JPH0246218B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、支持台を有する椅子下側部分と、座
部およびそこに回転自在にヒンジ接続された背も
たれを有する椅子上側部分と、前記支持台と椅子
上側部分との間に配置され直線ガイドとして形成
された移動装置とを有し、椅子上側部分を支持す
る座部フレームが前記移動装置によつて椅子下側
部分に沿つて移動でき、背もたれを傾ける際に一
方では座部を椅子下側部分に対し椅子の長手方向
に移動し、他方では走行レールに接するローラに
よつて横軸を中心として傾ける装置が設けられて
いるような歯科用治療椅子に関する。

かかる周知の椅子（特公昭56−15259号公報）
の場合、座部フレームに互に平行に配置された２
本の案内棒が取り付けられ、これらの案内棒に横
梁によつて互に接続されたブツシユが対向リンク
として移動可能に支持されている。それらのブツ
シユは椅子下側部分にある軸受によつてヒンジ接
続されているので、座部は長手運動の際に冒頭に
述べた傾動運動を行なえる。座部位置に相応して
向けられた背もたれから出発して、背もたれを傾
ける際椅子上側部分全体は前方に向かつて、即ち
椅子の脚部端に向つて移動される。同時にこの脚
部端は背もたれの方向に僅かに傾けられる。背も
たれを再度調整する場合逆の運動が行なわれる。

この周知の椅子の場合、上述の組み合わせ運動
に関する椅子上側部分の強制運動は、一方では背
もたれに他方では椅子下側部分にヒンジ接続され
たひじ掛けとして形成された剛性のハンドルによ
つて行なわれる。

特に治療椅子に乗り降りする際に治療椅子に良
好に接近できるという要求を満たすために、椅子
の乗り降りする側においてひじ掛けを省略するか
ないしはこのひじ掛けを揺動あるいは開放して離
せるように形成し、反対側を強制ガイドとして設
けることがすでに提案されている。このような背
もたれの片持ち支持は力の伝達に関し問題があ
り、十分な安定性を得ようとする場合、特に座部
および背もたれに対し非常に高価なねじりに強い
支持フレームを用意しなければならない。

本発明の目的は冒頭に述べた形式の歯科用治療
椅子を、横のひじ掛けあるいは椅子の外に設けら
れかつ椅子への自由な出入りを妨げる操作棒を設
けることなしに上述の組み合せ運動が達成でき、
それにもかかわらず特別なねじりに強い支持フレ
ームを設けることなく十分な安定性が得られるよ
うに改善することにある。

本発明によればこの目的は、背もたれに対する
回転軸受が椅子に座る患者のほぼ股関接の範囲で
座部フレームに固定して配置され、背もたれが配
置されている軸受の部分が背もたれに曲げに強く
固定されて下方に向つて座部フレームの中に伸び
かつ引張り／押圧棒がヒンジ接続されている突起
を有し、座部フレームに２つのレバーアームを有
するローラ付きレバーがヒンジ接続され、このロ
ーラ付きレバーの一方のアームに引張り／押圧棒
がヒンジ接続され、他方のアームにローラが支持
され、このローラが椅子下側部分の支持台に配置
され座部の傾き運動を決定する走行レールに接し
ていることによつて達成できる。

本発明の有利な実施形態は特許請求の範囲の実
施様項に挙げてある。

本発明に基づく構成は、背もたれの回転軸受が
椅子に乗つている患者のほぼ股関接の範囲にある
ので実際に“引伸し作用”が存在しないという利
点、さらに背もたれが実際に自己支持され、それ
によつてねじりに強い支持フレームが不要である
という利点、および椅子の両側が操作棒あるいは
ひじ掛け棒から自由になつているという利点を有
している。本発明に基づく構成の別の利点は、背
もたれが垂直位置の方向に機械的な連結部を持つ
ておらず、したがつて各傾き過程において自由に
持ち上げることができ、それによつて要求されて
いる安全基準に対応できるということにある。

さらに椅子上側部分を案内するための本発明に
基づく構成は、極端な椅子の位置において万一の
傾動運動を防止するために従来の椅子の場合に安
全上から施された足乗せ部の範囲におけるカウン
ターウエイトの設置が不要となるという利点を有
している。

以下図面を参照して本発明の実施例について詳
細に説明する。

第１図は、基台１、詳細に図示してない高さ調
整装置２並びに支持台３からなる椅子上側部分
と、座部４と背もたれ５から形成された椅子上側
部分とを持つた歯科用治療椅子を側面図で示して
いる。座部４と背もたれ５はヒンジ継手６によつ
て互に接続されている。ヒンジ継手６は椅子の両
側に有り（第２図参照）、椅子に座つている患者
の股関接の範囲にほぼ位置している。

第３図および第４図から明らかにわかるよう
に、両方のヒンジ継手６はそれぞれ、座部フレー
ム７に配置されたピン８とこのピン８を中心とし
て回転する軸受部分９からなつている。この回転
可能な軸受部分９には一方では背もたれ５に対す
る取付け部分１０が、他方では座部フレーム７の
中に下方に入り込んだ突起１１が曲げに対し強く
取り付けられている。突起１１の自由端にはヒン
ジ継手１２によつて引張り／押圧棒１３がヒンジ
接続され、この引張り／押圧棒１３の自由端には
ヒンジ継手１４によつてローラ付きレバー１６の
一方のアーム１５がヒンジ接続されている。この
ローラ付きレバー１６はヒンジ継手１７によつて
座部フレーム７に場所的に固定して支持され、そ
の他方のレバーアーム１８にはローラ１９が支持
され、このローラ１９は椅子下側部分の支持台３
に取り付けられた走行レール２０の上に接してい
る。両方のヒンジ継手１４，１７とローラ１９は
二等辺三角形を形成している。レバーアームの寸
法並びに支持点の配置および走行レール２０の凹
面状に湾曲された平面の傾斜は、背もたれ５を傾
ける際に座部４が図面に示した矢印の方向に右に
向かつて移動され、同時に足乗せ台が背もたれの
方向に僅かに持ち上げられるように決められてい
る。そのために必要な案内装置は第４図を参照し
て詳細に説明する。

座部フレーム７には両側に案内棒２１，２２が
配置されている。符号２３はそのために必要な固
定ブロツクである。案内棒２１，２２は対となつ
て２１，２１ａ；２２，２２ａ相前後して配置さ
れている。これらの案内棒２１，２２の上を案内
ブツシユ２４，２４ａ；２５，２５ａが走り、こ
れらの案内ブツシユ２４，２５はそれぞれ保持装
置２７におけるヒンジ継手２６（第３図参照）に
よつて支持台３、即ち椅子下側部分にヒンジ接続
されている。

椅子上側部分を調整するために周知のようにス
ピンドル駆動装置３０が設けられ、このスピンド
ル駆動装置３０は送りナツト３１にねじ棒３２を
有している。スピンドル駆動装置３０は軸受ピン
３３と保持装置３４によつて座部フレーム７に懸
架されている。送りナツト３１は同様にヒンジ継
手３５および保持装置３６によつて支持台３即ち
椅子下側部分にヒンジ接続されている。

図示した位置から出発して駆動装置３０が投入
されると、ねじ棒３２が送りナツトに沿つて移動
され、駆動装置と座部フレーム７とが連結してい
るため、座部４が椅子の長手方向に調整される。
その場合案内ブツシユ２４，２５は案内棒２１，
２２に沿つて移動される。調整運動中においてロ
ーラ１９は走行レール２０の傾斜面の上を走行す
る。背もたれ５の自重によつてローラ１９は走行
レール２０に押し付けられる。第３図と関連し
て、座部フレーム７の前進運動およびローラ１９
の走行レール２０上の転がりに応じてローラ付き
レバー１６がヒンジ継手１７を中心として傾き、
その結果としてレバーアーム１５を介して引張
り／押圧棒１３が図面において右に移動されるこ
とがわかる。引張り／押圧棒１３と突起１１との
連結およびこの突起１１と背もたれ５に取り付け
られた取付け部分１０との曲げに強い連結とによ
つて、背もたれ５は後方に傾けられる。

それぞれ約10゜の角度で水平に対して案内棒２
１，２２ないし２１ａ，２２ａを傾斜することに
よつて、座部および足乗せ台は前進移動の際に僅
かに持ち上げられる。その場合案内棒２１，２２
の傾斜角は座部および足乗せ台の持ち上げ量を決
定する。

案内棒２１，２２の配置は対構造にすると有利
であり、またただ一対の案内棒２１２１ａの配置
構造および前方範囲におけるただ１本の案内棒の
配置構造も考えられる。

しかしこの場合この案内棒は中央に配置しなけ
ればならない。しかし駆動装置３０を有利に配置
し、傾さを良好に防止するためには、二重の対構
造の案内棒の配置が有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は歯科用治療椅子の側面図、第２図は第
１図における治療椅子の正面図、第３図は治療椅
子の座部範囲の概略断面図、第４図は第３図にお
ける座部範囲の平面図である。 １……基台、２……高さ調整装置、３……支持
台、４……座部、５……背もたれ、６……軸受、
７……座部フレーム、９……軸受部分、１１……
突起、１３……引張り／押圧棒、１４……ヒンジ
継手、１５……レバーアーム、１６……ローラ付
きレバー、１７……ヒンジ継手、１８……レバー
アーム、１９……ローラ、２０……走行レール、
２１，２２……案内棒、２４，２５……案内ブツ
シユ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持台３を有する椅子下側部分と、座部４お
   よびそこに回転自在にヒンジ接続された背もたれ
   ５を有する椅子上側部分と、前記支持台３と椅子
   上側部分との間に配置され直線ガイドとして形成
   された移動装置２１〜２５とを有し、椅子上側部
   分を支持する座部フレーム７が前記移動装置２１
   〜２５によつて椅子下側部分に沿つて移動でき、
   背もたれ５を傾ける際に一方では座部４を椅子下
   側部分に対し椅子の長手方向に移動し、他方では
   走行レール２０に接するローラ１９によつて横軸
   を中心として傾ける装置が設けられているような
   歯科用の治療椅子において、背もたれ５に対する
   回転軸受６が椅子に座る患者のほぼ股関接の範囲
   で座部フレーム７に固定して配置され、背もたれ
   ５が配置されている軸受６の部分９が背もたれ５
   に曲げに強く固定されて下方に向つて座部フレー
   ム７の中に伸びかつ引張り／押圧棒１３がヒンジ
   接続されている突起１１を有し、座部フレーム７
   に２つのレバーアーム１５，１８を有するローラ
   付きレバー１６がヒンジ接続され、このローラ付
   きレバー１６の一方のアーム１５に引張り／押圧
   棒１３がヒンジ接続され、他方のアーム１８にロ
   ーラ１９が支持され、このローラ１９が椅子下側
   部分の支持台３に配置され座部４の傾き運動を決
   定する走行レール２０に接していることを特徴と
   する歯科用治療椅子。 ２ 突起１１、引張り／押圧棒１３およびローラ
   付きレバー１６が背もたれ５の両側に配置されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の治療椅子。 ３ ローラ付きレバー１６が両方のヒンジ継手１
   ４，１７とローラ１９の軸受とによつて好ましく
   は二等辺三角形を形成していることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項または第２項記載の治療椅
   子。 ４ ローラ付きレバー１６がＶ字状レバーアーム
   １５，１８を有し、これらのレバーアーム１５，
   １８がその切点で軸受１７によつて座部フレーム
   ３にヒンジ接続されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第３項記載の治療椅子。 ５ 直線ガイドが、互に鈍角をなして傾き相前後
   して配置されかつ座部フレーム７に保持された２
   本の長手案内棒２１，２２と、これらの長手案内
   棒２１，２２に付属されかつ椅子下側部分の支持
   台３にヒンジ接続された案内ブツシユ２４，２５
   とから形成されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項ないし第４項のいずれかに記載の治
   療椅子。 ６ 相前後して位置する２本の案内棒２１，２２
   がそれぞれ水平に対し10゜の角度で傾いて配置さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第５項
   記載の治療椅子。 ７ 案内棒２１，２２が対となつて配置されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第５項または
   第６項記載の治療椅子。