JPH0241996B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はポンプ付洗濯機に関する。

(ロ) 従来の技術 ロータをスラスト方向に移動自在とした電動機
は例えば特公昭37―18655号公報から公知である。
一方、実開昭57―169284号公報（第４図参照）に
は全自動式洗濯機イの外槽ロと貯水槽ハとの間を
液の移動水路ニで連通し、液の移動をポンプホに
よつて行なうと共に、その実行時には移動水路ニ
を電磁型の連結弁ヘによつて開路するポンプ付洗
濯機が示されているがこのものは電磁型連結弁ヘ
が高価となり、またソレノイドの吸着音が大きい
ので防音構造を必要とした。そこで出願人はスラ
スト方向に移動自在なロータを有した電動機でポ
ンプと連結弁とを同時に作動せしめることにより
電磁弁を使用しない構造のポンプ付洗濯機を既に
特願昭59―52707号として提案している。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明はポンプと連結弁と電動機とポンプ室底
壁に合理的に配置し、寸法精度良く取り付けるこ
とによりこれらポンプと連結弁とを１個の電動機
でスムーズに駆動するようにすると共に前記底壁
部分のみの半完成品で作動試験ができるようにし
て組立作業性を向上させようにしたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明はは洗濯槽と貯水槽間で液をポンプによ
つて移動すると共に、該液の移動水路を連結弁に
よつて開閉するポンプ付洗濯機において、前記貯
水槽下方に設けたポンプ室と、該ポンプ室の底壁
下方に設けた回転軸がスラスト方向に移動自在な
ポンプ用電動機と、前記回転軸と同軸的に前記底
壁に一体成形したポンプインペラ駆動軸用軸受
と、前記底壁に一体成形した前記連結弁の弁室
と、前記軸受と前記弁室との間の前記底壁に設け
た垂下片と、該垂下片で中央部を回動自在に枢支
されて前記回転軸のスラスト方向の移動を前記弁
室内の弁杆に伝達する伝達杆を具備したことを特
徴としている。

(ホ) 作用 従つてポンプインペラ駆動軸用軸受と弁室とは
寸法精度よくポンプ室底壁に一体成形され且つこ
れらの間の前記底壁に設けられた垂下片に枢支さ
れた伝達杆でポンプ用電動機のスラスト方向の移
動力を効率良く連結弁に伝えられ、連結弁をスム
ーズに開閉できる。またポンプ室底壁部分のみで
予めポンプユニツトを完成させることができる。

(ヘ) 実施例 １はポンプ付洗濯機で、本体２と貯水槽３とか
らなつている。本体２内には外槽４が防振的に吊
下され、外槽４内には脱水槽を兼ねる脱水孔５付
洗濯槽６が設けられ、この洗濯槽６の底部には回
転翼７が配設されている。外槽４の裏面には回転
翼７や洗濯槽６を回転する洗濯機用電動機８が装
備され、且つ洗濯槽６の排水口９が設けられ、こ
の排水口９は排水ソレノイド１０で駆動される排
水弁１１を介して排水ホース１２に接続してい
る。前記貯水槽３底部と前記排水口９とは連結水
路１３で連結され、この連結水路１３には該水路
１３を開閉する連結弁１４と可逆ポンプ１５から
なるポンプ機構１６がある。そしてこの連結水路
１３は前記排水弁１１を介して排水ホース１２に
も連通されている。

前記可逆ポンプ１５は前記貯水槽３の底部に設
けられたポンプ室１７内に収納されたインペラ１
８と、該インペラ１８を上端に取り付けると共に
下端を該ポンプ室１７の底壁２０に一体成形され
たポンプインペラ駆動軸用封水軸受１９を介して
水密的にポンプ室１７の底壁２０下方に突出し且
つ該下端をセレーシヨン加工して雄回転伝達部２
１としたポンプインペラ駆動軸２２からなる。

前記連結弁１４は前記ポンプ室１７の底蓋２０
から下方向に一体成形された弁室２３内にベロー
ズ形の弁体２４とこの弁体２４を上方に弾付勢し
て該弁体２４で弁口２５を常に閉塞する付勢用ス
プリング２６とこの弁体２４を該スプリング２６
の付勢力に抗して下方向に引つ張る弁杆２７とを
収納して成つており、この弁杆２７を下方向に引
つ張ることにより弁口２５と前記連結水路１３に
接続される連結口２８とを連通する構成をしてい
る。

２９は前記ポンプ機構１６を駆動するポンプ用
電動機で、このポンプ用電動機２９はステータ３
０に対してロータ３１がスラスト方向に移動自在
な構成をしており、且つこのロータ３１の回転軸
３２を鉛直方向に配置した状態でモータケース３
３を前記ポンプ室１７の底蓋２０から下方に延設
された吊下部材３４に吊下固定して取り付けられ
ており、その結果、通電遮断時には該ロータ３１
が自重で落下して、ステータ３０に対し、下方向
に15mmだけ移動した状態で保持され、一方、電通
時には該ロータ３１が電磁力によつて引き上げら
れ、略ステータ３０に並置した状態で回転駆動す
るものである。３５，３６は上下の軸受、３７は
下側の軸受３６のオイルキヤツプ上端部分に形成
したロータ３１の落下下限位置規制ストツパーで
ある。

３８は前記回転軸３２の上端に回転伝達軸であ
る中央軸３９の下側凹所３９ａを嵌め込んでピン
４０で固定する冷却フアンで、該中央軸３９の上
側凹所内周壁はセレーシヨン加工された雌回転伝
達部４１となつており、この雌回転伝達部４１に
前記雄回転伝達部２１を挿入することによりロー
タ３１の回転駆動力をインペラ１８に伝達する。

４２は回転軸３２のモータケース３３上方突出
部分で前記冷却フアン３８の下方位置にインナー
レース４２ａを嵌め込んで固定したベアリング軸
受、４３はこのベアリング軸受４２のアウターレ
ース４２ｂを嵌め込んだベアリング受具で、この
ベアリング受具４３の周囲には一対の突出鍔４
４，４４が軸対称に設けてある。４５は前記ポン
プ室１７の底蓋２０の前記封水軸受１９と前記弁
室２３との間に取り付けられた垂下片、４６はこ
の垂下片４５下端に中央軸部４６ａを回動自在に
枢支された伝達アームで、このアーム４６は二叉
状の基端４６ｂ，４６ｂを前記ベアリング受具４
３の突出鍔４４，４４に上方から引つ掛けると共
に作用端４６ｃに前記弁杆２７の引張保護スプリ
ング４７を取り付けてある。

従つてポンプ用電動機２９に通電するとロータ
３１がステータ３０に略並置するまで電磁力で引
き上げられ且つ回転し、冷却フアン３８及びイン
ペラ１８が回転すると共に伝達アーム４６の基端
４６ｂが上昇するので作用端４６ｃは下降し、弁
杆２７を下方に引張るため弁体２４が弁口２５か
ら離間して連結弁１４を開路するもので、此時封
水軸受１９と連結弁１４の弁室２３とは底蓋２０
に一体成形されているので寸法精度よく、また、
これらの間に形設した垂下片４５で枢支された伝
達アーム４６にはベアリング軸受４２のために回
転軸３２の回転力を全く伝達されず、回転軸３２
のスラスト方向の移動のみを伝達されてスラスト
方向に回動するもので、従つて伝達アーム４６が
ロータ３１の回転に伴なつてガタ付きながらスラ
スト方向に回動することがなく、それに伴なう異
音の発生もない。しかも、回転軸３２の回転力は
該回転軸３２と同軸的に固着配置された冷却フア
ン３８の中央軸３９から、セレーシヨン加工され
た雌回転伝達部４１、雄回転伝達部２１を介して
該回転軸３２と同軸に設けられた可逆ポンプ１５
のインペラ１８にスムーズに伝達され、従つてイ
ンペラ１８もガタ付きながら回転することがな
く、それに伴なう異音の発生もない。

またポンプ室１７の底蓋２０に可逆ポンプ１５
と連結弁１４と伝達アーム４６とポンプ用電動機
２９とを一体化してポンプユニツトとして予め完
成し、このユニツトの状態で作動試験を行ない、
及び連結弁弁体の開閉ストローク量を調整し、そ
の後前記貯水槽３下底部分に取り付けるようにな
つている。

而して操作スイツチ４８，４９の操作により洗
濯機用電動機８及び排水ソレノイド１０及びクラ
ツチ機構（図示せず）や給水弁（図示せず）を組
み合わせ駆動して洗濯動作及び脱水動作を行なう
と共に、また、ポンプ用電動機２９を駆動して可
逆ポンプ１５を駆動している期間だけ連結水路１
３を開路し、洗濯水あるいはすすぎ水を外槽４か
ら貯水槽３へ、あるいは貯水槽３から外槽４へ移
動するようになつている。

(ト) 発明の効果 本発明によれば、ポンプ室底壁であるポンプ室
底蓋にはポンプインペラ駆動軸用封水軸受及び連
結弁弁室が一体成形で寸法精度よく形設されてい
るので、これらの取付位置が狂つて伝達杆が届か
なくなるような欠点は全く発生せず、さらにこの
伝達杆を枢支する垂下片は封水軸受と連結弁との
間に設けられているのでポンプ用電動機の回転軸
のスラスト方向の移動を連結弁に無理なく伝達す
ることができ、異音を発生することもなく、連結
弁をスムーズに開閉できる。

さらにポンプ室底壁部分であるポンプ室底蓋に
可逆ポンプの構成部品及び関連する連結弁を全て
取り付けてポンプユニツトを構成しているから、
このポンプユニツトのみで予め作動試験を行なつ
たり、連結弁の弁体の開閉ストローク量等調整を
行なつたりすることができ、組立作業性を良好に
でき、製造費用を低減したポンプ付洗濯機を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明ポンプ付洗濯機の実施
例に関し、第１図は要部断面図で二点鎖線は通電
状態を示す。第２図は全体断面側面図、第３図は
電動機上部から貯水槽底部を見た要部底面図であ
る。また第４図は従来例の機構説明図である。 ６…洗濯槽、３…貯水槽、１５…可逆ポンプ、
１４…連結弁、１７…ポンプ室、１９…ポンプイ
ンペラ駆動軸用封水軸受、２３…弁室、４５…垂
下片、４６…伝達アーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯槽と貯水槽間で液をポンプによつて移動
   すると共に、該液の移動水路を連結弁によつて開
   閉するポンプ付洗濯機において、前記貯水槽下方
   に設けたポンプ室と、該ポンプ室の底壁下方に設
   けた回転軸がスラスト方向に移動自在なポンプ用
   電動機と、前記回転軸と同軸的に前記底壁に一体
   成形したポンプインペラ駆動軸用軸受と、前記低
   壁に一体成形した前記連結弁の弁室と、前記軸受
   と前記弁室との間の前記底壁に設けた垂下片と、
   該垂下片で中央部を回動自在に枢支されて前記回
   転軸のスラスト方向の移動を前記弁室内の弁杆に
   伝達する伝達杆を具備したことを特徴とするポン
   プ付洗濯機。