JPH0242841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、特に無機質セメント板等で形成され
る壁パネルであつても壁パネルを確実に固定で
き、また壁パネルを簡単に取り替えることができ
るようにした浴室ユニツトに関するものである。

［背景技術］ 従来、床パン、壁パネル、天井パネル等を組み
立てて構成される浴室ユニツトにあつては、壁パ
ネル及び天井パネルは鋼板で形成され、各パネル
の端部には折り曲げられた取付片が形成されてお
り、この取付片同士を突き合わせてビス、ナツト
などで接合することにより、組み立てられている
ものであつた。ところが、壁パネルとして無機質
セメント板を使用したような場合には、端部を折
曲加工することができないため別体の接続金具を
パネルの端部に接着材などで固着させ、そして接
続金具同士を接合させているものであつた。しか
しながら、この方法では接着材が特に浴室のよう
な耐湿条件下で剥がれる恐れがあつて、接合強度
が充分でなく、また壁パネルが損傷したような場
合には天井パネルも同時に取り外す構造となつて
いて、壁パネルを簡単に取り替えることができな
いものであつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、無機質セメント板等のような壁パネルでも確
実に固定することができ、また天井パネルを取り
外すことなく壁パネルだけを簡単に取り替えるこ
とができる浴室ユニツトを提供することを目的と
するものである。

［考案の開示］ すなわち、本考案の浴室ユニツトは、床パン１
のコーナー部の端部上面にスタツド２を立設し、
隣接するスタツド２，２の上端部間に桟材３を架
設し、押さえバー４にビス孔５とビス９挿通用の
通孔６をそれぞれ穿設すると共に押さえバー４の
下端部に押さえ片１０を設け、隣接する一対のス
タツド２，２、桟材３及び床パン１の周端部で形
成される取付枠７に壁パネル８を配設し、押さえ
バー４のビス孔５に通したビス９を桟材３に螺入
して押さえバー４を桟材３に固着すると共に押さ
えバー４の押さえ片１０と桟材３との間で上記壁
パネル８の上端部を挟持し、スタツド２の上側に
配設した天井パネル１１の端部に下方へ折曲され
た取付片１２を形成し、押さえバー４の通孔６内
を通過したビス９を桟材３に穿孔したビス孔２５
より通して天井パネル１１の取付片１２に螺着し
て成るもので、壁パネル８の上端部を桟材３と押
さえバー４との間で挟持することにより壁パネル
８を強固に固定すると共に、押さえバー４の通孔
６内を通過したビス９を桟材３に穿孔したビス孔
２５より天井パネル１１の取付片１２に螺着する
ことにより壁パネル８だけを取り外せるようにし
て上記目的を達成したものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。第１図に示すように、床パン１は上面が開口
する偏平な略箱状に形成され、床パン１の周端部
には水平片１３が外側方へ折曲して延出され、さ
らに水平片１３の先端より立上り片１４が上方へ
立ち上がつている。床パン１のコーナー部の水平
片１３上面にはコーナーブロツク１５が固着さ
れ、コーナーブロツク１５の上面にはスタツド２
が立設してある。また、水平片１３の上面には、
第５図に示すように床廻し１６がビス９などで固
着されている。この床廻し１６は固着片１７の上
面に水切片１８と固定片１９とを突出して形成さ
れ、水切片１８と固定片１９との間には上面が開
口する凹溝２０が形成されている。スタツド２は
鋼材などで断面略Ｌ字状に形成され、上端部には
ビス孔２１が穿孔されている。桟材３にはビス孔
２５が穿孔されており、また桟材３の両端部には
固着片２２が折曲して形成され、隣接するスタツ
ド２，２の上端部間に固着片２２をビス９で固着
して桟材３が架設されている。押さえバー４は第
３図に示すように、基片２３の一端部より上片２
４を上方へ延出すると共に基片２３の他端部より
押さえ片１０を下方へ垂下して形成されており、
上片２４にはビス孔５とビス９を通過させる大径
の通孔６が穿孔されている。この通孔６は上記桟
材３に穿孔されたビス孔２５を対応する位置に設
けられている。また、上片２４の裏面側には小突
起２６が突設され、押さえ片１０の裏面にはブチ
ルテープなどで形成されるシーリングテープ２７
が貼着してある。壁パネル８は限定するものでな
いが、例えば無機質セメント板などを用いること
ができる。

しかして、浴室ユニツトを組み立てるには。ま
ず、床パン１を適宜位置に設置し、次いで床パン
１の周囲の水平片１３上にコーナーブロツク１５
を載設すると共に床廻し１６を取り付ける。次
に、各コーナーブロツク１５の上面にスタツド２
を立設固定し、スタツド２の上端部間に桟材３を
架設して一対の隣接するスタツド２，２、桟材３
及び床廻し１６で取付枠７を構成し、次いで壁パ
ネル８をこの取付枠７に配して、第５図に示すよ
うに壁パネル８の下端部を床廻し１６の凹溝２０
内に挿入する。一方、押さえバー４のビス孔５よ
り通したビス９を桟材３に螺入して押さえバー４
を桟材３に固着し、押さえバー４の押さえ片１０
を壁パネル８の上端部に当てて押さえ片１０と桟
材３との間で壁パネル８の上端部を挟持するので
ある。このようにして四周の壁パネル８を取付枠
７に取り付けた後、スタツド２の上側に鋼板など
で形成される天井パネル１１を配設して天井パネ
ル１１の端部に下方へ折曲して形成された取付片
１２を桟材３の背面側に配置し、第１、２図のよ
うに押さえバー４の通孔６内を通過して桟材３の
ビス孔２５に螺入したビス９を天井パネル１１の
取付片１２に穿孔されたビス孔２９内に螺入する
ことにより、天井パネル１１を固着するのであ
る。その後、軟質な水密材２８を天井パネル１１
と壁パネル８との間に圧入するのである。このよ
うにすることにより、壁パネル８の上端部は押さ
えバー４の押さえ片１０と桟材３との間で挟持さ
れ、壁パネル８の下端部は第５図に示すように床
廻し１６の凹溝２０内に挿入固定されて壁パネル
８は取付枠７に確実に固定されることになる。ま
た、壁パネル８が損傷したような場合に、取り替
えるには押さえバー４を固着しているビス９を外
すことにより、壁パネル８を取り外すことができ
るものであつて、天井パネル１１を固着している
ビス９は外す必要がないものである。また、小突
起２６を押さえバー４の上片２４に設けておくこ
とにより、ビス９で押さえバー４を桟材３に固着
する際に小突起２６が桟材３に当たるために、押
さえバー４や桟材３がビス９で無理に締め付けら
れるということがなく、押さえバー４及び桟材３
の変形等を防ぐことができるものであり、しかも
押さえバー４に貼着したシーリングテープ２７の
シール性を一層効果のあるものとすることができ
る。

［考案の効果］ 上記のように本考案は、押さえバーにビス孔と
ビス挿通用の通孔をそれぞれ穿設すると共に押さ
えバーの下端部に押さえ片を設け、押さえバーの
ビス孔に通したビスを桟材に螺入して押さえバー
を桟材に固着すると共に押さえバーの押さえ片と
桟材との間で壁パネルの上端部を挟持したので、
壁パネルの上端部を桟材と押さえバーとの間で挟
持して確実にしかも強固に固定することができる
ものであり、また押さえバーの通孔内を通過した
ビスを桟材に穿孔したビス孔より通して天井パネ
ルの取付片に螺着したので、ビスを緩めて壁パネ
ルだけを取り外すことができ、壁パネルが損傷し
たような場合でも簡単に取り替えることができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の一部切欠分解斜視
図、第２図は同上の要部断面図、第３図は同上の
押さえバーの一部切欠斜視図、第４図及び第５図
は同上の要部断面図である。 １は床パン、２はスタツド、３は桟材、４は押
さえバー、５はビス孔、６は通孔、７は取付枠、
８は壁パネル、９ビス９、１０は押さえ片、１１
は天井パネル、１２は取付片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床パンのコーナー部の端部上面にスタツドを立
   設し、隣接するスタツドの上端部間に桟材を架設
   し、押さえバーにビス孔とビス挿通用の通孔をそ
   れぞれ穿設すると共に押さえバーの下端部に押さ
   え片を設け、隣接する一対のスタツド、桟材及び
   床パンの周端部で形成される取付枠に壁パネルを
   配設し、押さえバーのビス孔に通したビスを桟材
   に螺入して押さえバーを桟材に固着すると共に押
   さえバーの押さえ片と桟材との間で上記壁パネル
   の上端部を挟持し、スタツドの上側に配設した天
   井パネルの端部に下方へ折曲された取付片を形成
   し、押さえバーの通孔内を通過したビスを桟材に
   穿孔したビス孔より通して天井パネルの取付片に
   螺着して成る浴室ユニツト。