糸4どうしを解きほぐす固定有針面3
と、カットされた上記小片生地1などの編、織生地を前
記原料搬送系18の搬送ローラ17がなす搬送始端部1
8aに供給する原料供給手段19と、原料搬送系18の
搬送ローラ17がなす搬送終端部18b上の中間解きほ
ぐし繊維物1aを吸引して一所に捕集する中間吸引捕集
手段20とを備えている。
【0026】図1に示す中間解きほぐし装置21は、原
料搬送系18の搬送始端部18aに、原料となる小片生
地1などの編、織生地を原料供給手段19から自動的に
供給されながら、その供給された小片生地1などを複数
段設けた搬送ローラ17の往搬送方向側の外周の有針面
2で小片生地1などを担持してカバー16との間を搬送
しながら、前記外周の有針面2とこれに対面し互いに相
対移動する固定有針面3との間でそれらの針群2a、3
aが、前記搬送する小片生地1などに両側から引っ掛か
って引っ張り合うことにより、各糸4どうしの編、織に
よる絡みを必要程度まで解きほぐした糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで自動的に連続して能率よく多
量に処理することができる。処理し終えた中間解きほぐ
し繊維物1aは原料搬送系18の搬送終端部18bにて
中間吸引捕集手段20によって吸引して捕集ボックス3
1などの一所に捕集するので、工業的な大量処理に好適
であり、リサイクルのための次の作業に捕集ボックス3
1など一所への捕集状態から容易に能率よく供すること
ができる。
【0027】図1、図3〜図5に示す実施例では、原料
搬送系18は一対のサイドフレーム32上に搬送ローラ
17を回転軸の両端を軸受して保持しており、6本の搬
送ローラ17を隣接配置し、隣接のものどうしが反時計
方向、時計方向と逆向きの回転になるようにして、それ
ぞれの往搬送方向Aが搬送始端部18aで下向きとなっ
た以降順次上下が逆になって、往搬送方向Aが滑らかに
連続するようにしている。各搬送ローラ17は直径が9
インチ半で用済みとなったカードのテーカーインローラ
をリサイクル使用することができる。
【0028】各搬送ローラ17は、上流側のものから下
流側のものにつき周速が順次大きくなるように設定され
ている。このため、前段の3つの搬送ローラ17と後段
の3つの搬送ローラ17とを個別のモータ33、34か
らのチェーン35、36を介した伝動によって回転駆動
し、前、後段の各3つずつの搬送ローラ17の組みの前
段のものから後段のものに掛けてチェーン35、36に
対する従動スプロケット37a、37b、37cの径を
順次小さく設定し、モータ33のチェーン35に対する
駆動スプロケット38の径を、モータ34のチェーン3
6に対する駆動スプロケット39の径よりも小さく設定
してあり、前段の3つの搬送ローラ17の組と後段の3
つの搬送ローラ17の組とで、駆動スプロケット38、
39の径が異なるだけの2つの搬送系を使い分けるだけ
で、6本の搬送ローラ17どうしに必要な上記周速の関
係を満足している。
【0029】このような各搬送ローラ17の周速の違い
により、小片生地1などの原料が複数の搬送ローラ17
の上流側から下流側に移行する部分の隣接搬送ローラ1
7間の有針面2どうしの相対移動によって、原料の糸4
どうしの編、織による絡みを糸4どうしにドラフトを掛
けながらより効果的に解きほぐすことができ、解きほぐ
し効率が向上し、処理速度が高まる。1つの実施例とし
て、第1段の搬送ローラ17から最終の第6段の搬送ロ
ーラ17までの各周速は、800rpm、900rp
m、1000rpm、1700rpm、2000rp
m、2020rpmである。
【0030】また、固定有針面3は、搬送ローラ17の
最終段のもののみ往搬送方向A側の周面と復搬送方向B
側の周面とに対面して設け、他の段のものには往搬送方
向A側の周面にのみ対面して設けている。最終段以外の
搬送ローラ17では往搬送方向A側の周面から復搬送方
向B側の周面への反転部では次段の搬送ローラ17が位
置して、前段の搬送ローラ17が有針面2の針群2aに
よって往搬送してきた原料の次段の搬送ローラ17への
受け渡しが双方の有針面2の針群2aによって確実に行
われ、前段の搬送ローラ17の復搬送方向B側の周面に
至ることはないので、この範囲の固定有針面3が省略さ
れても問題はなく図の実施例の構成によって原料搬送系
の構造の簡略化に繋がる。
【0031】最終段の搬送ローラ17では中間解きほぐ
し繊維物1aが中間吸引捕集手段20により吸引され捕
集されるが、糸4どうしの編、織による絡みの解きほぐ
しが十分でない中間解きほぐし繊維物1aほど針群2a
との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵抗が大きいために搬
送ローラ17の周面に残りやすく、残った中間解きほぐ
し繊維物1aは最終段の搬送ローラ17の復搬送方向B
側の周面にオーバーランして再度往搬送方向A側に戻る
のに、復搬送方向B側の周面での固定有針面3との間、
および前段の搬送ローラ17との間による2か所での解
きほぐしを受けて解きほぐし不足が解消し、解きほぐし
がより均一化するので、カードでの開繊に解きほぐし不
足による無理をなくしカードの安全と最終解きほぐし繊
維物の品質向上とが図れる。
【0032】さらに、固定有針面3が、フラット面に針
3aを持った搬送ローラ17の軸線方向に延びるフラッ
トバー41であって、搬送ローラ17の搬送方向に必要
本数例えば4本隣接配置されている。このフラットバー
41も用済みカードのフラットバーをリサイクル使用す
ることができる。このように、搬送ローラ17の円弧面
である有針面2に対し、フラットな固定有針面3が対面
して幅方向中央部にできる最接近部から両側に向かって
広がる隙間を形成するので、搬送ローラ17が搬送する
繊維物を各有針面2、3間で徐々に圧迫しながら解きほ
ぐし作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫
と、解きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバ
ーごとに繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるの
で、機械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の
圧迫と圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される
繊維物層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上するこ
とができる。
【0033】また、針2、3はメタリックワイヤであ
り、上流側から下流側に掛けて、働き角を順次に小さく
し、針数の密度を順次多くする。これにより、上流側か
ら下流側に向けて小片生地1の糸4および繊維4aの解
きほぐしが進んでも、針群2a、3aの繊維に対する引
っ掛かり度が順次に高くなって解きほぐし効率が低下せ
ず、最大能力で処理できるようになる。同じ意味で、搬
送ローラ17間のゲージ、および搬送ローラ17の有針
面2と固定有針面3との間のゲージも、上流側から下流
側に向け、各段ごとに、あるいは複数段ごとに小さくな
るように設定する。1つの実施例として、搬送ローラ1
7の上流側から下流側に向け、働き角が86°から65
°程度に変化させ、針数は1インチに5山から8山程度
に変化させ、ゲージは50/1000から45/100
0程度に変化させる。以上の実施例によって、ジーンズ
の用済み生地を5cm角〜10cm角の小片生地1にカ
ットしたものを原料として、10Kg/hの処理能力で
中間解きほぐし繊維物1aを生産することができる。
【0034】原料供給手段19は図1に示すようにボッ
クス45内に設けられ、投入される原料としての小片生
地1を横設したコンベア46で受けて斜め配置されたリ
フトコンベア47に送り込んで一旦上方に持ち上げてか
ら、シュータ48、定量分散供給部49を通じて横設供
給コンベア51上にほぼ均一なかさと広がりをもって定
量供給し、この定量供給される小片生地1を横設供給コ
ンベア51によって原料搬送系18の原料受け入れ部5
2にその全幅に亘ってほぼ均等に送り込めるようにして
いる。原料受け入れ部52は複数のローラ52aとフィ
ード台52bとによって受け入れた原料をほぼ一定のか
さに圧縮しながら搬送ローラ17に供給する。中間吸引
捕集手段20は捕集ボックス31側の吸引ファン55か
らの吸引によって中間解きほぐし繊維物1aを吸引ノズ
ル20aを通じて吸引し通気性のある捕集ボックス31
内に捕集する。
【0035】図2に示す最終解きほぐし装置22は、中
間解きほぐし繊維物1aをカード5に供給する中間解き
ほぐし繊維物供給手段23と、ドッファ15上の最終解
きほぐし繊維物1bを吸引して一所に捕集する最終吸引
捕集手段24とを設けてある。これによって、捕集ボッ
クス31の一所に捕集した中間解きほぐし繊維物1aを
カード5の中間解きほぐし繊維物供給手段23にまで移
送するとカード5に自動的に供給してカード5の開繊作
用に掛け、カード5の各部での開繊機能により中間解き
ほぐし繊維物1aの各糸4をその繊維どうしの縒りによ
る絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物1b
にまで自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕
集手段24によって吸引し捕集ボックス61の一所に自
動的に捕集しリサイクルに供せるようになる。
【0036】以上で、編、織生地をリサイクルするため
に繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまで処理する一
貫した処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有
益である。
【0037】図2に示すように中間解きほぐし繊維物供
給手段23はボックス62内に設けられ、投入される中
間解きほぐし繊維物1aを斜め配置したリフター63に
よって一旦上方に持ち上げた後、シュータ64、定量供
給部65、シュータ66を通じてディッシュプレート1
1上のフィードローラ12の直前に一定のかさずつ定量
供給する。これによってフィードローラ12は供給され
る中間解きほぐし繊維物1aをディッシュプレート11
上からテーカーインローラ13に供給し、以降カード5
の各部の開繊に掛けられるようにする。最終吸引捕集手
段24は捕集ボックス61側の吸引ファン67からの吸
引カバー68を介した吸引によって最終解きほぐし繊維
物1bを吸引し通気性のある捕集ボックス61内に捕集
する。しかし、本発明は図に示す各種の具体的な構成に
限られることはなく種々に変更することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の編、織生地のリサイクル方法に
よれば、上記の説明から明らかなように、用済みの編、
織生地を、糸どうしの編、織による絡みを解いたほぼ糸
レベルの中間解きほぐし繊維物を経て、各糸の繊維どう
しの縒りによる絡みを解いた繊維レベルの最終解きほぐ
し繊維物にまで容易に解きほぐす処理ができ、フェルト
の原料などとしてリサイクル使用に供して好適であり、
省資源に貢献できる。工業的な手法で、大量に効率よく
達成することができる。
【0039】また、本発明の編、織生地のリサイクル装
置によれば、上記中間解きほぐし繊維物、最終解きほぐ
し繊維物を自動で連続して効率よく多量に生産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の中間解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の最終解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図3】図1の装置の原料搬送系部分を示す側面図であ
る。
【図4】図3の原料搬送系の往搬送方向が下側になる搬
送ローラの側面図である。
【図5】図3の原料搬送系の往搬送方向が上側になる搬
送ローラの側面図である。
【図6】小片生地から最終解きほぐし繊維物までの変化
を示し、その(a)は小片生地、その(b)は中間解き
ほぐし繊維物、その(c)は最終解きほぐし繊維物であ
る。
【符号の説明】 1 小片生地 1a 中間解きほぐし繊維物 1b 最終解きほぐし繊維物 2 有針面 3 固定有針面 2a、3a 針群 4 糸 4a 繊維 5 カード 16 カバー 17 搬送ローラ 18 原料搬送系 19 原料供給手段 20 中間吸引捕集手段 21 中間解きほぐし装置 22 最終解きほぐし装置 23 中間解きほぐし繊維物供給手段 24 最終吸引捕集手段 33、34 モータ 35、36 チェーン 37a〜37c 従動スプロケット 38、39 駆動スプロケット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月17日(1999.9.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 編、織生地のリサイクル方法と装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は編、織生地をほぼ糸
レベルの中間繊維物を経て繊維レベルにまで解きほぐし
てリサイクルを図る編、織生地のリサイクル方法と装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種製品となって用済みとなった編、織
生地は、工業用にはウエス、家庭用には雑巾といった払
拭作業用の材料、あるいはパッチワーク用の材料などと
して、一部はリサイクル使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、使用済みの繊
維製品の多くは家庭で発生し、その大半が廃棄されてい
る。これを大量に安価にリサイクル使用できれば省資源
に大きく貢献できる。
【0004】本発明者等はこのような視点から、近時、
断熱、防音などのための充填材や当て材、あるいはクッ
ション材料、他の用途の詰め物などとして不織シートや
フエルトが多用され、需要がさらに拡大される傾向にあ
るのに着目し、用済みの繊維製品をフェルト原料に好適
な繊維レベルまで工業的に解きほぐすことにつき研究を
重ねている。
【0005】本発明の目的は、上記のような研究の経験
から、編、織生地を繊維レベルまで解きほぐした最終解
きほぐし繊維物にしてフェルト原料などとしてリサイク
ルできるようにする編、織生地のリサイクル方法と装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の編、織生地のリサイクル方法は、編、織
生地を小片生地にカットし、この小片生地を無数の針群
を持って相対移動する有針面間に入れて、前記針群と小
片生地との引っ掛かりにより小片生地の糸どうしの編、
織レベルの絡みを解きほぐしたほぼ糸レベルの中間解き
ほぐし繊維物とした後、この中間解きほぐし繊維物をカ
ードに掛けることにより各糸の繊維どうしの縒りによる
絡みを解いた繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐ
し繊維物としリサイクルに供することを主たる特徴とし
ている。
【0007】このような構成では、編、織生地を小片生
地にカットすることにより、その処理単位を小さくする
のと同時に、編、織されている糸の連続性を断って、そ
の長さおよび編、織による互いの絡み合い域を、小片生
地の大きさまで小さくすることができ、次いで、この状
態の小片生地を相対移動する有針面間に入れることによ
り双方の針群が小片生地にその両側から引っ掛かって引
っ張り合い、小片生地の各糸どうしの編、織による互い
の絡みを、糸レベルの繊維物の長さおよび編、織による
絡み域が小さくなっていることにより効率よく迅速に解
きほぐしてほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物を得る
ことができる。
【0008】このようにして得た中間解きほぐし繊維物
をカードに掛けることにより、中間解きほぐし繊維物の
各糸の繊維にカードの各部の開繊機能が働いて、各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを解いて繊維レベルの最終
解きほぐし繊維物にまで解きほぐすことができ、不織シ
ートやフェルトの原料などとしてリサイクル使用に供し
て好適である。
【0009】また、中間解きほぐし繊維物をカードに掛
けて処理するのは勿論、用済みの編、織製品を小片生地
にカットしたり、小片生地を相対移動する有針面間に供
給して解きほぐしたりすることは工業的な手法で、大量
に効率よく安価に達成することができる。
【0010】編、織生地は天然繊維製のものを取り扱う
と、リサイクル使用後の廃棄や焼却に際し自然を汚染し
ない利点がある。
【0011】本発明の編、織生地のリサイクル装置は、
外周の無数の針群を持った有針面に原料の編、織生地を
担持しこれをカバーとの間で搬送する搬送ローラをその
往搬送機能が連続するように1段ないしは複数段設けた
原料搬送系と、搬送ローラの有針面とカバーの側の所定
位置で無数の針群を持って対面して双方の針群の相対移
動時の引っ掛かりによる引っ張り合いによって編、織生
地の糸どうしの編、織による絡みを解いて糸レベルの中
間解きほぐし繊維物まで解きほぐす固定有針面と、原料
の編、織生地を前記原料搬送系の搬送始端部に供給する
原料供給手段と、原料搬送系の搬送終端部上の中間解き
ほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する中間吸引捕集手
段とを備えたことを主たる特徴としている。
【0012】このような構成では、原料搬送系はその搬
送始端部に、原料となる編、織生地を原料供給手段から
自動的に供給されながら、その供給された原料を1段な
いしは複数段設けた搬送ローラの往搬送方向側の外周の
有針面に原料を担持してカバーとの間を搬送しながら、
前記外周の有針面と有針面が対面し相対移動する固定有
針面との間で、各有針面の針群が搬送する原料の編、織
生地に両側から引っ掛かって引っ張り合うことによっ
て、各糸どうしの編、織による絡みを必要程度まで解き
ほぐした糸レベルの中間解きほぐし繊維物にまで自動的
に連続して能率よく多量に処理し、処理し終えた中間解
きほぐし繊維物は原料搬送系の搬送終端部で中間吸引捕
集手段によって吸引して一所に捕集するので、工業的な
大量処理に好適であり、リサイクルのための次の作業に
一所への捕集状態から容易に能率よく供することができ
る。
【0013】この場合、中間解きほぐし繊維物の各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを各部の開繊作用により解
きほぐして繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にするカ
ードを組み合わせ備え、中間解きほぐし繊維物をカード
に供給する中間解きほぐし繊維物供給手段と、ドッファ
上の最終解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する最
終吸引捕集手段とを設けてあると、一所に捕集した中間
解きほぐし繊維物をカードの中間解きほぐし繊維物供給
手段にまで移送するとカードに自動的に供給してカード
の開繊作用に掛け、カードの各部での開繊機能により中
間解きほぐし繊維物の各糸をその繊維どうしの縒りによ
る絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にま
で自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕集手
段によって吸引し一所に自動的に捕集しリサイクルに供
せるようにするので、編、織生地をリサイクルするため
に繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまでする一貫し
た処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有益で
ある。
【0014】複数段設けられた搬送ローラが、上流側の
ものから下流側のものにつき周速が順次大きくなるよう
に設定されていると、原料が複数の搬送ローラの上流側
から下流側に移行する部分の隣接搬送ローラ間での有針
面どうしの相対移動によって、原料の編、織生地におけ
る糸どうしの編、織による絡みを双方の針群の間でドラ
フトを掛けながらより効果的に解きほぐすことができ、
解きほぐし効率が向上し、処理速度が高まる。
【0015】固定有針面が、複数段の搬送ローラの最終
段のもののみ往搬送方向側周面と復搬送方向側周面とに
対面して設けられ、他の段は往搬送方向側周面にのみ対
面して設けられていると、最終段以外の搬送ローラでは
往搬送方向側周面から復搬送方向側周面への反転部では
次段の搬送ローラが位置して、前段の搬送ローラが有針
面の針群によって往搬送してきた原料の次段の搬送ロー
ラへの受け渡しが双方の有針面の針群によって確実に行
われ、前段の搬送ローラの復搬送方向側周面に至ること
はないので、この範囲の固定有針面が省略されても問題
はなく原料搬送系の構造の簡略化に繋がる。最終段の搬
送ローラでは中間解きほぐし繊維物が中間吸引捕集手段
により吸引され捕集されるが、糸どうしの編、織による
絡みの解きほぐしが十分でない中間解きほぐし繊維物ほ
ど針群との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵抗が大きいた
めに搬送ローラの周面に残りやすく、残った中間解きほ
ぐし繊維物は最終段の搬送ローラの復搬送方向側周面に
オーバーランして再度往搬送方向側に戻るのに、前段の
搬送ローラとの間と、復搬送方向側周面での固定有針面
との間による解きほぐしを受けて解きほぐし不足が解消
し、解きほぐしがより均一化するので、カードでの開繊
に解きほぐし不足による無理をなくしカードの安全と最
終解きほぐし繊維物の品質向上とが図れる。
【0016】固定有針面が、フラット面に針を持った搬
送ローラの軸線方向に延びるフラットバーであって、搬
送ローラの搬送方向に隣接配置されていると、搬送ロー
ラの円弧面である有針面に対し、フラットな固定有針面
が対面して幅方向中央部にできる最接近部から両側に向
かって広がる隙間を形成するので、搬送ローラが搬送す
る繊維物を各有針面間で徐々に圧迫しながら解きほぐし
作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫と、解
きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバーごと
に繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるので、機
械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の圧迫と
圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される繊維物
層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上することがで
きる。
【0017】本発明の他の目的および特徴は、以下の詳
細な説明および図面の記載によって明らかになる。ま
た、本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは種々な組
み合わせで複合して用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てその実施例とともに図1〜図6を参照しながら説明
し、本発明の理解に供する。
【0019】本実施の形態の編、織生地のリサイクル方
法は、図1、図2に示すリサイクル装置を参照して説明
すると、衣服その他の用済みの編、織生地などリサイク
ル対象繊維物を、まず図1、図6の(a)に示すような
小片生地1にカットする。次いで、このカットした小片
生地1を相対移動する例えば図4、図5に示すような針
群2a、3aを持った有針面2、3間に入れる。このと
き、前記針群2a、3aと小片生地1との引っ掛かりに
より、小片生地1の各糸4の編、織による絡みを解き、
図6の(b)に示すような独立した糸4が主体で、それ
に糸4の繊維4aがほぐれてうっすら混じる程度といっ
た、必要な解きほぐし状態となるほぼ糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで解きほぐす。この後、この中
間解きほぐし繊維物1aを図2に示すようなカード5に
掛けることにより、中間解きほぐし繊維物1aの各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを開繊機能により解き、図
6の(c)に示すような糸4がない繊維4aばかりとな
る繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐし繊維物1
bとしてリサイクルに供する。
【0020】このように用済みの編、織生地を小片生地
1にカットすると、その処理単位を小さくして処理上取
り扱いやすくするのと同時に、編、織されている糸4の
連続性を断って、その長さおよび編、織による互いの絡
み合い域を、小片生地1の大きさ程度まで小さくするこ
とができる。従って、このような小片生地1を相対移動
する有針面2、3間で解きほぐすのに、図6の(a)に
示す小片生地1の編、織状態にある糸4どうしは相対移
動する有針面2、3の各針群2a、3aが表裏両側から
引っ掛かって引っ張り合うことによって、長さおよび前
記編、織による絡み域が小さくなっていることによっ
て、その絡みが容易に効率よく解きほぐされ、図6の
(b)に示すほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物1a
が得られる。
【0021】このようにして得た中間解きほぐし繊維物
1aはカード5に掛けて次の処理をするが、カード5は
もともと綿状のラップと呼ばれる綿層が供給され、これ
を相対移動する有針面間で開繊および除塵して引き揃
え、繊維が長手方向に繋がったスライバーを製造する紡
機であって、相対移動する有針面どうしは細かなピッチ
で設けられた針布やメタリックワイヤによる針群によっ
てラップの各繊維に開繊作用を及ぼすもので、フラット
を省略した図2に示すカード、ディッシュプレート1
1、フィードローラ12、テーカーインローラ13、シ
リンダー14、ドッファ15、フラットトップを備えた
カード5によっても、図6の(b)に示すような中間解
きほぐし繊維物1aの各糸4の各繊維に開繊作用が及
び、糸4における繊維どうしの縒りによる絡みを確実に
解いていき、最終的に糸が存在せず繊維ばかりとなる繊
維レベルの図6の(c)に示すような最終解きほぐし繊
維物1bとすることができる。
【0022】この最終解きほぐし繊維物1bはそのまま
でも断熱材や防音材、芯材などの詰め物としてリサイク
ル使用することができるし、圧縮処理やパンチング処
理、サーマルボンドなど適当なシート化処理することに
よりフェルトなどの不織シートとしてリサイクルするこ
とができる。
【0023】また、中間解きほぐし繊維物1aをカード
5に掛けるのは勿論、用済みの編、織製品を小片生地1
にカットしたり、小片生地1を相対移動する有針面2、
3間に供給して解きほぐしたりすることは工業的な手法
で、大量に効率よく達成することができる。
【0024】なお、このリサイクル方法において、編、
織生地は天然繊維製のものを取り扱うと、リサイクル使
用した後の廃棄や焼却に際し自然を汚染しない利点があ
り、用済み後そのまま廃棄される、自動車の座席シート
などの詰め物や、断熱、防音のための充填材や当て材と
いったフェルトなどに特に好適である。この場合、フェ
ルト化ないしは不織シート化の処理に必要な付加物があ
る場合にこの付加物も天然材料を用いるようにするのが
好適である。
【0025】本発明の編、織生地のリサイクル装置は、
図1に示す中間解きほぐし装置21と、図2に示す上記
カード5を利用した最終解きほぐし装置22とを組み合
わせ備え、上記工程に従って順次に用いられる。中間解
きほぐし装置21は図1に示すように、外周に形成した
有針群面2に原料を担持しこれをカバー16との間で搬
送するようにした搬送ローラ17をその往搬送方向が連
続するように複数段設けた原料搬送系18と、搬送ロー
ラ17のカバー16の側の所定位置で搬送ローラ17の
有針面2と無数の針群を持って対面し双方の針群2a、
3aの相対移動時の引っ掛かりによる引っ張り合いによ
って搬送ローラ17により搬送される原料の編、織生地
の編、織された糸4どうしを解きほぐす固定有針面3
と、カットされた上記小片生地1などの編、織生地を前
記原料搬送系18の搬送ローラ17がなす搬送始端部1
8aに供給する原料供給手段19と、原料搬送系18の
搬送ローラ17がなす搬送終端部18b上の中間解きほ
ぐし繊維物1aを吸引して一所に捕集する中間吸引捕集
手段20とを備えている。
【0026】図1に示す中間解きほぐし装置21は、原
料搬送系18の搬送始端部18aに、原料となる小片生
地1などの編、織生地を原料供給手段19から自動的に
供給されながら、その供給された小片生地1などを複数
段設けた搬送ローラ17の往搬送方向側の外周の有針面
2で小片生地1などを担持してカバー16との間を搬送
しながら、前記外周の有針面2とこれに対面し互いに相
対移動する固定有針面3との間でそれらの針群2a、3
aが、前記搬送する小片生地1などに両側から引っ掛か
って引っ張り合うことにより、各糸4どうしの編、織に
よる絡みを必要程度まで解きほぐした糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで自動的に連続して能率よく多
量に処理することができる。処理し終えた中間解きほぐ
し繊維物1aは原料搬送系18の搬送終端部18bにて
中間吸引捕集手段20によって吸引して捕集ボックス3
1などの一所に捕集するので、工業的な大量処理に好適
であり、リサイクルのための次の作業に捕集ボックス3
1など一所への捕集状態から容易に能率よく供すること
ができる。
【0027】図1、図3〜図5に示す実施例では、原料
搬送系18は一対のサイドフレーム32上に搬送ローラ
17を回転軸の両端を軸受して保持しており、6本の搬
送ローラ17を隣接配置し、隣接のものどうしが反時計
方向、時計方向と逆向きの回転になるようにして、それ
ぞれの往搬送方向Aが搬送始端部18aで下向きとなっ
た以降順次上下が逆になって、往搬送方向Aが滑らかに
連続するようにしている。
【0028】各搬送ローラ17は、上流側のものから下
流側のものにつき周速が順次大きくなるように設定され
ている。このため、前段の3つの搬送ローラ17と後段
の3つの搬送ローラ17とを個別のモータ33、34か
らのチェーン35、36を介した伝動によって回転駆動
し、前、後段の各3つずつの搬送ローラ17の組みの前
段のものから後段のものに掛けてチェーン35、36に
対する従動スプロケット37a、37b、37cの径を
順次小さく設定し、モータ33のチェーン35に対する
駆動スプロケット38の径を、モータ34のチェーン3
6に対する駆動スプロケット39の径よりも小さく設定
してあり、前段の3つの搬送ローラ17の組と後段の3
つの搬送ローラ17の組とで、駆動スプロケット38、
39の径が異なるだけの2つの搬送系を使い分けるだけ
で、6本の搬送ローラ17どうしに必要な上記周速の関
係を満足している。
【0029】このような各搬送ローラ17の周速の違い
により、小片生地1などの原料が複数の搬送ローラ17
の上流側から下流側に移行する部分の隣接搬送ローラ1
7間の有針面2どうしの相対移動によって、原料の糸4
どうしの編、織による絡みを糸4どうしにドラフトを掛
けながらより効果的に解きほぐすことができ、解きほぐ
し効率が向上し、処理速度が高まる。1つの実施例とし
て、第1段の搬送ローラ17から最終の第6段の搬送ロ
ーラ17までの各回転は、800rpm、900rp
m、1000rpm、1700rpm、2000rp
m、2020rpmである。
【0030】また、固定有針面3は、搬送ローラ17の
最終段のもののみ往搬送方向A側の周面と復搬送方向B
側の周面とに対面して設け、他の段のものには往搬送方
向A側の周面にのみ対面して設けている。最終段以外の
搬送ローラ17では往搬送方向A側の周面から復搬送方
向B側の周面への反転部では次段の搬送ローラ17が位
置して、前段の搬送ローラ17が有針面2の針群2aに
よって往搬送してきた原料の次段の搬送ローラ17への
受け渡しが双方の有針面2の針群2aによって確実に行
われ、前段の搬送ローラ17の復搬送方向B側の周面に
至ることはないので、この範囲の固定有針面3が省略さ
れても問題はなく図の実施例の構成によって原料搬送系
の構造の簡略化に繋がる。
【0031】最終段の搬送ローラ17では中間解きほぐ
し繊維物1aが中間吸引捕集手段20により吸引され捕
集されるが、糸4どうしの編、織による絡みの解きほぐ
しが十分でない中間解きほぐし繊維物1aほど針群2a
との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵抗が大きいために搬
送ローラ17の周面に残りやすく、残った中間解きほぐ
し繊維物1aは最終段の搬送ローラ17の復搬送方向B
側の周面にオーバーランして再度往搬送方向A側に戻る
のに、復搬送方向B側の周面での固定有針面3との間、
および前段の搬送ローラ17との間による2か所での解
きほぐしを受けて解きほぐし不足が解消し、解きほぐし
がより均一化するので、カードでの開繊に解きほぐし不
足による無理をなくしカードの安全と最終解きほぐし繊
維物の品質向上とが図れる。
【0032】さらに、固定有針面3が、フラット面に針
3aを持った搬送ローラ17の軸線方向に延びるフラッ
トバー41であって、搬送ローラ17の搬送方向に必要
本数例えば4本隣接配置されている。このフラットバー
41も用済みカードのフラットバーをリサイクル使用す
ることができる。このように、搬送ローラ17の円弧面
である有針面2に対し、フラットな固定有針面3が対面
して幅方向中央部にできる最接近部から両側に向かって
広がる隙間を形成するので、搬送ローラ17が搬送する
繊維物を各有針面2、3間で徐々に圧迫しながら解きほ
ぐし作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫
と、解きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバ
ーごとに繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるの
で、機械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の
圧迫と圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される
繊維物層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上するこ
とができる。
【0033】また、針2、3はメタリックワイヤであ
り、上流側から下流側に掛けて、働き角を順次に小さく
し、針数の密度を順次多くする。これにより、上流側か
ら下流側に向けて小片生地1の糸4および繊維4aの解
きほぐしが進んでも、針群2a、3aの繊維に対する引
っ掛かり度が順次に高くなって解きほぐし効率が低下せ
ず、最大能力で処理できるようになる。同じ意味で、搬
送ローラ17間のゲージ、および搬送ローラ17の有針
面2と固定有針面3との間のゲージも、上流側から下流
側に向け、各段ごとに、あるいは複数段ごとに小さくな
るように設定する。1つの実施例として、搬送ローラ1
7の上流側から下流側に向け、働き角が86°から65
°程度に変化させ、針数は1インチに5山から8山程度
に変化させ、ゲージは50/1000から45/100
0程度に変化させる。以上の実施例によって、ジーンズ
の用済み生地を5cm角〜10cm角の小片生地1にカ
ットしたものを原料として、100Kg/hの処理能力
で中間解きほぐし繊維物1aを生産することができる。
【0034】原料供給手段19は図1に示すようにボッ
クス45内に設けられ、投入される原料としての小片生
地1を横設したコンベア46で受けて斜め配置されたリ
フトコンベア47に送り込んで一旦上方に持ち上げてか
ら、シュータ48、定量分散供給部49を通じて横設供
給コンベア51上にほぼ均一なかさと広がりをもって定
量供給し、この定量供給される小片生地1を横設供給コ
ンベア51によって原料搬送系18の原料受け入れ部5
2にその全幅に亘ってほぼ均等に送り込めるようにして
いる。原料受け入れ部52は複数のローラ52aとフィ
ード台52bとによって受け入れた原料をほぼ一定のか
さに圧縮しながら搬送ローラ17に供給する。中間吸引
捕集手段20は捕集ボックス31側の吸引ファン55か
らの吸引によって中間解きほぐし繊維物1aを吸引ノズ
ル20aを通じて吸引し通気性のある捕集ボックス31
内に捕集する。
【0035】図2に示す最終解きほぐし装置22は、中
間解きほぐし繊維物1aをカード5に供給する中間解き
ほぐし繊維物供給手段23と、ドッファ15上の最終解
きほぐし繊維物1bを吸引して一所に捕集する最終吸引
捕集手段24とを設けてある。これによって、捕集ボッ
クス31の一所に捕集した中間解きほぐし繊維物1aを
カード5の中間解きほぐし繊維物供給手段23にまで移
送するとカード5に自動的に供給してカード5の開繊作
用に掛け、カード5の各部での開繊機能により中間解き
ほぐし繊維物1aの各糸4をその繊維どうしの縒りによ
る絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物1b
にまで自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕
集手段24によって吸引し捕集ボックス61の一所に自
動的に捕集しリサイクルに供せるようになる。
【0036】以上で、編、織生地をリサイクルするため
に繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまで処理する一
貫した処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有
益である。
【0037】図2に示すように中間解きほぐし繊維物供
給手段23はボックス62内に設けられ、投入される中
間解きほぐし繊維物1aを斜め配置したリフター63に
よって一旦上方に持ち上げた後、シュータ64、定量供
給部65、シュータ66を通じてディッシュプレート1
1上のフィードローラ12の直前に一定のかさずつ定量
供給する。これによってフィードローラ12は供給され
る中間解きほぐし繊維物1aをディッシュプレート11
上からテーカーインローラ13に供給し、以降カード5
の各部の開繊に掛けられるようにする。最終吸引捕集手
段24は捕集ボックス61側の吸引ファン67からの吸
引カバー68を介した吸引によって最終解きほぐし繊維
物1bを吸引し通気性のある捕集ボックス61内に捕集
する。しかし、本発明は図に示す各種の具体的な構成に
限られることはなく種々に変更することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の編、織生地のリサイクル方法に
よれば、上記の説明から明らかなように、用済みの編、
織生地を、糸どうしの編、織による絡みを解いたほぼ糸
レベルの中間解きほぐし繊維物を経て、各糸の繊維どう
しの縒りによる絡みを解いた繊維レベルの最終解きほぐ
し繊維物にまで容易に解きほぐす処理ができ、フェルト
の原料などとしてリサイクル使用に供して好適であり、
省資源に貢献できる。工業的な手法で、大量に効率よく
達成することができる。
【0039】また、本発明の編、織生地のリサイクル装
置によれば、上記中間解きほぐし繊維物、最終解きほぐ
し繊維物を自動で連続して効率よく多量に生産すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の中間解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の最終解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図3】図1の装置の原料搬送系部分を示す側面図であ
る。
【図4】図3の原料搬送系の往搬送方向が下側になる搬
送ローラの側面図である。
【図5】図3の原料搬送系の往搬送方向が上側になる搬
送ローラの側面図である。
【図6】小片生地から最終解きほぐし繊維物までの変化
を示し、その(a)は小片生地、その(b)は中間解き
ほぐし繊維物、その(c)は最終解きほぐし繊維物であ
る。
【符号の説明】 1 小片生地 1a 中間解きほぐし繊維物 1b 最終解きほぐし繊維物 2 有針面 3 固定有針面 2a、3a 針群 4 糸 4a 繊維 5 カード 16 カバー 17 搬送ローラ 18 原料搬送系 19 原料供給手段 20 中間吸引捕集手段 21 中間解きほぐし装置 22 最終解きほぐし装置 23 中間解きほぐし繊維物供給手段 24 最終吸引捕集手段 33、34 モータ 35、36 チェーン 37a〜37c 従動スプロケット 38、39 駆動スプロケット ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月9日(2000.2.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 編、織生地の開繊装置とそれによるリ
サイクル装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は編、織生地をほぼ糸
レベルの中間繊維物にまで解きほぐす編、織生地の開繊
装置、およびこれを利用して編、織生地を中間繊維物に
した後繊維レベルにまで解きほぐしてリサイクルできる
ようにする編、織生地のリサイクル装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】各種製品となって用済みとなった編、織
生地は、工業用にはウエス、家庭用には雑巾といった払
拭作業用の材料、あるいはパッチワーク用の材料などと
して、一部はリサイクル使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、使用済みの繊
維製品の多くは家庭で発生し、その大半が廃棄されてい
る。これを大量に安価にリサイクル使用できれば省資源
に大きく貢献できる。
【0004】本発明者等はこのような視点から、近時、
断熱、防音などのための充填材や当て材、あるいはクッ
ション材料、他の用途の詰め物などとして不織シートや
フエルトが多用され、需要がさらに拡大される傾向にあ
るのに着目し、用済みの繊維製品をフェルト原料として
好適な繊維レベルまで工業的に解きほぐすことにつき研
究を重ねている。
【0005】本発明の目的は、上記のような研究の経験
から、編、織生地を繊維レベルまで解きほぐした最終解
きほぐし繊維物にしてフェルト原料などとしてリサイク
ルできるようにするための編、織生地の開繊装置および
それによるリサイクル装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】ところで、編、織生地
は、編、織生地を繊維レベルまで解きほぐしてリサイク
ルするのに、小片生地にカットし、この小片生地を無数
の針群を持って相対移動する有針面間に入れて、前記針
群と小片生地との引っ掛かりにより小片生地の糸どうし
の編、織レベルの絡みを解きほぐしたほぼ糸レベルの中
間解きほぐし繊維物とした後、この中間解きほぐし繊維
物をカードに掛けることにより各糸の繊維どうしの縒り
による絡みを解いた繊維レベルまで解きほぐした最終解
きほぐし繊維物としリサイクルに供するのが有効であ
る。
【0007】このように、編、織生地を小片生地にカッ
トすることにより、その処理単位を小さくするのと同時
に、編、織されている糸の連続性を断って、その長さお
よび編、織による互いの絡み合い域を、小片生地の大き
さまで小さくすることができ、次いで、この状態の小片
生地を相対移動する有針面間に入れることにより双方の
針群が小片生地にその両側から引っ掛かって引っ張り合
い、小片生地の各糸どうしの編、織による互いの絡み
を、糸レベルの繊維物の長さおよび編、織による絡み域
が小さくなっていることにより効率よく迅速に解きほぐ
してほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物を得ることが
できる。
【0008】また、こうして得た中間解きほぐし繊維物
をさらに緻密な開繊装置に掛けることにより、中間解き
ほぐし繊維物の各糸の繊維にカードの各部の開繊機能が
働いて、各糸の繊維どうしの縒りによる絡みを解いて繊
維レベルの最終解きほぐし繊維物にまで解きほぐすこと
ができ、不織シートやフェルトの原料などとしてリサイ
クル使用に供して好適である。
【0009】本発明は上記のような目的を達成するた
め、以上のような知見に基づき、編、織生地の開繊装置
としては、外周の無数の針群を持った有針面に原料の
編、織生地を担持しこれをカバーとの間で搬送する搬送
ローラをその往搬送機能が連続するように少なくとも6
段設けた原料搬送系と、各段の搬送ローラの有針面とカ
バーの側の所定位置で無数の針群を持って対面して双方
の針群の相対移動時の引っ掛かりによる引っ張り合いに
よって編、織生地の糸どうしの編、織による絡みを解い
て糸レベルの中間解きほぐし繊維物まで解きほぐす固定
有針面と、原料の編、織生地を前記原料搬送系の搬送始
端部に供給する原料供給手段と、原料搬送系の搬送終端
部上の中間解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する
中間吸引捕集手段とを備え、各段の搬送ローラは、上流
側のものから下流側のものにつき周速が順次大きくなる
ように設定されていることを特徴としている。
【0010】このような構成では、原料搬送系はその搬
送始端部に、原料となる編、織生地を原料供給手段から
自動的に供給されながら、その供給された原料を少なく
とも6段設けた搬送ローラの往搬送方向側の外周の有針
面に原料を担持してカバーとの間を搬送しながら、前記
外周の有針面と有針面が対面し相対移動する固定有針面
との間で、相対移動の速度を各段で順次高めながら各有
針面の針群が搬送する原料の編、織生地に両側から引っ
掛かって引っ張り合うことを、各段の搬送ローラ間での
ドラフトを確保しながら6段以上繰り返すことによっ
て、各糸どうしの編、織による絡みを必要程度まで効率
よく解きほぐして、糸レベルの中間解きほぐし繊維物に
まで自動的に連続して能率よく多量に処理し、処理し終
えた中間解きほぐし繊維物は原料搬送系の搬送終端部で
中間吸引捕集手段によって吸引して一所に捕集するの
で、工業的な大量処理に好適であり、リサイクルのため
の次の作業に一所への捕集状態から容易に能率よく供す
ることができる。原料は上記知見から編、織生地を小片
生地にカットしたものを採用するのが好適であり、小片
生地にカットすることも工業的に能率よく行える。
【0011】また、リサイクル装置としては、上記編、
織生地の開繊装置の構成に加え、中間解きほぐし繊維物
の各糸の繊維どうしの縒りによる絡みを各部の開繊作用
により解きほぐして繊維レベルの最終解きほぐし繊維物
にするカードを、組み合わせ備え、編、織生地の開繊装
置の中間吸引捕集手段で捕集した中間解きほぐし繊維物
をカードに供給する中間解きほぐし繊維物供給手段と、
ドッファ上の最終解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕
集する最終吸引捕集手段とを設けたことを特徴としてい
る。
【0012】このような構成では、上記のようにして
編、織生地を糸レベルまで開繊し一所に捕集した中間解
きほぐし繊維物をカードの中間解きほぐし繊維物供給手
段にまで移送するとカードに自動的に供給してカードの
緻密な開繊作用に掛け、カードの各部での開繊機能によ
り中間解きほぐし繊維物の各糸をその繊維どうしの縒り
による絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物
にまで自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕
集手段によって吸引し一所に自動的に捕集しリサイクル
に供せるようにするので、編、織生地をリサイクルする
ために繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまでする一
貫した処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有
益である。なお、編、織生地は天然繊維製のものを取り
扱うと、リサイクル使用後の廃棄や焼却に際し自然を汚
染しない利点がある。
【0013】上記固定有針面が、複数段の搬送ローラの
最終段のもののみ往搬送方向側周面と復搬送方向側周面
との双方と対面して設けられ、他の段は往搬送方向側周
面にのみ対面して設けられていると、最終段以外の搬送
ローラでは往搬送方向側周面から復搬送方向側周面への
反転部では次段の搬送ローラが位置して、前段の搬送ロ
ーラが有針面の針群によって往搬送してきた原料の次段
の搬送ローラへの受け渡しが双方の有針面の針群によっ
て確実に行われ、前段の搬送ローラの復搬送方向側周面
に至ることはないので、この範囲の固定有針面が省略さ
れても問題はなく原料搬送系の構造の簡略化に繋がる。
最終段の搬送ローラでは中間解きほぐし繊維物が中間吸
引捕集手段により吸引され捕集されるが、糸どうしの
編、織による絡みの解きほぐしが十分でない中間解きほ
ぐし繊維物ほど針群との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵
抗が大きいために搬送ローラの周面に残りやすく、残っ
た中間解きほぐし繊維物は最終段の搬送ローラの復搬送
方向側周面にオーバーランして再度往搬送方向側に戻る
のに、前段の搬送ローラとの間と、復搬送方向側周面で
の固定有針面との間による解きほぐしを受けて解きほぐ
し不足が解消し、解きほぐしがより均一化するので、カ
ードでの開繊に解きほぐし不足による無理をなくしカー
ドの安全と最終解きほぐし繊維物の品質向上とが図れ
る。
【0014】固定有針面が、フラット面に針群を持った
搬送ローラの軸線方向に延びるフラットバーであって、
搬送ローラの搬送方向に複数隣接配置されていると、搬
送ローラの円弧面である有針面に対し、フラットな固定
有針面が対面して幅方向中央部にできる最接近部から両
側に向かって広がる隙間を形成するので、搬送ローラが
搬送する繊維物を各有針面間で徐々に圧迫しながら解き
ほぐし作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫
と、解きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバ
ーごとに繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるの
で、機械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の
圧迫と圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される
繊維物層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上するこ
とができる。
【0015】本発明の他の目的および特徴は、以下の詳
細な説明および図面の記載によって明らかになる。ま
た、本発明の各特徴は、それ単独で、あるいは種々な組
み合わせで複合して用いることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てその実施例とともに図1〜図6を参照しながら説明
し、本発明の理解に供する。
【0017】本実施の形態の編、織生地のリサイクル方
法は、図1、図2に示すリサイクル装置を参照して説明
すると、衣服その他の用済みの編、織生地などリサイク
ル対象繊維物を、まず図1、図6の(a)に示すような
小片生地1にカットする。次いで、このカットした小片
生地1を相対移動する例えば図4、図5に示すような針
群2a、3aを持った有針面2、3間に入れる。このと
き、前記針群2a、3aと小片生地1との引っ掛かりに
より、小片生地1の各糸4の編、織による絡みを解き、
図6の(b)に示すような独立した糸4が主体で、それ
に糸4の繊維4aがほぐれてうっすら混じる程度といっ
た、必要な解きほぐし状態となるほぼ糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで解きほぐす。この後、この中
間解きほぐし繊維物1aを図2に示すようなカード5に
掛けることにより、中間解きほぐし繊維物1aの各糸の
繊維どうしの縒りによる絡みを開繊機能により解き、図
6の(c)に示すような糸4がない繊維4aばかりとな
る繊維レベルまで解きほぐした最終解きほぐし繊維物1
bとしてリサイクルに供する。
【0018】このように用済みの編、織生地を小片生地
1にカットすると、その処理単位を小さくして処理上取
り扱いやすくするのと同時に、編、織されている糸4の
連続性を断って、その長さおよび編、織による互いの絡
み合い域を、小片生地1の大きさ程度まで小さくするこ
とができる。従って、このような小片生地1を相対移動
する有針面2、3間で解きほぐすのに、図6の(a)に
示す小片生地1の編、織状態にある糸4どうしは相対移
動する有針面2、3の各針群2a、3aが表裏両側から
引っ掛かって引っ張り合うことによって、長さおよび前
記編、織による絡み域が小さくなっていることによっ
て、その絡みが容易に効率よく解きほぐされ、図6の
(b)に示すほぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物1a
が得られる。
【0019】このようにして得た中間解きほぐし繊維物
1aはカード5に掛けて次の処理をするが、カード5は
もともと綿状のラップと呼ばれる綿層が供給され、これ
を相対移動する有針面間で開繊および除塵して引き揃
え、繊維が長手方向に繋がったスライバーを製造する紡
機であって、相対移動する有針面どうしは細かなピッチ
で設けられた針布やメタリックワイヤによる針群によっ
てラップの各繊維に開繊作用を及ぼすもので、フラット
を省略した図2に示すカード、ディッシュプレート1
1、フィードローラ12、テーカーインローラ13、シ
リンダー14、ドッファ15、フラットトップを備えた
カード5によっても、図6の(b)に示すような中間解
きほぐし繊維物1aの各糸4の各繊維に開繊作用が及
び、糸4における繊維どうしの縒りによる絡みを確実に
解いていき、最終的に糸が存在せず繊維ばかりとなる繊
維レベルの図6の(c)に示すような最終解きほぐし繊
維物1bとすることができる。
【0020】この最終解きほぐし繊維物1bはそのまま
でも断熱材や防音材、芯材などの詰め物としてリサイク
ル使用することができるし、圧縮処理やパンチング処
理、サーマルボンドなど適当なシート化処理することに
よりフェルトなどの不織シートとしてリサイクルするこ
とができる。
【0021】また、中間解きほぐし繊維物1aをカード
5に掛けるのは勿論、用済みの編、織製品を小片生地1
にカットしたり、小片生地1を相対移動する有針面2、
3間に供給して解きほぐしたりすることは工業的な手法
で、大量に効率よく達成することができる。
【0022】なお、このリサイクル方法において、編、
織生地は天然繊維製のものを取り扱うと、リサイクル使
用した後の廃棄や焼却に際し自然を汚染しない利点があ
り、用済み後そのまま廃棄される、自動車の座席シート
などの詰め物や、断熱、防音のための充填材や当て材と
いったフェルトなどに特に好適である。この場合、フェ
ルト化ないしは不織シート化の処理に必要な付加物があ
る場合にこの付加物も天然材料を用いるようにするのが
好適である。
【0023】本発明の編、織生地のリサイクル装置は、
図1に示す中間解きほぐし装置21と、図2に示す上記
カード5を利用した最終解きほぐし装置22とを組み合
わせ備え、上記工程に従って順次に用いられる。中間解
きほぐし装置21は図1に示すように、外周に形成した
有針群面2に原料を担持しこれをカバー16との間で搬
送するようにした搬送ローラ17をその往搬送方向が連
続するように複数段設けた原料搬送系18と、搬送ロー
ラ17のカバー16の側の所定位置で搬送ローラ17の
有針面2と無数の針群を持って対面し双方の針群2a、
3aの相対移動時の引っ掛かりによる引っ張り合いによ
って搬送ローラ17により搬送される原料の編、織生地
の編、織された糸4どうしを解きほぐす固定有針面3
と、カットされた上記小片生地1などの編、織生地を前
記原料搬送系18の搬送ローラ17がなす搬送始端部1
8aに供給する原料供給手段19と、原料搬送系18の
搬送ローラ17がなす搬送終端部18b上の中間解きほ
ぐし繊維物1aを吸引して一所に捕集する中間吸引捕集
手段20とを備えている。
【0024】図1に示す中間解きほぐし装置21は、原
料搬送系18の搬送始端部18aに、原料となる小片生
地1などの編、織生地を原料供給手段19から自動的に
供給されながら、その供給された小片生地1などを複数
段設けた搬送ローラ17の往搬送方向側の外周の有針面
2で小片生地1などを担持してカバー16との間を搬送
しながら、前記外周の有針面2とこれに対面し互いに相
対移動する固定有針面3との間でそれらの針群2a、3
aが、前記搬送する小片生地1などに両側から引っ掛か
って引っ張り合うことにより、各糸4どうしの編、織に
よる絡みを必要程度まで解きほぐした糸レベルの中間解
きほぐし繊維物1aにまで自動的に連続して能率よく多
量に処理することができる。処理し終えた中間解きほぐ
し繊維物1aは原料搬送系18の搬送終端部18bにて
中間吸引捕集手段20によって吸引して捕集ボックス3
1などの一所に捕集するので、工業的な大量処理に好適
であり、リサイクルのための次の作業に捕集ボックス3
1など一所への捕集状態から容易に能率よく供すること
ができる。
【0025】図1、図3〜図5に示す実施例では、原料
搬送系18は一対のサイドフレーム32上に搬送ローラ
17を回転軸の両端を軸受して保持しており、6本の搬
送ローラ17を隣接配置し、隣接のものどうしが反時計
方向、時計方向と逆向きの回転になるようにして、それ
ぞれの往搬送方向Aが搬送始端部18aで下向きとなっ
た以降順次上下が逆になって、往搬送方向Aが滑らかに
連続するようにしている。
【0026】各搬送ローラ17は、上流側のものから下
流側のものにつき周速が順次大きくなるように設定され
ている。このため、前段の3つの搬送ローラ17と後段
の3つの搬送ローラ17とを個別のモータ33、34か
らのチェーン35、36を介した伝動によって回転駆動
し、前、後段の各3つずつの搬送ローラ17の組みの前
段のものから後段のものに掛けてチェーン35、36に
対する従動スプロケット37a、37b、37cの径を
順次小さく設定し、モータ33のチェーン35に対する
駆動スプロケット38の径を、モータ34のチェーン3
6に対する駆動スプロケット39の径よりも小さく設定
してあり、前段の3つの搬送ローラ17の組と後段の3
つの搬送ローラ17の組とで、駆動スプロケット38、
39の径が異なるだけの2つの搬送系を使い分けるだけ
で、6本の搬送ローラ17どうしに必要な上記周速の関
係を満足している。
【0027】このような各搬送ローラ17の周速の違い
により、小片生地1などの原料が複数の搬送ローラ17
の上流側から下流側に移行する部分の隣接搬送ローラ1
7間の有針面2どうしの相対移動によって、原料の糸4
どうしの編、織による絡みを糸4どうしにドラフトを掛
けながらより効果的に解きほぐすことができ、解きほぐ
し効率が向上し、処理速度が高まる。1つの実施例とし
て、第1段の搬送ローラ17から最終の第6段の搬送ロ
ーラ17までの各回転は、800rpm、900rp
m、1000rpm、1700rpm、2000rp
m、2020rpmである。
【0028】また、固定有針面3は、搬送ローラ17の
最終段のもののみ往搬送方向A側の周面と復搬送方向B
側の周面とに対面して設け、他の段のものには往搬送方
向A側の周面にのみ対面して設けている。最終段以外の
搬送ローラ17では往搬送方向A側の周面から復搬送方
向B側の周面への反転部では次段の搬送ローラ17が位
置して、前段の搬送ローラ17が有針面2の針群2aに
よって往搬送してきた原料の次段の搬送ローラ17への
受け渡しが双方の有針面2の針群2aによって確実に行
われ、前段の搬送ローラ17の復搬送方向B側の周面に
至ることはないので、この範囲の固定有針面3が省略さ
れても問題はなく図の実施例の構成によって原料搬送系
の構造の簡略化に繋がる。
【0029】最終段の搬送ローラ17では中間解きほぐ
し繊維物1aが中間吸引捕集手段20により吸引され捕
集されるが、糸4どうしの編、織による絡みの解きほぐ
しが十分でない中間解きほぐし繊維物1aほど針群2a
との引っ掛かりが強く、かつ吸引抵抗が大きいために搬
送ローラ17の周面に残りやすく、残った中間解きほぐ
し繊維物1aは最終段の搬送ローラ17の復搬送方向B
側の周面にオーバーランして再度往搬送方向A側に戻る
のに、復搬送方向B側の周面での固定有針面3との間、
および前段の搬送ローラ17との間による2か所での解
きほぐしを受けて解きほぐし不足が解消し、解きほぐし
がより均一化するので、カードでの開繊に解きほぐし不
足による無理をなくしカードの安全と最終解きほぐし繊
維物の品質向上とが図れる。
【0030】さらに、固定有針面3が、フラット面に針
3aを持った搬送ローラ17の軸線方向に延びるフラッ
トバー41であって、搬送ローラ17の搬送方向に必要
本数例えば4本隣接配置されている。このフラットバー
41も用済みカードのフラットバーをリサイクル使用す
ることができる。このように、搬送ローラ17の円弧面
である有針面2に対し、フラットな固定有針面3が対面
して幅方向中央部にできる最接近部から両側に向かって
広がる隙間を形成するので、搬送ローラ17が搬送する
繊維物を各有針面2、3間で徐々に圧迫しながら解きほ
ぐし作用を強めながら幅方向中央部に達した後、圧迫
と、解きほぐしとを徐々に弱めていくことをフラットバ
ーごとに繰り返し、解きほぐし作用を脈動的に与えるの
で、機械的な無理なく解きほぐしができ、かつ繊維物の
圧迫と圧迫の緩和との連続的な変化によって搬送される
繊維物層の反転を促し解きほぐしの均一化を向上するこ
とができる。
【0031】また、針2、3はメタリックワイヤであ
り、上流側から下流側に掛けて、働き角を順次に小さく
し、針数の密度を順次多くする。これにより、上流側か
ら下流側に向けて小片生地1の糸4および繊維4aの解
きほぐしが進んでも、針群2a、3aの繊維に対する引
っ掛かり度が順次に高くなって解きほぐし効率が低下せ
ず、最大能力で処理できるようになる。同じ意味で、搬
送ローラ17間のゲージ、および搬送ローラ17の有針
面2と固定有針面3との間のゲージも、上流側から下流
側に向け、各段ごとに、あるいは複数段ごとに小さくな
るように設定する。1つの実施例として、搬送ローラ1
7の上流側から下流側に向け、働き角が86°から65
°程度に変化させ、針数は1インチに5山から8山程度
に変化させ、ゲージは50/1000から45/100
0程度に変化させる。以上の実施例によって、ジーンズ
の用済み生地を5cm角〜10cm角の小片生地1にカ
ットしたものを原料として、100Kg/hの処理能力
で中間解きほぐし繊維物1aを生産することができる。
【0032】原料供給手段19は図1に示すようにボッ
クス45内に設けられ、投入される原料としての小片生
地1を横設したコンベア46で受けて斜め配置されたリ
フトコンベア47に送り込んで一旦上方に持ち上げてか
ら、シュータ48、定量分散供給部49を通じて横設供
給コンベア51上にほぼ均一なかさと広がりをもって定
量供給し、この定量供給される小片生地1を横設供給コ
ンベア51によって原料搬送系18の原料受け入れ部5
2にその全幅に亘ってほぼ均等に送り込めるようにして
いる。原料受け入れ部52は複数のローラ52aとフィ
ード台52bとによって受け入れた原料をほぼ一定のか
さに圧縮しながら搬送ローラ17に供給する。中間吸引
捕集手段20は捕集ボックス31側の吸引ファン55か
らの吸引によって中間解きほぐし繊維物1aを吸引ノズ
ル20aを通じて吸引し通気性のある捕集ボックス31
内に捕集する。
【0033】図2に示す最終解きほぐし装置22は、中
間解きほぐし繊維物1aをカード5に供給する中間解き
ほぐし繊維物供給手段23と、ドッファ15上の最終解
きほぐし繊維物1bを吸引して一所に捕集する最終吸引
捕集手段24とを設けてある。これによって、捕集ボッ
クス31の一所に捕集した中間解きほぐし繊維物1aを
カード5の中間解きほぐし繊維物供給手段23にまで移
送するとカード5に自動的に供給してカード5の開繊作
用に掛け、カード5の各部での開繊機能により中間解き
ほぐし繊維物1aの各糸4をその繊維どうしの縒りによ
る絡みを解いて繊維レベルの最終解きほぐし繊維物1b
にまで自動的に連続して解きほぐし、それを最終吸引捕
集手段24によって吸引し捕集ボックス61の一所に自
動的に捕集しリサイクルに供せるようになる。
【0034】以上で、編、織生地をリサイクルするため
に繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にまで処理する一
貫した処理が工業的に大量に行えるので、産業上特に有
益である。
【0035】図2に示すように中間解きほぐし繊維物供
給手段23はボックス62内に設けられ、投入される中
間解きほぐし繊維物1aを斜め配置したリフター63に
よって一旦上方に持ち上げた後、シュータ64、定量供
給部65、シュータ66を通じてディッシュプレート1
1上のフィードローラ12の直前に一定のかさずつ定量
供給する。これによってフィードローラ12は供給され
る中間解きほぐし繊維物1aをディッシュプレート11
上からテーカーインローラ13に供給し、以降カード5
の各部の開繊に掛けられるようにする。最終吸引捕集手
段24は捕集ボックス61側の吸引ファン67からの吸
引カバー68を介した吸引によって最終解きほぐし繊維
物1bを吸引し通気性のある捕集ボックス61内に捕集
する。しかし、本発明は図に示す各種の具体的な構成に
限られることはなく種々に変更することができる。
【0036】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の編、織生地の開繊装置によれば、編、織生地を、その
糸どうしの編、織による絡みを解いたほぼ糸レベルの中
間解きほぐし繊維物にまで自動的に連続して能率よく多
量に処理し、処理し終えた中間解きほぐし繊維物は原料
搬送系の搬送終端部で中間吸引捕集手段によって吸引し
て一所に捕集するので、工業的な大量処理に好適である
し、本発明のリサイクル装置では、この中間解きほぐし
繊維物を、さらに、カードの緻密な開繊作用に掛けて糸
の繊維どうしの縒りによる絡みを解いて繊維レベルの最
終解きほぐし繊維物にまで自動的に連続して解きほぐ
し、それを最終吸引捕集手段によって吸引し一所に自動
的に捕集しリサイクルに供せるようにするので、編、織
生地をリサイクルするために繊維レベルの最終解きほぐ
し繊維物にまでする一貫した処理が工業的に大量に行え
るので、産業上特に有益である。、最終解きほぐし繊維
物を自動で連続して効率よく多量に生産することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の中間解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の最終解きほぐし装置の全
体構成を示す側面図である。
【図3】図1の装置の原料搬送系部分を示す側面図であ
る。
【図4】図3の原料搬送系の往搬送方向が下側になる搬
送ローラの側面図である。
【図5】図3の原料搬送系の往搬送方向が上側になる搬
送ローラの側面図である。
【図6】小片生地から最終解きほぐし繊維物までの変化
を示し、その(a)は小片生地、その(b)は中間解き
ほぐし繊維物、その(c)は最終解きほぐし繊維物であ
る。
【符号の説明】 1 小片生地 1a 中間解きほぐし繊維物 1b 最終解きほぐし繊維物 2 有針面 3 固定有針面 2a、3a 針群 4 糸 4a 繊維 5 カード 16 カバー 17 搬送ローラ 18 原料搬送系 19 原料供給手段 20 中間吸引捕集手段 21 中間解きほぐし装置 22 最終解きほぐし装置 23 中間解きほぐし繊維物供給手段 24 最終吸引捕集手段 33、34 モータ 35、36 チェーン 37a〜37c 従動スプロケット 38、39 駆動スプロケット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編、織生地を小片生地にカットし、この
    小片生地を無数の針群を持って相対移動する有針面間に
    入れて、前記針群と小片生地との引っ掛かりにより小片
    生地の糸どうしの編、織レベルの絡みを解きほぐしたほ
    ぼ糸レベルの中間解きほぐし繊維物とした後、この中間
    解きほぐし繊維物をカードに掛けることにより各糸の繊
    維どうしの縒りによる絡みを解いた繊維レベルまで解き
    ほぐした最終解きほぐし繊維物としリサイクルに供する
    ことを特徴とする編、織生地のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 最終解きほぐし繊維物はフェルトの原料
    である請求項1に記載の編、織生地のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 編、織生地は天然繊維製のものを取り扱
    う編、織生地のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 外周の無数の針群を持った有針面に原料
    の編、織生地を担持しこれをカバーとの間で搬送する搬
    送ローラをその往搬送機能が連続するように1段ないし
    は複数段設けた原料搬送系と、搬送ローラの有針面とカ
    バーの側の所定位置で無数の針群を持って対面して双方
    の針群の相対移動時の引っ掛かりによる引っ張り合いに
    よって編、織生地の糸どうしの編、織による絡みを解い
    て糸レベルの中間解きほぐし繊維物まで解きほぐす固定
    有針面と、原料の編、織生地を前記原料搬送系の搬送始
    端部に供給する原料供給手段と、原料搬送系の搬送終端
    部上の中間解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する
    中間吸引捕集手段とを備えたことを特徴とする編、織生
    地のリサイクル装置。
  5. 【請求項5】 中間解きほぐし繊維物の各糸の繊維どう
    しの縒りによる絡みを各部の開繊作用により解きほぐし
    て繊維レベルの最終解きほぐし繊維物にするカードを組
    み合わせ備え、中間解きほぐし繊維物をカードに供給す
    る中間解きほぐし繊維物供給手段と、ドッファ上の最終
    解きほぐし繊維物を吸引して一所に捕集する最終吸引捕
    集手段とを設けた請求項4に記載の編、織生地のリサイ
    クル装置。
  6. 【請求項6】 複数段設けられた搬送ローラは、上流側
    のものから下流側のものにつき周速が順次大きくなるよ
    うに設定されている請求項4、5のいずれか一項に記載
    の編、織生地のリサイクル装置。
  7. 【請求項7】 固定有針面は、複数段の搬送ローラの最
    終段のもののみ往搬送方向側周面と復搬送方向側周面と
    の双方と対面して設けられ、他の段は往搬送方向側にの
    み対面して設けられている請求項4〜6のいずれか一項
    に記載の編、織生地のリサイクル装置。
  8. 【請求項8】 固定有針面は、フラット面に針群を持っ
    た搬送ローラの軸線方向に延びるフラットバーであっ
    て、搬送ローラの搬送方向に複数隣接配置されている請
    求項7に記載の編、織生地のリサイクル装置。
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