JPS5812357B2 - 潤滑性固体粒子含有アルミニウム材の表面処理方法 - Google Patents

潤滑性固体粒子含有アルミニウム材の表面処理方法

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JPS5812357B2
JPS5812357B2 JP3785580A JP3785580A JPS5812357B2 JP S5812357 B2 JPS5812357 B2 JP S5812357B2 JP 3785580 A JP3785580 A JP 3785580A JP 3785580 A JP3785580 A JP 3785580A JP S5812357 B2 JPS5812357 B2 JP S5812357B2
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acid
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electrolysis
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猿渡光一
三田郁夫
石禾和夫
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Fujikura Cable Works Ltd
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Fujikura Cable Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、焼結冶金法または溶湯法によって潤滑性固
体粒子を均一に分散含有したアルミニウム材(以下、ア
ルミニウム複合体と略称する。
)の表面処理方法に関する。
潤滑油を表面に含浸させたアルミニウム焼結体や黒鉛な
どの潤滑性固体粒子をアルミニウム粉中に分散させた焼
結体は、良好な潤滑性を有しており、従来から種々の工
業的用途に供されている。
ただこのような従来の焼結体は、硬度、電気絶縁性ある
いは耐食性などの点で改良すべき余地があり、その点を
考慮し本発明者等は、「潤滑性固体粒子をアルミニウム
粉に分散させた後、焼結して焼結アルミニウム複合体を
形成し、この後そのアルミニウム複合体に陽極酸化処理
を施すことを特徴とする陽極酸化アルミニウム複合体の
製造方法」を先に提案した(特願昭54−1638号)
この提案による陽極酸化アルミニウム複合体は、その表
面に酸化皮膜があることから前記した諸特性を改善する
ことができる。
ところでこの場合、その陽極酸化アルミニウム複合体の
潤滑性をより向上させるには、陽極酸化皮膜の微細孔の
中および壁に、潤滑性のある金属硫化物を充分に含浸さ
せることが望ましいといえる。
この発明は以上の点を考慮してなされたもので、前記し
た硬度、電気絶縁性あるいは耐食性などの諸特性のほか
、アルミニウム複合体の利点たる潤滑性をより一層向上
させることができるアルミニウム複合体の表面処理方法
を提供するものである。
この発明は、アルミニウム複合体の表面の陽極酸化皮膜
に対して、金属のチオ酸塩を主成分とした電解液中で二
次電解処理することに特徴があるが、この二次電解処理
によって含浸される金属研化物が微細孔の底部から開口
部に向かって含浸されるため(この点、後述する。
)、微細孔全体を金属硫化物で密に満たすことができる
したがって、この発明によれば、アルミニウム複合体の
表面に陽極酸化皮膜が形成され、しかもその皮膜自体に
複合材料である固体潤滑剤が固定され、さらにはその皮
膜の微細孔中および壁の表面に潤滑性の優れた金属硫化
物が自浸されるので、アルミニウム複合体の複合材料で
ある固体潤滑剤と含浸された金属硫化物との相剰作用に
よってアルミニウム複合体は良好な潤滑性と耐摩耗性を
示すという利点がある。
次に、上のような特徴を明らかにするため、この発明を
より具体的に説明する。
まず、処理対象たるアルミニウム複合体は、焼結冶金法
あるいは溶湯法によりつくる。
焼結法では、径が100μ以下の二硫化モリブデン((
MoS2)、二硫化タングステン(WS2)、硫化鉛(
PbS)、グラファイト、フツ化黒鉛あるいはボロンナ
イトライド(BN)を潤滑性固体粒子として5vol%
以下にとり、アルミニウム粉末或いはアルミニウム合金
粉末と混合分散後、圧縮成型処理してつくる。
勿論、これらの潤滑性固体粒子を二釉以上含む場合もあ
る。
一方、溶湯法では、アルミニウム溶湯中に径100μ以
下のM o S 2、WS2、PbS、グラファイト、
フツ化黒鉛あるいはBNを10vot%以下に取って、
アルミニウム粉末或いはアルミニウム合金粉末中によく
分散させた後、鋳造、鍛造あるいは展伸加工してアルミ
ニウム複合体をつくる。
この場合も、潤滑性固体粒子が一種のときも、あるいは
二種以上のときもある。
次に、このようなアルミニウム複合体を陽極酸化処理す
るのであるが、この陽極酸化処理用の電解浴としては、
ポーラスタイプの陽極酸化皮膜を生成できるかぎり、酸
性浴のみならず、アルカリ浴、あるいはホルムアミドと
ホウ酸系などの非水浴をも用いることができる。
酸性電解浴としては、硫酸、蓚酸、リン酸、クロム酸、
スルフオサリチル酸、ピロリン酸、スルファミン酸、リ
ンモリブデン酸、ホウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイ
ン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、イタコン酸、リン
ゴ酸、グリコール酸などを一種以上溶解した水溶液があ
る。
このような電解浴の成分の中で硫酸のような含硫黄化合
物を浴成分とする電解浴では、アルマイト化成中にアル
ミニウム合金の合金成分の一部分が金属硫化物となり、
この後に行なう金属硫化物の含浸処理と相まって金属硫
化物の生成をより促進するので好ましい。
また、用いる電解浴中にモリブデン酸やタングステン酸
、スズ酸などの金属酸、あるいはこれらの金属酸のアン
モニウム、ナトリウム、カリウムなどの塩類を一種以上
添加しておくと、陽極酸化処理時に、これらの金属が化
合物の形で陽極酸化皮膜中に取り込まれて、この後に行
なう金属のチオ酸塩を王成分とした電解液中での二次電
解によって金属硫化物となるので金属硫化物の生成量が
多くなり、より効率的に陽極酸化皮膜中に金属硫化物を
生成させることができる。
また、酸性浴における電解時の電流波形は、面流、交流
、交面重畳、交囮併用、不完全整流波形、パルス波形、
矩形波、三角形あるいは周期波形などを用いる。
そして電解方法としては、定電流、定電圧、定電力法お
よび連続、断続あるいは電流回復などを応用した高速ア
ルマイト法などで行なう。
勿論、このような陽極酸化処理条件については、被処理
物の用途を考慮して適切な条件を選択すべきである。
一方、アルカル性電解浴組成としては、カセイソーダ、
カセイカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウム、アンモニア水などを一種以
上溶解した水溶液を用いる。
そのときの電流波形および電解方法は、さきの酸性電解
浴の時と同様の条件でよい。
また、このアルカリ電解浴中にチオモリブデン酸やチオ
タングステン酸、チオスズ酸などの金属のチオ酸の塩類
を添加しておくと、アルマイト化成時にこれらの金属の
チオ酸塩の金属は陽極酸化皮膜の壁の甲に金属の硫化物
として取り込まれるので、非常に効率良く陽極酸化皮膜
中に金属硫化物を生成させることができる。
以上のような陽極酸化処理後、金属のチオ酸塩を王成分
とした電解液中で二次電解するが、この二次電解は陽極
酸化処理後直ちに行なってもよく、あるいは前処理をし
た後で行なってもよい。
まず前処理について述べると、前処理の一つとしては、
陽極酸化皮膜を、硝酸、リン酸、ホウ酸、硫酸、塩酸、
スルファミン酸などの無機酸や蓚酸、ギ酸、サク酸、マ
ロン酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、フ
タル酸、イタコン酸、リンゴ酸、グリコール酸、スルフ
オサリチル酸などの有機酸およびこれらの塩類を一種以
上溶解した水溶液に浸鍮して活性化する方法がある。
この前処理を行なうと、二次電解時に、より安定した電
解を行なうことができる。
また、前処理の他の方法として、カセイソーダ、カセイ
カリ、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、アンモニア
水などのアルカリ水溶液中に、陽極酸化皮膜を浸漬した
り、あるいは逆電解して活性化するとともに微細孔を広
げておく方法もあり、それによれば、二次電解時に安定
した電解ができ、そしてより多くの金属硫化物を含浸で
きる。
また、陽極酸化皮膜を減圧あるいは真空状態にして陽極
酸化皮膜中の揮発成分を取り除く方法も前処理方法とし
て効果的である。
さらに、陽極酸化処理を終えた陽極酸化皮膜を硫酸ニッ
ケル、硫酸スズ、硫酸銅などの金属塩を含む水溶液中で
交流電解して微細孔に金属を析出させたり、あるいはモ
リブデン酸やタングステン酸、スズ酸などの酸素酸およ
びこれらの酸素酸の塩類の水溶液中で陽極酸化皮膜を電
解して微細孔中にこれらの金属の化合物を含浸しておく
方法も前処理方法として好適である。
それによれば、それによって自浸させた金属および金属
化合物を、金楓のチオ酸の塩類を主成分とした電解浴で
の二次電解によって金属硫化物にすることができ、より
効率よく金属硫化物を陽極酸化皮膜中に含浸させること
ができる。
このような金属および金属化合物を微細孔中に含浸する
前処理方法としては、電解を利用した方法の他に、クロ
ム酸の塩類などの水溶液中に陽極酸化皮膜を浸漬する一
液浸漬法や、金属化合物を生成する二液に交互に陽極酸
化皮膜を浸漬する二液交互含浸法などを適用することも
できる。
そしてこの場合も、これらの金属化合物は金属のチオ酸
を主成分とした電解浴中での電解によって金属硫化物と
なる。
さらにまた、陽極酸化処理後の皮膜を加熱処理あるいは
ホーニング処理などにより微細クランクを発生させ、し
かるのちに金属のチオ酸塩を主成分とした電解浴中で電
解するようにすることもできる。
そうすれば、金属硫化物は、陽極酸化皮膜の微細孔中お
よび壁表面はもちろんであるが、さらに微細クランクの
中にも含浸されるので、より多量の金属硫化物が自浸さ
れ表面も平滑化されるまた、微細クランクを発生させる
方法としては、低温硬質アルマイトのようにアルマイト
化成時に発生させる方法も有効である。
一方、陽極酸化処理後の陽極酸化皮膜を沸騰水や加温し
た水、水蒸気あるいはニッケルの塩類で半封孔処理する
ことにより、陽極酸化皮膜中に占める微細孔の体積を小
さくしておくこともできるそうすれば、二次電解時によ
り短時間で微細孔中を金属硫化物で満たすことができる
この方法は陽極酸化皮膜の膜厚がたとえば30μ以上と
厚い時などに有効である。
次に、金属のチオ酸の塩類を主成分とした電解浴中での
二次電解処理について述べる。
まず、浴組成としては、チオモリブデン酸、チオタング
ステン酸、チオスズ酸、チオアンチモン酸、チオ銅酸、
チオ金酸、チオ白金酸、チオニオブ酸、チオバナジウム
酸などの金属のチオ酸のアンモニウム塩,アルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩のうち少なくとも一種以上溶解
したものを用いる。
この中でもチオモリブデン酸、チオタングステン酸、チ
オスズ酸の塩類を用いると、潤滑性の向上が著しい。
これら電解浴のpHは4〜l2の間に調節することが必
要である。
このpHの調整は、無機酸や有機酸およびこれらの塩類
、あるいはアルカリ性物質を添加して行なう。
また電解時の電流波形は、被処理物が一時的あるいは間
歇的であるにせよプラスにすることが必要である。
したがって、直流電解の時のように極性が分かれる時に
は、被処理物をプラスに接続する。
この対極には、導電性材料を用いることは勿論である。
このような金属のチオ酸塩を主成分とした電解液中での
電解により金属硫化物が生成する理由については、次の
ように考えられる。
金属のチオ酸の塩は水溶液中で解離して負に帯電したチ
オ酸イオンを生じる。
被処理物が電解中にプラス極になっていると、金属のチ
オ酸イオンは電気泳動で微細孔中に侵入していく。
一方、微細孔の底ではバリャ一層形成型のAtの陽極酸
化反応とOH一→1/2O2+H++2eの電極反応と
がおきてH+が放出される。
この放出されたH+により微細孔内のpHは酸性となり
、金属のチオ酸イオンは分解されて金属硫化物となって
微細孔内に沈着される。
この金属硫化物の沈着は、H+の放出源である微細孔の
底で始まり、微細孔の開口部に向かって進朽する。
また、上記反応とは別に金属のチオ酸イオンが直接電解
反応をおこして金属硫化物を微細孔内に沈着することも
考えられる。
なお、上記反応中に生成するH2SやHS−、S2−、
S−はアルマイト皮膜の壁および壁の表面と微細孔中に
存在しているAl合金の合金成分や陽極酸化処理時およ
び二次電解の前処理過程で含有された金属および金属化
合物と反応して金属硫化物が生成され陽極酸化皮膜中に
固定される。
以上の金属のチオ酸塩を主成分とした電解液中での電解
処理を終えた陽極酸化皮膜は必要に応じて加熱処理をし
て皮膜および含浸された硫化物の改質を行なう。
加熱には大気中あるいは不活性ガスふん囲気や真空中等
で行なわれる。
これについては被処理物の形状や用途により適切な条件
で行なう。
また、陽極酸化皮膜表面を一様にするためあるいは摩擦
処理や研削処理するのもよい。
なおまた、以上の処理を終えた陽極酸化皮膜を封孔処理
や樹脂コーティングなど被処理物の用途に応じてするこ
とももちろんできる。
以下、この発明の作用効果などを明らかにするため、実
施例について説明する。
実施例 1 試験片として、lvot%および5vol%になるよう
に訂量した径100μ以下の天然のリン片状MoS2と
、径100μ以下のアトマイズアルミ粉を混合分散後、
圧縮成型後620℃で3時間焼結して、70mmφ×1
0mの試験片を用意した。
また100μ以下のWS2、pbs、グラファイト、フ
ツ化黒鉛、BN,At203を添加成分としたAtの複
合体についても、MoS2複合体と同様に1vow嘱と
5■ot%の試験片を作製した。
ついで、10℃、15wt%硫酸浴中で面流3A/d7
71V)交簡重畳法で30分間電解し、30〜40μの
アルマイト皮膜を化成した。
このアルマイト皮膜化成後、1wt%のチオモリブデン
酸アンモニウム、チオタングステン酸アンモニウム、チ
オスズ酸アンモニウム、チオアンチモン酸アンモニウム
、チオ銅酸カリウム水溶液中で50mA/dm2で試験
片を陽極にして20分間滴流電解した。
この二次電解拶水洗し風乾した。この後、チツソガス雰
囲気中で400℃で30分間加熱処理した。
以上の操作を終えた試験片は傾狛法で静止摩擦係数を測
定した。
(相手材は銅、接触面積lm荷重2g)その結果を第1
表に記す。
なお、比較例として、潤滑性固体粒イをつまない7トマ
イズアルミ粉よりなるアルミニウム焼結体を作成し、同
様に陽極酸化し、二次電解した。
このものについても同様に静止摩擦係数を測定した。
結果を第1表に併せて示す。実施例 2 実施例1で、試験片を100μ以下の天然MoS2、W
S2、PbS、グラファイト、7’/化黒鉛、BN,A
t203をlv04%になるようにAtの溶湯中に分散
させてから鋳造した試験片についての静止摩擦係数を第
2表に記す。
また、比較例として潤滑性固体粒子を含鳴しないアルミ
ニウム鋳造材に同様の処理を行ったものおよび各試験片
に二次電解を行わないものについても静止摩擦係数を測
定した。
結果を第2表lこ併せて示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 焼結冶金法または溶湯法によって潤滑性固体粒子を
    均一に分散して含有するアルミニウム材を陽極酸化処理
    し、ついで金属のチオ酸塩を主成分とした電解液中で二
    次電解処理することを特徴とする潤滑性固体粒子含有ア
    ルミニウム材の表面処理方法。
JP3785580A 1980-03-25 1980-03-25 潤滑性固体粒子含有アルミニウム材の表面処理方法 Expired JPS5812357B2 (ja)

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JPS56133492A JPS56133492A (en) 1981-10-19
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01103354U (ja) * 1987-12-26 1989-07-12

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JPH01103354U (ja) * 1987-12-26 1989-07-12

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