JPH0244910B2 - - Google Patents

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JPH0244910B2
JPH0244910B2 JP63154393A JP15439388A JPH0244910B2 JP H0244910 B2 JPH0244910 B2 JP H0244910B2 JP 63154393 A JP63154393 A JP 63154393A JP 15439388 A JP15439388 A JP 15439388A JP H0244910 B2 JPH0244910 B2 JP H0244910B2
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JP
Japan
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electrode
reaction tank
bipolar
electrolytic solution
plate
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JP63154393A
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Nobuo Oohashi
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Tokyo R&D Co Ltd
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Tokyo R&D Co Ltd
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Publication of JPH024993A publication Critical patent/JPH024993A/ja
Publication of JPH0244910B2 publication Critical patent/JPH0244910B2/ja
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、精密有機化学合成の中間体や医薬
品等の合成を行なう有機化合物合成の分野に使用
される反応槽であつて、特に有機化合物の合成に
電気化学的手段を応用した有機電気化学反応槽に
関するものである。
従来の技術 精密有機化学合成の中間体や医薬品等の合成に
おける化合物の製造工程中及び天然の化合物の変
性等においては、希望する成分のみ選択的に反応
させることが必要になる場合が多い。
しかし、薬品を用いた反応においては、不必要
な成分の反応が起こり、希望する構造の有機化合
物を得ることが出来なかつたり、その収率が著し
く低くて分離精製に多くの工程を要したり、事実
上合成が経済的に不可能になる場合もある。
そこで近年は、有機化合物の合成に電気化学的
手段を応用する技術として有機電気化学反応槽が
開発され、進歩して各方面に利用されるようにな
つてきている。例えば特公昭54−26230号公報に
記載された反応槽がそうである。この有機電気化
学反応槽によれば、希望する電位に調整し、活性
状態を保ちつつ有機物の合成反応を制御された条
件下で続けることが出来る。また、電極と溶媒を
選択することにより必要な成分だけ選択的に反応
させることも出来る。しかも反応物質の収率が従
来の化学薬品を用いた場合に比較して非常に高い
ので注目を集めており、次第に広い有機化学合成
分野に使用されはじめている。
従来の有機電気化学反応槽は、陽極と陰極を有
する反応槽から成り、この陽極と陰極には不浸透
性の金属板又はカーボン板を使用すると共にこれ
らは並列に配置し、導電性の溶媒又は混合液中に
被反応物を溶解した溶液(電解液)を両極間に流
して反応を行なわせる構成であつた。
本発明が解決しようとする課題 () 有機化合物を工業的に生産するためには、
被反応物を大量に収率良く短時間に反応を行な
わせるように設計された大型の有機電気化学反
応槽が必要となる。
しかし、有機電気化学反応槽を大型化する場
合には、電極も大型化しなければならないが、
この種の電気化学反応は使用電力の効率低下を
防ぐために電極間隔を一定以上に拡げられな
い。このため電極間を流れる電解液の流速が異
常に速くなり、電極表面での反応が十分に行な
われない場合が出てくる。また、電解液の流速
を広い電極全面において均等に保つことはむず
かしい。特公昭54−26230号公報に記載された
反応槽の場合もそうである。その結果、電極上
の電流密度にむらを生じ、反応が全面で均一に
起こらず、反応条件にむらを生じ、当然副反応
が多くなつて収率が下がるばかりか、生産性も
悪くなつてしまうという問題点があつた。
() また、従来の有機電気化学反応槽は、電極
が並列に配置され、かつ並列に接続された構成
であるため、電極の電源電圧は通常数ボルト程
度と低いが、電流は生産設備規模によつて負荷
に応じて数1000Aとなるから、各電極セルごと
に大きな端子を取り付けて大電流を供給する必
要が生じ、端子数ばかり多くなつて構造が複雑
になつている。のみならず、使用する直流電源
には大型の交直流変換機(整流器)が必要とな
り、設備費が非常に高くなつてしまう欠点があ
つた。
したがつて、本発明の目的は、反応電極表面
(被反応物の反応が進行する場所)におけるい
被反応物の流速を全面的に略一定に、かつ比較
的低い流速に保つことができ、また、電極の層
数が増えても電流の大きさは変らず、調和のと
れた電源設計ができ、構造が簡単で安価な有機
電気化学反応槽を提供することにある。
課題を解決するための手段 (第1〜7の発明) 上記従来技術の課題を解決するための手段とし
て、この発明に係る有機電気化学反応槽は、図面
に実施例を示したとおり、 反応槽内に陰極と陽極を備え、被反応物質を含
む電解液9を流通させて有機物を電気化学的に酸
化、還元、置換などの反応を行なわせる有機電気
化学反応槽において、 有機物を反応させる電極5,6は液浸透性の多
孔質板又は網状構造板で形成し、この液浸透性の
電極5,6の両側に電解液9の流通及び電解作用
に適切な間隔で該電極により仕切られた電解室1
7,18を形成し、被反応物質を含む電解液9は
電解室17を満たして液浸透性の反応電極5,6
の内部を直角方向(厚さ方向)にほぼ均等に通電
するように流通させることを特徴とする。
なお、上記の有機電気化学反応槽における液浸
透性の多孔質電極5,6は、カーボンフアイバー
繊維で補強された多孔質カーボン板又は金属繊維
状ないし粉末状金属から成る多孔質金属板とし、
そしてまた、これらは電気化学的反応を促進する
白金等の金属又は金属酸化物を担持させた構成と
したことをも特徴とする。
さらに、上記の有機電気化学反応槽は、対をな
す一方の電極6を液浸透性の多孔質板又は網状溝
造板で形成し、他方の電極5は不浸透性板で形成
するか、又は双方の電極5,6を共に液浸透性の
多孔質板ないし網状構造板で形成する。そして、
これら一対の電極板5,6は所定の間隔で平行に
並べ集電棒8により接続してバイポーラ電極を形
成し、このバイポーラ電極は反応槽内部を電解液
の流路として細かく仕切る形に多数略平行に、か
つ各々直列に接続して配列し、被反応物質を含む
電解液9は各バイポーラ間へ流入させて電極内部
を通過させた上で隣り合うバイポーラで形成され
た電解室17,18へ流入し流出口16より流出
させることを特徴とする。
あるいはまた、上記有機電気化学反応槽は、一
対をなす電極5,6を液浸透性の多孔質板又は網
状構造板で形成すると共にこれら一対をなす電極
板5,6は不浸透性の仕切り板12を間に挟んで
所定の間隔で平行に並べ各々集電棒により接続し
てバイポーラを形成している。そして、このバイ
ポーラは反応槽内部に仕切る形に、かつ隣り合う
もの同士の中間にイオン交換膜又は微多孔膜など
より成る隔膜を挟んで多数略平行に、かつ各々直
列に接続して配列し、被反応物質を含む電解液9
は各バイポーラ間の前記仕切り板で二つに仕切ら
れた電解室17,17へ個別に送り込み、電極内
部を通過させた上で反応物質を含む電解液は隣り
合うバイポーラ間の前記隔膜13で二つに仕切ら
れ電解室18,18′へ個別に流入し、流出口1
6から流出させることを特徴とする。
作 用 被反応物を含む電解液9は、第1図又は第4図
のように液浸透性の電極6(および5)の一側の
電解室17を満たして同電極6の内部を他側の電
解室18に向つて略直角な方向(電極の厚さ方
向)に全面的に通過させるので、被反応物の反応
電極上の流速は全面的に略一定の比較的低速度に
保つことができる。かくすることにより被反応物
を含む電解液が大量になつても副反応は起こり難
く、電流分布が均一になる。しかも電極上の反応
表面積を広く取れるため、同一の電極面積で大電
流を流すことが可能となり、効率よく反応を進め
ることが出来る。よつて、大型生産設備に適する
ことになる。また、第5図のように両電極板5,
6の間に仕切り板12を挟み、隣り同士のバイポ
ーラの間にイオン交換膜又は微多孔質の隔膜13
を挟むことにより2種類の電解液をほとんど混合
させることなく両電極5,6の内部に通過する電
解液の流路は陰極用と陽極用の二つに分離独立さ
れる。したがつて、陰極上での還元反応と、陽極
上での酸化反応とを各電極室内で分離して同時に
行なわせられる。このため必要な場合には酸化生
成物及び還元生成物を別々に一挙に得ることがで
き、電力を約2倍に活用できる。
次に、第2図のように反応槽内の電極5,6は
全て直列に接続されているため、電圧は高くなる
が電流は電極積層数が増加しても増えない。即
ち、電気化学反応の1セル内の電圧は数ボルトで
あるため、電極が10セル積層されると積層後の端
子間電圧は数10ボルトとなるが、この程度に電圧
を高めることにより、電流を増やさずに済むため
調和の取れた電源設計が出来る。つまり、交直流
変換機(整流器)を製造する費用のほとんどは、
電流の大きさにより決るため、本発明は経済性を
高めることに非常に有効な手段となる。
また、反応槽の外部に突出する端子1,2は最
外層を構成するバイポーラの陰極および陽極に接
続された集電端子板3,4に取り付けた2個だけ
であり、大電流用に作られた大きな端子をいくつ
も取り付けずに済むため、やはり費用を低減出来
るし、構造も簡単になる。
実施例 次に、図示した実施例を説明する。
まず第1図は、対をなす一方の電極6を液浸透
性の多孔質板又は網状構造板で形成し、他方の電
極5は通常の不浸透性板で形成した有機電化学反
応槽を示している。
上記液浸透性の電極6の材料としては、金属製
およびカーボン製のものが採用される。金属製と
してはチタン、ジルコン、ニオブ、鉛、金、白
金、鉄、コバルト、ニツケル、ステンレスなどよ
りなる多孔質板又は網状構造板が用いられる。金
属性多孔質板は、金属粒又は金属繊維を温度を上
げて圧縮することにより製造される。
カーボン製としては熱硬化性樹脂を無酸素状態
で焼成し、カーボン化したカーボン板を使用でき
るが、それを大形化するにはカーボンフアイバー
で補強した板等が用いられる。多孔質板又は網状
構造板の液浸透孔の孔径は数は数ミクロン〜数ミ
リメーターの範囲でよく、こうした微孔が電極全
面に均一に分布しているものが良い。より好まし
くは孔径が数10ミクロン〜数100ミクロンの孔が
良い。
多孔質電極にはまた、触媒を担持させると、有
機物の反応を促進させるという好ましい結果が得
られる。必要に応じて電極原料の中に触媒粉末を
混合することにより担持させることが出来る。ま
た、電極を触媒化合物を含む溶液に含浸した後で
熱分解することで担持させることも出来る。通常
は白金ルテニウム、バラジウム、イリジウム、チ
タン、バナジウム、銀、鋼、ニツケル、コバル
ト、モリブデン、マンガンなどの金属又はその酸
化物が触媒として好適に用いられる。
上記一対の電極板5,6は、第2図のように被
反応物を含む電解液9の流通及び電解作用に適切
な間隔(例えば3mm位)をあけて平行に並べ、導
電性の集電棒8,8により接続してバイポーラが
形成されている。バイポーラを形成する一対の電
極5,6は、電解液9の流入口15側を開放した
ままその奥側端部を支持枠7で一体的に結合され
ている。
支持枠7は、電極5,6を支持してバイポーラ
を構成する枠体であり、電極の積層単位となる。
また、電解液9の外部への液漏れ防止シール及び
内部でのシールもこの支持枠7で行なわれる。支
持枠7の材質は、使用する溶媒被酸化物及び生成
物などの種類により、それに十分耐える材質のプ
ラスチツク、例えばPVC、PTF、PVDF、PE、
PP、ABS等の合成樹脂やそれらの共重合体、又
はブレンド組成の合成樹脂の射出成形品又は切削
加工品として作られている。
支持枠7による液封シールに使用されるパツキ
ンの種類も、使用される溶媒に対して耐食性のあ
るエラストマーなどが目的に応じて使用されてい
る。
上記構成のバイポーラを構成する一対の電極
5,6は、反応槽の内部を電解室となるように細
かく仕切る形で多数略平行に配列されている。そ
して、電解液9の流出口16側を開放したままそ
の奥側端部を支持枠7で一連的に結合して設置さ
れている。
こうしてバイポーラを形成する一対の電極5,
6の間が電解液9で満たされる電解室17に形成
されている、流入口15から電解室17へ入つた
電解液9は、液浸透性の電極6の内部を通過して
電解室18に至り流出口16から流出するのであ
り、電極6を通過する際に電解液9に含まれた被
反応物(有機物の原料や生成物)の合成反応が進
行される。
各電極への流入口15…は、反応槽の端板19
で仕切られた共通入路20から分岐する形とされ
ている。端板19に電解液9の流入口10が設け
られており、ここに被反応物を含む電解液9が供
給される。他方、各電極からの流出口16…は、
やはり反応槽の端板21で仕切られた共通流出路
22へ合流する形とされている。端板21に電解
液9の流出口11が設けられ、反応物を含む電解
液9はここから流出される。
また、左右両端部の電極5,5は、各々集電端
子板3,4と接続されており、その集電端子板
3,4に1個ずつの端子1,2を突設し、ここに
負荷電流(直流)が供給されるようになつてい
る。
ちなみに、上記構成の有機電気化学反応槽A
は、第3図に例示したように電解液9の循環系に
組入れて使用される。というのも、被反応物質た
る原料や生成物を導電性溶剤中に溶解して均一溶
液とした電解液9を反応電極へ供給しても、1サ
イクルだけでは反応の転換率が低く不十分であ
り、繰返しリサイクルする必要性が大きいからで
ある。
第3図の循環系は貯液槽Bと循環ポンプPとか
ら成り、貯液槽Bの電解液9を循環ポンプPで導
き出し、管路Cを通じて反応槽Aの入口10へ供
給される。また、反応槽Aの出口11から流出し
た反応物を含む電解液9′は、管路Dを通じて貯
液槽Bへ戻す。反応槽Aへ供給する電解液9の流
量調節は調整弁E,E′にて行なう。E′は戻し管路
の調整弁である。反応中に副生するガスはガスバ
ルブFを調節して外部へ排出する。副生したガス
を外部へ排出するために外部からガスポンプP′や
調整弁F′にて空気や不活性ガスを送り込む場合が
ある。
上述のように電解液を反応槽Aに循環させ、か
つ反応槽Aの電極5,6に直流電源の通電を行な
うと、有機物の合成反応が顕著に進行し、次第に
電解液中の反応生成物濃度が増加してくる。そこ
で目的とする反応生成物濃度が狙いの濃度に達し
た時点で、反応操作を停止し、精製して、目的生
成物を抽出するのである。
上記構成の有機電気化学反応槽を使用して合成
反応を行なつた結果を以下に説明する。
一層の電極面積が320cm2のカーボンフアイバー
補強多孔質グラフアイト陽極、及び同面積の緻密
グラフアイト板よりなるバイポーラ電極を3層直
列に接続した上記反応槽を用い、第3図に示した
循環系の接続をした。この反応槽Aは12の容量
を持ち内部冷却装置を備えている。
反応槽A内にパラメントキシトルエン244g
(2mol)、リン酸ジブチルエステル84g
(0.4mol)、トリエチルアミン40g(0.4mol)、メ
タノール8を混合溶解した電解液を入れ、第3
図のポンプPにて2/minで循環させた。
反応槽Aには27Vで10Aの電流を流した。発生
する主として水素より成るガスは外部より少量ず
つ供給する窒素と共に外部に排出した。反応が進
むにつれ発生する熱は貯槽を約40〜45℃に保つよ
うに冷却することで外部へ除去した。
上記の条件下で8時間反応を行なつた。この場
合次の反応が進行する。
反応終了後に混合生成物を生成し、280gの生
成物(ロ)を得た。その収率は約80%であつた。
第2の実施例 第4図に示した有機電気化学反応槽は、一対を
なす電極5,6が共に液浸透性の多孔質板又は網
状構造板で形成されていることが特徴である。そ
の他の構成は上記第1実施例の構成とほとんど同
じである。
したがつて、本実施例の場合、流入口15から
バイポーラで形成する電解室17へ入つた被反応
物を含む電解液9は、バイポーラ電極5,6の内
部をともに通過して、隣り同士のバイポーラ間に
形成された電解室18へと至り、流出口16から
流出する。よつて、第1実施例に比して電極5,
6の反応表面積は倍増され、電極5,6を通過す
る電解液9の反応流速は約1/2に低下する。逆に
流量が約2倍の電解液9でも、電極5,6に対し
て同じような表面流速条件で反応処理することが
でき、副反応は起こり難い。また、電流分布が均
一になり、反応表面積を広くとれるため、同一の
電極面積で大電流を流すことが可能となり、効率
良く反応を進めることができ、大型生産設備に適
するものとなる。
特に、この反応槽は、陽極での酸化反応と、陰
極での還元反応の両方を同時に有効に実施でき、
酸化生成物及び還元生成物の間に相互作用がな
く、混合することが許されるような反応にさせる
効果が大きい。
第3の実施例 第5図に示した有機電気化学反応槽は、一対を
なす電極5,6を液浸透性の多孔質板又は網状構
造板で形成すると共に、これら一対をなす電極板
5,6は不浸透性の薄い導電性仕切り板12を中
間に挟んでほぼ左右等間隔の配置で平行に並べ、
各々集電棒8,8により接続してバイポーラを形
成している。そして、このバイポーラは、隣り合
う同士の中間に導電性のイオン交換膜(陽イオン
交換膜又は陰イオン交換膜)又は微多孔膜等より
成る隔膜13を挟んでほぼ左右等間隔の配置で多
数略平行に配列されている。
バイポーラを形成する一対の電極5,6及び仕
切り板12は、電解液9a,9bの流入口15,
15′側を開放し、その奥側端部を支持枠7で液
封状態にシールして一体的に結合されている。つ
まり、バイポーラを形成する一対の電極5,6の
間は、仕切り板12によつて二つの独立した電解
室(陽極電解室と陰極電解室)17,17′に形
成され、この二つの流入部17,17′は個別に
独立した流入口(陽極側流入口と陰極側流入口)
15,15′を有し、各々には2種の電解液9a,
9bが供給されるようになつている。
一方、隣り同士のバイポーラの間に形成される
電解室も、隔膜13によつて二つの独立した電解
室(陽極電解室と陰極電解室)18,18′に形
成され、かつ各々独立した出口部(陽極液流出口
と陰極液流出口)16,16′を有している。
つまり、流入口10,15から流入口17へ入
つた被反応物を含む電解液(陽極液)9aは、電
極5の内部を通過して、隔膜13により仕切られ
た電解室18へ至り、流出口16,11を矢印9
a′のように流出する。電極5を通過する際に被反
応物の反応が進められる。
他方の流入口10′,15′から流入口17′へ
入つた被反応物を含む電解液(陰極液)9bは、
電極6の内部を通過して、隔膜13により仕切ら
れた電解室18へ至り、流出口16′,11′を矢
印9b′のように流出するのである。電極6を通過
する際に被反応物の反応が進められる。
従つて、本実施例の有機電気化学反応槽を使用
する際には、第3図に例示した電解液循環系は、
陽極液循環系と陰極液循環系の2系統を使用し、
各系統を流入口10と流出口11及び流入口1
0′と流出口11′にそれぞれ接続して使用する。
本実施例のように、導電性の仕切り板12と隔
膜13を使用して陽極液循環路と陰極液循環路と
を背中合せの関係で分離独立せしめた構成の反応
槽は、陽極の酸化反応及び陰極の還元反応を同時
に進行させ、かつ両極の被反応物、反応生成物が
相互に反応し混合することは許されない場合に好
適に使用できる。
なお、隔膜13としてイオン交換膜を使用した
場合には、イオン交換による導電は行なわれる
が、両電解液の混合は起こらない。微多孔質隔膜
を使用した場合には、両電解液の混合を極力防止
するのであり、両液間のイオンの移動は行なわれ
る。
本発明が奏する効果 以上に実施例と併せて詳述したとおりであつ
て、この発明に係る有機電気化学反応槽は、電極
5,6に援浸透性の多孔質電極を用い、被反応物
を含む電解液9は液浸透性の電極5,6で仕切ら
れた一側の電解室17を満たし他側の電解室18
に向つて反応電極5,6の内部を通過させ反応が
進行する場合での被反応物の流速を一定速度に保
つ構成としたから、被反応物を含む電解液9が大
量になつても副反応は起こり難い。そして、電流
分布が均一になるし、電極の反応表面積を広く取
れるため、同一の電極面積で大電流を流すことが
可能となり、効率よく反応を進めることが出来
る。しかも多孔質電極上に触媒作用を有する金属
又は金属酸化物を担持させたり、触媒作用をする
金属網電極を使用することにより、更に反応を効
率良く行なわせることが出来、大型生産設備には
適するものとなる。
本発明はまた、電極5,6の反応槽内で直列に
接続された構成であるため、多数の電極が積層さ
れた場合の端子間電圧は各電極間電圧の積層数倍
にはなるが、電流は電極積層数がいくら増加して
も増大しない。即ち、電圧を高めることにより、
電流を増やさずにすむため、調和の取れた電源設
計が出来る。ちなみに交直流変換器(整流器)を
製造する費用のほとんどは電流の大きさにより決
まるため、この発明のように電流の増大を防ぐこ
とが出来ることは特に工業用設備において経済的
で非常に有効な手段となる。
また、反応槽の外部に突き出る端子1,2は積
層電極の両端のものだけであり、大電流用に作ら
れた大きな端子をいくつも取付けずに済むため、
費用の低減が出来るし、構造も簡単になるのであ
る。
本発明は、電気化学反応設備を小形化し、かつ
製作費を低減できるばかりでなく、従来限られた
有機合成化学に用いられていた電気化学的合成を
広い範囲に応用、利用可能にするものであり、工
業的に大きな役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例としての有機電
気化学反応槽の構造を一部省略して示した断面
図、第2図は第1図の−矢視断面図、第3図
は前記反応槽と電解液循環系とを結合した系統
図、第4図と第5図はこの発明の第2、第3実施
例たる有機電気化学反応槽の構造を一部省略して
示した断面図である。 9,9a,9b……被反応物を含む電解液、
5,6……電極、8……集電棒、17……電解
室、18……電解室、12……仕切り板、13…
…隔膜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 反応槽内に陰極と陽極を備え、被反応物質を
    含む電解液を流通させて有機物を電気化学的に酸
    化、還元、置換などの反応を行なわせる有機電気
    化学反応槽において、 有機物を反応させる電極は液浸透性の多孔質板
    又は網状構造板で形成されており、この液浸透性
    の電極の両側に電解液の流通及び電解作用に適切
    な間隔で該電極により仕切られた電解室が形成さ
    れており、被反応物質を含む電解液は電解室を満
    たして液浸透性の反応電極内部を直角方向に通過
    するように流通させることを特徴とする有機物電
    気化学反応槽。 2 液浸透性の多孔質電極は、カーボンフアイバ
    ー繊維で補強された多孔質カーボン板であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載した有
    機電気化学反応槽。 3 液浸透性の多孔質電極は、金属繊維状又は粉
    末状金属から成る多孔質金属板であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載した有機電気
    化学反応槽。 4 液浸透性の多孔質電極は、電気化学的反応を
    促進する白金等の金属又は金属酸化物の触媒を担
    持させた構成であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項又は第2項又は第3項に記載した有機
    電気化学反応槽。 5 対をなす一方の電極は液浸透性の多孔質板又
    は網状構造板で形成し、他方の電極は不浸透性板
    で形成されていると共にこの一対の電極板は所定
    の間隔で平行に並べ集電棒により接続してバイポ
    ーラを形成してあり、このバイポーラが反応槽内
    部を仕切る形に多数略平行に、かつ各々直列に接
    続して配列されており、被反応物質を含む電解液
    は各バイポーラ間へ流入させ、反応電極内部を通
    過させ、隣り合うバイポーラの間から流出させる
    ことを特徴とする特許請求第1項又は第2項又は
    第3項又は第4項に記載した有機電気化学反応
    槽。 6 一対をなす電極は液浸透性の多孔質板又は網
    状構造板で形成されていると共にこの一対をなす
    両電極板は所定の間隔で平行に並べ集電棒により
    接続してバイポーラを形成してあり、このバイポ
    ーラが反応槽内部を仕切る形に多数略平行に配列
    されており、被反応物質を含む電解液は各バイポ
    ーラ間へ流入させ、電極内部を通過させ、隣り合
    うバイポーラの間から流出させることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項又は第2項又は第3項又
    は第4項に記載した有機電気化学反応槽。 7 一対をなす電極が液浸透性の多孔質板又は網
    状構造板で形成されていると共にこれら一対をな
    す電極板は不浸透性の仕切り板を中間に挟んで所
    定の間隔で平行に並べ各々集電棒により接続して
    バイポーラを形成してあり、このバイポーラは反
    応槽内部を仕切る形に、かつ隣り合うもの同士の
    中間にイオン交換膜又は微多孔膜などより成る隔
    膜を中間に挟んで多数略平行に、かつ各々直列に
    接続して配列されており、被反応物質を含む電解
    液は各バイポーラ間の前記仕切り板で二つに仕切
    られた電解液流入部へ個別に送り込み、電極内部
    を通過させ、反応物質を含む電解液は隣り合うバ
    イポーラ間の前記隔膜で仕切られた二つの電解液
    流出部から個別に流出させることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項又は第2項又は第3項又は第
    4項に記載した有機電気化学反応槽。
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