JPH0242916B2 - - Google Patents

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JPH0242916B2
JPH0242916B2 JP55031246A JP3124680A JPH0242916B2 JP H0242916 B2 JPH0242916 B2 JP H0242916B2 JP 55031246 A JP55031246 A JP 55031246A JP 3124680 A JP3124680 A JP 3124680A JP H0242916 B2 JPH0242916 B2 JP H0242916B2
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【発明の詳細な説明】
この発明はアルミニウムまたはアルミニウム合
金の陽極酸化皮膜の表面処理方法、特に陽極酸化
皮膜の壁および微細孔の中に金属硫化物を含浸さ
せる方法に関する。 アルミニウムおよびアルミニウム合金を陽極酸
化処理したいわゆるアルマイト皮膜は硬質、多孔
質であるため、このアルマイト皮膜の壁および微
細孔の中に種々の物質を含浸させることによつて
アルマイト皮膜の利用価値を高めることが行なわ
れている。 たとえばアルマイト皮膜の壁および微細孔中に
金属硫化物を含浸させることによつて、アルマイ
ト皮膜の潤滑性および耐摩耗性を向上させようと
することが行なわれている。そしてこのような金
属硫化物をアルマイト皮膜中に含浸させるこの種
の従来の方法としては、たとえばアルマイト皮膜
を金属のチオ酸のアンモニウム塩、アルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩の水溶液と、酸の水溶液
とによる二液に交互に浸漬して、微細孔中に金属
硫化物を含浸させる方法、いわゆる二液交互浸漬
法が知られている。しかし、この従来の方法で
は、金属硫化物を微細孔中の開口部付近に含浸で
きるに過ぎず、いまだ充分に満足できるものとは
云えなかつた。このためにアルマイト皮膜の壁お
よび微細孔中に充分な量の金属硫化物を含浸させ
ることが望まれている。 この発明はこのような要望に応えるもので、陽
極酸化皮膜の壁および微細孔の中に充分な量の金
属硫化物を含浸させることができるアルミニウム
またはアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面処
理方法を提供するものである。 まず、この発明の特徴について述べると、この
発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を
陽極酸化処理することにより生成した多孔質な陽
極酸化皮膜に対して、直接(第1の発明)もしく
は前処理を行つた後(第2の発明)金属のチオ酸
のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩の水溶液と、酸の水溶液とによる二液交
互浸漬処理を行なつた後金属のチオ酸の塩の電解
液中で二次電解することによつて、前記陽極酸化
皮膜中に金属硫化物を含浸することに特徴があ
る。このような処理は陽極酸化皮膜に金属硫化物
を含浸させる点で同じであるが、二液交互含浸法
によつて含浸される金属硫化物は微細孔の開口部
付近から微細孔の内部に向かつて含浸されるのに
対し、金属のチオ酸の塩類の電解液中での電解に
よつて含浸される金属硫化物は微細孔の底部から
開口部に向かつて含浸される。従つて、この方法
によれば、効率良く微細孔全体を金属硫化物で満
たすことができる。この場合、金属硫化物が微細
孔の底部から開口部に向かつて含浸される二次電
解処理に先立ち、金属硫化物が微細孔の開口部付
近から微細孔の内部に向かつて含浸される二液交
互浸漬処理を行なうので、先の処理によつて微細
孔の開口部付近が完全に閉じられないように処理
条件などを設定することにより、先の処理によつ
て含浸された金属硫化物が後の処理での含浸の障
害にならず、効率よく微細孔を金属硫化物で満す
ことができる。 また、この発明によつて処理する対象はポーラ
スタイプ(多孔質)の陽極酸化皮膜であり、従つ
て陽極酸化処理にあたつては、ポーラスタイプの
皮膜を生成させるような条件に設定することが必
要である。 次に、上のような特徴を明らかにするため、こ
の発明をより具体的に説明する。 〔陽極酸化処理(一次電解)について〕 陽極酸化処理用の電解浴としては、ポーラスタ
イプのアルマイト皮膜を生成できるかぎり、酸性
浴のみならず、アルカリ浴、あるいはホルムアミ
ドとホウ酸系などの非水浴をも用いることができ
る。 酸性電解浴としては、硫酸、蓚酸、リン酸、ク
ロム酸、スルフオサリチル酸、ピロリン酸、スル
フアミン酸、リンモリブデン酸、ホウ酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、
フタル酸、イタコン酸、リンゴ酸、グリコール酸
などを一種以上溶解した水溶液がある。このよう
な電解浴の成分の中で硫酸のような含硫黄化合物
を浴成分とする電解浴では、アルマイト化成中に
アルミニウム合金の合金成分の一部分が金属硫化
物となり、この後に行なう金属硫化物の含浸処理
と相まつて金属硫化物の生成をより促進するので
好ましい。また、用いる電解浴中にモリブデン酸
やタングステン酸、スズ酸などの金属酸、あるい
はこれらの金属酸のアンモニウム、ナトリウム、
カリウムなどの塩類を一種以上添加しておくと、
陽極酸化処理時に、これらの金属が化合物の形で
アルマイト皮膜中に取り込まれて、この後に行な
う金属のチオ酸の塩の電解液中での二次電解によ
つて金属硫化物となるので金属硫化物の生成量が
多くなり、より効率的にアルマイト皮膜中に金属
硫化物を生成させることができる。 また、酸性浴における電解時の電流波形は、直
流、交流、交直重畳、交直併用、不完全整流波
形、パルス波形、矩形波、三角形あるいは周期波
形などを用いる。そして電解方法としては、定電
流、定電圧、定電力法および連続、断続あるいは
電流回復などを応用した高速アルマイト法などで
行なう。勿論、このような陽極酸化処理条件につ
いては、被処理物の用途を考慮して適切な条件を
選択すべきである。 一方、アルカリ性電解浴組成としては、カセイ
ソーダ、カセイカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、アン
モニア水などを一種以上溶解した水溶液を用い
る。そのときの電流波形および電解方法は、さき
の酸性電解浴の時と同様の条件でよい。また、こ
のアルカリ電解浴中にチオモリブデン酸やチオタ
ングステン酸、チオスズ酸などの金属のチオ酸の
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、あるいは
アンモニウム塩などの塩類を添加しておくと、ア
ルマイト化成時にこれらの金属のチオ酸塩の金属
はアルマイト皮膜の壁の中に金属の硫化物として
取り込まれるので、非常に効率良くアルマイト皮
膜中に金属硫化物を生成させることができる。 〔二液交互浸漬法による金属硫化物の含浸処理〕 つぎに、二液交互浸漬法について述べる。な
お、この二液交互浸漬は陽極酸化処理後直ちに行
なつてもよく(第1の発明)、あるいは陽極酸化
処理後前処理をした後で行なつてもよい(第2の
発明)。 まず前処理について述べると、前処理の一つと
しては、陽極酸化処理を終えたアルマイト皮膜を
硝酸、リン酸、ホウ酸、硫酸、塩酸、スルフアミ
ン酸などの無機酸や蓚酸、ギ酸、サク酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、
フタル酸、イタコン酸、リンゴ酸、グリコール
酸、スルフオサリチル酸などの有機酸およびこれ
らの塩類を一種以上溶解した水溶液にアルマイト
皮膜を浸漬してアルマイト皮膜を活性化する方法
がある。この前処理を行なうと、二次電解時に、
より安定した電解を行なうことができる。また、
前処理の他の方法として、カセイソーダ、カセイ
カリ、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、アン
モニア水などのアルカリ水溶液中に陽極酸化処理
を終えたアルマイト皮膜を浸漬したり、あるいは
逆電解してアルマイト皮膜を活性化するとともに
微細孔を広げておく方法もあり、それによれば、
二次電解時に安定した電解ができ、そしてより多
くの金属硫化物を含浸できる。また、陽極酸化処
理を終えたアルマイト皮膜を減圧あるいは真空状
態にしてアルマイト皮膜中の揮発成分を取り除く
方法も前処理方法として効果的である。 さらに、陽極酸化処理を終えたアルマイト皮膜
を硫酸ニツケル、硫酸スズ、硫酸銅などの金属塩
を含む水溶液中で交流電解して微細孔中に金属を
析出させたり、あるいはモリブデン酸やタングス
テン酸、スズ酸などの酸素酸およびこれらの酸素
酸の塩類の水溶液中でアルマイト皮膜を電解して
微細孔中にこれらの金属の化合物を含浸しておく
方法も前処理方法として好適である。それによれ
ば、それによつて含浸させた金属および金属化合
物を、金属のチオ酸の塩類の電解浴での二次電解
によつて金属硫化物にすることができ、より効率
よく金属硫化物を陽極酸化皮膜中に含浸させるこ
とができる。このような金属および金属化合物を
微細孔中に含浸する前処理方法としては、電解を
利用した方法の他に、クロム酸の塩類などの水溶
液中にアルマイト皮膜を浸漬する一夜浸漬法や、
金属化合物を生成する二液に交互にアルマイト皮
膜を浸漬する二液交互浸漬法などを適用すること
もできる。そしてこの場合も、これらの金属化合
物は金属のチオ酸の塩類の電解浴中での電解によ
つて金属硫化物となる。 さらにまた、陽極酸化処理後の陽極酸化皮膜を
加熱処理あるいはホーニング処理などにより微細
クラツクを発生させ、しかるのちに金属のチオ酸
の塩類の電解浴中で電解するようにすることもで
きる。そうすれば、金属硫化物は、アルマイト皮
膜の壁、微細孔中はもちろんであるが、さらに微
細クラツクの中にも含浸されるので、より多量の
金属硫化物が含浸され表面も平滑化される。ま
た、微細クラツクを発生させる方法としては、低
温硬質アルマイトのようにアルマイト化成時に発
生させる方法も有効である。 つづいて、二液交互浸漬法について述べる。ま
ず硫化物を生成する金属化合物としては、チオア
ンチモン酸、チオ銅酸、チオニオブ酸、チオバナ
ジウム酸、チオ白金酸、チオ金酸、チオモリブデ
ン酸、チオタングステン酸、チオスズ酸などの金
属のチオ酸の塩の水溶液を用いる。このとき、こ
の水溶液に無機酸、有機酸あるいはアルカリ性物
質を添加してPHを5〜12の範囲に調整しておく
と、この水溶液の安定性が増すとともに、適度な
硫化物の生成速度とすることができる。なお前述
のチオ酸の塩の内でも、チオモリブデン酸、チオ
タングステン酸、チオスズ酸の各塩類が好ましい
ものである。このような水溶液を一方の浸漬液す
る。また、他方の浸漬液としては、硝酸、リン
酸、ホウ酸、硫酸、塩酸、スルフアミン酸、クロ
ム酸などの無機酸や、蓚酸、ギ酸、酢酸、マロン
酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、
フタル酸、イタコン酸、リンゴ酸、グリコール
酸、スルフオサリチル酸などの有機酸の一種以上
を溶解してPHを4以下に調節した水溶液を用意す
る。これら2種類の浸漬液に被処理物を交互に浸
漬して、アルマイト皮膜の微細孔中に種々の金属
の硫化物を生成含浸できる。 このような二液交互浸漬法によつて含浸される
金属硫化物は、微細孔の開口部付近から微細孔の
内部に向かつて含浸される。 〔金属のチオ酸の塩類の電解液中での二次電解〕 次に、金属のチオ酸の塩類の電解浴中での二次
電解処理について述べる。まず、浴組成としては
チオモリブデン酸、チオタングステン酸、チオス
ズ酸、チオアンチモン酸、チオ銅酸、チオ金酸、
チオ白金酸、チオニオブ酸、チオバナジウム酸な
どの金属のチオ酸のアンモニウム塩、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩のうち少なくとも一種
以上溶解したものを用いる。この中でもチオモリ
ブデン酸、チオタングステン酸、チオスズ酸等の
塩類を用いると、潤滑性の向上が著しい。これら
電解浴のPHは4〜12の間に調節することが必要で
ある。このPHの調整は、無機酸や有機酸およびこ
れらの塩類、あるいはアルカリ性物質を添加して
行なう。また電解時の電流波形は、被処理物が一
時的あるいは間歇的であるにせよプラスにするこ
とが必要である。従つて、直流電解の時のように
極性が分かれる時には、被処理物をプラスに接続
する。この対極には、導電性材料を用いることは
勿論である。 このような金属のチオ酸の塩類の電解液中での
電解により金属硫化物が生成する理由について
は、次のように考えられる。 金属のチオ酸の塩は水溶液中で解離して負に帯
電したチオ酸イオンを生じる。被処理物が電解中
にプラス極になつていると、金属のチオ酸イオン
は電気泳動で微細孔中に侵入していく。一方微細
孔の底ではバリヤー層形成型のAlの陽極酸化反
応とOH-→1/2O2+H++2eの電極反応とがおき
てH+が放出される。この放出されたH+により微
細孔内のPHは酸性となり、金属のチオ酸イオンは
分解されて金属硫化物となつて微細孔内に沈着さ
れる。この金属硫化物の沈着は、H+の放出源で
ある微細孔の底で始まり、微細孔の開口部に向か
つて進行する。また、上記反応とは別に金属のチ
オ酸イオンが直接電解反応をおこして金属硫化物
を微細孔内に沈着することも考えられる。なお、
上記反応中に生成するH2SやHS-、S2-、S-はア
ルマイト皮膜の壁および壁の表面と微細孔中に存
在しているAl合金の合金成分や陽極酸化処理時
および二次電解の前処理過程で含有された金属お
よび金属化合物と反応して金属硫化物が生成され
アルマイト皮膜中に固定される。このようにこの
二次電解では微細孔の底部から金属硫化物の沈着
が始まるので、前記二液交互浸漬を補う形で微細
孔の内部全体を満たすことになる。 そして、先に二液交互浸漬を行つているため、
二次電解時に先に沈着した硫化物や残留イオンに
よつて陽極酸化皮膜の電気伝導性がよくなり、電
解電流効率が高くなり、電解電圧が低くすむこと
になる。また、処理製品の平面的な均一性を見た
場合には先に二液交互浸漬を行うので陽極酸化皮
膜の表面での硫化物の沈着が主となり、処理品の
均一性が高くなる。 これに関するデータを示せば以下のとおりであ
る。
【表】
【表】 上記の比較試験によれば、二次電解前に前処理
としての二液交互浸漬の有無で、30〜50Vだけモ
リブデン硫化物を析出するための二次電解する時
の最終電圧が低減し、効率が良くなる。 又、本発明による試料と比較例の試料(いずれ
も第1表のための試料と同じ)について二次電解
液の使用可能時間を測定したところ、第2表に示
すように本発明によるものは大幅に使用可能時間
が伸びた。但し二次電解の条件は各試料とも
50mA/dm2、二次電解液の金属のチオ酸の塩の
濃度1%である。
【表】 注;比較例は二次電解前に二液交互浸漬を行
わない以外は本発明試料1と同様に処理し
た。
本発明によるものは一次電解(陽極酸化処理)
で生じた微細孔の入口付近には、既に二液交互浸
漬により多くの金属硫化物が沈着しているため
に、この二次電解においては主として微細孔の奥
に金属の硫化物が生成されるので、電解液の濃度
がある一定の濃度(本試験では0.04%とした)に
達するまでの時間は長くなる。比較例のように直
接二次電解する場合には電解液の消耗は激しくな
り、ある一定の濃度に達するまでの時間は極めて
短く、しかも前記した一次電解による微細孔の奥
まで金属の硫化物で充填することはかなり難しい
ことが判る。 次に本発明の二液交互浸漬、二次電解を順次行
つたものと、二液交互浸漬をせずに二次電解のみ
を行つたもの(比較例1)と、アルマイト(一次
電解)のみのもの(比較例2)との比較試験結果
を示せば第3表のとおりである。 なお、本発明試料1、本発明試料2に示すもの
は前記第1表の注に記載したものと同一である。
【表】 この表によれば本発明は最終二次電解電圧が低
く、二次電解液使用可能時間が長く、表面は平滑
であり、静摩擦係数が小さいことが判る。 次に本発明の方法と本発明者が先に提案した特
開昭53−146938号とを比較試験した結果を示せば
以下のとおりである。
【表】 注;
【表】 以上の比較試験から本発明が優れていることが
判る。 本発明による各処理を終えた陽極酸化皮膜に
は、必要に応じて加熱処理をして陽極酸化皮膜お
よび含有された硫化物の改質を行なう。加熱する
には大気中あるいは酸素を断つた雰囲気や真空中
および加熱した液体や固体を媒体として加熱する
など被処理物の形状や用途により適切な条件で行
なう。また、陽極酸化皮膜表面を一様にするた
め、あるいは加熱処理の一手段として摩擦処理す
るのもよい。なお、こうした処理を終えた後、陽
極酸化皮膜に対しさらに封孔処理や樹脂コーテイ
ングなど被処理物の用途に応じて適当な処理をな
すことができるのも勿論である。 以下、この発明の作用効果などを明らかにする
ため、実施例について説明する。 実施例 1 2SAl板(1×10×0.1cm)を試験片として、有
機溶剤で脱脂後、10℃、15%硫酸浴で3A/dm2
で50分間直流電解し、50μのアルマイト皮膜を化
成した。そして水洗後、次のような条件で二液交
互浸漬法により、それぞれモリブデン及びタング
ステンの硫化物を含浸した。 モリブデン硫化物の含浸 1%チオモリブデン酸ナトリウム水溶液と
1Nの硫酸を用意し、試験片をそれぞれの浸漬
液に1分間ずつ浸漬し、1Nの硫酸への浸漬を
終えたら流水で水洗する。以上の一連の操作を
10回繰り返した。 タングステン硫化物の含浸 1%チオタングステン酸アンモニウム水溶液
と1N硫酸を用意し、試験片をそれぞれの浸漬
液に1分間ずつ浸漬し、1Nの硫酸への浸漬が
終えたら流水で水洗する。以上の一連の操作を
10回繰り返した。 次いで、1%の金属のチオ酸塩水溶液(チオ
モリブデン酸ナトリウム、チオタングステン酸
アンモニウム、チオアンチモン酸アンモニウ
ム、チオスズ酸アンモニウム、チオ銅酸カリウ
ム、チオ金酸ナトリウム)電解浴中で50mA/
dm2で20分間直流電解してから水洗した。 以上の操作を終えた試験片は風乾した後、チツ
ソガス雰囲気中で300℃と500℃で30分間加熱処理
をした。そして以上の操作を終えた試料について
傾斜法で静止摩擦係数を測定した(相手材は銅、
接触面積1cm2、荷重2g)。その結果は次の第5
表の通りである。 これに対しアルマイト処理だけした試料の静止
摩擦係数は0.72であつた。
【表】 実施例 2 2SAl板(1×10×0.1cm)を試験片として、有
機溶剤で脱脂後、10℃15%硫酸3%蓚酸浴で
3A/dm2で60分間直流電解し、60μのアルマイト
皮膜を化成した。そして、このアルマイト皮膜を
10%濃度のHNO3に10分間浸漬して活性化処理後
水洗した。水洗後、次のような条件で二液交互浸
漬法によりモリブデンの硫化物を含浸した。 モリブデン硫化物の含浸 1%チオモリブデン酸アンモニウム水溶液と
1Nの硫酸を用意し、試験片をそれぞれの浸漬
液に1分間ずつ浸漬し、1Nの硫酸への浸漬を
終えたら流水で水洗する。以上の一連の操作を
10回繰り返した。 次いで、1%の金属のチオ酸の塩の水溶液と
してチオモリブデン酸アンモニウムを用いた電
解浴中で50mA/dm2で20分間直流電解(二次
電解)してから水洗した。 以上の操作を終えた試験片は風乾した後、チツ
ソガス雰囲気中で300℃で30分間加熱処理をした。
そして以上の操作を終えた試料について傾斜法で
静止摩擦係数を測定した(相手材は銅、接触面積
1cm2、荷重2g)。これにより得られたものの静
止摩擦係数は0.25であつた。 比較例として、アルマイト処理だけした試料の
静止摩擦係数は0.68であつた。 本発明は以上のとおり、二液交互浸漬処理と、
二次電解を適切に併用することにより、アルマイ
トの微細孔を金属硫化物で満たし、静止摩擦係数
の小さいものを得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウムまたはアルミニウム合金を陽極
    酸化処理した後、金属のチオ酸の塩の水溶液と酸
    の水溶液とによる二液交互浸漬処理を行い、つい
    で金属のチオ酸の塩の電解液中で二次電解を行つ
    て、前記陽極酸化皮膜中に金属硫化物を含浸する
    ことを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウ
    ム合金の陽極酸化皮膜の表面処理方法。 2 アルミニウムまたはアルミニウム合金を陽極
    酸化処理し、前処理を行つた後、金属のチオ酸の
    塩の水溶液と酸の水溶液とによる二液交互浸漬処
    理を行い、ついで金属のチオ酸の塩の電解液中で
    二次電解を行つて、前記陽極酸化皮膜中に金属硫
    化物を含浸することを特徴とするアルミニウムま
    たはアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の表面処理
    方法。
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