JPH0245257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の背景と目的］ 本考案は、撚線機のボビン巻線の巻戻し装置に
関するものである。

第５図は従来から実用に供されている２度撚線
機の撚線巻取部説明図である。図において、１
ａ，１ｂは支持枠、２は回転ケージ、３ａ，３ｂ
はベアリング、４はクレードル、５ａ，５ｂはベ
アリング、６ａ，６ｂは装着用スピンドル、７は
ベアリング、８はボビン、９はボビン駆動用モー
タである。また、１０は引取プーリ、１１はガイ
ドプーリ、１２はダンサガイドプーリ、１３，１
４はガイドプーリ、１５はトラバーサシヤフト、
１６はトラバーサガイドプーリである。

支持枠１ａ，１ｂにベアリング３ａ，３ｂを介
し支持されている回転ケージ２は、軸線Ｘ−Ｘを
中心にモータ（図示せず）によつて回転駆動され
るようになつている。また、ベアリング５ａ，５
ｂを介して支持されるクレードル４には、一対の
装着用スピンドル６ａ，６ｂが軸線Ｙ−Ｙ方向に
互いに対向し取り付けられている。ボビン装着用
スピンドル６ａ，６ｂのうち、一方の装着用スピ
ンドル６ａはベアリング７を介してクレードル４
に取り付けられており、他方の装着用スピンドル
６ｂは、対向側装着用スピンドル６ａ側に対し進
退可能に形成され、進退動作することにより、ク
レードル４に対しボビン８の取付け、取外しが行
なえるようになつている。尚、ボビン８はモータ
９に回転駆動されて撚線Ａを巻き取るようになつ
ている。クレードル４内の撚線Ａは、引取プーリ
１０、サイドプーリ１１間に数回巻き廻された
後、撚線Ａの張力によりガイドプーリ１３とのプ
ーリ間隔が伸縮する、即ち、第３図に示すように
ばね２３を介し所定の張力を保持するように取り
付けられているダンサガイドプーリ１２を通り、
ガイドプーリ１４で折り返されトラバーサシヤフ
ト１５に支持されているトラバーサガイドプーリ
１６を通つてボビン８に巻き取られるようになつ
ている。

従来の作業を第６図により説明する。作業が完
了したボビン８の空ボビンとの交換を行なうとき
は、撚線Ａの切断を行なう前に、作業の完了した
ボビン８の鍔を手作業で矢印で示す通常の巻き取
る方向とは逆の方向に数回繰返し回転させ、ダン
サーガイドプーリ１２を矢印の方向の点線で示す
位置まで弛めてから行なう。これを行なわず撚線
Ａを切断すると、切断時に、ダンサガイドプーリ
１２に残つている撚線Ａを張ろうとばね２３の力
で撚線Ａが戻され次の空ボビンに撚線を固定する
ことが困難となる。

そして、この種の作業の効率向上をはかるた
め、撚線のボビン巻線の巻戻しを自動化するため
には、クレードル内の狭いスペースにボビンを回
転させる装置を置くことは困難である。さらに、
何回巻き戻せばよいのかの設定も困難である等の
問題があつた。

本考案は上記の状況に鑑みなされたものであ
り、ボビンに巻かれている撚線の必要量の巻戻し
を簡単な構造で容易に行なうことができる巻線機
のボビン巻線の巻戻し装置を提供することを目的
としたものである。

［考案の概要］ 本考案の撚線機のボビン巻線の巻戻し装置は、
撚線操作された後の撚線がボビンに巻き取られる
該ボビンの前方側位置に配設され該撚線をそれぞ
れ案内するガイドプーリ及び該撚線の張力に応じ
該ガイドプーリに対するプーリ間隔が伸縮調整さ
れるように形成されたダンサガイドプーリと、軸
方向両側から挟着し着脱自在に取り付けられモー
タに回転駆動され上記撚線を巻き取るように形成
された上記ボビンとを設けてなり、上記ボビンを
下方から支持する昇降装置に取り付けられ該ボビ
ンを離脱時に該昇降装置が上記ボビンに接する前
に該ボビンの外周に接し上記撚線の巻取方向に対
し逆方向に該ボビンを回転駆動するように形成さ
れた回転ロールと、該回転ロールが上記ボビンを
回転駆動することにより上記撚線が所定量戻され
る位置にストツパが設けられ上記ダンサガイドプ
ーリが該ストツパに接する位置を検出可能に形成
された検出手段とを設けたものである。

［実施例］ 以下、本考案の撚線機のボビン巻線の巻戻し装
置を実施例を用い従来と同部品は同符号で示し同
部分の構造の説明は省略し第１図ないし第４図に
より説明する。第１図、第２図はボビン８を逆転
させる装置の説明図、第４図、第５図は撚線を所
定量弛めた状態を検知する検出装置の説明図であ
る。第１図、第２図において、１７はボビン８を
着脱時に使用する昇降装置、１８は回転ロールで
回転自在に形成されエアシリンダ１９を介し昇降
装置１７に高さを調整自在に形成されている。そ
して、昇降装置１７を上昇させ昇降装置１７がボ
ビン８に接する前の状態で回転ロール１８がボビ
ン８の鍔に接触されてエアシリンダ１９により回
転ロール１８を第２図矢印の如く押し上げると矢
印の如くボビン８は巻取方向と逆方向に回転し撚
線Ａは巻き戻されるようになつている。回転ロー
ル１８の上方への押し上げは、エアシリンダ１９
によりもしくは回転ロール１８を鍔に接触させた
状態で、かつ、昇降装置１７をボビン８に接触さ
せない状態で上昇させることにより行なうように
なつている。

第３図、第４図において、２０はダンサガイド
プーリ１２のストツパ、２１は光電管、２２は反
射材である。ボビン８を通常の巻き方向と逆の方
向に回転させることにより、ダンサガイドプーリ
１２に、第３図のようにばね２３によつて線を張
ろうとする力が残つているところへ、更に力が加
えられ、ダンサガイドプーリ１２とガイドプーリ
１３との間隔が広げられる。ダンサガイドプーリ
１２は必要量の撚線Ａの巻戻しが完了したところ
でそれ以上は広がらない位置でストツパ２０に接
触して停止するようになつている。同時に外部に
装置された光電管２１のスイツチによつて検出さ
れる。ダンサガイドプーリ１２がストツパ２０に
当接すると光電管２１の光軸Ｂがダンサガイドプ
ーリ１２の一対に固定された反射率のよい反射材
２２によつて反射される位置検出装置によつて精
度よく検出できるようになつている。尚、この場
合、回転ロール１８による回転は、光電管２１に
よつてダンサガイドプーリ１２がストツパ２０に
当接を確認するまで撚線Ａを弛ませればよい。光
電管２１、ダンサガイドプーリ１２に固定された
反射材２２により、ダンサガイドプーリ１２のス
トツパ２０に対する当接した位置を検出する検出
手段を形成している。

上記の構造において、ボビン８の外周一杯に撚
線Ａが巻回された後空ボビン８と交換の場合に
は、撚線Ａが巻回されたボビン８を外す際に昇降
装置１７を上昇させ回転ローラ１８をボビン８の
鍔に接触させた後、回転ローラ１８をエアシリン
ダ１９もしくは昇降装置１７により撚線Ａの巻取
方向と逆方向に回転させる。ほぼ所定量回転させ
ダンサガイドプーリ１２がストツパ２０に当接す
ると光電管２１により巻戻し完了が検知されるの
で撚線Ａを切断する。この位置で撚線Ａを切断す
ることにより次に取り付けられた空のボビン８に
撚線Ａを容易に固定することができる。即ち、撚
線機クレードル４内のボビン８に巻かれている撚
線Ａの必要量の巻戻しを容易に行なうことができ
る。

このように本実施例の撚線機のボビン巻線の巻
戻し装置は、昇降装置に取り付けた回転ロールを
介しボビンを巻取方向に対し逆方向に回転して撚
線を弛め、ダンサガイドプーリを移動させ所定量
弛められた位置に設けたストツパに当接された状
態で弛めの完了が検知できるようにしたので、ク
レードル内のボビンに巻かれている撚線の必要量
の巻戻しを容易に行なうことができ、巻戻しの自
動化も可能である。また、撚線機の回転体内に逆
転駆動装置やダンサガイドプーリの位置検知装置
を設けないので構造が簡単で安全性も高い。

上記実施例はクレードル内にボビンがある場合
について述べたが、クレードル以外のところに設
置してあるダンサガイドプーリ付の巻取機にも使
用できる。また、光電管スイツチの動作は、常時
反射材だ反射させておき、ダンサガイドプーリが
ストツパに当つたとき反射板をマスクする逆動作
でもよい。

［考案の効果］ 以上記述した如く本考案の撚線機のボビン巻線
の巻戻し装置は、ボビンに巻かれている撚線の必
要量の巻戻しを簡単な構造で容易に行なうことが
できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の撚線機のボビン巻線の巻戻し
装置の実施例のボビン逆転装置の説明図、第２図
は第１図のボビン逆転操作状態の説明図、第３図
は第１図の装置によるボビン逆転時のダンサガイ
ドプーリの位置検知装置の説明図、第４図は第３
図の装置の位置検出状態の説明図、第５図は従来
の２度撚撚線機の撚線巻取説明図、第６図は第５
図のボビンの撚線巻戻し時のダンサガイドプーリ
の動き説明図である。 ８……ボビン、９……モータ、１２……ダンサ
ガイドプーリ、１３，１４……ガイドプーリ、１
７……昇降装置、１８……回転ロール、２０……
ストツパ、２１……光電管、２２……反射材、２
３……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 撚線操作された後の撚線がボビンに巻き取ら
   れる該ボビンの前方側位置に配設され該撚線を
   それぞれ案内するガイドプーリ及び該撚線の張
   力に応じ該ガイドプーリに対するプーリ間隔が
   伸縮調整されるように形成されたダンサガイド
   プーリと、軸方向両側から挟着し着脱自在に取
   り付けられモータに回転駆動され上記撚線を巻
   き取るように形成された上記ボビンとを設けた
   ものにおいて、上記ボビンを下方から支持する
   昇降装置に取り付けられ該ボビン離脱時に該昇
   降装置が上記ボビンに接する前に該ボビンの外
   周に接し上記撚線の巻取方向に対し逆方向に該
   ボビンを回転駆動するように形成された回転ロ
   ールと、該回転ロールが上記ボビンを回転駆動
   することにより上記撚線が所定量戻される位置
   にストツパが設けられ上記ダンサガイドプーリ
   が該ストツパに接する位置を検出可能に形成さ
   れた検出手段とを設けたことを特徴とする撚線
   機のボビン巻線の巻戻し装置。 (2) 上記検出手段が、上記ダンサガイドプーリに
   固定された反射板と、該ダンサガイドプーリが
   上記ストツパに当接された状態の該反射板に光
   軸が直交される位置に配置された光電管とから
   形成されている実用新案登録請求範囲第１項記
   載の撚線機のボビン巻線の巻戻し装置。