JPH0322703Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は冷凍・冷蔵オープンシヨーケースに関
し、特にケース前面開口を被うように形成される
冷気カーテンの長手方向の速度分布を一様にする
ための通風路構造に関する。

〔従来の技術〕

この種のシヨーケースは、第６図にその断面を
示したように、断面路Ｃ形の断熱体による外箱２
内に所定間隔をおいて内箱３を組立てて、この間
隔内を底部から背部を経て天井部に至る通風路と
なし、この通風路内には送風機４と冷却用冷媒蒸
発器５を配設して、天井部前端の吐出口６から冷
気を吹出し、この冷気を底部前端の吸入口７から
吸込んで循環を行なうことにより、ケース１の前
面開口を冷気カーテンで被いつつケース１内を冷
却するようにしている。８は側板である。

ところで、冷気カーテンの長手方向の風速分布
を改善する目的で、天井部通風路内に多数の小穴
を有する風量調整板や風流を矯正する風流案内板
等を配設する場合がある。しかしながらこのよう
な手段が無い場合でも送風機４を底部通風路から
背部通風路に至るコーナ部に配設すると、吸入口
７に近いので吸入損失が小さいうえほぼ90゜の曲
がりによる静風圧損失を小さくできる利点があ
り、加えて蒸発器５を送風機４の風下側である背
部通風路に配設すると、蒸発器５を通過する時に
長手方向の整流効果が得られて、冷気カーテンの
長手方向の風速分布を一様にするための補助的効
果が得られる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところがその反面、送風機４が蒸発器５の直下
にあると、蒸発器５に生じた霜を除去する際に除
霜水が送風機４を濡らして絶縁性の低下をきたし
たり回転している羽根に当つて異音を発し、場合
によつては霜の塊りが送風機４を直撃することも
ある。更に冷凍運転の場合には、付着した水分の
凍結による送風機４の回転不良、落下した霜塊が
底部通風路に蓄積されて通風を阻害するという欠
点もある。

本考案は前述したような送風機４及び蒸発器５
の配設位置のままでその長所を活かしつつ前述の
欠点を解消した冷凍・冷蔵オープンシヨーケース
を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による冷凍・冷蔵オープンシヨーケース
は、ケース底部から背部を経て天井部に至る通風
路内の、前記ケース底部と背部間の屈曲部に送風
機を配し、該送風機の上方に冷媒蒸発器を配置し
た冷凍・冷蔵オープンシヨーケースにおいて、前
記送風機と前記冷媒蒸発器との間の通風路内に、
前記冷媒蒸発器からの除霜水が前記送風機に直接
落下しない程度の大きさのメツシユの網状体から
なる遮蔽物をケース長手方向と直交する面に対し
て傾斜した状態で設けたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案による冷凍・冷蔵シヨーケース
の一実施例の要部を示した斜視図であり、第６図
と同一の機能を有するものには同一参照符号を付
してある。底部通風路から背部通風路へ至るコー
ナ部に配設された送風機４と背部通風路に配設さ
れた蒸発器５との間の通風路内に、ケース長手方
向と直交する面に対して傾斜（外箱２の方が内箱
３より低くなるように）した状態で、蒸発器５の
下部近傍で送風機４の上方に、遮蔽物１１が取り
付けられている。この遮蔽物１１は、蒸発器５か
らの除霜水が送風機に直接落下しない程度の大き
さのメツシユの網状体からなる。

この遮蔽物１１は、金属板又はポリエチレン等
の樹脂板に、多数の穴、切り欠き、又は縁を持つ
穴を空けたり、或いは溶融した金属、樹脂等を型
を用いて穴を持つた板状に成型する等して作られ
る。又、遮蔽物１１は、第２図ａのように１枚で
も良いし、第２図ｂのように、２枚以上を重ねた
ものでも良い。更に、遮蔽物１１は、第３図に示
されるように、針金、樹脂等の糸を編んだり、金
属繊維、植物繊維等の繊維を織つたもの１１ａを
支持体１１ｂに挿入して作つても良いし、針金、
樹脂等の糸や、金属繊維、植物繊維等の繊維を空
隙を持たせて接着あるいは溶着して作つても良
い。

このような遮蔽物１１を配設することにより、
送風機４からの通風は、遮蔽物１１の隙間及びそ
の周囲を通過し、更に蒸発器５を通過する時に整
流され、冷気エアーカーテンの長手方向の速度分
布が均一にされる。また傾斜して設けられている
ので、除霜の際に蒸発器５から落下する水滴は、
外箱２側に集められ、外箱壁面に沿つて流れ落ち
ることになり、送風機４への水分の付着、霜塊の
落下等を防止できる。更に、遮蔽物１１は、網状
体からなるので、冷却時の送風抵抗を小さくで
き、長手方向の速度分布に悪影響を与えることも
ない。

上記実施例では、エアーカーテンが１つの場合
の例について述べたが、第４図に示されるよう
に、２重エアーカーテンのものにも同様に適用す
ることができる。

又、第５図に示されるように、第４図の構成の
ものに、更に、遮蔽物１１と送風機４との間の通
風路に、加熱手段１２を設けても良い。この加熱
手段１２は、完全に溶けきらない霜塊等が遮蔽物
１１上に蓄積されるのを防止したり、遮蔽物１１
上の水滴を蒸発させたり、蒸発器５の除霜時に蒸
発器５へ温風を通して、蒸発器５の除霜を促進さ
せる役目を果たす。なお、除霜時においても送風
機４が駆動していることに注意されたい。

なお、本考案は上述した実施例に限定されるも
のではなく、種々の変形が可能である。例えば、
遮蔽物は、長手方向の全部に亘つて配設されても
良い。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案では、
蒸発器に付着した霜を除去する際に生ずる除霜水
や霜塊が、底部から背部へのコーナ部の通風路に
配設された送風機に直接落下することを防止でき
る。又、遮蔽物は網状体からなるので、送風抵抗
を小さくでき、長手方向の速度分布に悪影響を与
えることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による冷凍・冷蔵オープンシヨ
ーケースの一実施例の要部を示した斜視図、第２
図は第１図に示した遮蔽物の一例を拡大して示し
た斜視図、第３図は第１図に示した遮蔽物の他の
一例を示した分解斜視図、第４図は本考案による
冷凍・冷蔵オープンシヨーケースの他の一実施例
の要部を示した斜視図、第５図は第４図の変形例
を示した概略断面図、第６図は従来の冷凍・冷蔵
オープンシヨーケースの一例を示した概略断面図
である。 １……冷凍・冷蔵オープンシヨーケース、２…
…外箱、３……内箱、４……送風機、５……冷媒
蒸発器、１１……遮蔽物、１２……加熱手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケース底部から背部を経て天井部に至る通風
   路内の、前記ケース底部と背部間の屈曲部に送
   風機を配し、該送風機の上方に冷媒蒸発器を配
   置した冷凍・冷蔵オープンシヨーケースにおい
   て、前記送風機と前記冷媒蒸発器との間の通風
   路内に、前記冷媒蒸発器からの除霜水が前記送
   風機に直接落下しない程度の大きさのメツシユ
   の網状体からなる遮蔽物をケース長手方向と直
   交する面に対して傾斜した状態で設けたことを
   特徴とする冷凍・冷蔵オープンシヨーケース。 ２ 前記遮蔽物が前記冷媒蒸発器の下部近傍に取
   り付けられている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の冷凍・冷蔵オープンシヨーケース。 ３ 前記遮蔽物が前記網状体を複数枚重ねたもの
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の冷
   凍・冷蔵オープンシヨーケース。 ４ 前記遮蔽物が前記送風機の上方のみに設けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   冷凍・冷蔵オープンシヨーケース。