JPH08260177A - 固体高分子電解質膜を用いる水の電気分解槽 - Google Patents

固体高分子電解質膜を用いる水の電気分解槽

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JPH08260177A
JPH08260177A JP7064440A JP6444095A JPH08260177A JP H08260177 A JPH08260177 A JP H08260177A JP 7064440 A JP7064440 A JP 7064440A JP 6444095 A JP6444095 A JP 6444095A JP H08260177 A JPH08260177 A JP H08260177A
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cathode
water electrolysis
electrolysis cell
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Shoji Maezawa
彰二 前澤
Chikashi Inasumi
近 稲住
Moritaka Kato
守孝 加藤
Hiroaki Mori
浩章 森
Keisuke Oguro
啓介 小黒
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 両端に配された陽極主電極(1) および陰極主
電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直列に配され
た複数の単位セルと、これらを一体化する締め付け具と
を具備し、1つのセルは、複極板(9) の陽極側と、チタ
ン基材およびチタン繊維層を拡散接合してなる陽極給電
体(7) と、固体高分子電解質膜からなる電極接合体膜
(3) と、チタン基材を白金メッキしてなる陰極給電体
(8) と、隣の複極板(9) の陰極側からなり、陰極給電体
(8) と複極板(9) と陽極給電体(7) とが一体化されてい
ることを特徴とする、固体高分子電解質膜を用いる水電
解槽である。 【効果】 陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) とが一体化されているので、上記部材が別体である
ものに比べ、セル電圧を低下させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子電解質膜を用い
る水素および酸素製造のための水電解槽に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子電解質膜を用いて水電解に
よって水素および酸素を製造する場合のフィルタープレ
ス式水電解槽の構造は、図8に示すように、両端に配さ
れた陽極主電極(1) および陰極主電極(2) と、これら主
電極(1) (2) の間に直列に配された複数の単位セルと、
これらを一体化する締め付けボルトおよびナットとから
主として構成されている。1つのセルは、複極板(9) の
陽極側、陽極給電体(7)、電極接合体膜(3) 、陰極給電
体(8) および隣の複極板(9) の陰極側からなり、電極接
合体膜(3) は、イオン交換膜(4) とその両面に設けられ
た触媒電極層(5)(6)とからなる。単位セルの個数は、商
業規模の電解槽では、80から600である。
【0003】上記構成の電解槽において、水は電解槽下
部の給水ヘッダー(10)から各単位セル内に供給される
と、触媒電極層(5)(6)の表面で、陽極側では酸素、陰極
側では水素がそれぞれ発生する。発生した酸素および水
素はそれぞれ多孔質の給電体(7)(8)を通って複極板(9)
の陽極側および陰極側に達し、更に複極板に設けられた
垂直流路を通って電解槽上部に達し、電解槽上部の酸素
ヘッダー(11)および水素(12)を通って外部に排出され
る。
【0004】これらの構成部材の中で、最も過酷な条件
を要求されるのは、複極板(9) である。つまり、材質的
な条件としては、電導率が良いことはもちろん、陽極側
では酸化性雰囲気、陰極側では還元性雰囲気という全く
逆の条件が1つの材料に要求される。更に構造的な条件
としては、給電体(7) (8) に電流を一様に伝えること、
並びに供給水および発生したガスを均一に流せる流路が
確保できることといった機能が要求される。このような
条件を満足するものとして、現状では、純チタンを機械
加工またはプレス加工したものの表面を白金メッキした
ものや、カーボンをモールディングしたものが用いられ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
のうち、チタンの機械加工により複極板を作製する方法
では、次のような問題があった。
【0006】(1) 表面を精度よく加工することが難し
く、特に大型のものでは著しく難しい。
【0007】(2) 両面を精度よく加工しなくてはならな
いため、板厚が厚くなる。
【0008】(3) コストが高いため、複雑な形状に加工
することは経済的にできない。
【0009】また、チタンのプレス加工により複極板を
作製する場合、次のような問題があった。
【0010】(4) 純チタンをプレス加工する場合、チタ
ンの曲げ係数(Bend factor)が大きいため、複極板の流
路の幅が大きくなり、かつ複雑な加工ができないので、
結果的には、給電体への電力の供給および電極への水の
供給が均一にならない。
【0011】また、カーボンをモールディングして複極
板を作製する場合、次のような問題があった。
【0012】(5) カーボンは脆いため、大型のものは製
造が困難であり、取扱いが難しい。
【0013】(6) 板厚は、機械加工したものと同程度に
なる。
【0014】(7) チタンの成形とカーボンの成形および
密着工程という複雑な工程が必要であり、コスト高を招
く。
【0015】更に、これら3つの方法に共通する問題点
として、下記の点が挙げられる。
【0016】(8) 運転中の給水ヘッダーおよび排ガスヘ
ッダーの圧力勾配により、複数のセルに均一の水を供給
することが難しい。このため水の供給不足により膜がダ
メージを受けることがあった。これは、高電流密度で運
転することが大きな特徴である高分子電解質膜を用いる
電解槽では、特に大きな問題点である。
【0017】(9) 1基の電解槽は、複極板(9) 、陽極給
電体(7) および陰極給電体(8) を各々80〜600枚備
え、これらを複数の通しボルトで締め付けることにより
一体構造としているが、それら3枚を重ねることにより
平行度が悪くなり、電極接合体(3) を均一に圧縮するこ
とができず、セル電圧の上昇の原因となる。またそれら
3枚の相互間に接触抵抗が生じ、これもセル電圧の上昇
を招く。
【0018】本発明は、上記のような問題点を解決すべ
く工夫されたもので、組立時の労力の低減、セル抵抗の
低減および設備のコンパクト化により、製造コストを大
幅に低下させるとともに、電解槽内の流体の流れを均一
にすることにより、膜の長寿命化を達成することをその
目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、電解槽をチタン合金の薄板を用いて超塑
性加工した複極板、チタン基材(マイクロメッシュ、フ
ォトエッチ処理、パンチングプレート)とチタン繊維層
とを拡散接合して成形した陽極給電体、およびチタン基
材を白金メッキして水素脆化を防止した陰極給電体を組
み合わせて一体化した構成物を用いることによって上記
課題が解決されることを知見し、本発明を完成するに至
った。
【0020】本発明による水電解槽は、両端に配された
陽極主電極(1) および陰極主電極(2) と、これら主電極
(1) (2) の間に直列に配された複数の単位セルと、これ
らを一体化する締め付け具とを具備し、1つのセルは、
複極板(9) の陽極側と、チタン基材およびチタン繊維層
を拡散接合してなる陽極給電体(7) と、固体高分子電解
質膜からなる電極接合体膜(3) と、チタン基材を白金メ
ッキしてなる陰極給電体(8) と、隣の複極板(9) の陰極
側からなり、陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) とが一体化されていることを特徴とするものであ
る。
【0021】陽極給電体(7) のチタン基材としてはマイ
クロメッシュ、フォトエッチ処理、パンチングプレート
などが例示される。
【0022】陰極給電体(8) のチタン基材としてはやは
りマイクロメッシュ、フォトエッチ処理、パンチングプ
レートなどが例示される。陰極給電体(8) のチタン基材
を白金メッキすることにより水素脆化が防止されてい
る。
【0023】締め付け具としては、両端に配されたフラ
ンジを連結するボルト・ナットが一般的である。
【0024】電解槽の形状は、操業圧力を高める点では
円筒型であることが好ましい。角型の電解槽も使用でき
るが、この場合にはこれを圧力容器内に収納することが
好ましい。
【0025】複極板(9) は好ましくは超塑性加工物から
なる電極部と樹脂からなる外縁部とが一体成形されたも
のである。外縁部を構成する樹脂としては、耐熱性耐薬
品性のあるフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン
樹脂等が好ましい。
【0026】陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) との一体成形物は、超塑性加工による複極板(9) の
成形と、陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)
の拡散接合とを同時に行うことによって得ることが好ま
しい。
【0027】陽極給電体(7) と複極板(9) の拡散接合に
よる一体成形を行うに当たり、通常は、複極板(9) にチ
タン基材を配し、同基材にチタン繊維層を配する。
【0028】陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) の一体成形物を得た後で、陰極給電体(8) のチタン
基材を白金メッキすることが好ましい。
【0029】電極接合体膜(3) と陰極給電体(8) との間
に多孔質カーボン薄板を設けることもある。
【0030】陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) との一体成形物は、チタン基材とチタン繊維層とを
拡散接合して陽極給電体(7) を成形し、ついで陽極給電
体(7) と複極板(9) とを拡散接合するという2段階で得
たものであってもよい。
【0031】複極板(9) の各ヘッダーの外周に設けられ
たリング状の多孔質スペーサー(25)は、空隙率または幅
を調整したものであることが好ましい。例えば、多孔質
スペーサー(25)の空隙率は入口側から出口側に徐々に大
きくなるような、また幅が入口側から出口側に徐々に小
さくなるような、勾配を形成することが好ましい。
【0032】
【作用】本発明による水電解槽では、陰極給電体(8) と
複極板(9) と陽極給電体(7) とが一体化されているの
で、上記部材が別体であるものに比べ、各部材間の電気
抵抗を全くまたは殆どなくすることができ、これにより
セル電圧を低下させることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0034】実施例1 図1に最も代表的な角型のフィルタープレス式水電解槽
の分解構造図を示す。フィルタープレス式水電解槽の構
造は、前述したように、両端に配された陽極主電極(1)
および陰極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に
直列に配された複数の単位セルと、これらを一体化する
各4本の締め付けボルトおよびナットとから主として構
成されている。1つのセルは、複極板(9) の陽極側、陽
極給電体(7) 、電極接合体膜(3) 、陰極給電体(8) およ
び隣の複極板(9) の陰極側からなり、電極接合体膜(3)
は、イオン交換膜(4) とその両面に設けられた触媒電極
層(5)(6)とからなる。単位セルの個数は、商業規模の電
解槽では、80から600である。
【0035】上記構成のフィルタープレス式水電解槽に
おいて、陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)
とは、超塑性加工による複極板(9) の成形と、陰極給電
体(8) と複極板(9) と陽極給電体(7) の拡散接合とを同
時に行うことによって、一体成形されている。陽極給電
体(7) は、図2に示すように、複極板(9) に接するマイ
クロメッシュ・チタン基材(7')と外側で電極接合体膜
(3) に接するチタン繊維層(7″)とからなる。
【0036】陽極給電体(7) と複極板(9) の拡散接合に
よる一体成形を行うに当たり、複極板(9) に陽極給電体
(7) 用のチタン基材を配し、ついで同基材にチタン繊維
層を配した。
【0037】陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) の一体成形物を得た後で、陰極給電体(8) のチタン
基材を白金メッキして水素脆化を防止した。
【0038】電極接合体膜(3) と陰極給電体(8) との間
には、図示省略の多孔質カーボン薄板が設けられてい
る。
【0039】なお、図1において、(21)はフランジ、(2
2)はノズルプレート、(23)は絶縁パッキン、(24)はOリ
ングガスケット、(25)は多孔質スペーサー、(26)はシー
ルガスケットをそれぞれ示す。
【0040】図3は複極板(9) の平面図を示し、図4は
図3中のa−a断面、図5はb−b断面、図6はc−c
断面および図7はd−d断面をそれぞれ示す。この例で
は、複極板(9) は一枚のチタン合金板を超塑性加工する
ことにより一体成形したものであり、複極板として要求
される条件をすべて満足している。つまり、図3中のa
−a断面では、図4に示されるように、電極接合体膜
(3) と陽極給電体(7) と陰極給電体(8) は、複極板(9)
の山部および谷部の間隙がおおむね1〜3mmとなり、
山と谷が交互に組み合わされるような構造になされたも
のであり、この構造により両給電体(7)(8)の接触が維持
され、且つセルの弾力性が得られる。また、陽極側およ
び陰極側の谷部がそれぞれ酸素および水素の上方への流
路となっている。図4では、山部と谷部の比率が等しく
なっているが、山部と谷部の間隔を超塑性加工において
離型しやすい比率にすることも可能である。複極板(9)
の外周部に設けられた凹条(27)は、シールのためのOリ
ングガスケット(24)の嵌込み溝である。複極板(9) の上
下の部分は、流体が上下左右に自由に流動でき且つ電極
接合体膜(3) を均一にサポートする機能が要求される部
分である。この実施例では、図3中のb−b断面を示す
図5のように、略立方体の多数の突起によって電極接合
体膜(3) を両面からサポートし、それ以外の部分が流路
として機能する。
【0041】図3において、複極板(9) の下部の孔は給
水ヘッダー(10)であり、上部左側の孔は酸素ヘッダー(1
1)である。これらのヘッダーは、図6に示される断面の
ように加工することにより、水を陽極側に供給し、発生
した酸素を酸素ヘッダー(11)に排出する。図6および図
7において、複極板(9) の各ヘッダーの外周には、複極
板(9) と電極接合体膜(3) との間に多孔質スペーサー(2
5)が介在され、電極接合体膜(3) ともう1つの複極板
(9) との間にシールガスケット(26)が介在されている。
また、複極板(9) の上部右側の孔は水素ヘッダー(12)
で、この部分は、図7に示される断面のように加工する
ことにより、発生した水素を水素ヘッダー(12)に排出す
る。複極板(9) の中央部の電極部分では、流体が均一に
流れることが望ましい。偏流があると、極端な場合その
部分がドライになり、膜の損傷を来たすといった事故の
原因になる。この構造では、複極板(9) の上下部分に略
立方体の多数の突起を形状すること、およびその分布を
流体力学的に設計することにより、いっそう均一な流れ
を実現することが可能である。更に、水電解槽の各セ
ル、具体的には入口ヘッダーおよび出口ヘッダーに設置
するリング状の多孔質スペーサー(25)の空隙率または幅
を調整することにより、各セルへの水の流入量を均一に
することができる。このような構造を採用すると、単位
セルの厚さは2〜3.5mm程度となる。
【0042】つぎに、上記構成の水電解槽の作用を説明
する。
【0043】先ず電解槽下部の給水ヘッダー(10)から供
給された水は、多孔質の陽極給電体(7) を通って、電極
接合体膜(3) の陽極側触媒電極層(図8における(5) )
に達する。ここで付加された電力により水の電気分解反
応が起こり、酸素が発生する。発生した酸素は陽極給電
体(7) を通り、陽極側電極に設けられた垂直流路内を未
反応の水とともに上昇し、複極板(9) の酸素ヘッダー(1
1)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通って酸
素ヘッダー(11)に排出される。一方、電極接合体膜(3)
の陰極側触媒電極層(図8における(6) )表面で発生し
た水素とイオン交換膜(図8における(4) )を透過した
水は、多孔質の陰極給電体(8) を通り、陰極側電極に設
けられた垂直流路内を上昇し、複極板(9) の水素ヘッダ
ー(12)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通っ
て水素ヘッダー(12)に排出される。
【0044】上述の説明は、電解槽を水平に設置する場
合に付いてのものであるが、電解槽を垂直に設置する場
合も効果は同様である。
【0045】実施例2 実施例1では水電解槽の形状は角型であったが、この実
施例では水電解槽の形状を円筒型とした。その他の構成
は実施例1のものと同じである。
【0046】角型の水電解槽は、10kg/cm2 以下
の比較的運転圧力の低い条件でしか採用できないが、水
電解槽の形状を円筒型にすることにより、30kg/c
2程度の運転圧力にも耐えられる水電解槽を製作する
ことができる。
【0047】実施例3 実施例1の水電解槽では、複極板(9) は全体をチタン合
金で一体成形したものであるが、導電性が要求されるの
は電極部だけであり、その周囲部は水、酸素および水素
をそれぞれ通す孔を有し、導電性は必要ではなく、むし
ろ導電性がない方が操業上好ましい。
【0048】そこで、この実施例では、複極板(9) は、
超塑性加工物からなる電極部とフッ素樹脂からなる外縁
部とが一体成形されたものである。その他の構成は実施
例1のものと同じである。
【0049】
【発明の効果】本発明による水電解槽は以上の如く構成
されているので、下記の効果を奏することができる。
【0050】請求項1による水電解槽では、陰極給電体
(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)とが一体化されてい
るので、上記部材が別体であるものに比べ、セル電圧を
低下させることができる。
【0051】また、陰極給電体(8) は、白金メッキした
チタン基材で構成されているので、水素脆化を避けるこ
とができる。
【0052】そして、各セルへの水の供給量およびガス
の抜き出し量を均一にすることができ、電解槽を高電流
密度で安定して運転することができ、効果的な長期運転
が可能となる。
【0053】また、単位セルの厚さを、従来のものの1
/3以下、例えば3〜3.5mmにすることができる。
その重量は、機械加工した場合と比べると、約1/30
である。電極室体積は、従来の商業アルカリ水電解槽
(電流密度20A/dm2 )の1/16以下、高分子電
解質を用いた従来の電解槽(電流密度100A/d
2)の1/3以下になる。このように、電解槽をコン
パクト化し、装置の製作費を節減することができる。
【0054】請求項2による水電解槽は円筒型であるの
で、操業圧力を高めることができる。
【0055】請求項3による水電解槽では、複極板(9)
は超塑性加工物からなる電極部と樹脂からなる外縁部と
の一体成形物であるので、電極部のみが導電性を有する
ものとなり、本電解槽によると、操業を容易に行うこと
ができる。
【0056】請求項4による水電解槽では、陰極給電体
(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)とが拡散接合により
一体成形されているので、セル電圧を低下させることが
できると共に、組立の作業性を向上させることができ
る。
【0057】請求項5による水電解槽では、陰極給電体
(8) と複極板(9) の拡散接合による一体成形において、
複極板(9) にチタン基材を配し、同基材にチタン繊維層
を配したので、電極接合体膜(3) に接するのはチタン繊
維層となり、その結果、電流が均一に流れ、電極接合体
膜(3) の損傷を防止することができる。
【0058】請求項6による水電解槽では、陰極給電体
(8) と複極板(9) を拡散接合した後でチタン基材を白金
メッキしたので、水素脆化を避けることができる。
【0059】請求項7による水電解槽では、電極接合体
膜(3) と陰極給電体(8) との間に多孔質カーボン薄板が
設けられているので、電流が均一に流れ、電極接合体膜
(3)の損傷を防止することができる。
【0060】請求項8による水電解槽では、陰極給電体
(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)の一体成形物が、チ
タン基材とチタン繊維層とを拡散接合して陽極給電体
(7) を成形し、ついで陽極給電体(7) と複極板(9) とを
拡散接合したので、拡散接合と超塑性物加工という異な
った工程を別の設備で行うことになり、これらを同時に
行う場合と比較して現有の設備で各工程の設備を賄うこ
とができるという利点がある。
【0061】請求項9による水電解槽では、複極板(9)
の各ヘッダーの外周に設けられたリング状の多孔質スペ
ーサー(25)は、その空隙率または幅を調整したものであ
るので、各セルへの水の供給量を均一にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 角型のフィルタープレス式水電解槽の分解状
態を示す分解斜視図である。
【図2】 陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体
(7) との一体成形状態を示す断面図である。
【図3】 複極板(9) 全体を示す平面図である。
【図4】 図3中のa−a線に沿う断面を示す部分断面
図である。
【図5】 図3中のb−b線に沿う断面を示す部分断面
図である。
【図6】 図3中のc−c線に沿う断面を示す部分断面
図である。
【図7】 図3中のd−d線に沿う断面を示す部分断面
図である。
【図8】 従来の角型のフィルタープレス式水電解槽を
示す模式断面図である。
【符号の説明】
1:陽極主電極 2:陰極主電極 3:電極接合体膜 4:イオン交換膜 5:陽極側触媒電極層 6:陰極側触媒電極層 7:陽極給電体 8:陰極給電体 9:複極板 10:給水ヘッダー 11:酸素ヘッダー 12:水素ヘッダー 21:フランジ 22:ノズルプレート 23:絶縁パッキン 24:Oリングガスケット 25:多孔質スペーサー 26:シールガスケット 27:凹条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前澤 彰二 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7東 洋海事ビル 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2 固定化等プロジェクト室 内 (72)発明者 稲住 近 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7東 洋海事ビル 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2 固定化等プロジェクト室 内 (72)発明者 加藤 守孝 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7東 洋海事ビル 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2 固定化等プロジェクト室 内 (72)発明者 森 浩章 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7東 洋海事ビル 財団法人地球環境産業技術研 究機構 CO2 固定化等プロジェクト室 内 (72)発明者 小黒 啓介 大阪府池田市緑ケ丘1丁目8番31号工業技 術院大阪工業技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に配された陽極主電極(1) および陰
    極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直列に配
    された複数の単位セルと、これらを一体化する締め付け
    具とを具備し、1つのセルは、複極板(9) の陽極側と、
    チタン基材およびチタン繊維層を拡散接合してなる陽極
    給電体(7) と、固体高分子電解質膜からなる電極接合体
    膜(3) と、チタン基材を白金メッキしてなる陰極給電体
    (8) と、隣の複極板(9) の陰極側からなり、陰極給電体
    (8) と複極板(9) と陽極給電体(7) とが一体化されてい
    ることを特徴とする、固体高分子電解質膜を用いる水電
    解槽。
  2. 【請求項2】 円筒型であることを特徴とする請求項1
    記載の水電解槽。
  3. 【請求項3】 複極板(9) が、超塑性加工物からなる電
    極部と樹脂からなる外縁部の一体成形物であることを特
    徴とする請求項1または2記載の水電解槽。
  4. 【請求項4】 陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電
    体(7) の一体成形物が、超塑性加工による複極板(9) の
    成形と、陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電体(7)
    の拡散接合とを同時に行うことによって得たものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のうち1記載の水電解
    槽。
  5. 【請求項5】 陽極給電体(7) と複極板(9) の拡散接合
    による一体成形において、複極板(9) に陽極給電体(7)
    用のチタン基材を配し、同基材にチタン繊維層を配した
    ことを特徴とする請求項1〜4のうち1記載の水電解
    槽。
  6. 【請求項6】 陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電
    体(7) の一体成形物を得た後で、陰極給電体(8) のチタ
    ン基材を白金メッキしたことを特徴とする請求項1〜5
    のうち1記載の水電解槽。
  7. 【請求項7】 電極接合体膜(3) と陰極給電体(8) との
    間に多孔質カーボン薄板が設けられていることを特徴と
    する請求項1〜6のうち1記載の水電解槽。
  8. 【請求項8】 陰極給電体(8) と複極板(9) と陽極給電
    体(7) の一体成形物が、チタン基材とチタン繊維層とを
    拡散接合して陽極給電体(7) を成形し、ついで陽極給電
    体(7) と複極板(9) とを拡散接合して得たものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のうち1記載の水電解槽。
  9. 【請求項9】 複極板(9) の各ヘッダーの外周に設けら
    れた多孔質スペーサー(25)が、空隙率または幅を調整し
    たものであることを特徴とする請求項1〜8のうち1項
    記載の水電解槽。
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