JP3051893B2 - 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー - Google Patents

水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー

Info

Publication number
JP3051893B2
JP3051893B2 JP7064442A JP6444295A JP3051893B2 JP 3051893 B2 JP3051893 B2 JP 3051893B2 JP 7064442 A JP7064442 A JP 7064442A JP 6444295 A JP6444295 A JP 6444295A JP 3051893 B2 JP3051893 B2 JP 3051893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous spacer
bipolar plate
synthetic resin
porous
header
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7064442A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08260179A (ja
Inventor
彰二 前澤
近 稲住
守孝 加藤
浩章 森
啓介 小黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Hitachi Zosen Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for Earth
Hitachi Zosen Corp
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute of Innovative Technology for Earth, Hitachi Zosen Corp, JFE Engineering Corp filed Critical Research Institute of Innovative Technology for Earth
Priority to JP7064442A priority Critical patent/JP3051893B2/ja
Publication of JPH08260179A publication Critical patent/JPH08260179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3051893B2 publication Critical patent/JP3051893B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子電解質膜を
用いる水素および酸素製造のための水電解槽、または逆
に水素を燃料とし酸素を陽極活性物質として燃焼反応を
電気化学的に行い電力を得る燃料電池に関し、より詳し
くは、水電解槽または燃料電池の複極板において水、水
素または酸素を通すヘッダーの外周に設けられる通気通
水性に優れた多孔質スペーサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子電解質膜を用いて水電解に
よって水素および酸素を製造する場合のフィルタープレ
ス式水電解槽の構造は、図7に示すように、両端に配さ
れた陽極主電極(1) および陰極主電極(2) と、これら主
電極(1) (2) の間に直列に配された複数の単位セルと、
これらを一体化する締め付けボルトおよびナットとから
主として構成されている。1つのセルは、複極板(9) の
陽極側、陽極給電体(7)、電極接合体膜(3) 、陰極給電
体(8) および隣の複極板(9) の陰極側からなり、電極接
合体膜(3) は、イオン交換膜(4) とその両面に設けられ
た触媒電極層(5)(6)とからなる。単位セルの個数は、商
業規模の電解槽では、80から600である。
【0003】上記構成の電解槽において、電解槽下部の
給水ヘッダー(10)から供給された水は、多孔質の陽極給
電体(7) を通って、電極接合体膜(3) の陽極側触媒電極
層(5) に達する。ここで付加された電力により水の電気
分解反応が起こり、酸素が発生する。発生した酸素は陽
極給電体(7) を通り、陽極側電極に設けられた垂直流路
内を未反応の水とともに上昇し、複極板(9) の酸素ヘッ
ダー(11)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通
って酸素ヘッダー(11)に排出される。一方、電極接合体
膜(3) の陰極側触媒電極層(6) 表面で発生した水素とイ
オン交換膜(4)を透過した水は、多孔質の陰極給電体(8)
を通り、陰極側電極に設けられた垂直流路内を上昇
し、複極板(9) の水素ヘッダー(12)の外周に設けられた
多孔質スペーサー(25)を通って水素ヘッダー(12)に排出
される。
【0004】燃料電池の場合、構造は電解槽のそれと全
く同じであって、陽極側に酸素、陰極側に水素を供給
し、陽極側から生成した水を取り出し、両端の主電極
(1) (2)から電力を取り出す。
【0005】上記構成のフィルタープレス式水電解槽ま
たは燃料電池において、多孔質スペーサーは、機能的な
要件としては、ガスおよび水をよく通すこと、イオン交
換膜と接触するのでこの膜にダメージを与えないこと、
シール性を確保するため、弾力性を持つことが要求され
る。材質的な要件としては、酸素側スペーサーには耐酸
化性、水素側スペーサーには耐水素化性が要求される。
サイズ的には、厚みが2mm程度と薄いことが要求され
る。このような条件を満足するものとして、従来、(i)
チタン、ステンレス鋼等の金属、またはテフロン等の樹
脂からなるエキスパンド品またはメッシュ、(ii)ステン
レス鋼またはチタン繊維の焼結体、(iii) セラミックス
の焼結体、(iv)テフロン等の樹脂リングに機械加工で孔
をあけたもの等とゴムパッキンを重ね合わせたものが用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来品に
は次のような問題があった。
【0007】(i) 金属またはテフロン等のエキスパンド
品またはメッシュを用いた場合、イオン交換膜と接触す
る部分に応力が集中し、同膜にダメージを与える上に、
ゴムが時間とともにクリープすることにより、流路面積
が徐々に小さくなる等の問題がある。
【0008】(ii)金属の焼結体を用いた場合、焼結体が
水素側で水素脆化を受ける。
【0009】(iii) セラミックスの焼結体を用いた場
合、空隙率が小さく、所要量の流体を流すには大きな差
圧が必要である上に、焼結体が大型になると割れる可能
性がある。
【0010】(iv)テフロン等の樹脂リングに機械加工で
孔をあける場合は、長期運転で孔がクリープする可能性
がある上に、加工に手間がかかり高価なものとなる。
【0011】(v) 運転中各ヘッダーの圧力勾配により、
電解槽では、複数のセルに均一量の水を供給することが
難しく、また燃料電池では、複数のセルに均一量のガス
を流すことが難しい。そのため、イオン交換膜がダメー
ジを受けたり、各セルの性能が充分に発揮できない場合
がある。
【0012】本発明は、上記のような問題点を解決する
ことができる多孔質スペーサーを提供することをその目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、多孔質スペーサーを、合成樹脂製の中空
糸ないしは金属製のマイクロチューブの層(28)を埋め込
んだゴムシートまたは樹脂シート(29)からリング状に切
り出して成形することにより、通水または通気性は中空
糸またはマイクロチューブの層(28)に受け持たせ、弾力
性はゴムまたは樹脂のシート(29)に受け持たせることに
より上記課題が解決されることを知見し、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明による多孔質スペーサーは、両端に
配された陽極主電極(1) および陰極主電極(2) と、これ
ら主電極(1) (2) の間に直列に配された複数の単位セル
と、これらを一体化する締め付け具とを具備し、1つの
セルは、複極板(9) の陽極側と、陽極給電体(7) と、固
体高分子電解質膜からなる電極接合体膜(3) と、陰極給
電体(8) と、隣の複極板(9) の陰極側からなる、フィル
タープレス式水電解槽または燃料電池において、複極板
(9) の各ヘッダーの外周にて、複極板(9) と電極接合体
膜(3) の間に多孔質スペーサー(25)が介在され、多孔質
スペーサー(25)は、合成樹脂製の中空糸ないしは金属製
のマイクロチューブの層(28)を埋め込んだゴムシート(2
9)から所要形状、例えばリング状に切り出したものであ
ることを特徴とするものである。
【0015】多孔質スペーサー(25)は、合成樹脂製の中
空糸ないしは金属製のマイクロチューブの層(28)を埋め
込んだ合成樹脂シート(29)から所要形状、例えばリング
状に切り出したものでもよい。合成樹脂シート(29)は、
例えばポリスルホン、ポリイミド、テフロン等のシート
である。
【0016】上記フィルタープレス式水電解槽または燃
料電池において、複極板(9) の各ヘッダーの水平リング
状の多孔質スペーサー(25)と水平リング状のシールガス
ケット(26)とこれらの内端を繋ぐ垂直円筒状の連結部(3
0)とからなる断面コ字状の一体成形物(31)が設けられ、
多孔質スペーサー(25)は合成樹脂製の中空糸ないしは金
属製のマイクロチューブの層(28)を埋め込んだ合成樹脂
シート(29)からなり、かつ複極板(9) と電極接合体膜
(3) の間に介在され、シールガスケット(26)はこの複極
板(9) ともう1つの電極接合体膜(3) との間に介在さ
れ、複極板(9) の内端面は連結部(30)で覆われている、
ブッシングタイプの多孔質スペーサーも使用できる。
【0017】複極板(9) は好ましくは金属からなる電極
部と樹脂からなる外縁部とが一体成形されたものであ
る。外縁部を構成する樹脂としては、耐熱性耐薬品性の
あるフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂等
が好ましい。この場合、合成樹脂製の中空糸ないしは金
属製のマイクロチューブの層(28)を埋め込んだ合成樹脂
シート(29)からなる多孔質スペーサー(25)を、複極板
(9) と一体成型することも好ましい。
【0018】多孔質スペーサー(25)の空隙率または幅を
調整したり、合成樹脂製の中空糸ないしは金属製のマイ
クロチューブの本数を調整することも好ましい。例え
ば、多孔質スペーサー(25)の空隙率は入口側から出口側
に徐々に大きくなるような、また幅が入口側から出口側
に徐々に小さくなるような、勾配を形成することが好ま
しい。
【0019】中空糸を構成する合成樹脂は、例えばポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド等であ
る。
【0020】マイクロチューブを構成する金属は、例え
ばステンレス鋼、チタン等である。陽極給電体(7) のチ
タン基材としてはマイクロメッシュ、フォトエッチ処
理、パンチングプレートなどが例示される。
【0021】陰極給電体(8) のチタン基材としてはやは
りマイクロメッシュ、フォトエッチ処理、パンチングプ
レートなどが例示される。陰極給電体(8) のチタン基材
を白金メッキすることにより水素脆化が防止されてい
る。
【0022】締め付け具としては、両端に配されたフラ
ンジを連結するボルト・ナットが一般的である。
【0023】電解槽の形状は、操業圧力を高める点では
円筒型であることが好ましい。角型の電解槽も使用でき
るが、この場合にはこれを圧力容器内に収納することが
好ましい。
【0024】
【作用】この発明における多孔質スペーサーは、合成樹
脂製の中空糸ないしは金属製のマイクロチューブの層(2
8)を埋め込んだゴムシートまたは樹脂シート(29)から所
要形状に切り出して成形したものであるので、従来技術
で解決できなかった水素脆化、クリープ、割れの問題を
解決することができるとともに、加工も単純になった。
さらに、通水または通気性は中空糸またはマイクロチュ
ーブの層(28)に受け持たせ、弾力性はゴムシートまたは
樹脂シート(29)に受け持たせることにより、一つの部品
に二つの機能を持たせることができ、部品の点数を減ら
すことにより組み込み作業工数の低減を達成でき、コス
トを大幅に下げることができた。
【0025】更に、空隙率または幅を調整したり、合成
樹脂製の中空糸ないしは金属製のマイクロチューブの本
数を調整することにより、多孔質スペーサーの流通抵抗
を小さくすることができ、その結果、各セルへの水の供
給量を均一にすることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0027】実施例1 図1に最も代表的な角型のフィルタープレス式水電解槽
の分解構造図を示す。フィルタープレス式水電解槽の構
造は、前述したように、両端に配された陽極主電極(1)
および陰極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に
直列に配された複数の単位セルと、これらを一体化する
各4本の締め付けボルトおよびナットとから主として構
成されている。1つのセルは、複極板(9) の陽極側、陽
極給電体(7) 、電極接合体膜(3) 、陰極給電体(8) およ
び隣の複極板(9) の陰極側からなり、電極接合体膜(3)
は、イオン交換膜(4) とその両面に設けられた触媒電極
層(5)(6)とからなる。単位セルの個数は、商業規模の電
解槽では、80から600である。
【0028】なお、図1において、(21)はフランジ、(2
2)はノズルプレート、(23)は絶縁パッキン、(24)はOリ
ングガスケットをそれぞれ示す。
【0029】図2は複極板(9) の平面図を示し、図3は
複極板(9) のヘッダー部の拡大断面図を示し、図4は多
孔質スペーサーを示す。
【0030】図2において、複極板(9) は一枚のチタン
合金板を超塑性加工することにより一体成形したもので
ある。複極板(9) の上下の部分は、流体が上下左右に自
由に流動でき且つ電極接合体膜(3) を均一にサポートす
る機能が要求される部分である。複極板(9) の下部の孔
は吸水孔であり、上部左側の孔は酸素の排出孔である。
これらの孔は水を陽極側に供給し、発生した酸素を酸素
側ヘッダー(11)に排出する。
【0031】複極板(9) の上部右側の孔は水素の排出孔
で、この部分は、発生した水素を水素側ヘッダー(12)に
排出する。
【0032】図3において、複極板(9) の各ヘッダーの
外周には、複極板(9) と電極接合体膜(3) の間に多孔質
スペーサー(25)が介在され、この電極接合体膜(3) とも
う1つの複極板(9) との間にシールガスケット(26)が介
在されている。多孔質スペーサー(25)は、ポリスルホン
製の中空糸の層(28)を埋め込んだゴムシート(29)からリ
ング状に切り出したものである。中空糸の層(28)を埋め
込んだゴムシート(29)は、2枚の薄いゴムシートの間に
中空糸を織ったものを挾み加熱処理により2枚を一体に
することにより製造したものである。
【0033】つぎに、上記構成の水電解槽の作用を説明
する。
【0034】先ず電解槽下部の給水ヘッダー(10)から供
給された水は、多孔質の陽極給電体(7) を通って、電極
接合体膜(3) の陽極側触媒電極層(図7における(5) )
に達する。ここで付加された電力により水の電気分解反
応が起こり、酸素が発生する。発生した酸素は陽極給電
体(7) を通り、陽極側電極に設けられた垂直流路内を未
反応の水とともに上昇し、複極板(9) の酸素ヘッダー(1
1)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通って酸
素ヘッダー(11)に排出される。一方、電極接合体膜(3)
の陰極側触媒電極層(図7における(6) )表面で発生し
た水素とイオン交換膜(図7における(4) )を透過した
水は、多孔質の陰極給電体(8) を通り、陰極側電極に設
けられた垂直流路内を上昇し、複極板(9) の水素ヘッダ
ー(12)の外周に設けられた多孔質スペーサー(25)を通っ
て水素ヘッダー(12)に排出される。
【0035】上述の説明は、電解槽を水平に設置する場
合に付いてのものであるが、電解槽を垂直に設置する場
合も効果は同様である。また、上述の説明は、水電解槽
についてのものであるが、燃料電池についても、構成は
全く同じである。
【0036】実施例2 この実施例では、多孔質スペーサー(25)は、ステンレス
鋼のマイクロチューブの層(28)を埋め込んだゴムシート
(29)からリング状に切り出したものである。その他の点
は実施例1の構成と同じである。
【0037】実施例3 この実施例では、多孔質スペーサー(25)は、ポリエーテ
ルスルホン製の中空糸の層(28)を埋め込んだテフロンシ
ート(29)からリング状に切り出したものである。その他
の点は実施例1の構成と同じである。
【0038】実施例4 この実施例では、多孔質スペーサー(25)は、チタンのマ
イクロチューブの層(28)を埋め込んだゴムシート(29)か
らリング状に切り出したものである。その他の点は実施
例1の構成と同じである。
【0039】実施例5 この実施例では、図5に示すように、複極板(9) の各ヘ
ッダーの水平リング状の多孔質スペーサー(25)と水平リ
ング状のシールガスケット(26)とこれらの内端を繋ぐ垂
直円筒状の連結部(30)とからなる断面コ字状の一体成形
物(31)が設けられている。多孔質スペーサー(25)はポリ
スルホン製の中空糸の層(28)を埋め込んだゴムシート(2
9)からなり、かつ複極板(9) と電極接合体膜(3) の間に
介在されている。またシールガスケット(26)はやはりゴ
ムで構成され、かつこの複極板(9) ともう1つの電極接
合体膜(3) との間に介在されている。複極板(9) の内端
面は垂直円筒状の連結部(30)で覆われている。一体成形
物(31)の成型は、成型型への材料の流し込みによって行
なう。
【0040】このように、ブッシングタイプの多孔質ス
ペーサーを形成することにより、部品の点数が1つで済
み、組立の際このブッシングが複極板に固定されるので
組立の工数が少なくて済む。さらに、複極板(9) の孔周
囲部分はゴムで覆われているので、複極板(9) と流体の
接触を防止することができる。これにより、水を含んだ
酸素または水素による複極板の酸化または水素化を防ぐ
ことができる。複極板をステンレス鋼板とチタン板を重
ねて還元雰囲気および酸化雰囲気での耐久性を増す場
合、ヘッダー部分では場所によって雰囲気が変わるの
で、上記のようにこの部分をゴムシールすることは耐久
性を確実にするために重要である。
【0041】実施例6 この実施例では、図6に示すように、複極板(9) は金属
からなる電極部と合成樹脂からなる外縁部とが一体成形
されたものである。そして、金属製のマイクロチューブ
の層(28)を埋め込んだ合成樹脂シート(29)からなる多孔
質スペーサー(25)を、複極板(9) と一体成型した。一体
成形物の成型は、成型型への材料の流し込みによって行
なう。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、従来
技術で解決できなかった水素脆化、クリープ、割れの問
題を解決することができるとともに、加工も単純になっ
た。さらに、通水または通気性は中空糸またはマイクロ
チューブの層(28)に受け持たせ、弾力性はゴムシートま
たは樹脂シート(29)に受け持たせることにより、一つの
部品に二つの機能を持たせることができ、部品の点数を
減らすことにより組み込み作業工数の低減を達成でき、
コストを大幅に下げることができた。
【0043】更に、空隙率または幅を調整したり、合成
樹脂製の中空糸ないしは金属製のマイクロチューブの本
数を調整することにより、多孔質スペーサーの流通抵抗
を小さくすることができ、その結果、各セルへの水の供
給量を均一にすることができる。
【0044】こうして、固体高分子膜を用いる電解槽お
よび燃料電池をコンパクトにする際最も困難であった各
セルからヘッダーへの流路の部分を確実で長寿命にする
ことができる。さらに各セルへの水の供給およびガスの
抜き出しを均一にすることができ、電解槽を高電流密度
で安定して運転することができ、その結果、長期安定運
転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 角型のフィルタープレス式水電解槽の分解状
態を示す分解斜視図である。
【図2】 複極板全体を示す平面図である。
【図3】 複極板のヘッダー部の拡大断面図である。
【図4】 多孔質スペーサーの側面図である。
【図5】 複極板のヘッダー部の拡大断面図である。
【図6】 複極板のヘッダー部の拡大断面図である。
【図7】 従来の角型のフィルタープレス式水電解槽を
示す模式断面図である。
【符号の説明】
1:陽極主電極 2:陰極主電極 3:電極接合体膜 4:イオン交換膜 5:陽極側触媒電極層 6:陰極側触媒電極層 7:陽極給電体 8:陰極給電体 9:複極板 10:給水ヘッダー 11:酸素ヘッダー 12:水素ヘッダー 21:フランジ 22:ノズルプレート 23:絶縁パッキン 24:Oリングガスケット 25:多孔質スペーサー 26:シールガスケット 28:合成樹脂製の中空糸ないしは金属製のマイクロチュ
ーブの層 29:ゴムシートないしは合成樹脂シート 30:垂直円筒状の連結部 31:一体成形物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 000004123 日本鋼管株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 (74)上記2名の代理人 100060874 弁理士 岸本 瑛之助 (外4名) (72)発明者 前澤 彰二 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 稲住 近 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 加藤 守孝 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 森 浩章 東京都港区西新橋2丁目8番11号 第7 東洋海事ビル 財団法人地球環境産業技 術研究機構 CO2 固定化等プロジェ クト室内 (72)発明者 小黒 啓介 大阪府池田市緑ケ丘1丁目8番31号工業 技術院大阪工業技術研究所内 審査官 新城 知子 (56)参考文献 特開 昭57−9888(JP,A) 特開 平1−316482(JP,A) 特開 平5−101842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 H01M 8/02 H01M 8/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に配された陽極主電極(1) および陰
    極主電極(2) と、これら主電極(1) (2) の間に直列に配
    された複数の単位セルと、これらを一体化する締め付け
    具とを具備し、1つのセルは、複極板(9) の陽極側と、
    陽極給電体(7) と、固体高分子電解質膜からなる電極接
    合体膜(3) と、陰極給電体(8) と、隣の複極板(9) の陰
    極側からなる、フィルタープレス式水電解槽または燃料
    電池において、 複極板(9) の各ヘッダーの外周にて、複極板(9) と電極
    接合体膜(3) の間に多孔質スペーサー(25)が介在され、
    多孔質スペーサー(25)は、合成樹脂製の中空糸ないしは
    金属製のマイクロチューブの層(28)を埋め込んだゴムシ
    ート(29)から所要形状に切り出したものであることを特
    徴とする、水電解槽または燃料電池における多孔質スペ
    ーサー。
  2. 【請求項2】 多孔質スペーサー(25)が、合成樹脂製の
    中空糸ないしは金属製のマイクロチューブの層(28)を埋
    め込んだ合成樹脂シート(29)から所要形状に切り出した
    ものであることを特徴とする請求項1記載の多孔質スペ
    ーサー。
  3. 【請求項3】 複極板(9) の各ヘッダーの外周にて、多
    孔質スペーサー(25)が複極板(9) と一体成型されている
    ことを特徴とする請求項1の多孔質スペーサー。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のフィルタープレス式水電
    解槽または燃料電池において、複極板(9) の各ヘッダー
    の水平リング状の多孔質スペーサー(25)と水平リング状
    のシールガスケット(26)とこれらの内端を繋ぐ垂直円筒
    状の連結部(30)とからなる断面コ字状の一体成形物(31)
    が設けられ、多孔質スペーサー(25)は合成樹脂製の中空
    糸ないしは金属製のマイクロチューブの層(28)を埋め込
    んだゴムシート(29)からなり、かつ複極板(9) と電極接
    合体膜(3) の間に介在され、シールガスケット(26)はこ
    の複極板(9) ともう1つの電極接合体膜(3) との間に介
    在され、複極板(9) の内端面は連結部(30)で覆われてい
    ることを特徴とする、水電解槽または燃料電池における
    多孔質スペーサー。
  5. 【請求項5】 多孔質スペーサー(25)が、空隙率または
    幅を調整したものであることを特徴とする請求項1〜4
    のうち1項記載の多孔質スペーサー。
  6. 【請求項6】 多孔質スペーサー(25)が、合成樹脂製の
    中空糸ないしは金属製のマイクロチューブの本数を調整
    したものであることを特徴とする請求項1〜5のうち1
    項記載の多孔質スペーサー。
JP7064442A 1995-03-23 1995-03-23 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー Expired - Lifetime JP3051893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7064442A JP3051893B2 (ja) 1995-03-23 1995-03-23 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7064442A JP3051893B2 (ja) 1995-03-23 1995-03-23 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08260179A JPH08260179A (ja) 1996-10-08
JP3051893B2 true JP3051893B2 (ja) 2000-06-12

Family

ID=13258404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7064442A Expired - Lifetime JP3051893B2 (ja) 1995-03-23 1995-03-23 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3051893B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10577700B2 (en) 2012-06-12 2020-03-03 Aquahydrex Pty Ltd Breathable electrode structure and method for use in water splitting
US10637068B2 (en) 2013-07-31 2020-04-28 Aquahydrex, Inc. Modular electrochemical cells
US11005117B2 (en) 2019-02-01 2021-05-11 Aquahydrex, Inc. Electrochemical system with confined electrolyte

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3988002B2 (ja) * 1997-07-04 2007-10-10 株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション フィルタ−プレス式固体高分子型水電解セル
JP2004259457A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Hitachi Zosen Corp 水電解および燃料電池の可逆セル
JP4900869B2 (ja) * 2005-06-27 2012-03-21 トヨタ自動車株式会社 燃料電池及び燃料電池スタック
JP2014508213A (ja) * 2010-12-10 2014-04-03 ユニバーシティー オブ ウロンゴング 多層水分解装置およびその製造方法に関する改良

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10577700B2 (en) 2012-06-12 2020-03-03 Aquahydrex Pty Ltd Breathable electrode structure and method for use in water splitting
US10637068B2 (en) 2013-07-31 2020-04-28 Aquahydrex, Inc. Modular electrochemical cells
US11018345B2 (en) 2013-07-31 2021-05-25 Aquahydrex, Inc. Method and electrochemical cell for managing electrochemical reactions
US11005117B2 (en) 2019-02-01 2021-05-11 Aquahydrex, Inc. Electrochemical system with confined electrolyte
US11682783B2 (en) 2019-02-01 2023-06-20 Aquahydrex, Inc. Electrochemical system with confined electrolyte
US12080928B2 (en) 2019-02-01 2024-09-03 Edac Labs, Inc. Electrochemical system with confined electrolyte

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08260179A (ja) 1996-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6706436B2 (en) Electrochemical cell design using a bipolar plate
US8337678B2 (en) Electrochemical apparatus
US6255012B1 (en) Pleated metal bipolar assembly
US6368740B1 (en) Electrochemical cell frame having integral protector portion
EP1160900A2 (en) Embossed current collector separator for electrochemical fuel cell
US4312736A (en) Electrolysis cell for water dissolution
US8691060B2 (en) Water electrolysis apparatus
AU2010280547B2 (en) Fuel cells
US6524454B2 (en) Integrated membrane and electrode support screen and protector ring for an electrochemical cell
US20110147202A1 (en) Water electrolysis apparatus
US5565082A (en) Brine electrolysis and electrolytic cell therefor
JP3051893B2 (ja) 水電解槽または燃料電池における多孔質スペーサー
JP2893238B2 (ja) 高分子電解質膜を用いる水電解槽
JP3072333B2 (ja) 固体高分子電解質膜を用いる水電解槽
US20100206722A1 (en) Electrolysis apparatus
WO2000060140A1 (fr) Cellule electrolytique utilisant une electrode de diffusion de gaz et procede de repartition de la puissance pour la cellule electrolytique
JP3122734B2 (ja) 固体高分子電解質膜を用いる水の電気分解槽
US4604171A (en) Unitary central cell element for filter press, solid polymer electrolyte electrolysis cell structure and process using said structure
EP1724863A1 (en) Metal foam materials in alkaline fuel cells and alkaline electrolysers
WO2002069424A1 (en) Bipolar plate for fuel cell and use thereof
US4690748A (en) Plastic electrochemical cell terminal unit
JP3062540B2 (ja) 水電解槽用複極板及びそれを用いたセル
CN201256165Y (zh) 一种流场板及半透膜组件结构
JP3122736B2 (ja) 水電解槽用複極板およびその製造方法
JP2972925B2 (ja) 固体高分子電解質膜を用いる水電解槽

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000201

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080407

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080407

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 12

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 12

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407

Year of fee payment: 14

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370