JPH0242984B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、常温施工用の感圧接着型ルーフイン
グを用いた絶縁防水施工法に関する。

従来、一般に裏面全面に感圧接着性の粘着層を
施されたルーフイングは、防水すべき下地面に全
面接着するので絶縁防水施工には使用できない不
都合があり、絶縁防水施工には、別個に下記の如
きそれ専用のルーフイングを製造し使用してい
た。

即ち、その絶縁防水施工用のルーフイングとし
てルーフイング自体に多数の穴をあけたいわゆる
穴あきルーフイングや穴をあけない代りに、裏面
を凹凸面に形成したルーフイングを製造する必要
があり、而もその、施工に当つては、穴あきルー
フイングについては、これを下地面に敷設し、そ
の上面から溶融アスフアルトを流し塗りし且つ各
穴を通して該ルーフイングを下地面に部分的に接
着しその残部下面を下地面から遊離した間隙を存
せしめる施工法であるが下地に凹凸がある場合
や、該ルーフイングと下地とのなじみが悪い場合
などは、その穴に流入した溶融アスフアルトは、
該ルーフイングと下地との間隙に侵入し、その流
れ込んだ溶融アスフアルトによりルーフイング面
と下地面とを結着閉塞し、それだけ所定の絶縁間
隙、即ちルーフイングの絶縁面域を不特定に減少
せしめ、絶縁性の劣化、その間隙によるガス通路
の閉塞をもたらす欠点がある。裏面に凹凸を形成
せしめたルーフイングについては、その裏面の凸
部で下地面との間に有機溶剤に溶かした接着剤や
溶融アスフアルトを介して部分接着し、その凹部
を絶縁並に通気用間隙とするものであるが、この
場合も、その過剰の上記流動接着剤がその凹部間
隙に流れ込んで間隙をせばめ或は塞ぐと共に、そ
のルーフイングの所定の凹部による下地に対する
絶縁性や排気通路が阻害されることがしばしばで
ある。

而も、これら絶縁施工専用のルーフイングは、
いづれも下地面に直接敷設されるので、施工後、
下地との間の該空隙内に溜まるアルカリ性の強い
結露水に接し、ルーフイングの老化が促進され、
使用寿命の短縮をもたらす欠点がある。

更に、従来の特殊な絶縁防水施工用防水シート
として、特開昭58−91264号公報に記載の如く未
加硫ゴムの如き自着性シートの表面に多数の穴を
穿つたポリエチレンシートの如き非接着性の薄い
フイルムを被覆した防水シートが公知であり、又
実開昭56−23698号公報に記載の如く保護材に積
層したゴムアスフアルト組成物層の片面に、連通
した空隙を有し、かつ多数の切抜部を穿つた比較
的厚い基材を積層し且つその切抜部に、ゴムアス
フアルト組成物が基材の外表面まで充たして成る
複合シートが公知であるが、いづれも特殊な絶縁
防水施工用として作成用意しておく必要があるば
かりでなく、その施工面の１部を全面防水施工す
る場合には、これとは別個に作成した全面防水施
工用シートを用意しなければならない。又前者の
防水シートでは、そのラツプ部を全面重合接着す
る必要がある場合は、その裏面のフイルムや基材
の１部を剥離除去しなければならない無駄と作業
を要するなどの不都合を伴なう。

本発明は、かゝる特殊な絶縁防水施工用のルー
フイングの製造を不要とし、通常の一般的な全面
防水施工用の感圧接着性ルーフイングをそのまゝ
使用し、施工現場において必要な個所を随時絶縁
防水施工をなし得るようにし、従来の絶縁防水施
工専用の防水シートの製造を不要とすると共に
かゝる専用防水シートの使用における上記の不都
合を解消し、而も所定の絶縁並に通気性を確保し
得られ且つルーフイングをアルカリ性の結露水か
ら絶縁し耐用寿命の劣化を防止し得る作業容易な
感圧接着性ルーフイングによる絶縁防水施工法を
提供するもので、施工すべき下地面に、多数の穴
を穿設したフイルムを接着剤を介することなく敷
設し、次で、その上面に予め裏面全面に感圧接着
性の粘着層を施した所望枚数のルーフイングを重
合すると共にその上面から加圧して粘着剤層のこ
れら穴に相当する面部を穴を通し挿入し下地面に
接着せしめ、相燐るルーフイングはその端部を重
合させてルーフイングの粘着剤層を介して互いに
接着することを特徴とする。

次に本発明実施の１例を添付図面により説明す
る。

図面で１は建造物の屋上などの絶縁防水すべき
コンクリート下地を示し、該下地１面には必要に
応じ、プライマーを塗布、乾燥しておく。

図面では、かゝるプライマーを施さない下地１
面に先づ多数の穴２を均一に規制的に穿設したプ
ラスチツクフイルム３を敷設し、その上面に、予
め裏面全面に感圧性接着剤から成る厚さ0.5〜２
mm程度の粘着層４を設けた柔軟な感圧接着性ルー
フイング５を積層すると共に上面から加圧して該
フイルム３の該多数の穴２に相当する面部４ａを
穴２を通し挿入し下地１面に接着せしめるように
する。この際、そのルーフイング５はその粘着層
４の穴２に相当しない面部４ｂでフイルム３に重
合接着される。かくしてルーフイング５は、下地
１面に対し、そのフイルム３の介在によりそのフ
イルム３との重合面４ｂにおいて隔離された絶縁
面を形成されることとなるが、更に、この場合、
該フイルム３は、下地１面に対し非接着であるの
で、その下地１との間に絶縁並に通気用間隙が確
保され、結局、ルーフイング５は、その穴あきフ
イルム３に従つた下地１面に対する所定の絶縁防
水工を得ることができる。

このように、本法によれば、下地面に穴あきフ
イルムを敷き、その上にルーフイングを重ね、そ
の上から押圧するだけの作業により簡単に而も、
感圧接着剤型のルーフイングにより絶縁防水施工
ができる。

而も、この場合、ルーフイング５の裏面の粘着
層４は、非流動性であるため、下地１面とフイル
ム３との間に流入することがなく、その押圧接着
時に、そのフイルム３の穴２の大きさ、形状通り
の接着を下地１面に得られ、従つて所定の穴あき
フイルム３面に応じた正確な絶縁通気性をもつ防
水施工が得られると同時に従来の流動性接着剤を
使用した絶縁防水施工の上記の欠点が解消され
る。

更に、本法による利点は、ルーフイング５は、
下地１面からそのフイルム３の介在により隔離さ
れるので、下地１から滲出するアルカリ性の水蒸
気や、その上面に生成するアルカリ性の結露水と
の接触が防止されるので、従来のような使用寿命
の劣化がなく、使用寿命の延長をもたらす。

ルーフイング１としては、通常のアスフアルト
ルーフイング、ゴムアスフアルト系シート、加硫
ゴム系シート、非加硫ゴム系シート等が好適に使
用できる。図示の例は、アスフアルトルーフイン
グから成り、アスフアルト含浸繊維シート５ａを
芯材とし、その裏面に前記粘着層４を有し、その
上面にアスフアルト塗覆層５ｂを設け、更にその
上面に耐侯性保護塗料層や鉱物粉粒層などの保護
層５ｃを設けた式のものである。該フイルム３
は、柔軟性、延伸性、耐アルカリ性に富む材料が
好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフイン系フイルム、その他の合
成樹脂製が一般である。

該フイルム３の厚さは、その上面のルーフイン
グ５を加圧したとき、粘着層４がフイルム３の穴
２を通して下地１面に接着するように足るよう粘
着層４の厚さよりは肉薄であることが好ましく、
一般に、300ミクロン以下とすることが最適であ
る。

フイルム３の穴２の直径は、20〜150mmであり
且つ多数の穴の総面積は、フイルムの表面積の８
〜30％の範囲のものが最適である。その直径が20
mm以下であると、小さすぎて粘着層の挿入接着が
不良となり易く、150mm以上であるとフイルムの
強度が不足する嫌いがある。穴の直径が20〜150
mmの範囲であつても、穴の総面積が８％以下で
は、接着面積が小さすぎ、ルーフイングの下地に
対する接着力が不足し、１方30％以上では絶縁効
果が不良となる。

尚、本法によつて施工された絶縁防水施工面の
所定個所に、常法により排気筒を挿通設置すると
きは、そのフイルム３と下地１面との間の絶縁間
隙６は、下地上面に発生する水蒸気などのガス通
気用通路として役立つ。

而して、本法により施工された上記絶縁防水施
工層の作動は次の通りである。即ち、下地の亀裂
や建物の揺れ挙動による下地面の歪が生じたと
き、ルーフイング５は、下地１面との間に間隙６
が絶縁層となり、その亀裂や歪の応力のルーフイ
ング５への波及を防止しルーフイング５は破断す
ることはない。又該間隙６は、下地１より出る水
分や結露水などが気化して過剰蒸気圧が発生した
場合、これを通気分散してルーフイング５のふく
れ現象を未然に防ぐ。

更に本発明によれば、ルーフイング５と下地１
面との間に下地１に非接着のフイルム３が介在し
ているので、その下地１の亀裂や歪の応力に対す
る緩衝又は絶縁層として作用し、ルーフイング５
の破断防止を一層良好に防止するに役立つ。

更に、本発明によれば、その施工現場に、裏面
全面に感圧接着性の粘着層４をもつルーフイング
５と多数の穴を穿設したフイルム３とを各別に用
意してあるので、本法の絶縁防水施工に加えて、
全面接着防水加工を行なう必要がある立上り部、
ドレン、貫通物まわりなどの個所では、前記のル
ーフイング５のみをそのまゝ直接、下地面に重合
貼着すれば足り、有利である。

このように本発明によるときは、絶縁防水施工
すべき現場に、裏面全面に感圧接着性の粘着層を
施したルーフイングと多数の穴を穿設したフイル
ムとを各別に用意しておくので、その被施工面の
必要箇所に、単に該フイルムそのまま敷設し、そ
の上に該ルーフイングを重ねて上から押圧するだ
けで、所定の絶縁防水施工が正確にでき、作業が
簡単であり、従来、全面防水施工にのみ使用され
ていた該ルーフイングを、絶縁防水施工にも利用
できるようにその利用範囲が拡大できると共に、
従来の絶縁防水専用の防水シートの先に記載の
種々の不都合を解消し得たばかりでなく、その製
造を不要とする等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明実施の１例の１部の断面図を示
す。 １…下地、２…穴、３…フイルム、４…粘着
層、５…ルーフイング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 施工すべき下地面に、多数の穴を穿設したフ
   イルムを接着剤を介することなく敷設し、次で、
   その上面に予め裏面全面に感圧接着性の粘着層を
   施した所望枚数のルーフイングを重合すると共に
   その上面から加圧して粘着剤層のこれら穴に相当
   する面部を穴を通し挿入し下地面に接着せしめ、
   相燐るルーフイングはその端部を重合させてルー
   フイングの粘着剤層を介し互いに接着することを
   特徴とする感圧接着型ルーフイングによる絶縁防
   水施工法。