JPH024422B2 - - Google Patents

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JPH024422B2
JPH024422B2 JP56094981A JP9498181A JPH024422B2 JP H024422 B2 JPH024422 B2 JP H024422B2 JP 56094981 A JP56094981 A JP 56094981A JP 9498181 A JP9498181 A JP 9498181A JP H024422 B2 JPH024422 B2 JP H024422B2
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resin
curable resin
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Yasuo Fushiki
Masaharu Abe
Masayuki Ooizumi
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な構造を有する電気用絶縁積層
板又はそれと金属箔よりなる金属箔張り積層板に
関するものであり、その目的は吸湿あるいは吸水
しにくく、従つて電気絶縁特性や寸法安定性さら
に耐熱性にすぐれ、しかも良好な機械的特性なら
びに打抜加工特性を有する電気用積層板又は金属
箔張り積層板を提供することにある。 本発明でいう電気用絶縁積層板とは、各種電子
部品や装置の基板や支持板として使用される積層
板等を意味し、また金属箔張り積層板とは電子回
路用部品等の実装に使用するプリント回路を構成
するプリント回路用基板等を意味する。 従来これらは、熱硬化性樹脂であるフエノール
樹脂と基材である紙、あるいはエポキシ樹脂と
紙、あるいはエポキシ樹脂とガラス布等を素材と
して、基材である紙やガラス布等にこれら樹脂ワ
ニスを含浸し、次いでプリプレグを構成し、これ
らを多数枚、あるいはこれらにさらに金属箔、た
とえば電解銅箔を重ね合せ、加熱加圧プレス中で
積層し、樹脂を十分に硬化させることによつて製
造されている。このようにして製造されている従
来の電気用積層板あるいは金属箔張り積層板は、
例えばフエノール樹脂と紙によつて構成されてい
るものを例にとると、第3図に示すごとき構造を
呈している。第3図には、かかる従来の積層板の
断面の状態を示してある。即ち、樹脂と複合化さ
れた紙が多層に積層されているが、実質的に紙の
繊維は各層間でからみあつており、各層間におい
て紙は分離されていないのが実情である。 一方、電気用積層板は、吸湿や吸水によつて電
気絶縁特性や耐熱性及び寸法安定性等が損なわれ
ることが良く知られており、これは実用的な面で
好ましくない。水は主に積層板の表面層より板内
に侵入するが、紙等の基材の繊維の存在や、繊維
と樹脂の界面層の存在が、より水の侵入を容易と
する。例えば、このことは第3図に示したごとき
表面層に紙の繊維が露出している面、又は第4図
に示すごとき、表面に金属箔を接着するための接
着剤、あるいは絶縁板を構成したものと同等の樹
脂からなる層が形成されている面の表面絶縁抵抗
を吸湿下で測定すると、前者の場合の低下率が極
めて大きい。このことは、紙の繊維の存在が抵抗
率の低下、従つて水の表面層や板内への侵入に支
配的な要因として作用しているといえる。 かかる従来の製品においては、たとえば第3図
によつて代表される製品の場合を考えると、紙の
繊維が各層間でからみ合い、あるいは極めて接近
して、実質的に接触し、その断面をみた時、実質
的な連続構造体とみなしうるから、このような状
態においては、表面より侵入した水は連続的に上
下に連らなつた繊維を媒体として、容易に内部ま
で侵入してしまい、従つて吸湿や吸水しやすく、
かつ、このような時の電気絶縁特性、特にJIS−
C6481に定める体積抵抗率や絶縁抵抗率の大きな
低下をまねき、更に吸湿量が増加するから、例え
ばハンダ耐熱性に代表される耐熱性を損ね、さら
には吸湿等により、特に印刷回路用金属箔張り積
層板においては絶縁板部の体積が増加し、寸法安
定性が劣化し、基板のソリを増加させる等のいく
つかの欠点を有していた。 又、第4図に代表される従来品は、前記したご
とく、第3図に示したものに比して改良されては
いるが、確かに一時的に表面に存在する樹脂層が
表面からの水や湿気の侵入を抑制するが、一旦表
面層から板内に侵入した水分は、容易に積層板内
を貫通してしまい、最終的には、かなりの吸水や
吸湿による劣化を呈し十分な解決策とは成り得な
いことがわかつた。 本発明者はかかる現状に鑑みて、既に、従来品
のごとき各基材層が接触し合い、断面でみたとき
実質的に連続体となる構造を排除すべく、各基材
間に熱硬化性樹脂層を形成させ、各基材層の接触
を実質的に遮新した構造とした時、性状にすぐれ
た電気用絶縁積層板又は金属箔張り積層板となる
ことを見い出し、特開昭55−103786において出願
を行つた。第1図及び第2図は、その概念図であ
り、図に示すごとく、基材層間に存在する実質的
に連続的な硬化性樹脂層(以下、単に層間樹脂層
と略称する)によつて積層板内部への水分の浸透
が遮断される。該層間樹脂層の厚さが増えれば増
える程、水分の浸透を遮断する効果は増大し、そ
れに伴つて電気絶縁特性、寸法安定性、耐熱性等
の性能が大幅に向上する。その反面、層間樹脂層
の存在は曲げ強度、曲げ弾性率、曲げクリープ特
性、JIS−C6481に規定されている高温曲げ強度、
高温曲げ弾性率及び打抜加工特性に対してはマイ
ナスの影響を及ぼす傾向がある。上記の曲げ特性
を改善するための一つの手段として容易に考えら
れるのは、マトリツクスとして使用する硬化性樹
脂(以下、単にマトリツクス樹脂と略称する)の
ガラス転移温度を高めることである。しかしなが
ら例えばガラス転移温度が80℃以上のいわゆる硬
質の樹脂を1.6mm銅張り積層板のマトリツクス樹
脂として使用した場合、得られる積層板のいくつ
かの機械的特性は改善されるものの、打抜加工に
際して積層板にワレ、クラツク、層間剥離等が多
発し、良好な低温打抜加工性が得られないという
結果をもたらす。従つて、この方法は現実的では
ない。 かかる現状に鑑みて本発明者らが鋭意検討を行
つた結果、本発明に到達したものであり、その目
的とするところは第1図及び第2図に示す如き構
造に由来するところの幾多の特徴をそのまま保つ
たまま、更に打抜加工性を損ねずに機械的特性な
かんずく曲げ特性を改善することにある。すなわ
ち本発明は、 基本的にセルロース系繊維を主成分とする基材
及びマトリツクスとして存在する硬化性樹脂より
構成される電気用積層板または金属箔張り積層板
において、複数枚の硬化性樹脂により結合された
基材層間に、樹脂に均一に分散した細かい補強材
により強化されている硬化性樹脂からなる実質的
に連続的な層を有することを特徴とする電気用積
層板または金属箔張り積層板を提供するものであ
る。 その結果、連続的な層を形成する硬化性樹脂は
以下の特性を持つべきである。 (a) 曲げ強度 常態 C−96/20/65 8Kg/mm2以上 (b) 曲げ弾性率 常態 C−96/20/65 280Kg/mm2以上 (c) 体積抵抗率 常態 C−96/20/65 1014Ω・cm以上 吸湿処理後 C−96/20/65+C−96/40/90
1012Ω・cm以上 (d) 誘電率 常態 C−96/20/65 5以下 吸水処理後C−96/20/65+D−48/50 6以下 (e) 誘電正接 常態 C−96/20/65 0.04以下 吸水処理後 C−96/20/65+D−48/50
0.06以下 (f) 吸水率 E−48/50+D−24/23 0.8%以下 層間樹脂の体積抵抗率、誘電率、誘電正接で代
表される電気的特性及び吸水率を上記の範囲に限
定する意味は、既に述べた如く、積層板への水分
の浸透を遮断し、電気絶縁性や寸法安定性さらに
耐熱性のすぐれた積層板を得るためである。一
方、機械的特性の中で層間樹脂層の存在の影響を
最も敏感に受けるのは曲げ特性であり、層間樹脂
の曲げ強度及び曲げ弾性率を上記の範囲としたと
き、得られる積層板の曲げ強度、曲げ弾性率、曲
げクリープ特性及びJIS−C6481で規定される高
温曲げ強度、高温曲げ弾性率が改善される。その
理由については必ずしも明らかではないが、積層
板が曲げ応力を受けたとき、層間樹脂の機械的特
性が不十分な場合、基材層が層間樹脂層との接触
部分でズレを生じやすくなるためではないかと推
測される。 層間樹脂の曲げ強度及び曲げ弾性率が、例えば
上記の値の半分に満たないという最も極端な場合
においては、例えばこのものより作られる厚み
1.6mmの印刷配線基板に種々の電気部品を搭載し、
電気製品に組み込むと、基板の温度が上昇したと
き、搭載した電気部品の重みによりたわんだり、
また長期間にわたりクリープ現象を起こすという
実用上の不都合が生じることが有り得る。 以上の理由により、層間樹脂の曲げ強度、曲げ
弾性率、体積抵抗率、誘電率、誘電正接、及び吸
水率が全ての項目において、前記の範囲の値をと
ることがすぐれた性状の電気用絶縁積層板又は金
属箔張り積層板を得るために必要である。なかで
も層間樹脂の曲げ弾性率が300Kg/mm2以上、より
好ましくは450Kg/mm2以上の値であり、しかも熱
変形温度が80℃以上、より好ましくは120℃以上
の値であることが、曲げクリープ特性や高温時の
曲げ特性を向上させるために効果的でさる。な
お、上記の特性値の測定方法は、層間樹脂単独で
厚さ1.5mmの板を作成し、熱変形温度を除いては
JIS−C6481に規定する方法で、熱変形温度のみ
はASTM−D−648(荷重264psi)に規定する方
法に依つた。 以下、本発明の好ましい実施態様について更に
詳しく説明する。 本発明の特徴は、層間樹脂を補強材によつて強
化することである。補強材としては、一般によく
知られているものは全て利用できる。但し補強材
による強化によつて層間樹脂層の電気的特性、機
械的特性、吸水率は既に記した範囲の値を示すこ
とが必要である。補強材の代表的なものは繊維状
のもので、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、
ロツクウール等の無機繊維;セルロース等の天然
繊維;ノーメツクス、ケブラー等の合成繊維があ
げられる。又、マイカ、タルク、モンモリロナイ
ト等の板状の補強材を使用することによつて積層
板の縦、横2方向を補強することができ、積層板
の異方性を少なくすることが可能である。なお、
これらの補強材に対して、よく知られているシラ
ンカツプリング剤処理や有機チタネート処理の如
き表面処理を行うことは更に諸特性を向上させる
意味で有用である。 以上、あげた補強材の中でも最も好ましいもの
の一つとしてセルロース繊維がある。セルロース
繊維は安価に入手できる上、得られる積層板を打
抜加工する際、ガラス繊維の場合生じるような金
型の摩耗が起さないという利点がある。補強材の
充填量に特に制限はないが、層間樹脂層中に占め
る補強材の重量比率が1〜50重量%、より好まし
くは3〜30重量%の範囲にあることが望ましい。
該重量比率が1%未満の場合は補強効果が少な
く、また50重量%を越えと補強材は層間樹脂層中
で一つの連続相を形成し、補強材と硬化性樹脂の
界面を通して水分の浸透が起りやすくなるためで
ある。 本発明によつて構成される各基材間の層間樹脂
層の厚みは、通常1〜100μm程度が好ましい。
この樹脂層の厚みが過剰に大きいと他の特性、例
えば打抜き加工特性等を損ねることがある。層間
樹脂層の厚みが1〜30μm、より好ましくは5〜
25μmの時に打抜加工性が特にすぐれ、しかも電
気的特性や機械的特性の良好な積層板を得ること
が可能である。又、層間樹脂層の厚みは基材の厚
みの1/2以下、より好ましくは基材の厚みの1/5以
下であることが望ましい。なお、この層間樹脂層
の存在やその厚みの確認は、断面を鋭利な刃物で
削るか、あるいは試料埋め込み用樹脂等を用いて
試験片を固定し、こねを切断し、軽く研磨すると
いう通常よく知られた方法で、10〜100倍程度の
光化学顕微境によつて正確な観察が可能である。 本発明に用いるセルロース系繊維を主成分とす
る基材としては、例えばクラフト紙、リンター紙
等の紙基材や綿布、レーヨン布等の布基材をあげ
ることができる。好ましい紙基材の密度は0.3
g/cm3〜0.7g/cm3程度であり、0.5g/cm3付近の
ものが一般的である。 本発明におけるマトリツクス樹脂及び層間樹脂
を構成する硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹
脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フエノール樹
脂等であつて通常よく知られているものはどれで
も適用できる。しかしながら、電気用積層板及び
金属箔張り積層板の用途によつて、より適切なグ
レードを選択することが好ましいことは言うまで
もない。例えば本発明者らが既に特開昭55−
137965において開示した如く、特にマトリツクス
として使用する樹脂にガラス転移温度が20℃〜80
℃のものを使用することが、良好な低温打抜加工
性を確保する意味で好ましい。これらの硬化性樹
脂には、通常の如く、熱や光や電子線に感応する
触媒、硬化剤、硬化助剤が適宜含有されている。
又、必要に応じて充填材、着色剤、難燃剤等を添
加できる。 硬化性樹脂の種類によつては、セルロース系繊
維を主成分とする基材との親和性が劣る場合があ
る。かかる場合には、基材を構成するセルロース
系繊維の表面をセルロースと親和性を有する化合
物によつて実質的に被覆することにより、基材と
樹脂の親和性を高め、それにより体積抵抗率や絶
縁抵抗等の電気的特性及び曲げ強度、曲げ弾性率
等の機械的特性のすぐれた積層板を得ることがで
きる。セルロースと親和性を有する化合物には
種々のものがあるが、例えばメチロール基を有す
る化合物、エポキシ系化合物、エチレンイミン系
化合物、イソシアネート系化合物、活性ビニル基
を有する化合物及び酸無水物等があげられる。 基材と結合するマトリツクス樹脂が不飽和ポリ
エステル樹脂又はエポキシ樹脂の場合には上記の
化合物の中でもメチロール基を有する化合物、と
りわけメラミン系樹脂を用いた場合にその効果が
顕著に発揮される。本発明者らは既に、特開昭55
−144159、特開昭56−43329、特願昭55−128935、
特願昭55−128936、特願昭55−128937、特願昭55
−128938及び特願昭55−132157において、メラミ
ン樹脂を主成分とする処理剤で予備含浸した紙基
材と不飽和ポリエステル樹脂からなる電気用積層
板又は金属箔張り積層板について開示したが、本
発明においてもこれらの処理剤をもちろん適用す
ることができる。 セルロースと親和性を有する化合物で被覆処理
した基材を使用する場合、硬化性樹脂として溶剤
等をまず常温でそれ自身液状の樹脂であることが
特に好ましい。何故なら、例えば溶剤で希釈した
樹脂即ちいわゆる樹脂ワニスを該基材に含浸させ
る場合、用いる溶剤の種類によつて、セルロース
系繊維の表面にある処理剤がほとんど溶解してし
まうという好ましくない現象を呈する場合がある
からである。 本発明における各基材間に存在する硬化性樹脂
層は、どのような方法によつて構成しても良い。
好ましい方法は、用いる樹脂の加工条件によつて
選択される。例えば、良く知られている方法でプ
リプレグを形成し、さらにその表面に樹脂ワニス
を塗布し、再び乾燥し、これを適度に加熱、加圧
したプレス内で積層硬化することによつて構成で
きる。しかしながら、この際の過剰な加圧は、各
基材上に存在する樹脂を外側に排除しようとする
作用を及ぼし各基材間の樹脂層の形成を困難にす
る。かかる観点から、大きな成形圧を必要とせ
ず、実質的に無圧でも良好に硬化させうるエポキ
シ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステ
ル樹脂が本発明に好ましい。加圧は各基材間の樹
脂層の厚み等の制御を重点として選択できるから
である。 本発明にかかる電気用積層板の好ましい製造方
法の一実施態様としては次のごときものがあげら
れる。 未硬化の状態で、それ自身、常温で液状である
エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂やビニル
エステル樹脂を用いこれらの樹脂液を基材に過剰
量含浸させ、あるいは樹脂含浸量が少ない場合、
基材を重ね合せる際に該樹脂液を基材上に塗布す
る等の方法を経た上で、予め基材の厚さや枚数、
あるいは基材間の樹脂層の厚さ等から算定された
間隔を有するスリツト間を通過させるなどして各
含浸基材を連続又は非連続で積層し、熱や光や電
子線によつて硬化することによつて達成できる。
電気用積層板又は片面金属箔張り積層板を製造す
る場合などの積層硬化時には、金属箔をラミネー
トしない面に金属箔、セロフアン、又はプラスチ
ツクシート等のカバーシートを使用し、表面性の
改善又は硬化時に雰囲気中の酸素等により影響を
受ける樹脂の保護をすること等も適宜利用でき
る。 このような未硬化の状態で、それ自身常温で液
状である樹脂は、溶剤等の揮発性成分を含んでい
ないので溶剤等の乾燥を必要とせず、加えて各基
材間の樹脂層の厚みの制御が容易であり、本発明
に好適である。さらに、基材への含浸や基材間の
樹脂層厚み等を制御するため、未硬化時の樹脂液
の粘度も要素となるが、広い粘度の範囲、例えば
0.05〜30ポイズ、殊に0.1〜15ポイズといつた範
囲の樹脂液を容易に調整することのできる常温で
液状である不飽和ポリエステル樹脂が本発明にお
いて特に好適である。 以上示したいずれの実施態様においても層間樹
脂層を補強材で強化することは容易である。例え
ばプリプレグを形成する方法においてはプリプレ
グの上に補強材を混合した樹脂ワニスを塗布し溶
剤を除去するこをにより、基材とマトリツクス樹
脂からなるプリプレグの上に補強材で強化された
連続的な樹脂層を形成させることができ、このも
のを複数枚重ね合わせ加熱加圧を行うことにより
目的の積層構造のものを得ることができる。又、
溶剤等を含まずそれ自身常温で液状である硬化性
樹脂、例えばエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル
樹脂やビニルエステル樹脂を用いる場合、これら
の樹脂液に補強材を分散させ、そのものを基材に
含浸させ、既に記載したものと同様の方法で積層
し硬化することにより層間樹脂層が補強材で強化
された電気用積層板又は金属箔張り電気用積層板
を得ることができる。このような方法において
は、基材を結合するマトリツクス樹脂も層間樹脂
と同様に補強材で強化されることになるが、用い
る補強材の形状、大きさによつてマトリツクス樹
脂中の補強材の含有量は異つてくる。又、基材へ
の樹脂含浸量を少なくし、基材を重ね合せる際
に、更に補強材を添加加した樹脂液を基材上に塗
布し積層、硬化を行うという方法をとれば層間樹
脂層のみ補強された積層板を得ることも可能であ
る。 本発明の金属箔張り積層板に用いる金属箔は、
導電性や機械的強度等の点からアルミニウム箔や
銅箔等が良く、その接着性等から、いわゆる電解
銅箔が好適である。 又、本発明において、第1図に示すごとく、各
基材層間に樹脂層が存在するに加えて、絶縁積層
板の片面もしくは両面の表面層、あるいは第2図
に示すごとく金属箔張り積層板における金属箔と
の接合面等においても、樹脂層が存在することが
好ましいことは言うまでもない。この時、金属箔
との接合面に存在する樹脂層は、エポキシ系接着
剤によつて構成されるのが良い。例えばビスフエ
ノールA型エポキシ樹脂とポリアミド樹脂硬化剤
からなるエポキシ系接着剤などが好適である。何
故なら、かかる接着剤は、無圧もしくは低圧の硬
化条件で望ましい硬化物を呈するもので、硬化の
条件として高い圧力を必要とする接着剤を用いる
と、前記したごとく、各基材間の樹脂層の形成に
悪影響を与える場合があるからである。又、第1
図及び第2図に示しているごとく、各基材層が樹
脂層によつて、完全に区分されていることが好ま
しいことはいうまでもないが、部分的に多少基材
同志が接触する所があつたとしても本発明の効果
は達成できる。また第2図に示してある表面の樹
脂層3の存在は、本発明において好ましいが、本
発明は各基材層間に樹脂層を形成させることが主
眼であり、表面の樹脂層3が明確に確認できない
ものでも本発明は十分な効果を与える。 本発明においては、たとえば200〜300μm程度
の厚さの紙を基材とした場合、例えば2枚〜10枚
積層することにより厚さが0.5〜3mm程度の電気
用積層板あるいはこれらの厚さの絶縁板を有する
金属箔張り積層板を容易に製造することができ
る。 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 比較例 1 市販のメラミン樹脂(日本カーバイト製S−
305)12重量部、オレイン酸モノジグリセリド2
重量部、メタノール50重量部、水50重量部からな
るメラミン樹脂を主成分とする処理剤溶液を調製
し、このものに市販のクラフト紙(巴川製紙製
MKP−150)を浸漬し引き上、絞り率120%とし、
100℃×10分の条件で乾燥し、予め含浸処理した
紙基材を得た。一方、常温で液状の不飽和ポリエ
ステル樹脂として武田薬品製のポリマール6304
50重量部、ポリマール6320F 50重量部の混合樹
脂系を用い、更に硬化用触媒としてパーブチルO
(日本油脂製)1重量部をあらかじめ添加した。
該樹脂液を上記の浸漬処理した紙基材に含浸さ
せ、この樹脂含浸基材を5枚重ね合わせ、無圧で
硬化させ、第1図に示すものと同等な厚さが約
1.5mmの積層絶縁板を得た。顕微鏡観察によれば、
このものの各紙基材間の層間樹脂層及び両側の表
面層の厚さは約15μmであつた。 実施例 1 比較例1の樹脂液にセルロース短繊維15重量部
を更に添加したものを含浸用の樹脂液として用
い、比較例1と同様の方法で厚さが約1.5mmの積
層絶縁板を得た。なおセルロース短繊維はあらか
じめ、比較例1と同じ組成の処理剤溶液で処理を
行つたものを用いた。 実施例 2 比較例1において使用した樹脂液を用い、比較
例1と同様に処理した紙基材の上から含浸させた
後、余分の樹脂を取り除き、層間樹脂として実施
例1のセルロース短繊維を添加した樹脂液を塗布
した後、このものを5枚重ね合せ、無圧で硬化す
ることにより層間樹脂層のみセルロース短繊維で
補強された厚さ約1.5mmの積層絶縁板を得た。 実施例 3 層間樹脂層用の樹脂液としてポリマール6304
50重量部、ポリマール6320F 50重量部、シラン
カツプリング処理を施したガラス短繊維8重量
部、パーブチルO 1重量部の組成のものを用意
し、実施例2と同様の方法で層間樹脂層がガラス
短繊維で補強された厚さ約1.5mmの積層絶縁板を
得た。 実施例 4(補強材を含まない参考例) 層間樹脂層用の樹脂液としてポリマール6304
100重量部、パーブチルO 1重量部の組成のも
のを調製し、実施例2と同様の方法で厚さ約1.5
mmの積層絶縁板を得た。 比較例 2 比較例1において、各紙基材間及び両側の表面
層にほとんど樹脂層を有さない、厚さが約1.45mm
の積層絶縁板を得た。 実施例1〜4及び比較例1の層間樹脂層の特性
値を第1表に示す。又、実施例1〜4及び比較例
1〜2で得られた積層絶縁板の性能を評価した結
果を第2表に示す。
【表】
【表】 打抜加工法は、ASTM−D−617−44の試験方
法により評価した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の電気積層板の断面概念図。
第2図は、本発明の金属箔張り積層板の断面概念
図。第3図及び第4図は、従来品の断面概念図で
ある。 1……樹脂の含浸した1枚ごとの基材、2……
基材間に存在する樹脂層、3……表面層を形成す
る樹脂層、4……接着剤層、5……金属箔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 基本的にセルロース系繊維を主成分とする基
    材、及びマトリツクスとして存在する硬化性樹脂
    より構成される電気用積層板または金属箔張り積
    層板において、複数枚の硬化性樹脂により結合さ
    れた基材間に、樹脂に均一に分散した細かい補強
    材により強化されている硬化性樹脂からなる実質
    的に連続的な層を有することを特徴とする電気用
    積層板または金属箔張り積層板。 2 マトリツクスとして存在する硬化性樹脂も補
    強材により強化されている特許請求の範囲第1項
    記載の積層板。 3 連続的な層を形成する硬化性樹脂とマトリツ
    クスとして存在する硬化性樹脂は同じ樹脂である
    特許請求の範囲第2項記載の積層板。 4 補強材が短繊維状の補強材である特許請求の
    範囲第1項記載の積層板。 5 補強材が板状の補強材である特許請求の範囲
    第1項記載の積層板。 6 補強材がセルロース繊維を主成分とするもの
    からなる特許請求の範囲第1項または第4項記載
    の積層板。 7 連続的な層を形成する硬化性樹脂の中に占め
    る補強材の重量比率が1〜50重量%、好ましくは
    3〜30重量%である特許請求の範囲第1項乃至第
    6項の何れかの項記載の積層板。 8 実質的に連続的な層として存在する硬化性樹
    脂層の厚さが1〜100μmの範囲である特許請求
    の範囲第1項記載の積層板。 9 実質的に連続的な層として存在する硬化性樹
    脂層の厚さが1〜30μm、より好ましくは5〜
    25μmの範囲である特許請求の範囲第1項記載の
    積層板。 10 マトリツクスとして存在する硬化性樹脂及
    び基材間に連続的な層を形成する硬化性樹脂が、
    溶剤等を含まない常温でそれ自身液状の樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項記載の積層板。 11 マトリツクスとして存在する硬化性樹脂及
    び基材間に連続的な層を形成する硬化性樹脂が不
    飽和ポリエステル樹脂である特許請求の範囲第1
    0項記載の積層板。 12 マトリツクスとして存在する硬化性樹脂及
    び基材間に連続的な層を形成する硬化性樹脂がエ
    ポキシ樹脂である特許請求の範囲第10項記載の
    積層板。 13 基材を構成するセルロース系繊維の表面が
    実質的にセルロースと親和性を有るす有機化合物
    により被覆されている特許請求の範囲第1項記載
    の積層板。 14 セルロースと親和性を有する有機化合物が
    メチロール基を有する化合物である特許請求の範
    囲第13項記載の積層板。 15 金属箔と接触している樹脂層が存在し、か
    つ該樹脂層がエポキシ樹脂系接着剤によつて構成
    されている特許請求の範囲第1項記載の金属箔張
    り積層板。 16 マトリツクスとして存在する硬化性樹脂の
    硬化物のガラス転移温度が20〜80℃である特許請
    求の範囲第1項記載の積層板。
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