JPH0245202Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、書類を挟んだ状態で持ち運びできる
フアイルフオルダ等の薄手の物品（以下単のフア
イルフオルダと称する）をフアイルフオルダ格納
棚における所定の個所に収納し、そこから取り出
すことができるようにしたフアイルフオルダの自
動取出し収納装置におけるフアイルフオルダの出
庫装置の構造に関するものである。

〔従来の技術〕

病院におけるカルテや、各事務所における各種
書類は、フアイルフオルダに挟んだ状態にてフア
イルフオルダ格納棚に収納しておき、必要に応じ
て取出し、また用件が済めば元の位置に返却する
のであるが、そのための装置として、従来から、
フアイルフオルダ格納棚の前面には、これに沿つ
て上下左右に移動する搬送台を設け、フアイルフ
オルダ格納棚の各フアイルフオルダ収納位置に番
地コードを割り当てる一方、各フアイルフオルダ
には前記指定される番地コードに対応するマーク
を付し、入庫部にあるフアイルフオルダを、前記
搬送台の自動制御により、フアイルフオルダ格納
棚の所定位置に収納し、反対にフアイルフオルダ
格納棚の所定位置からフアイルフオルダを取出し
て出庫部に放出するように構成した装置が知られ
ている。

このうち、先行技術の特公昭60−10967号公報
では、搬送台にて挟持したフアイルフオルダの上
端部を前記出庫部における左右一対の支持レール
に向かつて挿入し、ここで該両支持レールにフア
イルフオルダの上端部を一旦挟持させていわゆる
持ち替え作業を行い、しかる後、その挟持を解除
すると前記出庫部における傾斜状のシユート部に
向かつてフアイルフオルダが落下し、前記出庫部
のシユート部終端部における集積ボツクスにフア
イルフオルダが集積されるように構成したものが
開示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように出庫部における左右一対の支持レー
ルにて挟持されたフアイルフオルダを、その挟持
解除により落下させると、出庫部における傾斜状
シユート部に衝突する衝撃によりフアイルフオル
ダの内容物が散乱したり、フアイルフオルダ自体
の姿勢が乱れたりして、シユート部終端部におけ
る集積ボツクスでのフアイルフオルダの集積が整
然と行なえないと云う問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本考案では、多数のフアイルフオルダを
立てた状態にて所定位置に格納するフアイルフオ
ルダ格納棚前面に、前記フアイルフオルダを一つ
づつ挟持して上下左右に制御移動する搬送台を配
設し、該搬送台によりフアイルフオルダを前記フ
アイルフオルダ格納棚の所定位置に収納し、且つ
フアイルフオルダ格納棚の所定位置から出庫部に
フアイルフオルダを取り出すことができるように
構成したフアイルフオルダの自動取出し収納装置
において、前記出庫部を搬送台からのフアイルフ
オルダを送り出す送り出し部と、該送り出し部下
端からその下方のフアイルフオルダ放出口に連通
する傾斜通路とにより構成し、前記送り出し部に
は、搬送台によつて挟持されたフアイルフオルダ
を当該送り出し部に挿入したときフアイルフオル
ダの上端部を倒れ不能に案内する左右一対のガイ
ド部材を設け、該一対のガイド部材の下方には、
前記挿入されたフアイルフオルダの下端をその長
手方向に沿つて載置する載置台を前記傾斜通路の
上端に隣接させて配設し、該載置台を、それに載
置されたフアイルフオルダの長手方向と略直角方
向に前記傾斜通路に向かつて傾動するように構成
したものである。

〔作用・効果〕

本考案では、フアイルフオルダをフアイルフオ
ルダ格納棚の外に放出する出庫部における傾斜通
路の上端に通じる送り出し部には、搬送台によつ
て挟持されたフアイルフオルダの下端をその長手
方向に沿つて載置する載置台を設けたので、従来
の技術のようにフアイルフオルダの上端部におい
て持ち替える場合のような限られた狭い範囲での
挟持手段の設置を不要とする。

また、フアイルフオルダの下端をその長手方向
に沿つて載置すると共にフアイルフオルダの上端
部を左右両側から支えるような左右一対のガイド
部材を設けてあるので、載置状態がきわめて安定
している。

一旦載置台に載置したフアイルフオルダを、当
該載置台の傾動によりその下端の傾斜通路に導く
のであるから、従来のように高い落差をもつて傾
斜通路に落下させる場合の衝撃がなく、しかも載
置台の傾動方向がフアイルフオルダの長手方向と
略直角方向なのであるから、換言すればフアイル
フオルダの寸法の短い方向に傾斜するから円滑且
つ姿勢の乱れもなく傾斜通路に導くことができ、
フアイルフオルダ格納棚外への放出口に至るまで
フアイルフオルダの姿勢の乱れが生じないのであ
る。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面に従つて説明する
と、図において符号１はフアイルフオルダの自動
取出し収納装置を示し、該フアイルフオルダの自
動取出し収納装置は、多数のフアイルフオルダＦ
を所定の位置に図示しないハンガーに吊下げ状態
にて収納できる左右一対のフアイルフオルダ格納
棚２１，２１と、該両フアイルフオルダ格納棚２
１，２１前面間の通路において上下に配設された
レールに沿つて移動する支柱２２に上下動自在に
設けられた搬送台２３とから成るフアイルフオル
ダの格納棚ユニツト２が横一列状に複数（実施例
では５つ）配設されたものから成る。

前記各格納棚ユニツト２における前記各フアイ
ルフオルダ格納棚２１，２１の端部には、フアイ
ルフオルダＦが収納された台車３を入れる入出庫
部４と、搬送台２３によりフアイルフオルダ格納
棚２１の所定位置から取出されたフアイルフオル
ダＦをフアイルフオルダ格納棚前面に取り出す単
体出庫部５を設ける一方、前記各格納棚ユニツト
２ごと（実施例では装置の前面に向かつて左側フ
アイルフオルダ格納棚２１の前側）に臨時出庫部
６を設けてあり、搬送台２３は図示しない制御装
置によりその入力端末器への指令に応じて移動す
ると共に、フアイルフオルダＦのフアイルフオル
ダ格納棚２１へのフアイルフオルダＦの挟持出し
入れ等の作動をする。

前記入出庫部４においては、その内部の台車３
から前記搬送台２３の左右一対の挟持体２４，２
４にてフアイルフオルダＦの上端前側を左右から
挟持して取出し、フアイルフオルダ格納棚２１の
所定位置に移送して収納し、反対に前記所定位置
から台車３へ取り出す作業を行う。前記単体出庫
部５及び臨時出庫部６では、フアイルフオルダ格
納棚２１の所定位置から搬送台２３により取出し
たフアイルフオルダＦを各格納棚ユニツト２外へ
放出するものである。

前記単体出庫部５及び臨時出庫部６は、第１図
及び第３図に示すように、フアイルフオルダ格納
棚２１内の前部寄り位置の上下複数の棚部分を取
り払つた空間に各々形成されるもので、送り出し
部５１と該送り出し部５１下端から各格納棚ユニ
ツト２前面に開口するフアイルフオルダの放出口
５２まで連通する傾斜通路５３とからなり、前記
送り出し部５１の上端位置には、左右一対のガイ
ド部材５５，５５を配設し、該両ガイド部材５
５，５５にて、前記搬送台２３の左右一対の挟持
体２４，２４によつて挟持された状態にて挿入さ
れるフアイルフオルダＦの上端の左右側面をその
長手方向に沿つて案内する。該両ガイド部材５
５，５５の前端は前記挿入されるフアイルフオル
ダＦが入り易いように互いに離れる方向に湾曲形
成する。

また、前記搬送台２３は前記ガイド部材５５，
５５と平行に前後移動できるように支柱２２に沿
つて上下動自在なガイド棒２５，２５に摺動自在
に支持されている。

符号５６は前記一対のガイド部材５５，５５の
下方位置であつて傾斜通路５３の上端に隣接して
配設されう載置台で、該載置台５６はガイド部材
５５の長手方向を同方向に長く形成され、該載置
台５６の前後端枢軸５６１周りに回動自在に支持
され、フアイルフオルダ格納棚２１内に設けた制
御モータ５６２に取付くクランク５６３と前記載
置台５６下面から突出するアーム５６４とをリン
ク機構５６５にて連結し、図示しないセンサーに
より載置台５６にフアイルフオルダＦが載置され
たことを感知して前記制御モータ５６２を一回転
させて、載置台５６をその上面が前記傾斜通路５
３の上端方向に傾斜した後元の略水平状態に復帰
するように構成する。

符号５６６は前記載置台５６の下面に下向きに
突設した断面Ｌ字状のカバー体で、載置台５６が
略水平状あるとき傾斜通路５３上端の隙間を塞ぐ
ものである。また前記載置台５６の上面はこれに
載置するフアイルフオルダＦの下端縁がずれない
ように長手方向と略直角方向において中凹み状に
形成されており、左右両側には、凸条５６７，５
６７が形成されている。

そして、前記単体出庫部５では、第１図に示す
ように放出口５２の下端部に集積ボツクス５２１
を形成してあり、前記傾斜通路５３に沿つて滑り
落ちてくるフアイルフオルダＦは該集積ボツクス
５２１内に寝かした状態で溜ることになる。

他方、臨時出庫部６においては、第３図に示す
ようにその送り出し部５１と傾斜通路５３、並び
に載置台５６等の構造は前記単体出庫部５におけ
るものと同様であり、傾斜通路５３下端における
各格納棚ユニツト２前面に開口するフアイルフオ
ルダの放出口５２から、後述の搬送ベルト７上に
向かつて滑り台７１を配設してあり、この各滑り
台７１に沿つて寝かした状態にて滑り落ちてくる
フアイルフオルダＦは、搬送ベルト７に立てた状
態にて乗り移ることになる。

即ち、前記格納棚ユニツト２の前面に沿つて配
設された広巾の搬送ベルト７は、各臨時出庫部６
の下方位置に臨ませてあり、各臨時出庫部６の放
出口５２から搬送ベルト７上に向かつて滑り台７
１を配設し、この各滑り台７１の下端に一対のガ
イド板７２を立設すると共に、搬送ベルト７の上
方にその長手方向に沿つて配設する左右一対のガ
イドレール７３，７３の一端を前記各ガイド板７
２個所に、他端を搬送ベルト７の搬送終端部に届
くように沿設することにより、前記各臨時出庫部
６から放出されたフアイルフオルダＦを立てた状
態にて個別に搬送通路を形成する。

そして前記搬送ベルト７の搬送終端部に隣接し
て狭幅の移し替えベルトを前記搬送通路ごとにそ
の長手方向に沿つて配設するとともに該各移し替
えベルトの下方にはサイドコンベア８を、前記搬
送ベルト７による搬送方向と略直角方向に格納棚
ユニツト２の終端側部に沿つて後方向に沿設し、
前記各移し替えベルトごとにそれに乗つたフアイ
ルフオルダＦの長手側面下部を蹴つていわゆる足
払いし、サイドコンベア８にフアイルフオルダＦ
を寝かせた状態にして移し替える移し替え装置９
を設け、サイドコンベア８の移送終端部からシユ
ート部１０を経て集積ボツクス１１にフアイルフ
オルダＦを集積させるものである。

この構成において、台車３に入れたフアイルフ
オルダＦを入庫させるには、図示しない入力端末
器のライトペンにて、台車３のフアイルフオルダ
吊下げ部毎に付されたコードマークと各フアイル
フオルダＦに付されたコートマークとを交互に順
次読み取らせる。次に台車３を所定の格納棚ユニ
ツト２における左右いずれか一方の入出庫部４の
口に入れてセツトする。その後、前記入力端末器
の入庫スイツチを押すことにより、搬送台２３は
制御された作動に従つて、台車３内の各フアイル
フオルダＦをフアイルフオルダ格納棚２１，２１
における所定の位置に順次収納する。

前記入出庫部４の口内に入つている空の台車３
にフアイルフオルダＦを取り出すときは、前記入
力端末器の操作盤に必要なコードのデータを入力
し、次いで入出庫部４への取出し指令を与える
と、前記と逆の作動により所定のフアイルフオル
ダ格納棚２１の個所から搬送台２３にて挟持、取
出したフアイルフオルダＦを台車３内に運び入れ
る。

前記単体出庫部５及び臨時出庫部６にフアイル
フオルダＦを取り出すときには、前記入力端末器
の操作盤に必要なコードのデータを入力し、次い
で前記単体出庫部５又は臨時出庫部６のいずれか
一方への取出し指令を与えることにより、フアイ
ルフオルダ格納棚２１の所定位置から搬送台２３
の挟持体２４，２４によつて挟持されて取出した
フアイルフオルダＦを前記指令された出庫部にお
ける送り出し部５１の前面に位置させる。次い
で、ガイド棒２５，２５に摺動自在に支持された
搬送台２３が一対のガイド部材５５，５５の前面
に向かつて前進するとき、フアイルフオルダＦの
上端左右両側の外側が案内される一方、フアイル
フオルダＦの下端は載置台５６上に沿つて奥に入
る。

フアイルフオルダＦが載置台５６に載置され得
る状態を図示しない位置感知センサーにて感知す
ると搬送台２３における挟持体２４，２４が離れ
てフアイルフオルダＦは立つた状態にて載置台５
６に乗ることになる。載置台５６の上面等に設け
た接触センサーのスイツチON又は前記位置感知
センサーのONから適宜時間遅らせて制御モータ
５６を一回転させると、そのうちの前半の回動時
に第１図の一点鎖線で示すように載置台５６がそ
の長手方向と略直角方向に傾斜し、傾斜通路５３
の傾斜面と略等しくなるから、前記立つた状態の
フアイルフオルダＦはその下端が傾斜通路５３上
に乗り移るようにして滑り落ち、単体出庫部５で
は集積ボツクス５２１に溜り、随時フアイルフオ
ルダＦを取り出すことができる。制御モータ５６
２の後の半回転で載置台５６は元の水平状に復帰
する。

また、臨時出庫部６においては、滑り台７１か
ら搬送ベルト７に乗り、前述の移し替え装置９を
介してサイドコンベア８の移送終端部からシユー
ト部１０を経て集積ボツクス１１にフアイルフオ
ルダＦを集積させることができるのである。

これら出庫部において、送り出し部５１の載置
台５６とその上方の一対のガイド部材とによりフ
アイルフオルダＦは一旦立つた状態にて静止させ
ることができ、しかる後に載置台５６を傾動させ
るので、従来のように搬送台２３での挟持を解除
されたフアイルフオルダＦが直ちに傾斜通路５３
上に落下することによる落下衝撃を受けてフアイ
ルフオルダＦの内容物が散乱したり、落下の衝撃
でフアイルフオルダＦの傾き姿勢が乱れた傾斜通
路５３内でフアイルフオルダＦが詰つたりすると
いうことがなく、円滑にフアイルフオルダＦを取
り出すことができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は第５図
の−線で示す要部拡大断面図、第２図は第１
図の要部斜視図、第３図は第５図の−線で示
す要部拡大断面図、第４図はフアイルフオルダ取
出し収納装置の一部斜視図、第５図は装置全体の
正面図、第６図は平面図、第７図は右側面図であ
る。 １…フアイルフオルダ取出し収納装置、Ｆ…フ
アイルフオルダ、２…格納棚ユニツト、２１，２
１…フアイルフオルダ格納棚、２３…搬送台、２
４，２４…挟持体、３…台車、４…入出庫部、５
…単体出庫部、６…臨時出庫部、５１…送り出し
部、５２…放出部、５３…傾斜通路、５５，５５
…ガイド部材、５６…載置台、５６１…枢軸、５
６２…制御モータ、５６３…クランク、５６４…
アーム、５６５…リンク機構、５６６…カバー
体、７…搬送ベルト、７１…滑り台、８…サイド
コンベア、９…移し替え装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のフアイルフオルダを立てた状態にて所定
   位置に格納するフアイルフオルダ格納棚前面に、
   前記フアイルフオルダを一つづつ挟持して上下左
   右に制御移動する搬送台を配設し、該搬送台によ
   りフアイルフオルダを前記フアイルフオルダ格納
   棚の所定位置に収納し、且つフアイルフオルダ格
   納棚の所定位置から出庫部にフアイルフオルダを
   取り出すことができるように構成したフアイルフ
   オルダの自動取出し収納装置において、前記出庫
   部を搬送台からのフアイルフオルダを送り出す送
   り出し部と、該送り出し部下端からその下方のフ
   アイルフオルダ放出口に連通する傾斜通路とによ
   り構成し、前記送り出し部には、搬送台によつて
   挟持されたフアイルフオルダを当該送り出し部に
   挿入したときフアイルフオルダの上端部を倒れ不
   能に案内する左右一対のガイド部材を設け、該一
   対のガイド部材の下方には、前記挿入されたフア
   イルフオルダの下端をその長手方向に沿つて載置
   する載置台を前記傾斜通路の上端に隣接させて配
   設し、該載置台を、それに載置されたフアイルフ
   オルダの長手方向と略直角方向に前記傾斜通路に
   向かつて傾動するように構成したことを特徴とす
   るフアイルフオルダの出庫装置。