JPH0243387Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、体重の移動により椅子の座部と背部
とが連動して背骨の屈伸運動を行なえるようにす
ると共に、背部を適度にマツサージできるように
し、通常は座椅子としても利用できるようにした
背伸機構を備えた座椅子式マツサージ機に関する
ものである。

（従来技術とその問題点） 近年、子供や大人の姿勢悪化により、背骨の湾
曲傾向が目立ち、施設や一般家庭においても背骨
の屈伸運動や背骨の矯正を行なうことのできる器
具が普及している。

ところで、一般に使用されている座椅子は、単
に座ることだけを目的として製作されているが、
長時間に亙り座つた状態を維持することは大変苦
痛であると共に背骨に対する負担が大きいため、
従来より背骨に曲がりを生じさせるといつた問題
があつた。

そこで、最近では上記従来の諸問題を解消すべ
く、座部と背部とが体重の移動により連動するよ
う構成して、通常は普通の座椅子として使用でき
ると共に、ストツパーを外せば背骨の屈伸運動器
具として利用できるようにした背伸座椅子が脚光
を浴びている。

しかし、このような背伸座椅子においては、そ
の使用目的が背骨の屈伸運動を可能にした座椅子
を主体とするものであるために、より一層の付加
価値を求める消費者にとつては、満足間を与える
ことができず、すぐに飽きてしまい実用価値の無
い状態となつている。

（考案の目的） 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので
あり、座部と背部とが体重の移動により連動する
よう構成すると共に該背部を適度にマツサージで
きるマツサージ装置を具備させて、通常は普通の
座椅子として使用できると共に、体重の移動によ
り背骨の屈伸運動器具として利用でき、しかも疲
労時にはマツサージ装置を作動させて使用者の背
部を適度にマツサージできるようにした多機能を
有する背伸機構を備えた座椅子式マツサージ機を
提供することを目的として成されたものである。

（考案の構成） すなわち、本考案の背伸機構を備えた座椅子式
マツサージ機は、固定座枠と、該固定座枠の上部
に配置され、その前端を前記固定座枠の前部に枢
着して下部に可回動の脚杆を具備させた可動座枠
と、該可動座枠の後端にその下端部が枢着された
背もたれ枠と、該背もたれ枠の下端部より稍上方
部位と前記固定座枠とに介設させた揺動支持杆と
で外枠を構成し、前記可動座枠と背もたれ枠とに
マツト材を装着してなる背伸座椅子において、該
座椅子の前記固定座枠後部に、それぞれ保持部材
を設け、両側に立上り部を備え該立上り部の一側
内側側面にコ字状レールを固設すると共に、上部
には前後に揺動するロール群を枢着せしめた逆Ｕ
字状の揺動基材を両側にベアリングを介して前記
各保持部材間に架設し、該揺動基材の下方には、
この揺動基材を揺動させるべく、駆動モータのロ
ツド端にプーリーを固着し、前記コ字状レール内
に嵌入させる係止軸を該プーリーに偏心して取付
けてなるマツサージ装置を配備させた事を特徴と
するものである。

以下、本考案の背伸機構を備えた座椅子式マツ
サージ機を図面に示す一実施例に基ずきこれを詳
細に説明する。

（実施例） 図面において、１は、本考案の背伸機構を備え
た座椅子式マツサージ機の一実施例を示したもの
であり、該座椅子式マツサージ機１は、背伸座椅
子２とマツサージ装置１１とからなり、背伸座椅
子２を、後部に係止用突片３′を配備した固定座
枠３と、該固定座枠３の上部に配置され、その前
端を前記固定座枠３の前部に枢着して下部に可回
動の脚杆５を具備させた可動座枠４と、該可動座
枠４の後端にその下端部が枢着された背もたれ枠
８と、該背もたれ枠８の下端部より稍上方部位と
前記固定座枠３とに介設させた揺動支持杆９とで
外枠を形成し、前記可動座枠４と背もたれ枠８と
にマツト材１０を装着して構成したものである。

尚、前記脚杆５は、該可動座枠４の後部側下部
に可回動に取り付けて該可動座枠４を所定の高さ
で支持できるようにしたものであり、該脚杆５を
図示したように、棒材・管材・板材等を横長Ｕ状
に曲折してなる長脚杆６と短脚杆７との長短２種
類を一括して取り付けてることにより、前記可動
座枠４の高さを２段階に調節して支持できるよう
にしている。

而して、前記マツサージ装置１１は、前記背伸
座椅子２の前記固定座枠３後部で、前記背もたれ
枠８の後方から当接且つ揺動して、使用者の背部
を適度にローリングマツサージできるようにする
ためのものであり、該マツサージ装置１１は、第
２図及び第３図に示したように、前記固定座枠３
の後部で揺動可能に架設され、上部にマツサージ
用ロール群枢着せしめた揺動基材１４と、該揺動
基材１４を駆動モータ２０により揺動させ得るよ
うに構成したものである。

前記揺動基材１４は、例えば棒材・管材・板材
等を曲折して両側に立上り部１５を有する逆Ｕ字
状に形成されたものであり、該揺動基材１４を前
記固定座枠３の後部にそれぞれ設けられる断面視
Ｌ字状の保持部材１２，１２間にベアリング１３
を各々介して架設することにより、固定座枠３の
後部間で前後に揺動し得るように構成したもので
ある。

また、図面において１６は、前記一側の立上り
部１５の内側側面に固設されたコ字状レールであ
り、該コ字状レール１６内に、後述する係止軸２
２が嵌入し乍ら偏心移動することにより、前記揺
動基材１４が背もたれ枠８方向に前後に揺動させ
ることができるようにしたものである。

更に１７は、前記揺動基材１４の上部に枢着さ
れたロール群であり、該ロール群１７は、第２図
及び第３図に示したように、ロール１９の複数を
（図面においては６個）連結杆１８で上下２段
（上部４個・下部２個）に並設されており、第４
図及び第５図に示したように、前記連結杆１８の
中央部を揺動基材１４の上部枢着せしめて、該揺
動基材１４の上部を支点とした揺動を可能に構成
したものである。

更にまた、前記駆動モータ２０は、前記揺動基
材１４を起動させるべくその下方に配設されたも
のであり、該駆動モータ２０にはそのロツド端に
偏心状に係止軸２２を取り付けたプーリー２１が
固着されており、前述したように、前記コ字状レ
ール１６内に嵌入させた係止軸２２を、駆動モー
タ２０の駆動により嵌入した状態で偏心移動させ
ることにより、前記揺動基材１４が背もたれ枠８
方向に前後に揺動させることができるようにした
ものである。

（考案の作用） 本考案の背伸機構を備えた座椅子式マツサージ
機１は、以上の一実施例に示したように構成され
たものであり、これを使用して、例えば、通常の
座椅子として使用する場合には、第６図に示した
ように脚杆５を回動させて長脚杆６或いは短脚杆
７を係止用突部材３′と係合させるだけで良く、
使用者Ａは安定した座椅子として使用できるもの
である。

更に、この背伸機構を備えた座椅子式マツサー
ジ機を用いて背筋伸ばし運動を行なう場合にあつ
ては、使用者Ａが座部上に足を伸ばした状態にし
て座り、使用者Ａの背中を背もたれ枠８に当接し
後方へ反らせることにより、体重の移動が行なわ
れ、第７図に示したように可動座枠４の後部が上
昇してこれに連動する背もたれ枠８は下方へ傾倒
展開すると共に揺動支持杆９はその背もたれ枠８
の傾倒に応じて揺動し、使用者の背中を無理なく
伸ばすことができるものである。

尚、使用者が背中を背もたれ枠８方向に反らせ
ることを止めることにより、この背伸機構を備え
た座椅子式マツサージ機１の背伸座椅子２は、元
の状態に復帰する。そして、この動作を繰り返す
ことにより、良好な背筋伸ばし運動ができる。

更にまた、本考案の背伸機構を備えた座椅子式
マツサージ機１を用いて、使用者Ａの背部を適度
にマツサージしたいような場合は、使用者が第６
図或いは、第７図に示したような状態に座り、マ
ツサージ装置１１を作動させるだけで良く、マツ
サージ装置１１のロール群１７は、常時、背伸座
椅子２の背もたれ枠方向に当接状態で揺動して、
使用者Ａの背部を適度にローリングマツサージで
きるものである。

また、使用者Ａの好みにより、特に背部を強く
マツサージしたいような場合は、前述した背伸運
動を行ないながら、マツサージ装置を１１を作動
させれば良い。

（考案の効果） 以上のように、本考案の背伸機構を備えた座椅
子式マツサージ機は、固定座枠と、該固定座枠の
上部に配置され、その前端を前記固定座枠の前部
に枢着して下部に可回動の脚杆を具備させた可動
座枠と、該可動座枠の後端にその下端部が枢着さ
れた背もたれ枠と、該背もたれ枠の下端部より稍
上方部位と前記固定座枠とに介設させた揺動支持
杆とで外枠を構成すると共に、前記可動座枠と背
もたれ枠とにマツト材を装着してなる背伸座椅子
において、該座椅子の前記固定座枠の後部に、上
部にマツサージ用ロール群枢着せしめた揺動基材
を駆動モータ２０により揺動させ得るように構成
したマツサージ装置を配設したものであるから、
通常の座椅子・背伸運動ができる背伸運動座椅子
及び、マツサージができる座椅子式マツサージ機
等の多種な利用ができるようにしたものであるか
ら、従来の欠点や問題点を解消して、実用性豊か
で且つ継続使用可能であるという利点を有し、し
かも従来の要望を満足させることができる画期的
なものである。

尚、本考案を背伸座椅子として利用するにあつ
ては、背もたれ枠背面のマツサージ装置の稼動状
態に拘らず、使用者の背部にマツサージ装置のロ
ール群が当接するため、従来の背伸座椅子に比べ
て、ロール群による押上力の強化を図ることがで
き、該効果による背部の矯正をも期待できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第３図は
本考案の一実施例を示す背面図、第４図は本考案
におけるマツサージ装置の駆動状態の一実施例を
示す説明図、第５図は本考案におけるマツサージ
装置の駆動状態の一実施例を示す説明図、第６図
は本考案の使用状態の一実施例を示す側面図、第
７図は本考案の使用状態の一実施例を示す側面
図。 １は背伸機構を備えた座椅子式マツサージ機、
２は背伸座椅子、３は固定座枠、４は可動座枠、
５は脚杆、８は背もたれ枠、９は揺動支持杆、１
０はマツト材、１１はマツサージ装置、１２は保
持部材、１３はベアリング、１４は揺動基材、１
５は立上り部、１６はコ字状レール、１７はロー
ル群、２０は駆動モータ、２１はプーリー、２２
は係止軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定座枠と、該固定座枠の上部に配置され、そ
   の前端を前記固定座枠の前部に枢着して下部に可
   回動の脚杆を具備させた可動座枠と、該可動座枠
   の後端にその下端部が枢着された背もたれ枠と、
   該背もたれ枠の下端部より稍上方部位と前記固定
   座枠とに介設させた揺動支持杆とで外枠を構成
   し、前記可動座枠と背もたれ枠とにマツト材を装
   着してなる背伸座椅子において、該座椅子の前記
   固定座枠後部に、それぞれ保持部材を設け、両側
   に立上り部を備え該立上り部の一側内側側面にコ
   字状レールを固設すると共に、上部には前後に揺
   動するロール群を枢着せしめた逆Ｕ字状の揺動基
   材を両側にベアリングを介して前記各保持部材間
   に架設し、該揺動基材の下方には、この揺動基材
   を揺動させるべく、駆動モータのロツド端にプー
   リーを固着し、前記コ字状レール内に嵌入させる
   係止軸を該プーリーに偏心して取付けてなるマツ
   サージ装置を配備させた事を特徴とする背伸機構
   を備えた座椅子式マツサージ機。