JPH0242069B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は長尺の複数の樹脂含浸基材を連続的に
合体し、その少なくとも下面にカバーシートを張
り合わせてなる未硬化積層板を連続的に硬化する
ための硬化炉に関する。

紙やガラスクロス、ガラスペーパー等を基材と
し、これに樹脂液を含浸した複数枚の樹脂含浸基
材を積層し、硬化させてなる積層板、および該積
層板の片面または両面に金属箔を張り合わせてな
る金属箔張り積層板は絶縁板やプリント配線用基
板として使用されている。

従来これら積層板は基材に樹脂ワニスを含浸
し、乾燥して得られるプリプレツグを重ねてプレ
スで加圧加熱して成形するバツチ式製造法によつ
て製造されていたが、最近長尺の基材を連続的に
搬送しながら樹脂の含浸、積層、硬化等を行なう
連続式方法および装置が開発され、注目されてい
る。例えば本出願人による特開昭55−4838、同56
−98136等参照。

この方式により片面金属箔張り積層板を製造す
る場合には片面に金属箔、他の面にポリエステル
フイルムのようなカバーシートが、アンクラツド
積層板の場合には両面にカバーシートが張り合わ
され、その状態で硬化炉を通過し、硬化を受け
る。硬化後カバーシートが積層板から剥離され、
適当な寸法に切断される。

硬化炉に入つた直後の未硬化積層板には自己支
持性がないので、それを実質上水平に保つて搬送
するため多数のガイドローラーが硬化炉内に設置
され、積層板はカバーシートの上に支持されてそ
れらの上を走行する。ところが未硬化の状態にあ
る積層板が硬化炉内を走行するとき、加熱下で特
に硬化初期にカバーシートと積層板の膨張差によ
り、それを支持するカバーシートがロール面で連
続的にたるんで剥離し、積層板との間に間隙を生
ずることがある。このような間隙が一旦発生すれ
ば、積層板の平滑性が失われたり、また樹脂が不
飽和ポリエステルである場合は空気と接触して硬
化不足となるなどの支障を来たす。

本発明はこのような不都合を解消するため、硬
化の初期においてカバーシートの剥離を防止し得
る積層体の連続硬化炉に関する。

本発明の硬化炉は、入口と出口とを備え、長尺
の複数の液状樹脂含浸基材を合体しその少なくと
も下面にカバーシートを張り合わせた未硬化積層
板を入口から受け入れ、該積層板が出口から出る
間にそれを無圧下加熱硬化するようになつている
積層板の連続硬化炉において、積層板を硬化炉内
で実質上水平に支持しながらそれを連続的に搬送
するための多数のガイドロールを積層板通路の下
側に搬送方向に対して直角に配置し、該ガイドロ
ールのうち入口側の複数本にそれらを同期的に駆
動するための駆動装置を設けそれらの下流に位置
する残りのガイドロールを非駆動としたことを特
徴とする。

本発明を添付図面を参照して詳しく説明する。
図面は含浸基材の合体部および積層板へのカバー
シートのラミネート部を含む本発明の硬化炉の概
略図でであつて、図示しない供給ロールから繰り
出され、樹脂液を供給された複数枚の含浸基材１
はスクイーズロール３，３の間を通過し、合体さ
れる。合体された基材の積層物の下面にはポリエ
ステルフイルムのようなカバーシート９がラミネ
ートロール４により張り合わされ、他の面には金
属箔またはカバーシート８が同様に張り合わされ
る。次に積層物は硬化炉５の入口１１から内部へ
入り、出口１２から出る間に加熱されて硬化し、
その後剥離ロール１０によりカバーシート９が剥
離されて製品２となる。上面にもカバーシートを
張り合わせた場合は同様に図示しない剥離ロール
で剥離する。

硬化炉５内には適当な加熱源が設けられ、例え
ば熱風が循環し、積層板を所定の温度に加熱する
ようになつている。

硬化炉５内の入口側のガイドロール６を通過す
る間は積層板は未硬化状態であり、カバーシート
９が剥離し易い。そのため入口側の複数本のロー
ル６はそれぞれ図示しない駆動装置によつて同期
的に駆動される。このための駆動装置は任意の公
知の装置を使用することができ、例えば個々に別
個のモータで駆動したり、ベルト、チエーン、歯
車等を使用して共通のモータによつて駆動しても
よい。駆動ロール６の回転速度は図示しない硬化
後の積層板引き取り装置によつて搬送される積層
板のラインスピードより遅くてはならず、またそ
れを過度に上廻つてはならない。該ラインスピー
ドと同速度またはそれよりも20％増し以下の周速
度を与えるように駆動するのが好ましい。

出口側のガイドロール７の上を通過する際には
硬化反応が既に進行し、積層体は十分に自己支持
性となつているのでこれらロールを駆動すること
は不必要であり、アイドラーローラーとすること
ができる。

このように本発明によれば、少なくともその下
面に張り合わせたカバーシートに支持されて連続
的に硬化炉で硬化される際、硬化初期に接触する
ガイドローラーを駆動することによつて未硬化積
層板からカバーシートが剥離する問題を回避する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は含浸基材の合体およびカバーシート積層
装置を含む本発明の積層板連続硬化炉の概略図で
ある。 １は樹脂含浸基材、３はスクイーズロール、４
はラミネートロール、５は硬化炉、６は駆動ガイ
ドロール、９はカバーシートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 入口と出口とを備え、長尺の複数の液状樹脂
   含浸基材を合体しその少なくとも下面にカバーシ
   ートを張り合わせた未硬化積層板を入口から受け
   入れ、積層板が出口から出る間にそれを無圧下加
   熱硬化するようになつている積層板の連続硬化炉
   において、積層板を硬化炉内で実質上水平に支持
   しながらそれを連続的に搬送するための多数のガ
   イドロールを積層板通路の下側に搬送方向に対し
   て直角に配置し、該ガイドロールのうち入口側の
   複数本にそれらを同期的に駆動するための駆動装
   置を設け、それらの下流に位置する残りのガイド
   ロールを非駆動としたことを特徴とする積層体連
   続硬化炉。