JPH0241977Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビジヨン受像機において、映像信
号入力の状態に応じて黒レベル固定回路の機能を
動作または不動作状態に操作することによつて所
望の状態で被写体を見ることができるテレビジヨ
ン受像機の改良に関するものである。

従来のこの種テレビジヨン受像機には第１図に
示す回路構成のものが知られている。

すなわち映像信号入力端子INに入力した映像
信号入力は第１の映像増幅器１で増幅、出力さ
れ、結合コンデンサC₁を介して第２の映像増幅
器４の入力部の直流電圧に重畳され第２の映像増
幅器４に入力され、該増幅器４で増幅してブラウ
ン管B₁へ出力される。これと同時に前記第１の
映像増幅器１の出力信号は同期分離回路２、積分
回路３を介することによつて垂直同期信号（黒レ
ベル固定回路を駆動する信号出力）が取り出さ
れ、その信号は、コレクタがスイツチSWを介し
て前記第２の映像増幅器４の入力側に、またエミ
ツタがバイアス抵抗R₃の接続点に各々接続され
たスイツチング素子としてのトランジスタTr₁
と、前記抵抗R₄に並列に接続されたコンデンサ
C₂とさらに前記抵抗R₃の一端が回路電源Vcに接
続された黒レベル固定回路５の入力（前記トラン
ジスタTr₁のベース）に接続されている。

而して、入力端子１Ｎに入力する映像信号入力
の状態によつてはスイツチSWをON（閉）にし、
黒レベル固定回路５の出力を第２の映像増幅器４
の入力部に接続することによつて、第２の映像増
幅器に入力される映像信号の黒レベルを抵抗R₃，
R₄、コンデンサＣで規定された所定電圧に固定
し、その状態で被写体を見られるようにしたもの
である。

しかしながら、上記の様な回路構成では、黒レ
ベル固定回路を作用させるためのスイツチSWは
周波数の高い成分（例えば10MHz以上の信号）を
含んだ映像出力の信号線に直接接続される構成と
なるため、黒レベル固定回路５と映像出力信号線
間の配線は極力短かくすることが要望され、これ
が長くなると周波数特性の低下による解像度の低
下や回路の発振を生起し、取り扱いが面倒でかつ
スイツチの取付場所も制限され組立作業にも悪影
響を及ぼす等の欠点が生じてくる。

本考案は上記従来の欠点に鑑み提案されたもの
であり、映像信号入力を増幅する第１の映像増幅
器と該第１の映像増幅器からの出力信号を入力
し、増幅してブラウン管へ出力する第２の映像増
幅器を少なくとも有するとともに、前記第１の映
像増幅器の出力を同期分離回路、積分回路へ入力
させるようにし、その積分回路の出力で黒レベル
固定回路を動作させ、その出力信号によつて前記
第２の映像増幅回路への入力信号の状態を制御す
るテレビジヨン受像機において、前記積分回路の
出力と黒レベル固定回路の入力間に、一方の端子
が当該積分回路の出力に、他方の端子が回路電源
に接続され、かつコモン端子が前記黒レベル固定
回路の入力に接続された第１の切換スイツチを設
けるとともに、前記黒レベル固定回路のレベル電
圧規定のためのコンデンサを第２の切換スイツチ
で接離可能とした構成とすることにより、上記従
来の欠点を解消したものである。以下本考案の一
実施例を図面とともに詳細に説明する。尚第１図
と同一記号は同一物品を表わすものである。

第２図において、INは映像入力信号の入力端
子、１は第１の映像増幅器、C₁は結合コンデン
サ、４は第２の映像増幅器で前記結合コンデンサ
C₁を介して第１の映像増幅器１と接続されてい
る。B₁はブラウン管で、前記第２の映像増幅器
４の出力に接続されている。２は同期分離回路、
３は積分回路である。５′は本考案の黒レベル固
定回路部分である。すなわちスイツチング素子と
してのトランジスタTr₂のコレクタは前記第２の
映像増幅器４の入力に接続され、またベースは第
１の切換スイツチSW₂のコモン端子COに接続さ
れている。この切換スイツチSW₂の一方の端子
ONは前記積分回路３の出力に、また他方の端子
OFFはプルアツプ抵抗R₃を介して回路電源Vcに
接続されている。さらに、前記トランジスタTr₂
のエミツタは直列接続された抵抗R₄とR₅の接続
点に接続されている。そしてこの直列接続された
抵抗R₄の一端は回路電源Vcに接続され、かつ抵
抗R₅の一端はアースされている。SW₃は第２の
切換スイツチで、コヨン端子CO′は前記トランジ
スタTr₂のエミツタに接続されまた端子ONはコ
ンデンサC₂に接続されている。そして前記抵抗
R₄，R₅およびコンデンサC₂により構成されたCR
回路により、トランジスタTr₂のエミツタ電位を
決定し、すなわち第２の映像増幅器４の入力部に
おける映像信号の黒レベルを規定しているもので
ある。尚、上記各切換スイツチは連動する構成と
しておくことを可とする。

以上の構成において、次にその動作を説明す
る。被写体（図示せず）の状態により、黒レベル
を固定してブラウン管B₁でその被写体を見たい
場合は、切換スイツチSW₂，SW₃を図示の如く
ON端子側に接続しておくと、第１の映像増幅器
１の出力は結合コンデンサC₁を介して、所定の
映像信号電圧を第２の映像増幅器４の入力に送出
するように作用する。ところで前記第１の映像増
幅器１の信号出力は同期分離回路２、積分回路３
を介して正極性の垂直同期信号のみとなつた信号
電圧は切換スイツチSW₂のON端子→コモン端子
COを介してトランジスタTr₂のベースへ加えら
れるので、該トランジスタTr₂は垂直同期信号の
期間にONとなり、その時のコレクタ電圧は、ほ
ぼCR回路で規定されたトランジスタTr₂のエミ
ツタ電位と等しくなり従つて、第２の映像増幅器
４の入力部における映像信号の垂直同期信号部の
電圧もエミツタ電圧（黒レベル規定電圧）と等し
くなりブラウン管B₁では被写体を黒レベルを固
定した状態で見ることができるものである。

この場合の各切換スイツチSW₁，SW₂は直接映
像信号線に接続されないので、その設置場所にか
かわらず周波数特性の低下や発振をおこす心配は
ないものである。

次に切換スイツチSW₂，SW₃を図示のOFF端
子に切換えて使用した場合、トランジスタTr₂の
ベースは積分回路３の出力から切り離され、一方
抵抗R₃を介して回路電圧Vcに接続される。また
コンデンサC₂もトランジスタTr₂のエミツタから
切り離される。従つて今度はトランジスタTr₂は
抵抗R₃を介して回路電源Vcにより常時ONとな
り、R₄及びR₅は第２の映像増幅器４の入力部に
接続され、第２の映像増幅器のバイアス抵抗とし
て働く。したがつてブラウン管B₁上では黒レベ
ル固定機能が解除された画像が得られるものであ
る。この場合も切換スイツチSW₂，SW₃は直接映
像信号線に接続されることはない。

以上の通り、本考案によれば黒レベル固定回路
の動作、不動作を切換制御する各切換スイツチは
高周波成分を含む映像信号線に直接接続して使用
するのでなく、高周波成分を含まない、積分回路
の出力側と黒レベル固定回路の入力側や、スイツ
チング素子を介した後の回路に設けるようにした
ので、スイツチ配線の長さや引き回し等に影響さ
れない取扱いが容易で、組立作業性も良好なテレ
ビジヨン受像機を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテレビジヨン受像機の黒レベル
固定回路のブロツク図である。第２図は本考案の
テレビジヨン受像機の黒レベル固定回路のブロツ
ク図である。 １……第１の映像増幅器、２……同期分離回
路、３……積分回路、４……第２の映像増幅器、
５……黒レベル固定回路、B₁……ブラウン管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 映像信号入力を増幅し出力する第１の映像増
   幅器と該第１の映像増幅器からの出力信号を入
   力し、増幅してブラウン管へ出力する第２の映
   像増幅器を少なくとも有するとともに、前記第
   １の映像増幅器の出力を同期分離回路、積分回
   路へ入力させるようにし、その積分回路の出力
   で黒レベル固定回路を動作させ、その出力信号
   によつて前記第２の映像増幅回路への入力信号
   の状態を制御するテレビジヨン受像機におい
   て、前記積分回路の出力と黒レベル固定回路の
   入力間に、一方の端子が当該積分回路の出力
   に、他方の端子が回路電源に接続され、かつコ
   モン端子が前記黒レベル固定回路の入力に接続
   された第１の切換スイツチを設けるとともに、
   前記黒レベル固定回路のレベル電圧規定のため
   のコンデンサを第２の切換スイツチで接離可能
   としたテレビジヨン受像機。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のものに
   おいて、第１の切換スイツチと第２の切換スイ
   ツチを連動としたテレビジヨン受像機。