JPH0245731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、冷蔵庫等の冷却装置に関し、特にそ
の冷却器のフイン形状に係わる。

従来例の構成とその問題点 従来の冷蔵庫の要部断面を第１〜３図に参考に
説明すると、１は冷蔵庫本体、２は冷凍室、３は
冷蔵室、４は冷凍室２と冷蔵室３の間の区画壁
で、内部に冷却室５を有している。この冷却室５
内には、冷凍システムの一部を成す冷却器６と、
冷気の強制通風用のフアン７と、冷却器６の上部
と下部に設けられた断熱材８，８′があり、この
上部の断熱材８には冷却器の風上側から風下側の
中程にわたつた切欠部９を有している。そして、
切欠部９と冷却器６との間隙によりバイパス風路
１０を形成している。また、冷却器６の風下の上
端と断熱材８とは接しており、バイパス風路１０
を遮断している。

次に冷却器６について説明する。１１は分断さ
れた多数の小片フインであり、１２の冷媒管が略
中央部に熱交的に配置され、風上側のフインピツ
チP₁は風下側のフインピツチP₂に比べ大きなも
のになつている。

次に風の流れについて説明する。前記フアン７
により、冷凍室２内の空気は冷凍室側吸込口１４
を通り、冷蔵室３内空気は冷蔵室側吸込口１５を
通り、直接、そしてバイパス風路１０を経て冷却
器６に吸引され矢印の如く流れ、フアン７後方で
は、フアンダクト１６により、冷凍室２と冷蔵室
３にそれぞれもどされる。次に冷却器６に着霜が
進んだ時の風の流れについて説明する。冷却器６
の着霜は空気の吸込側１７より進行し、徐々に空
気の吐出側１８へと進み、着霜が進むにつれて、
冷却器６の通風抵抗が増加する。このように、冷
却器６の吸込側１７の通風抵抗が増加すれば、バ
イパス風路１０との通風抵抗バランスがくずれ、
バイパス風路１０を通る風量が冷却器６の吸込側
１７の通風抵抗の増加に伴なつて増加し、逆に冷
却器６の吸込側１７の風量は減少する。この時、
冷却器６の吐出側１８の風量は、全体としての通
風抵抗が着霜により若干増えるため、その分、若
干減少するが、冷却性能はほぼ維持することがで
きる。

しかし、更に着霜が進めば、冷却器６のバイパ
ス風路１０に面する部分が着霜により目詰り状態
となり、やがてはバイパス風路１０にも通風が行
なわれなくなり、即ち、全体の風量が極端に減少
し、冷却性能が維持できなくなつてしまうという
問題点があつた。

考案の目的 そこで本考案は、バイパス風路に面する冷却器
への着霜に依る目詰り状況を軽減し、着霜が進ん
だ時の冷却性能を向上・維持することを目的とす
る。

考案の構成 この目的を達成するため本考案は、バイパス風
路に面する冷却器の小片フインの角部を切除した
形状とすることにより、バイパス風路に面する小
片フインの端縁長さを増加させ、着霜が進んだ時
にも、バイパス風路の通風路を確保すると共に、
同一着霜時の冷却能力を向上し、冷却性能を維持
するものである。

実施例の説明 以下本考案の一実施例を添付図面に従つて説明
する。なお、従来例と共通するものにおいては、
同一番号を付けて説明を省略すると共に異なる部
分を中心に説明する。

冷却器２０は、バイパス風路１０と面する上部
のコーナー部が丸型の小片フイン２１と従来どう
りの長方形の小片フイン２２とが冷媒管２３に熱
交的に取付けられて構成している。図では、上記
コーナー部が丸型の小片フイン２１の列が４列あ
つて風上側に位置し、また風下側に長方形の小片
フイン２２列が２列、配置されている。

上記構成に於いて、風の流れについて説明す
る。フアン７により冷凍室２内の空気は冷凍室側
吸込口１４を通り、冷蔵室３内の空気は冷蔵室側
吸込口１５を通り、直接、そしてバイパス風路１
０を経て冷却器２０に吸引され矢印の如く流れ、
フアン７の後方ではフアンダクト１６により、冷
凍室２と冷蔵室３にそれぞれもどされる。

次に冷却器２０に着霜が進んだ時の風の流れに
ついて説明する。冷却器２０の着霜は空気の吸込
側２４より進行し、徐々に空気の吐出側２５へと
進み、着霜が進むにつれて、冷却器２０の通風抵
抗が増加する。このように冷却器２０の吸込側２
４の通風抵抗が増加すれば、バイパス風路１０と
の通風抵抗バランスがくずれ、バイパス風路１０
の通風量が増加してくる。更に冷却器２０の吸込
側２４での着霜が進み、霜による目詰りを起こす
と、冷却器２０の吸込側２４を通る風量はほとん
ど無くなり、バイパス風路１０から冷却器２０へ
通風されるようになる。しかし、更に着霜が進む
と、冷却器２０のバイパス風路１０に面する部分
での着霜量が増加してくるが、この時、バイパス
風路１０に面する小片フイン２１の上部コーナー
部２１ａが丸型の形状にしてあるため、バイパス
風路１０への接する端面長さが大きくなつてお
り、このため、着霜時の端面長さが大きく霜によ
る目詰りが起こりにくくなつている。

従つて、着霜が進み冷却器２０の吸込側２４が
着霜による目詰りを起こしても、バイパス風路１
０に面する冷却器２０への着霜が進んでも、通風
量が確保され、従来のものと比べ、同一着霜時の
冷却能力は向上すると共に、着霜時の冷却性能は
維持できるようになるという効果が得られる。

尚上記実施例では小片フイン２１の上部コーナ
ー部を丸型としたが直角状のコーナー部を単に所
定角度で切除して台形状としても同様の効果が得
られる。

考案の効果 以上の説明からも明らかなように本考案は、バ
イパス風路に面する冷却器の小片フインの角部を
切除したものであるから、バイパス風路に面する
小片フインの端面長さを増加させ、着霜が進んだ
時にも、バイパス風路の通風量を確保すると共
に、同一着霜時の冷却能力を向上させ、着霜時の
冷却性能を維持するという効果が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷蔵庫等の冷却装置の要部断面
図、第２図は同冷却装置の冷却器の斜視図、第３
図は同冷却器の側面図、第４図は本考案一実施例
の冷蔵庫等の冷却装置の要部断面図、第５図は同
冷却装置の冷却器の斜視図、第６図は同冷却器の
側面図である。 １０……バイパス風路、２０……冷却器、２
１，２２……小片フイン、２３……冷媒管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 分断された多数の小片フインと冷媒管より成
   る冷却器とフアンとを有する冷却室と、この冷
   却室内に設け、前記冷却器の一部をバイパスす
   るバイパス風路とより成り、前記冷却器のバイ
   パス風路に面する側のみ、小片フインの角部を
   切除した冷蔵庫等の冷却装置。 (2) 前記小片フインのバイパス風路に面する側を
   円弧状とした実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の冷蔵庫等の冷却装置。