JPH0243534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案はプレス機械等の金型上に被工作物を供
出する為の装置に関する。

（従来の技術及びその問題点） プレス機械等の金型上に被工作物を供出する装
置としては各様のものが現場にて提案されてい
る。その主たるものは、第９図に示す如くチヤツ
キング部９を吸着機９１とエアシリンダーａ・ｃ
によつて形成したものがある。すなわちエアシリ
ンダーａ・ｃの駆動により吸着機９１を被工作物
９３の上面近傍まで下降させ、吸着機９１のパツ
ト９２を被工作物９３に押圧して真空吸着し、更
にエアシリンダーａ・ｃを作動して被工作物９３
を持上げ、プレス機械に取付けられた金型９４上
まで搬出する。次いで再びエアシリンダーａ・ｃ
を駆動して、吸着機９１を下降させ、吸着状態を
解放して被工作物９３を金型９４の所定位置に載
置するものである。この様に被工作物９３を吸着
し、又吸着を解除して金型９４上に載置する作業
はすべてエアシリンダーａ・ｃによつて行われ
る。チヤツキング部９をプレス機械内に繰込む高
さは、エアシリンダーａ・ｃの背及び吸着機９１
のストロークの和Ｈを必要とするが、プレス機械
によつてはこの距離Ｈが十分確保できない場合が
有り、その為供出装置を使用できず加工作業の能
率を向上させることができない場合があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に鑑み案出されたもので、
吸着機の上下動をエアシリンダーによらず、吸着
機を取付けた上辺にはテーブル上に立設した固定
斜台のテーパー面と移動方向に相対向したテーパ
ー面を形成し、スライダーの移動によつて上辺の
テーパー面と固定斜台のテーパー面が当接摺動
し、固定斜台のテーパー面に沿つてチヤツキング
部自体を下降させるものである。すなわちスライ
ダーの移動に応じてチヤツキング部の吸着機が下
降して被工作物を吸着することができる供出装置
である。

（実施例） 以下図面に基づき本考案の被工作物の供出装置
を詳細に説明する。

第１図は本考案に係る被工作物の供出装置を示
す概略図である。

供出装置はテーブル１とこのテーブル１上に設
けられたヘツド１１、更にヘツド１１に対しスラ
イダー２が移動自在に設けられている。例えばヘ
ツド１１にアリを形成し、一方スライダー２には
アリ溝を形成して、両者がスベリ待遇を形成して
いる。又スライダー２の一端上面には送りハンド
ル３が設けら、この送りハンドル３によつてスラ
イダー２をヘツド１１上を移動させ得るものであ
る。このライダー２の他端上面には第２図及び第
３図で示す如くチヤツキング部４が形成されてい
る。チヤツキング部４は立辺４１を立設し、この
立辺４１から略水平に延出した上辺４２とにより
略「状に形成し、該上辺４２には吸着機５が略垂
直に取付けられている。又上辺４２の送りハンド
ル３側には上向き略30゜のテーパー面４ａが形成
されている。

一方チヤツキング部４に対して送りハンドル３
側のテーブル１上には固定斜台６が立設され、こ
の固定斜台３には移動方向下向き略30゜のテーパ
ー面６ａが形成されている。前記上辺４２のテー
パー面４ａと固定斜台６のテーパー面６ａは移動
方向に対して相対向した状態となつている。又ヘ
ツド１１上には被工作物の収納部７が設けられて
おり、後述する様に収納部７内の被工作物７１を
順次エアシリンダーによつて所定位置に送り出し
吸着機にて真空吸着させる。

次にこの供出装置の作動について説明する。第
１図で示す送りハンドル３を手前に引くとスライ
ダー２が手前方向に移動し、第４図の説明概略図
の如く上辺４２のテーパー面４ａが固定斜台６の
テーパー面６ａに当接し、更に送りハンドル３を
手前に引けば上辺４２自体がテーパー面６ａに押
圧される。この上辺４１は内設したバネ（図示せ
ず）により通常上方向の付勢力が与えられている
が、固定斜台６のテーパー面６ａに当接摺動し、
押圧された状態になるとバネの付勢力に抗してガ
イド杆４３，４３に沿つて下降する。そして第５
図で示す如くライダー２の端部がテーブル１に設
けたストツパーＳに当接すると第６図で示す如く
吸着機５のパツト５１が被工作物７１の上面を押
圧した状態となつて吸着機２の作動により被工作
物７１が真空吸着される。

尚被工作物７１の厚さ等に応じて吸着機５の下
降距離所謂ストロークを可変するにはストツパー
ＳのナツトＮとボルトｖの螺合を調整して所定出
寸法にすればよい。次いで第７図に示す様に、送
りハンドル３を反対方向に作動させるスライダー
２が工作機８の方向に移動する。するとテーパー
面６ａの押圧状態が次第に解かれて内設されたバ
ネの付勢力によつて立辺４１はガイド杆４３，４
３に沿つて上昇し、被工作物７１を搬出する。こ
の搬出と共にエアシリンダーＡ・Ｃが作動して収
納部７から新たな被工作物７１を所定位置に供出
する。一方第８図で示す如く、チヤツキング部４
が工作機８の金型８１上まで繰り出されるとマイ
クロスイツチ（図示せず）等の作動によつて吸着
機５の真空吸着状態が解除され、被工作物７１が
金型８１の所定位置に載置されることになる。

尚チヤツキング部４が金型８１上に繰り出され
た状態においては、光電スイツチ等の安全装置が
作動し、工作機８の作動が一時停止される。上述
の如く被工作物７１が金型８１上に載置された
後、送りハンドル３を手前に引くと、安全装置が
解除され工作機械８が作動して被工作物７１を加
工する。

以上の供出作業及び加工作業を繰り返すことに
よつて円滑な工作機械の作動が確保される。

（効果） 上述した様に本考案の被工作物の供出装置は、
送りハンドルの作動によつて被工作物を吸着及び
搬出し、更に金型上に載置するまでの各工程が一
連となつて高能率の加工作業が実現できる。又エ
アシリンダーを縦方向に使用しないのであらゆる
工作機械に適応できる等汎用性を有し、更に各作
動に応じた安全機構も備えつけることができるの
で安全性も高いものである。又エアシリンダーを
用いないので低コストの供出装置となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の供出装置を示す説明概略
図、第２図は、チヤツキング部と固定斜台を示す
概略図、第３図は、同側面概略図、第４図は、チ
ヤツキング部の作動説明概略図第５図は、ストツ
パーを説明する説明概略図、第６図乃至第８図
は、供出装置の作動状態説明概略図、第９図は、
従来の提出装置におけるチヤツチング部を示す概
略図である。 １……テーブル、１１………ヘツド、２……ス
ライダー、３……送りハンドル、４……チヤツキ
ング部、４１……立辺、４２……上辺、４ａ……
ストツパー、４３，４３……ガイド杆、５……吸
着機、６……固定斜台、６ａ……テーパー面、７
……被工作物の収納部、７１……被工作物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) チヤツキング部を設けたスライダーを送りハ
   ンドルによりテーブル上を移動させ、該チヤツ
   キング部で吸着した被工作物を工作機械の金型
   上に供出する装置であつて、前記チヤツキング
   部は前記ライダー上に立設した立辺と該立辺か
   ら略水平に延出した上辺とにより略「状と為
   し、前記上辺には吸着機が取付けられるととも
   に、前記上辺にはテーブル上に立設した固定斜
   台のテーパー面と移動方向に相対向させたテー
   パー面を形成し、前記スライダーの移動によつ
   て前記上辺のテーパー面が前記固定斜台のテー
   パー面に当接摺動することにより前記上辺が下
   降して吸着機が被工作物を吸着する被工作物の
   供出装置。 (2) 前記チヤツキング部の立辺はガイド杆に沿つ
   て上下動し、且つ内設したバネにより上方向の
   付勢力が与えられていることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の被工作物の供
   出装置。