JP4320518B2 - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファン装置によって冷気を庫内に強制循環させる冷蔵庫において、冷却器の熱交換性能に係わる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来発明である特開平10-339594号公報はエアコン用の熱交換器における発明であり熱交換性能の向上を目的としてスリット即ち切り起こしを設けたものである。
【0003】
次いで、従来発明特開昭52-135448号公報はフィンに穴をあけることで熱源である冷媒伝熱管からフィンの前縁(穴の縁)までの距離を短くして熱伝達効率を改善を図った発明である。
【0004】
また、従来発明特開2000-292048号は冷蔵庫用の熱交換器または冷却器における発明であり、冷却器両外部に設置されたバイパス風路から冷却器に流入してくる空気の流れに対してほぼ垂直にフィン表面に切り起こしを設置して熱交換効率の改善を図ったものである。
【0005】
更に、特開2000-292087号は冷蔵庫用の熱交換器または冷却器における発明であり、冷却器外部の片側のみにバイパス風路を設置したもので、このバイパス風路から流入してくる空気の流れに対してほぼ垂直にフィン表面に切り起こしを設置して熱交換効率の改善を図ったものである。
【0006】
図23は従来の冷却器8を用いた冷蔵庫の正面図、図24は本体中央部の従来の縦断面図、図25は従来の冷却器8の側面図、および図24は正面から見た従来の冷却器8の周囲に対する空気の流れの様子、図27は従来の冷却器8の斜視図を示す。図24、25において、1は冷蔵庫本体、2は内箱、3、4、5は、庫内を中仕切り6、7で上下に仕切って形成された冷凍室、冷蔵室、切替室の各部屋であり、8は内箱2内部に固定された冷却器、9は切替室5と冷凍室3の背面と冷却器8を設置した冷却器室10とを仕切るファングリル、11は内箱2内で冷却器8をその内部に固定した冷却器室10の中央上部に配置したファン、12は冷凍室3への冷気吹出口、13は冷凍室3からの冷気吸込口、14は冷蔵室4への冷気吹出口、15は中仕切7内を通って冷却器室10に空気を吸込ませる吸込ダクト、16は冷却器室10の冷却器8下方に設置した霜取ヒータである。図23において、17は冷媒を収納する配管であるヘッダ、22は切替室5に設置された霜取サーミスタ、23は切替室5への冷気吹出口、24は切替室5からの冷気吸込口である。
【0007】
図25の冷却器8はプレートフィンチューブ型の冷却器であり、冷媒伝熱管8a、広幅フィン8b、狭幅フィン8cにて構成され、冷媒伝熱管8a外径6.35mm、広幅フィン8b縦220mm×幅75mm、狭幅フィン8c縦196mm×幅50mmで、フィン厚さはともに0.2mmである。またフィンピッチは6mmで各フィンが交互に多数枚設置されている。また、冷媒伝熱管8aは空気の流れ方向に対して3列に配置され、空気の流れ方向に沿って10段設置されている。本冷却器8は、冷媒伝熱管8aに直交させて、広幅フィン8b、狭幅フィン8cを交互に配置しており、広幅フィン8bと狭幅フィン8cの幅方向両外側部で構成されるバイパス風路19を備えている。フィンの配置および幅により、幅は冷却器前後方向(図25の左右方向)12.5mm×横は冷却器左右方向(図24の紙面方向)12mmのバイパス風路19が冷却器の前後(冷蔵庫の奥行き方向)に形成されている。
【0008】
または、図28に示すように、同じ幅のフィンを図24における冷却器8の前後方向にオフセットして交互に配置させることで、冷却器の前後方向の両サイドにバイパス風路を交互に形成させたものである。このフィンの寸法は縦220mm×幅62.5mm、フィン厚さ0.2mmであり、ピッチが6mmで1枚ごとフィンの横幅の中心線を12.5mm交互にオフセットさせて配置されている。このように配置することで冷却器前後に幅12.5mm×横12mmのバイパス風路が設置されることになる。
【0009】
この冷却器8において、冷媒は冷蔵庫手前側の冷媒伝熱管8aから流入し、冷却器8下部にて折り返し、冷蔵庫奥側の冷媒伝熱管8aへと流出していく。また、霜取サーミスタ22は冷却器8に接続されたヘッダ17に取り付けられる。
【0010】
上記の冷却器8は、それ自体でバイパス風路を持っている。バイパス風路とは、冷却器8への着霜による性能低下を低減させるものである。通常、冷蔵室4や切替室5の扉の開閉、または庫内食品負荷などにより加湿された空気は冷却器8で冷却され、その水分が霜となって冷却器に付着する。その霜は1日1回を目安に冷却器8下に設置された霜取ヒータ16によって加熱され除霜される。霜取が行われる間に冷却器に霜が付着していくので冷却器8の周辺内即ち冷媒伝熱管8a、広幅フィン8b、狭幅フィン8cの周囲を流れる空気量が減少していき、果ては性能低下、庫内冷却不足に至る。
【0011】
そこでバイパス風路を冷却器8内または冷却器8外に設置することで、冷却器8に霜が付着してもそのバイパス風路に空気が流れていくことで性能が確保され、庫内の冷却に支障をきたすことがなくなる。
【0012】
ここで従来の冷却器8はそれ自体でバイパス風路を持ち、内箱2およびファングリル9にバイパス風路を設置する必要がなく冷却器室8の省スペース化が図れ、ひいては内容積が拡大するメリットが得られる。
【0013】
従来の冷却器8を組込んだ冷蔵庫は以上のように構成され、冷却器8で冷却された冷気はファン11の駆動により一部が冷凍室冷気吹出口12から冷凍室3に送り出され冷気吸込口13から冷却器室10に戻され、残りが冷気吹出口14から冷蔵室4へ、冷気吹出口23から切替室5へそれぞれ送り出され、それぞれの吸込ダクト15、冷気吸込口24から冷却器室10に戻される強制循環をしている。
【0014】
このとき、冷蔵室4からの吸込ダクト15は冷却器8の前中央上部に、また、冷蔵室戻りダクト14を左右で挟むような形で冷凍室3からの冷気吸込口13、さらに冷蔵庫正面から見て冷却器8の右側面下部に切替室5からの冷気吸込口24が設置されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷却器は、上述のように構成されているが、空気を強制循環させるファンは通常冷却器の中央上部に設置されており、冷蔵室からの戻り空気ダクトが冷却器の前中央下部に設置されている。
【0016】
このダクトから戻される空気は温度、湿度が高く、冷却器中央下部では着霜による目詰まりが生じやすい。冷却器中央下部で目詰まりしてしまうと冷却器中央部には空気が流れなくなり、大きな抵抗となるためファンの風量低下、また冷却器中央部に空気が流れなくなることから熱交換面積が減少することによる庫内冷却不足となってしまう恐れがある。
【0017】
また霜取時においては偏った着霜、以下では偏着霜と称す、により冷却器の異常加熱、もしくは、偏着霜により霜取が不完全に行われて残霜が発生し、その霜が解けず慢性的な庫内冷却不足になる。これは偏着霜により、霜取時の冷却器の温度が着霜の多い箇所とそうでない箇所で温度の差が大きくなり、ヘッダに取り付けられた霜取サーミスタの検出する温度が着霜の多い箇所の温度と異なってくるためである。例えば、ヘッダ周辺部に多く着霜した場合にはヘッダ周辺部以外へ不要に加熱するために異常加熱となり、ヘッダ周辺部に少なく着霜した場合には霜取動作の早期停止というような相反する現象を引き起こす。また霜取時間の増加による庫内温度の上昇を引き起こす恐れがある。
【0018】
また、切替室を冷蔵温度帯以上で使用する場合には、切替室の戻りダクト付近の冷却器(右下部)において着霜しやすく、着霜量が多ければ上記のようなことが起こり得る。
【0019】
このようなことから冷却器およびその外部に、多着霜時においても性能が落ちないようにする(冷却器が閉塞しても空気が流れる)ためのバイパス風路を設置する必要がある。
【0020】
着霜量が少ない場合には冷却器自体の持つバイパス風路で性能は確保されるが、バイパス風路が塞がれるほどの着霜量、600cc以上の霜が冷却器中央下部周辺に付着しているような場合には、霜の付着した部位の風下側となる冷却器上部において空気が流れないため熱交換が行われなくなり、たとえば熱交換量は熱交換面積減少に伴い約2/3となってしまい、庫内冷却不足を引き起こす。
【0021】
今回の発明は、この問題を解決するためになされたもので、冷却器における偏着霜、圧力損失を減少させ、着霜に対して耐力がある(着霜しても庫内冷却に問題のない)、熱交換性能が良好な冷却器及び冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷却器室内の空気の流れ方向で冷媒伝熱管の後方位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする穴を有するとともに、冷蔵庫本体奥行き方向で手前側に位置する穴の面積が、奥側に位置する穴の面積よりも大きいものである。
【0023】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷蔵庫本体奥行き方向で冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、穴は、互いに平行となる一方の対辺が冷却器室内の空気の流れ方向となって、その長辺部が冷却器室内の空気の流れ方向の後流側となるように位置するとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされているものである。
【0024】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷却器室内の空気の流れ方向で冷媒伝熱管の後方位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、穴は、互いに平行となる一方の対辺が冷却器室内の空気の流れ方向となって、その短辺部が冷却器室内の空気の流れ方向の後流側に位置し、かつ、その長辺部の長さが冷媒伝熱管の外径より大きく形成されるとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされているものである。
【0025】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷蔵庫本体奥行き方向で冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする四角形の穴を有し、穴は、冷蔵庫本体奥行き方向に位置する対辺の両縁が切り起こされるとともに、フィンにおいて冷却器室内の空気の流れ方向で上流側に位置する穴の両縁の切り起こしは、上部が冷蔵庫本体奥行き方向で奥側を向く角度を付けて形成され、空気の流れ方向で下流側に位置する穴の両縁の切り起こしは、上部が冷蔵庫本体奥行き方向で手前側を向く角度を付けて形成されているものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1はこの発明の冷却器を使用した冷蔵庫の正面図であり、図2は冷蔵庫本体内部の縦断側面図、図3は図1、2の冷却器の側面図および及び図4は正面から見た空気の流れの様子を示した図である。
【0033】
図1及び図2を用いて、冷却器を中心とした冷蔵庫本体の構成を説明する。1は冷蔵庫本体、2は内箱、3、4、5は、冷蔵庫本体1の庫内を中仕切6、7で上下に仕切って形成された冷凍室、冷蔵室、切替室、8は内箱2内部に固定された冷却器、9は切替室5と冷凍室3の背面と冷却器8を設置した冷却器室10と仕切るファングリル、11は内箱2内で冷却器8をその内部に固定した冷却器室10の中央上部に配置したファン、12は冷凍室3への冷気吹出口、13は冷凍室3からの冷気吸込口、14は冷蔵室4への冷気吹出口、15は中仕切7内を通って冷却器室10にとを結ぶ穴を構成する吸込ダクト、16は冷却器室8の下方に設置した霜取ヒータ、17はヘッダ、23は切替室5への冷気吹出口、24は切替室5からの冷気吸込口である。
【0034】
図1及び図2によって冷蔵庫本体内の空気流につき動作を説明する。内箱2内で冷却器8はその内容する冷媒伝熱配管8a内部に冷媒を通して冷気を周囲に伝達し、冷気はファン11により冷却器室10から冷気吹出口23より切替室5へ図の矢印方向への空気の流れを導き、同様に冷気吹出口14を介し冷蔵室4へ、冷気吹出口12を介し冷凍室3へ送風される。逆に冷蔵室4の空気は吸込ダクト15から中仕切7内を通って冷却器室10に戻り、冷気吸込口13、22から各々切替室5及び冷凍室3の空気は冷却器室10に戻る。冷却器室10の温度はサーミスタで検知し、冷却され過ぎ着霜を検知すると霜取ヒータ16によって暖められて除霜される。
【0035】
図3を用いて、冷却器8の構成を説明する。図の冷却器8において、冷媒伝熱管8a、広幅フィン8b、狭幅フィン8cにて構成され、寸法的には従来のものと同様であり、冷媒伝熱管8a外径6.35mm、広幅フィン8b縦220mm×幅75mm、狭幅フィン8c縦196mm×幅50mmで、フィン厚さはともに0.2mmである。またフィンピッチは6mmで各フィンが交互に設置されている。また、冷媒伝熱管8aは空気の流れ方向に対して3列に配置され、空気の流れ方向に沿って10段設置されている。本冷却器8は、冷媒伝熱管8aに直交させて、広幅フィン8b、狭幅フィン8cを交互に配置しており、広幅フィン8bと狭幅フィン8cの幅方向両外側部で構成されるバイパス風路19を備えている。バイパス風路の寸法も従来のものと同じく幅12.5mm×横12mmである。
【0036】
図3によって冷却器8における動作を説明する。本冷却器8は、広幅フィン8b、および狭幅フィン8c上の、空気の流れ方向に沿って冷媒伝熱管8a後方に直径4mmの円形の穴21を備えている。穴21の中心位置は、本冷却器8では冷媒伝熱管8a後方4mmの位置であり、従来の冷凍冷蔵庫において空気の流れの場に対して流速=0である死水域となる領域である。従来の冷凍冷蔵庫において冷媒伝熱管8a後方4mmの位置では、冷蔵庫で使われる冷却器およびファンモータにより発生する風の流れにおいて、冷媒伝熱管の空気の流れに沿った方向で後流側の冷媒伝熱管の外周から冷媒伝熱管の直径程度の距離までの範囲では空気の淀みの程度が大きく熱伝達が悪くなっている。
【0037】
図4を用いて、構成を説明する。図に示すように広幅フィン8b、および狭幅フィン8cにフィン厚さ方向に対して穴を設けている。冷却器室10において図の下から上に冷却器8を通過した空気流を形成するため冷却器8上部にファン11が設置されている。
【0038】
図4を用いて、冷却器室10における動作を説明する。図4に示すように広幅フィン8b、および狭幅フィン8cに穴をあけることにより空気の流れが発生し冷却器8内で空気の横(フィン厚さ方向)移動が可能となる。冷却器8上部に設置されるファン11の位置によらず、冷却器8での空気抵抗が低減される。また、穴があることにより、冷却器8の下部の一部が着霜によって閉塞してもその他の部分から穴を通ってフィンに直交する方向に空気が流れていき、閉塞した部分の上部に空気が流れることが可能となり、庫内の冷却に必要な熱交換量が保てる。着霜時において穴がバイパス風路の役目を果たしている。また、穴21をあけることで、冷却器8全体で風の流れに接触を開始するフィンの前縁部が増加することになり、フィンでの熱伝達が促進されることからこの穴縁での着霜が増え、冷却器8全体的に均一に着霜するようになり着霜耐力は改善され偏着霜は減少する。
【0039】
また、穴21の大きさに関して、通常、アルミ製のフィンの腐食を防止するために塗装が施されるが、塗装する際に塞がれない程度の大きさであり、かつ、冷蔵庫の実使用においておよそ1日1回の霜取のサイクルにて霜によって塞がれない程度の大きさから、本冷却器8では直径4mmとしている。
【0040】
穴21の形状に関しても円形だけでなく四角形や三角形なども考えられるが、面積減少による性能低下を考慮すれば、四角形の場合は2辺が5mm以上、三角形の場合は底辺が5mm以上、高さが5mm以上のものは好ましくない。換言すれば、上記穴の差し渡しの寸法、即ち上記穴の最大寸法が5mm以上のものは好ましくない。ただし、穴を切り起こす場合はこの限りでない。
【0041】
冷却器8に穴21を開けることで伝熱面積そのものは減少するが、前縁効果や圧損低下による風量の増加により、冷却器8としての熱交換量は従来のものと比較して約8%向上し、冷蔵庫の消費電力量においては約2%の低減が可能となる。本発明の冷却器及び従来の冷却器の性能の比較を表1、これらの冷却器を実装した場合の消費電力量の比較を表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
図5は上記の仕様で製作した冷却器8を用いた冷却器の着霜量と冷却器、冷凍室、冷蔵室、入力の関係を実測した結果である。着霜量が多くなるにつれて熱交換量が減少するため、冷却器の温度は下がり各部屋の温度は上昇する傾向にある。また熱交換しない分仕事をしていないため圧縮機への供給電力も下がり、冷蔵庫の消費電力量も下がる。本発明の冷却器と従来の冷却器を比較して、多着霜時においても冷蔵庫内の各部屋の温度が低いことから本冷却器の方が優れている。
【0045】
以下、図6、8はそれぞれ、この発明の実施の形態に係る仕様の異なる冷却器の側面図である。図7もこの発明の実施の形態に係る別仕様の冷却器の図であり広幅フィン8bまたは狭幅フィン8cへ設ける穴21が装着位置で異なるため正面及び側面図を示してある。
【0046】
図6の上記と別仕様の冷却器8の側面図を用いて図3と仕様の異なる冷却器8の構成を説明する。図3と冷却器8に対して同様な配置に穴21が開いているが、図の左右方向に相当する冷却器8の前後方向(冷蔵庫奥行き方向)で穴径が異なり、冷却器8前側の穴径を奥側の穴径より大きくしたものである。
【0047】
図6の冷却器の側面図を用いて冷却器8の動作を説明する。冷蔵庫本体内での冷却器8及び周囲の空気の流れを見た場合、冷蔵室の戻りダクト15から左側に対して湿度が高い空気が流入して内箱2に沿って上昇していくため、冷却器8の左側の空気に対して空気の含有水分量が多い右側の方が比較的着霜量が多い。
【0048】
そこで本冷却器8では、右側の穴径を小さくすることで前縁効果のある伝熱面積を抑えて過度の着霜を防止しており、また左側の穴径を大きくすることで前縁効果のある伝熱面積を増やし右側より比較的熱伝達を促進させて、冷却器8全体で平均的に能力を出すことを可能としている。
【0049】
このように冷却器8右側と左側で穴径を変えることで、冷却器8内での偏着霜を改善し冷蔵庫の冷却不良も防止できる。
【0050】
図7の上記と別仕様の冷却器8の側面図を用いて図3、6とは仕様の異なる冷却器8の構成を説明する。図では図3と同様な穴21が開いているが、冷却器8の左右方向で穴径が異なり、切替室の戻りダクト18付近のフィンの穴径を小さくしたものである。
【0051】
図7を用いて冷却器8の動作を説明する。近年の冷蔵庫では、切替室の温度帯として−18℃(冷凍室設定)から+6℃(野菜室設定)まで、使用者の好みに応じて温度が切りかえられるようになっており、特に+3℃(冷蔵室設定)以上で使用する際には、高温多湿の食品が切替室に投入されることがある。
【0052】
その場合、冷蔵室の戻りダクト15付近だけでなく切替室の冷気吸込口24付近の冷却器8のフィンには多量の霜が成長することがある。
【0053】
空気の流れ方向に沿った方向で図7の冷媒伝熱管8aの上流部は湿度の高い空気が当たる側であり霜が成長しやすいため、この位置でフィンに穴を設置してもすぐに穴が塞がってしまう。しかし、流れる空気は冷媒伝熱管8aの後流に流れる空気は冷媒伝熱管8aで湿度が除かれているため比較的霜が成長し難い。
【0054】
そこで冷却器8では、切替室の冷気吸込口24の設置される側の穴径を逆側に対して小さくし、熱伝達を抑えることで着霜による目詰まりを防止している。
【0055】
図8の上記とは別仕様の冷却器8の側面図を用いて構成を説明する。図8は冷却器8において図3と同様な位置に穴21が開いているが、冷却器8の上下方向で穴径が異なり、冷却器8の上部に対して下部の穴径を小さくしたものである。
【0056】
図8の冷却器8の側面図を用いて動作を説明する。従来の冷凍冷蔵庫では、冷却器8の上にファン11が設置される場合には、冷却器8下部から冷気吸込口13等から冷凍庫3等からの戻り空気として湿度の高い空気が侵入して来るので冷却器8下部から着霜し、一方冷却器8の上部では空中の水分が霜となって除かれており冷却器への着霜が少なく、冷却器8の上下で偏着霜することがある。
【0057】
このため、冷却器8下部では穴径を小さくし熱伝達を抑えて過度の着霜を抑え、上部では下部に比べて穴径を大きくすることによって熱伝達を促進させ、冷却器8内で着霜を均一化を行います。
【0058】
図8の上記とは別仕様の冷却器8の側面図を用いて構成を説明する。図8も実施の形態1と同様な位置に穴21が開いているが、冷却器8の上下方向で穴径が異なり、冷却器8の上部に対して下部の穴径を小さくしたものである。
【0059】
図9は縦断面図であり冷却器室10と冷却器8を通過後の各風路での空気の流れを示している。図9を用いて冷却器8と周囲の風路の構成を説明する。図で冷蔵室4と切替室5間の中仕切7に開けられた上記吸込みダクト15はファングリル9と冷却器室10の間の空間に設けた風路で冷却器室10と結ばれており、冷却器8とファン11は冷却器室10に固定されている。
【0060】
図9は縦断面図であり冷却器室10と冷却器8を通過後の各風路での空気の流れを示している。図9の冷却器8及び本体内部の断面図を用いて動作を説明する。
図において、冷蔵庫本体内での冷却器8及び周囲の空気の流れを見た場合、冷蔵室の戻りダクト15から湿度の高い空気が流入して内箱2に沿って上昇していき冷却器8の左側に対して湿度が高い空気がより右側を移動するので、冷却器着霜量が多い。
【0061】
図10及び図11は、この発明の実施の形態に係り上記と別仕様でそれぞれ別仕様である冷却器における中央部の拡大図である。
【0062】
図10により上記と別仕様の冷却器8の構成を説明する。上記冷却器8は上記の図3と同様な配置で形状が異なる四角形の穴が開いているが、穴の片方の端が空気の流れ方向に沿った方向で切り起こされている。
【0063】
図10により冷却器8の動作を説明する。冷却器8の製作時、穴21全面を打ち抜いて廃材とする場合に比較して、切起こし20とすることでスクラップが減少し、また、切り起こした部分もその切り起こし21による前縁効果が得られるため、穴21のみの場合よりも熱伝達が促進される。
【0064】
冷却器8への着霜に関しても、切り起こした部分にも着霜するようになるため、より全体的に着霜するようになり、偏着霜は減少する。
【0065】
図11により上記と別仕様の冷却器8の構成を説明する。図の冷却器8は上記の図3と同様な配置で形状が異なる穴を有し、上記穴に対し右縁に設けられた切り起こしの切り起こす角度αは通常なら60°から90°の間の値である。
【0066】
図11により冷却器8の動作を説明する。図のように切り起こす高さを高くとってななめに起こすことで、図10に比較して更に切起こし高さを大きくとり前縁効果を拡大することも可能である。
【0067】
図12は図11のフィンを斜め方向から示した図である。図は上記図11と全く構成は同様である。
【0068】
図12で上記冷却器8の動作を説明する。空気の流れがよどむ死水域の概略を示している。穴21に対して空気の流れの下流域で空気の流れがよどんでいる領域をフィン平面上で示した。図3、6,7、8での穴21はこの死水域の領域に設けたものである。また、穴21を設ける設けることで図の紙面に垂直な方向への空気の流れを可能とする。
【0069】
図13は、この発明の実施の形態に係る上記と別仕様の冷却器8の中央部の拡大図である。
【0070】
図13において冷却器8の中央部の拡大図を用いて構成を説明する。図で、冷却器8は、図3と同様な四角形の穴21が開いているが、穴21の両端が空気の流れ方向に沿った方向で切り起こされている。
【0071】
図13の冷却器8の動作を説明する。図で、冷却器8に設けられた穴はその左右両縁に切起こし12を設けたことで、前縁効果のある伝熱面積の増加が容易となり、冷却器8の性能改善が可能となる。
【0072】
また、両端に切り起こしたフィンを冷媒伝熱管8aの周囲では空気流速が比較的速い冷媒伝熱管8aの側方に設置することで、更なる熱伝達向上が可能となる。
【0073】
また、両端に切起こし20があることで、切起こし冶具にて切起こし20を立てる際に、冶具がまっすぐに進み、冶具挿入性もよい。
【0074】
図14は上記と別仕様の冷却器8の中央部拡大図である。
【0075】
図14により冷却器8の構成を説明する。図における冷却器8は、上記図13と同様な位置に設けられた四角形でなく台形とした穴21を有し、穴21の左右両縁において切り起こし20を設けたものである。
【0076】
図14により冷却器8の動作を説明する。切起こし20に当たった空気は図13での空気の流れに比較して更に図14の左右方向に拡散して進むため店冷媒伝熱管8a後方の空気が淀む地域に流れるようにすることが可能で、冷媒伝熱管8a後方近傍の熱伝達の悪い所の改善が図れ、冷却器8内での均一な熱交換が可能となる。
【0077】
図15は上記と別仕様の冷却器8の中央部の拡大図である。
【0078】
図15により冷却器8の構成を説明する。この冷却器8は、図13と広幅フィン8b、狭幅フィン8cに対する穴21と同様な位置に四角形の穴21が開いているが、穴の上端を空気の流れる方向に対して30°程度に切り起こしている。
【0079】
図15により冷却器8の動作を説明する。図において、切起こし20下端の前縁効果により熱伝達を促進させつつ、穴の上端に空気の流れを紙面の奥向きに変える方向で切り起こされているために冷却器8内での空気の横移動即ちフィン厚さ方向の空気の移動が容易となる。
【0080】
図16は上記と別仕様の冷却器8の中央部拡大図である。
【0081】
図16により冷却器8の構成を説明する。図16に示す上記冷却器8は、図10、図11、図13の切起こし20を空気の流れ方向に対して縦に2個並べたものである。
【0082】
図16により冷却器8の動作を説明する。図において、切起こし20が空気の流れ方向に2個並ぶことで前縁効果による熱伝達面積が1個の場合よりも大きくなり、さらに冷却器8の性能改善が図れる。
【0083】
また、このとき各切起こし20の間隔は切り起こしの長さと同じか同程度とすることで、切起こし20の前縁効果が十分得られる。
【0084】
図17は冷却器8において図16と縦方向には同一位置に切り起こし20を設けた冷却器8の中央部拡大図である。
【0085】
図17により冷却器8の構成を説明する。図17のように各切起こし20を空気の流れに直角方向に数mmオフセットさせて設置している。
【0086】
図17により冷却器8の動作を説明する。空気の流れ方向に隣接したそれぞれの切り起こし20は空気の流れに直角方向に数mmオフセットされているため、切り起こし20によって発生する温度境界層がずれて、図16よりさらに熱交換性能が増加する。
【0087】
隣接する切り起こし20が3個以上でもさらに効果が得られるが、冷蔵庫の冷却器として使用する場合にはファン10による風量が比較的少ないため2個程度あれば十分な効果が得られる。
【0088】
図18は、図10に示した冷却器8の切起こし20仕様を変えた冷却器8中央部の拡大図である。
【0089】
図18により冷却器8の構成を説明する。この冷却器8は図10での切起こし20の仕様に対して冷却器8で着霜の多い図18の下部では切起こし高さを低く、着霜の少ない図18の上部では切起こし20の高さを高く設置したものである。
【0090】
図18により冷却器8の動作を説明する。前縁効果のある熱伝達面積が変化し、切起こし高さの高い方が熱伝達が大きくなるためその分だけ着霜量も多くなるから、切起こし20の高さを着霜の多い図18の下部で低くして着霜量を減らし、着霜の少ない図18の上部では切起こし20の高さを高くして着霜を増やして冷却器8全体で着霜量を均一化するものである。
【0091】
また、非常に着霜量の多い冷却器8の下部においては切起こし20を設置せず、穴21のみを設けることによって、穴21による前縁効果のみに熱伝達性能改善を求め、切起こし20を廃止する事でも性能改善が可能である。
【0092】
図19は、上記と別仕様の冷却器8の中央部拡大図である。
【0093】
図19により冷却器8の構成を説明する。この冷却器8は図13の切起こし20を、冷却器8の着霜の多い部位は切起こし20の数を少なく、少ない部位には切起こし20の数を多く設置したものである。
【0094】
図19により冷却器8の動作を説明する。切起こし20の個数を着霜の多い図19の下部で少なくして着霜量を減らし、着霜の少ない図19の上部では切起こし20の個数を多くして着霜を増やして冷却器8全体で着霜量を均一化するものである。 また、2個以上の切起こし20が並ぶ個所は、各切起こし20がオフセットして設置されるとさらに熱伝達が向上する。
【0095】
図20、21は、それぞれ上記とは別仕様の冷却器中央部拡大図である。
【0096】
図20により冷却器8の構成を説明する。図において、冷却器8は図13の穴及び切起こし20を冷媒伝熱管8aの近傍で空気流れの後方に設置したものである。
【0097】
図20により冷却器8の動作を説明する。空気の流れに対して冷媒伝熱管8a後方は空気の淀む死水域となっており、この位置に穴および切起こし20を設置して前縁効果により熱伝達を促進させることで冷却器8の性能向上が図れる。
【0098】
図21により冷却器8の構成を説明する。図の冷却器8は、空気の流れに対して冷媒伝熱管8a後方の空気の淀む死水域の位置に穴および切起こし20を設置したものである。
【0099】
図21により冷却器8の動作を説明する。図20での構成に対する動作と同様に、空気の淀む死水域の位置に穴および切起こし20を設置することにより前縁効果による熱伝達を促進させると共に、更に本図に示した切起こし20では冷媒伝熱管8a側方で速度が速い空気を死水域に取り込むことで、さらに熱伝達が促進される。
【0100】
図22は、上記とは別仕様の冷却器中央部拡大図である。
【0101】
図22により冷却器8の構成を説明する。この冷却器8は図13の切起こし20の向きを図9の実際の冷却器内での空気の流れに沿って流線が一致するようそれぞれに角度を付けたものである。
【0102】
図22により冷却器8の動作を説明する。図で、冷却器8に設けられた穴はその左右両縁に切起こし12を設けたことで、前縁効果のある伝熱面積の増加が容易となり、冷却器8の性能が改善される。更に角度を空気の流れに合わせることで、風路抵抗が低減されるためファンモータの負荷も減り風量不足が解消できる。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷却器室内の空気の流れ方向で冷媒伝熱管の後方位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする穴を有するとともに、冷蔵庫本体奥行き方向で手前側に位置する穴の面積が、奥側に位置する穴の面積よりも大きいことにより、空気の流れの淀み程度が大きい冷媒伝熱管の空気流れの後方位置で冷却器の左右方向に空気の移動が可能となり、また、穴により空気の流れに接触するフィンの前縁部が増加することとなるので、冷却器での風路抵抗が低減され風量が増加するとともに、前縁効果によりフィンでの熱伝達が促進され、冷却器の熱交換性能を良好にすることができ、さらに、冷蔵室の戻りダクトからの湿度の高い空気が移動する冷却器の奥側に位置する穴の面積を小さくすることで前縁効果を抑えて過度の着霜を防止し、手前側に位置する穴の面積を奥側に位置する穴の面積よりも大きくすることで、前縁効果により熱伝達を促進させるので、冷却器内で均一な熱交換が可能となるとともに、冷却器における偏着霜を減少させ、冷却不良の発生を防止することができる。
【0104】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷蔵庫本体奥行き方向で冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、穴は、互いに平行となる一方の対辺が冷却器室内の空気の流れ方向となって、その長辺部が冷却器室内の空気の流れ方向の後流側となるように位置するとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされていることにより、冷却器の左右方向に空気の移動が可能となり、また、空気流速の比較的速い位置に設けられた穴およびその両縁の切り起こしにより空気の流れに接触するフィンの前縁部が増加することとなるので、冷却器での風路抵抗が低減され風量が増加するとともに、前縁効果によりフィンでの熱伝達が向上し、冷却器の熱交換性能を良好にすることができ、さらに、切り起こしに当たった空気が、冷蔵庫本体奥行き方向で手前側と奥側とに拡散して進むことで、空気の流れの淀み程度が大きい冷媒伝熱管の空気流れの後方位置に空気を流すことができるようになるので、冷媒伝熱管の後方位置での熱伝達が改善され、冷却器内で均一な熱交換が可能となるとともに、更なる熱交換性能の改善を図ることができる。
【0105】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷却器室内の空気の流れ方向で冷媒伝熱管の後方位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、穴は、互いに平行となる一方の対辺が冷却器室内の空気の流れ方向となって、その短辺部が冷却器室内の空気の流れ方向の後流側に位置し、かつ、その長辺部の長さが冷媒伝熱管の外径より大きく形成されるとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされていることにより、空気の流れの淀み程度が大きい冷媒伝熱管の空気流れの後方位置で冷却器の左右方向に空気の移動が可能となり、また、穴およびその両縁の切り起こしにより空気の流れに接触するフィンの前縁部が増加することとなるので、冷却器での風路抵抗が低減され風量が増加するとともに、前縁効果によりフィンでの熱伝達が促進され、冷却器の熱交換性能を良好にすることができ、さらに、穴の両縁の切り起こしが、冷媒伝熱管の側方を流れる流速の速い空気を、空気の流れの淀み程度が大きい冷媒伝熱管の空気流れの後方位置に取り込むので、冷媒伝熱管の空気流れの後方位置での熱伝達を改善し、冷却器内で均一な熱交換が可能となるとともに、更なる熱交換性能の改善を図ることができる。
【0106】
また、この発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、冷却器で冷却された空気を冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、冷却器は、ファンの形成する冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、フィンが、冷蔵庫本体奥行き方向で冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、冷却器内で冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする四角形の穴を有し、穴は、冷蔵庫本体奥行き方向に位置する対辺の両縁が切り起こされるとともに、フィンにおいて冷却器室内の空気の流れ方向で上流側に位置する穴の両縁の切り起こしは、上部が冷蔵庫本体奥行き方向で奥側を向く角度を付けて形成され、空気の流れ方向で下流側に位置する穴の両縁の切り起こしは、上部が冷蔵庫本体奥行き方向で手前側を向く角度を付けて形成されていることにより、冷却器の左右方向に空気の移動が可能となり、また、空気流速の比較的速い位置に設けられた穴およびその両縁の切り起こしにより空気の流れに接触するフィンの前縁部が増加することとなるので、冷却器での空気抵抗が低減され風量が増加するとともに、前縁効果によりフィンでの熱伝達が向上し、冷却器の熱交換性能を良好にすることができ、さらに、角度を付けた穴の両縁の切り起こしが、空気の流れの流線に合うようになるので、冷却器での風路抵抗をより低減でき、更なる風量の増加とファンモータの負荷の低減を図ることができる。
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の冷却器を使用した冷蔵庫本体中部の正面図である。
【図2】 本発明の冷却器を使用した冷蔵庫本体中部の縦断側面図である。
【図3】 本発明の冷却器の側面図である。
【図4】 本発明の冷却器の正面から見た空気の流れの様子を示す正面図である。
【図5】 本発明の冷却器を冷蔵庫に実装した場合の、着霜量と庫内温度、冷却器温度、冷蔵庫入力との関係を示した図である。
【図6】 本発明の冷却器その1の側面図である。
【図7】 本発明の冷却器その2の側面図である。
【図8】 本発明の冷却器その3の側面図である。
【図9】 本発明の冷蔵庫に実装された冷却器中央部の空気の流れを示した図である。
【図10】 本発明の冷却器中央部その1を示す拡大図である。
【図11】 本発明の冷却器中央部その2を示す拡大図である。
【図12】 本発明の冷却器中央部の拡大斜視図である。
【図13】 本発明の冷却器中央部その1を示す拡大図である。
【図14】 本発明の冷却器中央部その2を示す拡大図である。
【図15】 本発明の冷却器中央部を示す拡大図である。
【図16】 本発明の冷却器中央部のその1を示す拡大図である。
【図17】 本発明の冷却器中央部のその2を示す拡大図である。
【図18】 本発明の冷却器中央部のその3を示す拡大図である。
【図19】 本発明の冷却器中央部のその4を示す拡大図である。
【図20】 本発明の冷却器中央部のその5を示す拡大図である。
【図21】 本発明の冷却器中央部のその6を示す拡大図である。
【図22】 本発明の冷却器中央部のその7を示す拡大図である。
【図23】 従来の冷却器を使用した冷蔵庫の正面図である。
【図24】 従来の冷却器を使用した冷蔵庫の本体中部の縦断側面図である。
【図25】 従来の冷却器の側面図である。
【図26】 従来の冷却器内の空気の流れの様子を示した図である。
【図27】 従来の冷却器のその1を示す斜視図である。
【図28】 従来の冷却器のその2を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫本体、2 内箱、3 冷凍室、4 冷蔵室、5 切替室、6 、7、中仕切、8 冷却器、9 ファングリル、10 冷却器室、11 ファン、12 冷気吹出し口、13 冷気吸込み口、14 吹出しダクト、15 吸込みダクト、16 霜取ヒータ、17 ヘッダ、18 バイパス風路、19 バイパス風路、20 切起し、21 穴、22 霜取サーミスタ、23 吹出しダクト、24吸込みダクト。
Claims (4)
- 冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、前記冷却器で冷却された空気を前記冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、
前記冷却器は、前記ファンの形成する前記冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および前記冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが前記冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、
前記フィンが、前記空気の流れ方向で前記冷媒伝熱管の後方位置に、前記冷却器内で前記冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする穴を有するとともに、
前記冷蔵庫本体奥行き方向で手前側に位置する前記穴の面積が、奥側に位置する前記穴の面積よりも大きいことを特徴とする冷凍冷蔵庫。 - 冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、前記冷却器で冷却された空気を前記冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、
前記冷却器は、前記ファンの形成する前記冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および前記冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが前記冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、
前記フィンが、前記冷蔵庫本体奥行き方向で前記冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、前記冷却器内で前記冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、
前記穴は、互いに平行となる一方の対辺が前記空気の流れ方向となって、その長辺部が前記空気の流れ方向の後流側となるように位置するとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされていることを特徴とする冷凍冷蔵庫。 - 冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、前記冷却器で冷却された空気を前記冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、
前記冷却器は、前記ファンの形成する前記冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および前記冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが前記冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、
前記フィンが、前記空気の流れ方向で前記冷媒伝熱管の後方位置に、前記冷却器内で前記冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする台形形状の穴を有し、
前記穴は、互いに平行となる一方の対辺が前記空気の流れ方向となって、その短辺部が前記空気の流れ方向の後流側に位置し、かつ、その長辺部の長さが前記冷媒伝熱管の外径より大きく形成されるとともに、互いに平行でない他方の対辺の両縁が切り起こされていることを特徴とする冷凍冷蔵庫。 - 冷蔵庫本体の背面側に設けられた冷却器室内に設置される冷却器と、この冷却器の上方に配置され、前記冷却器で冷却された空気を前記冷却器室から庫内に送風するファンと、を有する冷凍冷蔵庫において、
前記冷却器は、前記ファンの形成する前記冷却室内の空気の流れ方向に複数段、および前記冷蔵庫本体の奥行き方向に複数列設置される冷媒伝熱管に直交させて、幅の異なるフィンが交互に配置され、もしくは同じ幅のフィンが前記冷蔵庫本体の奥行き方向にオフセットされて交互に配置されて構成されるものであって、
前記フィンが、前記冷蔵庫本体奥行き方向で前記冷媒伝熱管の手前側もしくは奥側の位置に、前記冷却器内で前記冷却器の左右方向に空気の移動を可能とする四角形の穴を有し、
前記穴は、前記冷蔵庫本体奥行き方向に位置する対辺の両縁が切り起こされるとともに、
前記フィンにおいて前記空気の流れ方向で上流側に位置する前記穴の両縁の切り起こしは、上部が前記冷蔵庫本体奥行き方向で奥側を向く角度を付けて形成され、前記空気の流れ方向で下流側に位置する前記穴の両縁の切り起こしは、上部が前記冷蔵庫本体奥行き方向で手前側を向く角度を付けて形成されていることを特徴とする冷凍冷蔵庫。
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