JPH0123491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は身体の訓練に併せて身体のマツサー
ジを行えるようにした運動具兼用の椅子に関す
る。

（従来の技術） これまでに運動具を兼ねた椅子として、例えば
実公昭45−7875号のように、支脚を有する左右の
側枠に挾持されている支持枠の後方立上り部に背
板の背面中央部を回動自在に軸架し、その水平杆
に手持ち環を取付けると共にその先端部に足掛け
片を伸縮自在に設け、背板の下側部に腰掛板を回
動自在に装着する一方、腰掛板を側板に対し前後
摺動自在に支持し、通常の椅子の状態から腰掛け
板を前方に摺動させると同時に背板を傾けて安楽
椅子となし、また足掛け片を前方に出して足先を
かけると共に手持ち環を持ちながら身体を後方に
傾けて、腹筋を伸ばすようにしたもの、および特
開昭54−110026号のように、背もたれ枠と座枠を
屈曲自在に連結し、背もたれ枠を下枠に枢着する
と共に座枠を下枠に枢着して椅子本体となし、先
端にハンドルを有するばね体を下枠に取付け、下
枠から前方に突出させた足置具にハンドルを引掛
け、足を足置具にのせてハンドルを引張り、ばね
体を伸長させながら背もたれ枠を後方に傾け、次
いで上半身を前方に起き上らせると同時に背もた
れを元に戻し、全身の屈身運動と筋力の訓練を行
うようにしたものなどが提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、これまでの運動具兼用の椅子は専ら
身体の屈身運動と腹筋の伸長を行うだけで、その
運動に関連して背部から腰部にかけてマツサージ
を行い、該部分の筋肉を揉みほぐす機能は備えて
いない。

そこで、この考案は身体の伸長運動に関連して
背部から腰部にかけてマツサージを行い、この部
分の筋肉を充分に揉みほぐすことができるように
した運動具兼用の椅子を提供するものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的のもとにこの考案は、後部にスライド
枠を設けた左右一対の基杆の前端にｕ字形の座枠
の前部横杆を回動可能に軸支し、該座枠の後端に
は、両側杆に所要高さにわたるガイド枠を有する
縦枠とその下端から後方に伸びる横枠とからなる
背もたれの下端をピン軸により回動可能に連結
し、上記縦枠と基杆の後端とを支持枠により回動
可能に連結し、上記両側ガイド枠には一対のロー
ラを回転自在に取付けたローラ軸の両端部を係合
すると共に前記基杆上のスライド枠にはスライド
杆の両端部を係合し、該スライド杆を縦杆により
上記ローラ軸に連結すると共に連結杆により前記
横枠にそれぞれ連結したことを特徴としている。

（作用） 背もたれが起立した状態において、背もたれに
体重をかけて縦枠を後方に回動させれば、その横
枠が前方に回動し連結杆を介してスライド枠が前
方に移動し、その前方移動によつてスライド杆と
ピン軸との間隔が大きくなり、縦枠のほぼ水平な
傾倒によつて腹筋が伸張させられ、それと同時に
縦杆を介してローラ軸がガイド枠に沿つて下降さ
せられ、ローラ軸上のローラが身体の背部から腰
部にかけて揉みほぐすことになる。

（実施例） 図面参照の上この考案の実施例につき説明すれ
ば、第１図において、１は左右に一定の間隔をお
いて配設された所要長さの一対の基杆であつて、
各後部１ａは上方に湾曲していて、前後の端部に
は軸受部１ｂ，１ｄをそれぞれ備え、その上面後
部寄りの位置には長孔からなるスライド枠１ｃが
設けられ、前端左右の軸受部１ｂには平面ｕ字形
をなし前部が下方に曲がつた座枠２の前部横杆２
ａが嵌合され、この座枠２の両側縦杆の後端に
は、逆ｕ字形でゆるやかに後方に湾曲した縦枠３
とその下端両側からほぼ直角に後方に伸びた逆ｕ
字形の横枠４からなる背もたれＡの下端両側部が
ピン軸２ｂによつて回動可能に枢着されており、
その縦枠３の両側杆３ａの下方所要高さ位置には
後方に向う軸受耳片３ｃを介して同じく逆ｕ字形
の支持枠５の両屈曲端が回動可能に取付けられる
一方、支持枠５の両側部は各基杆１の後端軸受部
１ｄに回動可能に支持されている。

また、背もたれ縦杆３の両側杆３ａの下半部に
は所要高さ範囲にわたつてガイド枠６が上記軸受
耳片３ｃより内側にそれぞれ設けられ、これらの
ガイド枠６には中央部に間隔をおいて一対のロー
ラ７を回転自在に取付けたローラ軸８の両端部が
摺動可能に嵌合されており、そして、ローラ軸８
には一対のローラ７の両側部において二つの縦杆
９の上端が回動可能に連結され、それらの縦杆９
の下端はスライド杆１０に固定され、このスライ
ド杆１０の両端部は基杆１上のスライド枠１ｃに
摺動可能に嵌合しており、そして、スライド杆１
０は間隔をおいた回動可能な二つの連結杆１１に
よつて背もたれの横枠４の中央部に連結されてい
る。

１２は座枠２の後部に設けられたマツトの支え
杆であり、１３は座枠２と背もたれの縦枠３の上
部に張設されたキヤンバスである。

上記構成のもとにその使用に当たつては、座枠
２と背もたれ縦枠３の上にマツト１４を載置して
クリツプ等で枠体に適宜に取付け、通常には第２
図のように背もたれＡの横枠４がほぼ水平状態に
なるように起立させ、かつ横枠４に連結杆１１で
一体に連結されたスライド杆１０を基杆１上のス
ライド枠１ｃの後端に位置させて座椅子として使
用する。

その際にはスライド杆１０に縦杆９を介して連
結されたローラ軸８が上方に位置させられ、軸上
の一対のローラ７がマツト１４を介して身体の背
部中央に当接している。

この状態で使用者が後方に反り返るように体重
を背もたれＡにかけると、第３図イのように背も
たれＡと座枠２の枢支点であるピン軸２ｂを中心
として背もたれＡの縦枠３は後方に、横枠４は前
方に回動することになり、横枠４の前方への回動
により連結杆１１を介してスライド杆１０がスラ
イド枠１ｃに沿つて前方に移動し、そしてピン軸
２ｂとスライド杆１０との間隔が漸次大きくな
り、座枠２が前部横杆２ａを中心として上方に回
動し、それにつれて支持枠５も基杆１に対し起立
する方向に回動し、また、スライド杆１０の前方
への移動により、縦杆９を介してローラ軸８がガ
イド枠６に沿つて前方に移動することになり一対
のローラ７が背部から腰部へ向つて転動し、この
部分をマツサージすることになる。

更に身体を傾倒させれば、第３図ロのように背
もたれの縦枠３がほぼ水平状態に回動すると共に
横枠４によつてスライド杆１０がスライド枠１ｃ
の前端にまで移動し、ピン軸２ｂとスライド杆１
０との間隔が更に大きくなつて座枠２の後部がそ
れだけ持ち上げられ、身体が弓なりに反り返るこ
とになつて腹筋が充分に伸長され、それと同時に
ローラ軸８がローラ７を伴つてガイド枠６に沿つ
て前進し、マツト１４を介して腰部を揉むことに
なる。

この状態から身体を起していけば、背もたれＡ
および座枠２などは第３図イの状態を経て第２図
の状態に戻り、その間ローラ７は腰部から背部に
向つて転動し、この部分を揉みほぐす。

上記の動作を繰り返すことにより腹筋の伸長運
動と背部の揉みほぐし動作とが同時に行われる。

（考案の効果） 以上のようにこの考案によれば、背もたれ縦枠
の傾倒、起立に伴つて一対のローラを有するロー
ラ軸をガイド枠に沿つて往復動させるようにした
ので、腹筋の伸長運動に併せて背部から腰部へか
けてマツサージを行うことができ、該部の筋肉を
充分に揉みほぐすことができ、血行をよくして健
康の促進に役立つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の斜視図。第２図は
通常の座椅子としての使用状態の側面図。第３図
イは背もたれを傾けた途中の側面図。同図ロは背
もたれを倒した状態の側面図。 図中、１……基杆、１ａ……後部、１ｂ，１ｄ
……軸受部、１ｃ……スライド枠、２……座枠、
２ａ……横杆、３……縦枠、３ａ……側杆、４…
…横枠、５……支持枠、６……ガイド杆、７……
ローラ、８……ローラ軸、９……縦杆、１０……
スライド杆、１１……連結杆、Ａ……背もたれ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部１ａにスライド枠１ｃを設けた左右一対の
   基杆１の前端にｕ字形の座枠２の前部横杆２ａを
   回動可能に軸支し、該座枠２の後端には、両側杆
   ３ａに所要高さにわたるガイド枠６を有する縦枠
   ３とその下端から後方に伸びる横枠４とからなる
   背もたれＡの下端をピン軸２ｂにより回動可能に
   連結し、上記縦枠３と基杆１の後端とを支持枠５
   により回動可能に連結し、上記両側ガイド枠６に
   は一対のローラ７を回転自在に取付けたローラ軸
   ８の両端部を係合すると共に前記基杆１上のスラ
   イド枠１ｃにはスライド杆１０の両端部を係合
   し、該スライド杆１０を縦杆９により上記ローラ
   軸８に連結すると共に連結杆１１により前記横枠
   ４にそれぞれ連結してなる運動具兼用の椅子。