JPH0243250B2

JPH0243250B2 -

Info

Publication number: JPH0243250B2
Application number: JP55146736A
Authority: JP
Priority date: 1980-10-20
Filing date: 1980-10-20
Publication date: 1990-09-27
Also published as: DE3140679A1; JPS5771556A; US4476177A; DE3140679C2

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はリーダーテープを有する磁気テープに
関する。更に詳細には、磁気記録装置の磁気ヘツ
ドをクリーニングすることのできるクリーニング
リーダーテープを端部に有する磁気テープに関す
る。オーデイオカセツトレコーダー、ビデオレコー
ダなどの所謂磁気記録装置において、使用中の録
音再生ヘツドや、走行路のガイドポールやローラ
ーの汚れを清掃するために、磁気テープの端部に
接合されたリーダーテープが使用されている。従来のリーダーテープとしては、アルミナ
（Al₂O₃）、炭化珪素（SiC）、酸化クロム
（Cr₂O₃）、酸化チタン（TiO₂）、ベンガラ（α−
Fe₂O₃）の如き無機顔料をバインダーと共に支持
体上に塗布してクリーニング層を設けることが知
られている。これらのクリーニング層は充分な汚
れの除去能力を持つが、研磨能力が強過ぎるため
に、しばしばヘツドやガイドポールを磨損させる
ことがあり、且つテープ状に細断したり、磁気テ
ープを接合する際に使う刃を磨損させることが多
かつた。かかる欠点を防止するために、研磨材に代えて
支持体表面をサンドブラスト処理などによりマツ
ト化する方法が提案された（実公昭49−42726
号）。しかし、この方法で得られる表面凹凸には
限度があり、またしばしば支持体の破断強度が低
下する。更に、粒子サイズ0.002〜4μの無機顔料とバイ
ンダーからなるクリーニング層を支持体上に設け
たリーダーテープも知られている（特公昭55−
7631号）。このリーダーテープはクリーニング効
果は大きいが、硬い無機顔料が磁気ヘツド面から
付着物を研磨する際にヘツド面を傷つけることが
あり、この傷によつて更に磁気テープが傷つくた
め、感度及びＳ／Ｎが劣化する。従つて、本発明の目的は、第１に優れたクリー
ニング効果を持つリーダーテープを有する磁気テ
ープを提供することにあり、第２に、優れた耐磨
損性を持つリーダーテープを有する磁気テープを
提供することにある。本発明の上記の目的は、支持体の片面又は両面
にクリーニング層を設けてなり、該クリーニング
層がバインダー及び粒子サイズ0.1〜20μの有機高
分子粉末を含み、且つリーダーテープの光透過率
が40〜95％であるリーダーテープを少なくとも一
方の端部に有する磁気テープによつて達成され
る。本発明において使用される有機高分子粉末はセ
ルロース粉末及び樹脂粒子を包含する。セルロー
ス粉末としてはたとえばKCフロツク（商品名；
国策パルプ工業製造）があり、また樹脂粒子とし
てはポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリエステル、フエノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フ
エノキシ樹脂等がある。本発明の磁気テープのリーダーテープのクリー
ニング層に含まれるこれらの有機高分子の粒子サ
イズは、0.1〜20μで、特には、2.5μが好ましい。本発明の磁気テープにおけるリーダーテープの
クリーニング層に含まれる前記有機高分子の粒子
サイズが、小さくなるに従つて前記有機高分子粉
末の粒子の多くがクリーニング層中に埋没するた
めかクリーニング効果が次第に低下し、その粒子
サイズが0.1μ未満になるともはや本発明の目的を
達成することが出来なくなる。逆に粒子サイズが
大きくなるとクリーニング層から大きく突出する
粒子が多くなるためその突出した部分から塗布層
の脱落が起こり易くなり、また、クリーニング層
の表面の凹凸が大きくなるのでコンパクトカセツ
ト内に共に巻取られている磁気テープの磁性層の
表面にその凹凸が転写されて出力の間隙損失によ
る出力レベルの変動が大きくなつて、その粒子サ
イズが20μｍを超えるようになると実用上問題と
なる。有機高分子粉末は、支持体上に保存されるため
に、バインダー（たとえば、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メタアクリル樹
脂、ニトロセルロース、水溶性ポリマー（たとえ
ばポリビニルアルコールナド）、ポリエチレンラ
テツクスなど）と混合される。バインダーと有機高分子粉末の量は重量比、即
ち（バインダーの重量）／（有機高分子粉末の重
量）で５／１〜１／３、好ましくは３／１から
１／１である。これらの比率を変えることによつ
て光透過率を変えることができる。尚、本発明においてはクリーニング層中のバイ
ンダーと有機高分子粉末の相対量を重量比で表し
たが、バインダーも有機高分子もその比重がほぼ
等しいので体積比で表した場合とほぼ同様の分量
で両者の量的関係を考えることができる。クリーニング層におけるバインダーの量が多く
なつて、前記重量比５／１を超えるようになる
と、有機高分子粉末が疎らに存在するようにな
り、クリーニング層の凹凸が少なくなつてクリー
ニング効果が劣化したり、また過剰のバインダー
がかえつてヘツドの面を汚したりする。逆にバイ
ンダーの量が少なくなつて１／３未満となるとバ
インダーによる有機高分子粉末の保持性（接着
性）が劣化して塗膜の欠落を生じることとなりこ
れまた問題である。以上のようにして得られるバインダー及び有機
高分子粉末を主体とする混合物は、支持体の片面
または両面の全面または一部分に塗布される。こ
の際、有機高分子粉末を直径５〜20μの島状に
し、島と島の間隔を５〜20μなる様に塗布すると
光透過率を10〜30％調整できる。即ち、有機高分
子粉末を使用することにより光透過率のコントロ
ールが容易になる。以上のように、本発明の目的を達成するために
は、クリーニング層に含有させる有機高分子粉末
の平均粒子サイズ及びバインダーと有機高分子粉
末との重量比を前記の範囲に選択することが重要
であり、そしてリーダーテープの光透過率を40〜
95％の範囲にすることにより後に記載するような
特徴を有する磁気テープを得ることが出来る。本発明のクリーニング層にあつては、バインダ
ーと有機高分子粉末との比率が重量比で５／１〜
１／３の特定の範囲にあれば、バインダーがいわ
ゆる結合剤として機能し有機高分子粉末同士を接
着してクリーニング層として一体化した層を形成
するに充分な量だけは確保され、同時にクリーニ
ング効果を損なうほど過剰な量とはならないので
ある。即ち、バインダーが最少量（バインダー／有機
高分子粉末）の重量比で１／３となる量だけあれ
ば有機高分子粉末はクリーニング層に確実に保持
され、且つバインダーが最大量（バインダー／有
機高分子粉末）の重量比で５／１の量に抑えられ
ておれば有機高分子粉末はクリーニング層の表面
にクリーニング効果を発揮できるように突出でき
本発明の目的を達成できるのである。クリーニング層の膜厚は、本発明の目的を達成
する上で主たる要件ではない。しかし、クリーニ
ング層の膜厚に関して強いて述べれば、余り薄く
なると有機高分子粉末がクリーニング層に強固に
保持され難しくなり、クリーニング層から一部脱
落することも起こりうる。塗布に用いる溶剤は有機高分子粉末を溶解しな
いものであればよく、たとえば、メチルエチルケ
トン−トルエン混合溶剤などが用いられる。支持体（厚さ５〜35μ）、バインダー及び他の
添加剤として、特開昭52−108804号に記載された
ものを使用することができる。尚、本発明の磁気テープのリーダーテープの前
記の特徴ある効果は、支持体の厚さが上記の５〜
35μｍの範囲内であれば、支持体の厚さには依存
しない。即ち、本発明の目的である優れたクリー
ニング効果及び優れた耐摩耗性は、クリーニング
層の粒子サイズが前記の0.1〜20μの範囲内にある
ことと、前記バインダー有機高分子粉末の重量比
が５／１〜１／３の範囲にあることによつてもた
らされるのである。そして、その厚さが上記の範
囲内にあれば支持体には殆ど影響されない。本発明の磁気テープは下記に示す性質のリーダ
ーテープを有する。 (1) クリーニング効果が優れている。この効果は
磁気ヘツドだけでなく、ガイドポール、キヤプ
スタン、ピンチローラーの表面の汚れに対して
も有効である。 (2) クリーニング時に磁気ヘツドの表面に傷が生
じない。 (3) 繰返し使用してもクリーニング効果の低下は
少ない。 (4) 光透過率のコントロールが容易となり、しか
も高光透過率とすることができるため、磁気テ
ープの終端を光電管検出する磁気記録装置に適
している。実施例１厚さ20μのポリエチレンテレフタレートフイル
ム上にポリエチレン粉末（平均粒径2.5μ）、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体（共重合比７：３、
重合度400）及びエポキシ樹脂の混合分散物を塗
布、乾燥してクリーニング層（膜厚20μ）を設け
た。このようにして得られたロールをスリツター
を用いて3.81mm巾にスリツトしてリーダテープと
した。長さ１ｍのリーダーテープをカセツトテー
プ中の磁気テープの両端に粘着テープで接合し
て、オーデイオカセツトレコーダー中で走行（録
音と再生）させた。このときあらかじめカセツト
レコーダーの磁気ヘツドを汚しておき、クリーニ
ングリーダーテープによつて汚れが取り除かれる
走行回数を調べた。従つて、汚れが取れるまでの
走行回数が少いほどクリーニング効果は多きい。
同時に同一回数走行させたときのヘツド面傷を調
べた。

【表】実施例２下表に示す有機高分子粉末を用いる以外は実施
例１と同様の操作を繰返した。但し、クリーニン
グ層の乾燥膜厚は8μ、有機高分子粉末とバイン
ダーの重量比は１：２であつた。結果を下表に示
す。尚、使用した有機高分子粉末の粒子サイズ（平
均粒径は）は、No.８のサンプルに使用したポリエ
チレン粉末は2.5μ、No.９のサンプルに使用したポ
リプロピレン粉末は2.5μ、No.10のサンプルに使用
したポリアミド粉末は3.5μ、No.11のサンプルに使
用したポリエステル粉末は3.0μ、No.12のサンプル
に使用したセルロース粉末は4.0μであつた。

【表】これらのクリーニング効果は上表に示すように
有機高分子粉体の種類が変つても、効果は変ら
ず、優れていることがわかつた。実施例３実施例２においてポリエチレン粉末を含む系の
分散方法を変えて下表に示す粉末状態になる様に
塗布した。結果を次表に示す。

【表】塗膜中に存在する有機高分子粉体を島状に存在
させると、光透過率を変化させることが出来る。実施例４実施例１のサンプルNo.４を次の比較用サンプル
と比較し、その結果を次表に示す。比較サンプルポリエチレン粉末に代えて酸化チタン（TiO₂）
を用いる以外は実施例１と同様にしてリーダーテ
ープを得た。２種類のリーダーテープをカセツトテープに接
合し、オーデイオカセツトレコーダーで２回走行
させたときのヘツド面の傷を調べた。更に、それ
ぞれのリーダーテープの表面にカミソリのブレー
ドを垂直に接触させた状態でリーダーテープを
1.5ｍ／sesの速度で100ｍ走行させ、ブレードの
摩耗量を測定した。

【表】実施例５実施例１において、バインダーとポリエチレン
粉末の重量比をサンプルNo.４と同じく２／１にし
て、さらにポリエチレン粉末の粒子サイズを下表
のように変えた以外は、実施例１同一の条件でク
リーニングテープのサンプルを作成した。そして
実施例１と同一の条件で各サンプルにつきヘツド
につきヘツドの汚れが取り除かれるまでの走行回
数、ヘツド面の傷、塗布層の脱落、光透過率を測
定しさらに磁気テープの出力レベル変動を以下の
条件で調べたところ下表のような結果得た。磁気テープの出力レベル変動の測定：長さ１ｍ
のリーダーテープの各サンプルの全厚12μの磁気
テープ135ｍの両端に粘着テープで接合し、これ
をハブで巻き付けてコンパクトカセツト内に収容
した。このカセツトテープにあらかじめ3KHz−1OdB
の信号を記録した後、40℃60％RHの環境条件下
に48時間放置してから、取り出して信号の再生を
行いその出力レベルの変動の度合を調べた。レベ
ル変動が０乃至1dBのものを◎、１乃至2dBのも
のを〇、２乃至3dBのものを△、3dB以上のもの
を×とした。下表の結果から明らかなように、前記ポリエチ
レン粉末が粒子サイズが小さくなるにしたがつ
て、ヘツドに対するクリーニング効果が低下して
おり、0.1未満である0.05μのサンプルNo.18では、
走行回数が際だつて多くなり、また塗布層の脱落
も見られた。逆に粒子のサイズが大きくなり、20μｍを超え
た30μｍのサンプルNo.27では、クリーニング層の
塗布層の脱落がみられるようになつた。また、出
力レベル変動も増大し、変動が3dB以上となり実
用上問題であることが分かつた。

【表】比較例厚さ20μのポリエチレンテレフタレートフイル
ム上に塗布する混合分散物の組成比を下記のよう
に変えた以外は、実施例１と同一の有機高分子粉
末（ポリエチレン粉末〔平均粒子サイズ2.5μ〕）
及びバインダー（塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体〔共重合比７：３、重合度400〕及びエポキシ
樹脂）を使用し、実施例１と同一の条件でリーダ
ーテープを作成して、同様の試験を行つた。

【表】バインダーの比率が増大することによりクリー
ニング効果が極端に劣る（走行回数が増す）。こ
とが分かつた。

Claims

【特許請求の範囲】

１支持体の片面又は両面にクリーニング層を設
けてなるリーダーテープを少なくとも一方の端部
に有する磁気テープにおいて、該クリーニング層
はバインダー及び粒子サイズ0.1〜20μの有機高分
子粉末を含み、且つ該有機高分子粉末を保持する
ことが可能な厚みを有しており、該バインダーと
前記有機高分子粉末の量は重量比で５／１〜１／
３であり且つリーダーテープの光透過率が40〜95
％であることを特徴とするリーダーテープを有す
る磁気テープ。