JPH0242765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は水洗便所に設置されるシスタンにかか
り、特にシスタンの上蓋を植物の育成容器として
水タンクの水により植物の成育ができるようにし
たシスタンに関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来から水栽培用植木鉢の類は種々提供されて
いる。

しかして従来の水栽培用植木鉢は、鉢の内部に
水を貯溜または供給してその鉢の上部に草花や植
木類を植生し、植物の根を水に浸漬させるか、あ
るいは鉢に繊維質の紐状物を浸漬して毛細管現象
により自動的に給水させるようになされたもので
ある。

ところで、上記のような従来の水栽培用植木鉢
では、常に一定量の水を貯溜しておく必要がある
ため、水を定期的に補給することが欠かせず、そ
の結果、管理が容易でない。また水を自動的に補
給するようにするとその給水設備が大掛りとな
り、室内に置くには不適となる。

〔考案の目的〕

本考案はこれに鑑み、水洗便所に設置される水
タンク内の貯水を利用して鑑賞用植物を育成する
ことができるようにしたシスタンを提供すること
を目的としてなされたものである。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案によるシスタ
ンは、水洗便所に設置される水タンクの上部開口
部を封止する上蓋の上面に植木鉢となる凹部を形
成し、この凹部の底部に隆起部を設け、この底部
の前記隆起部の両側部に穿設された貫孔に吸上げ
紐を通してその中間部を前記隆起部に跨らせて浮
き上がらせ、吸上げ紐の各下端を水タンク内の水
中に浸漬させてなり、前記凹部内に栽培用の土砂
を充填して植物を育成するようにしたことを特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

第１図において、１はシスタンを示し、このシ
スタン１は、水洗便所の室内の低位に設置される
水タンク２と、この水タンク２の上部開口部を封
止する上蓋３とからなつていて、いずれも陶磁
器、合成樹脂材、金属、ガラス等により形成され
ている。

上記タンク２には、水道水の配管４が接続さ
れ、この配管４の注水口部のバルブ５はボールタ
ップ６により自動閉栓される通常のシスタンと同
じ構造である。

上蓋３の上面には、植木鉢となる凹部７が形成
されている。第１図に示す実施例では、凹部７の
中央部には、周壁８の高さのほぼ２／５程度の高
さに盛上る隆起部９を有し、その隆起部９の周囲
に凹部７が形成された形状を有しており、凹部７
の低部１０には上下に貫通する所要数の貫孔１
１，１１が穿設されている。

上記貫孔１１，１１には、合成繊維、半合成繊
維、無機繊維等、腐蝕しない繊維の繊維束からな
る吸上げ紐１２，１２が挿通され、この吸上げ紐
１２，１２は前記隆起部９を誇がらせて底部１０
から浮き上がらせ、他側の貫孔１１を通して下方
に垂下させ、吸上げ紐１２，１２の両端部１２
Ａ，１２Ａが水タンク２内の水中に浸漬されるよ
うに配設される。

こうしたのち、凹部７および隆起部９上に栽培
用の土砂１３を充填し、植物を植付ける。これに
より隆起部９上を誇いでいる吸上げ紐１２，１２
は土砂１３の中間層内に位置しておかれる。

したがつて、水タンク２内の水１４は、吸上げ
紐１２，１２の両端部１２Ａ，１２Ａから毛細管
現象により吸上げられ、隆起部９の上まで吸上げ
られる。これにより水は土砂１３層の中間域にま
で至り、植物の根に十分な水分をゆきわたらせ、
鉢植であつても植物の育成を果すことができる。

第３図は水洗便所のコーナーに設置される形式
のシスタンに本考案を適用した場合を示すもので
あつて、このシスタン１′においても上蓋３の上
面に凹部７が形成され、この凹部７の中央部に隆
起部９が設けられ、凹部７の底部１０に貫孔１
１，１１を穿設し、これに通す吸上げ紐１２，１
２を隆起部９の上を誇がらせるように配置して両
端部１２Ａ，１２Ａを水タンク２内の水中に浸漬
させるようになつている。

前記隆起部９は、第１図乃至第３図のように上
蓋３の底部を一部隆起させて形成するほか、第４
図に示すように突条または柱状の隆起部９′とし、
その上端に吸上げ紐１２を誇がらせるようにして
もよい。

〔考案の効果〕

以上のように本考案は、水洗便所の室内に設置
される水タンクの上部開口部を封止する上蓋の上
面に植木鉢となる凹部を形成し、この凹部の底部
に穿設された貫孔に吸上げ紐を挿通してその下端
部を水タンク内の水中に浸漬させ、前記凹部内に
土砂を充填して植物を育成する構造としたので、
水洗便所内に観賞用植物、例えばタマシダ、ペペ
ロミヤ、コウモリラン、フィツトニヤ、ポトス、
アピス、その他の植物を自生させることができ、
特別な植木鉢や栽培器を持ち込む必要がなく、そ
のため鉢を倒したり、転落させるような事態が生
じるおそれがない、特に本考案においては、シス
タンの上蓋の上面に凹部を形成し、この凹部の底
部に隆起部を設け、この底部の前記隆起部の両側
部に穿設された貫孔に吸上げ紐を通してその中間
部を前記隆起部に跨らせて浮き上がらせ、吸上げ
紐の各下端を水タンク内の水中に浸漬させるよう
にしたので、吸上げ紐は土砂の中間層に位置さ
れ、土砂中に水を十分に行きわたらせることがで
き、植物の育成を確実に行わせることができ、上
蓋の凹部の深さが浅くても植物を枯死させること
なく、また吸上げ紐が凹部内で隆起部を跨いで横
たわつているので、凹部内の土砂中に均等に給水
させることができ、かつ１本の吸上げ紐を２本分
として機能させることができるなどの種々の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同断面図、第３図は他の変形例を示す斜視
図、第４図は隆起部の変形例を示す断面図であ
る。 １，１′……シスタン、２……水タンク、３…
…上蓋、７……凹部、８……周壁、９……隆起
部、１１……貫孔、１２……吸上げ紐、１２Ａ…
…吸上げ紐の下端部、１３……土砂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗便所に設置される水タンクの上部開口部を
   封止する上蓋の上面に植木鉢となる凹部を形成
   し、この凹部の底部に隆起部を設け、この底部の
   前記隆起部の両側部に穿設された貫孔に吸上げ紐
   を通してその中間部を前記隆記部に跨らせて浮き
   上がらせ、吸上げ紐の各下端を水タンク内の水中
   に浸漬させてなり、前記凹部内に栽培用の土砂を
   充填して植物を育成するようにしたことを特徴と
   するシスタン。