JPH0241992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電気音響機器の分野における、薄形に
構成された平板型スピーカーに関する。

〔従来の技術〕

従来の平板型スピーカーの基本的な構造は、第
３図ａに示す如く平板型振動板３１の適当な部位
にボビン３２に回巻したボイスコイル３３を取付
け、当該ボイスコイル３３部分が磁気回路３４の
磁気空隙中に位置する如くに平板振動板をフレー
ム３５に支持したものである。更に特性上の要求
から、ボイスコイルボビンと平板振動板との間に
コーン型の駆動部材３６を介在させ、平板振動板
の振動節を駆動する如くにした構成（第３図ｂ）
も存在する。

〔解決すべき問題点〕

前述した従来技術による平板型スピーカーは、
いずれも音響放射面が平面であるために振動板前
面のくぼみ効果による周波数特性の劣化が無いこ
と、更に振動板面積に対して比較的薄型に構成可
能な特徴を有する。しかるにこの後者の特徴につ
いては、第３図ａ，ｂに示した構成においてもボ
イスコイル３３は振動板３１からボイスコイルボ
ビン３２によつて振動領域（即ち最大振幅）Ｈだ
け隔てられ、更に磁気回路３４が突出して存在す
るので、全体の厚さを小さくすること、即ち薄型
化には限度が存在すると云う問題点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記した従来例の問題点を無くし、動
電型において極限に近く薄型化を行うことを目的
とする平板型スピーカーの構造に関する。

〔問題解決のための手段〕

本考案平板型スピーカーの構成を、実施例を示
す第１図〜第２図により詳述する。

振動板１は、例えば発泡樹脂等の材料からなる
平板状の振動板本体１３の所定位置にボイスコイ
ル３取付用の取付孔１１が穿設され、当該取付孔
１１の周囲に分散して複数箇所に切欠部１２…
（図では扇形となつている）が設けられている。
ボイスコイル３はボビンを用いず、巻線のみを前
記取付孔１１の切欠部１２を除いた内周面に接着
され、ボイスコイル３巻線は当該切欠部１２にお
いて、両端の取付孔１１内周面間に架設された状
態となる。

磁気回路２はマグネツト２１の上面に中心磁極
２２を、下面に下部プレート２３を設け、当該下
部プレート２３の外周の、前記した振動板１の切
欠部１２に対応する位置に前記切欠部１２と相似
形断面の外部磁極２４が上方に向けて配列され、
中心磁極２２外側面と、外部磁極２４先端部とで
磁気空隙２５を形成する。

次いでフレーム４の底板の所定位置に穿設した
取付孔４５に、磁気回路２を磁気空隙２５が上方
に位置するごとくに嵌合して接着剤で固定し、そ
の上から、前記振動板１の扇形切欠部１１に外部
磁極２４を、また、取付孔１１に中心磁極を、そ
れぞれ貫挿させ、同時にボイスコイル３が磁気空
隙２５内に保持されるごとくにして振動板１をフ
レーム４に対し支持されることにより本考案平板
スピーカーが構成される。

第１図ａ，ｂ〜第２図に示した実施例では発泡
樹脂製の振動板を使用したスピーカーを例示した
が、振動板材質としてはこの他にハニカム構造そ
の他一般の板材を使用することも考えられる。

磁気回路においてはマグネツトとして高抗磁力
の希土類マグネツトを使用することによりある一
定の磁気空隙寸法に対しマグネツト厚さが小さく
なるのでスピーカー全体を極めて薄くすることが
可能であるが、フエライト、もしくはアルニユ等
他種のマグネツトを使用しても、従来のスピーカ
ーよりは著しく薄型となるものである。

更に図示の例では、振動板中心を１箇所駆動す
る場合について示したが、このような構成の駆動
部分を複数箇所、例えば振動板の振動節に従つて
分布して設けることも可能である。

〔作用と効果〕

上記した本考案の平板型スピーカーにおいては
ボイスコイル３と磁気回路２の一部が振動板１中
に左右するためにスピーカー全体の厚さとしては
振動板の厚さ以外に振動領域Ｈと、磁気回路２の
下部プレートの厚さだけであり、従来例の如く振
動領域Ｈ以外に磁気回路全体の厚さおよび、場合
によつては振動板駆動体の奥行寸法まで考慮する
必要は無くなるので全体として極めて薄型に構成
可能である効果を有している。

更に上記実施例において説明した如く、本考案
による駆動部を振動節に沿つて複数箇所に分散配
置することにより、スピーカー全体の厚さを増加
することなく、従来のコーン型駆動部材により振
動節を駆動する方式と同様に振動板の分割振動を
抑制し、周波数特性を改善する効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂおよび第２図は本考案平板型スピ
ーカーの正面図、断面図、および要部分解斜視
図、第３図ａ，ｂはそれぞれ従来例の断面図であ
る。 １は振動板、１１はボイスコイルの取付孔、１
２は切欠部、１３は振動板本体、２は磁気回路、
２１はマグネツト、２２は中心磁極、２３は下部
プレート、２４は外部磁極、３はボイスコイル、
４はフレームである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平板型の振動板本体１３の所定位置にボイスコ
   イル３の取付孔１１を穿設し且つ当該取付孔１１
   の周辺複数箇所に外部磁極２４貫挿用の切欠部１
   ２が形成されている振動板１と、前記切欠部１２
   において架橋するごとくにして前記取付孔１１内
   周に貼着されたボイスコイル３と、マグネツト２
   １、中心磁極２２、および当該中心磁極２２に対
   向し且つ前記切欠部１２に対応して放射状に配置
   した外部磁極２４、および当該外部磁極２４を結
   合する下部プレート２３とからなる磁気回路２と
   を有し、当該磁気回路２の外部磁極２４を振動板
   １の切欠部１２に、また、中心磁極２２を取付孔
   １１にそれぞれ貫挿して、外部磁極２４と中心磁
   極２２とで形成される磁気空隙２５内にボイスコ
   イル３が位置するごとくに振動板１と磁気回路２
   とをフレーム４に取付けたことを特徴とする平板
   型スピーカー。