JPH02413B2 - - Google Patents

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JPH02413B2
JPH02413B2 JP8842985A JP8842985A JPH02413B2 JP H02413 B2 JPH02413 B2 JP H02413B2 JP 8842985 A JP8842985 A JP 8842985A JP 8842985 A JP8842985 A JP 8842985A JP H02413 B2 JPH02413 B2 JP H02413B2
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temperature
rolling mill
rolled
rolling
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Jiro Harase
Tetsuo Takeshita
Kuniteru Oota
Hirobumi Yoshimura
Masanori Ueda
Hiroaki Hashimoto
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
    • C21D8/0205Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips of ferrous alloys

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、表面性状及び加工性のすぐれたフエ
ライト系ステンレス鋼板を経済的に製造する方法
に関するものである。 (従来の技術) Alを添加したフエライト系ステンレス鋼板を
熱延板焼鈍を省略して製造する技術については、
すでに特開昭57−35634号公報、特公昭49−17932
号公報などで紹介されているが、これらの技術で
はフエライト系ステンレス鋼板に要求される機械
的性質、値、リジング、表面性状が必ずしも満
足されているとは言えない。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明は、表面疵がなく加工性のすぐれたフエ
ライト系ステンレス鋼板を安価に製造する技術を
提供するものである。 即ち本発明の骨子は通常のフエライト系ステン
レス鋼に0.08〜0.5%の範囲のAlを添加し、1150
〜1300℃の温度で加熱後、850℃以上の温度で仕
上圧延をした後、600〜700℃の温度範囲で巻取
り、機械的脱スケール後200〜400g/の硫酸で
酸洗し、温度と濃度を規制した硝酸でスマツト処
理を施こし、ワークロール径200mmφ以上の冷間
圧延機で圧延して薄鋼板とした後、850〜1000℃
の温度範囲で60秒以内の焼鈍を行なうこと、更
に、表面品質の向上のためワークロール径200mm
以上の冷間圧延機で全圧下量の60%以上を圧延
後、引続きワークロール径100mm以下の冷間圧延
機で圧延して薄鋼板とし、次いで850〜1000℃の
温度範囲で60秒以内の焼鈍を行うことにある。 以下に本発明を詳細に説明する。 (問題点を解決するための手段) 本発明においてAl0.08〜0.5%(重量)を含有
するフエライト系ステンレス鋼のスラブの加熱温
度を1150℃以上とした理由は、この温度未満の加
熱では、熱間圧延中の被圧延材の温度が低下し、
圧延負荷が大きくなり、結果として熱間圧延中に
疵が発生し、熱間圧延後これらの疵を除去するた
めの研削工程が不可欠になるからである。一方、
熱延中の疵の発生を防ぐためには、スラブ加熱温
度は、高温程好ましいが、1300℃を超える過剰な
温度では、結晶粒が異常成長し、最終薄板のリジ
ング特性が劣化する上に加熱に要するエネルギが
必要であつて不経済であるため、その上限を1300
℃とした。 又仕上圧延終了温度を850℃以上に限定した理
由は、850℃未満の仕上温度では、r値が低下す
るためである。一方仕上圧延終了温度は、高温程
好ましいが、本発明におけるスラブ加熱温度の上
限の温度を考慮して、約1000℃以下とするのが好
ましい。仕上圧延終了温度が850℃未満より低温
になる程値が劣化する理由は、鋼板内部に剪断
変形帯が生じ、最終焼鈍において深絞り性に有利
な{111}集合組織が発達しにくくなるからであ
る。 次に捲取温度を600℃以上と限定したのは、こ
れ未満の温度で捲取つた場合は、冷延時に耳割れ
が発生し易くなり、場合によつては冷間圧延中に
破断が生じ、冷延性が著しく劣化すると共に、r
値が低くなり、深絞り加工等に適さないためであ
る。低温捲取により、冷延性が劣化し、最終製品
の値が低下する理由は、熱延ままの状態でα′相
が残留し、このα′相は硬くて脆いから、冷延性が
低下すると共にこのような硬い相が存在すると、
最終焼鈍時に深絞り性に有利な{111}集合組織
の発達が抑えられるためである。又捲取温度を
700℃以下としたのは、この温度を超える捲取温
度とすると、最終製品のリジング性が劣化するた
めである。しかして700℃超の高温捲取りにより
リジング性が劣化する理由は、このような高温捲
取の場合はα′相がα+炭化物に変態し、冷間圧
延、焼鈍工程で、結晶方位がランダム化せず
{100}及び{111}集合組織が優先的に発達する
からである。 次に脱スケール条件を限定した理由について述
べる。本発明においてはフエライト系ステンレス
鋼熱延板を、熱延ままの状態で脱スケールするた
め、熱延板焼鈍後脱スケールする通常の熱延板脱
スケールの場合と比べて、スケールの性状が異な
り、脱スケールし易いが、更に脱スケールを効果
的に行うには、10%以下の軽圧下圧延や、シヨツ
トブラスト処理又は高圧水と共に砂鉄粉を吹付け
る処理等のメカニカルな脱スケールと酸液による
脱スケールを併用して行うことが効果的である。
熱延板焼鈍を行つた場合は、熱延ままの状態と比
べてスケールそのものは、酸洗しにくくなつてい
るが、マトリツクスは長時間加熱によりフエライ
ト相+炭化物相に完全に分離されており、マトリ
ツクスのフエライト相のCr濃度は均一であり、
どのような酸洗に対しても均一に溶解するので、
使用すべき酸洗液を特に限定する必要はない。し
かしながら、熱延ままの状態ではマトリツクスは
フエライト相+α′相+炭化物相となつており、特
にα′相とフエライト相の境界部分にはクロム欠乏
層が存在している。一般にα′相といわれているγ
相が熱間圧延中に変態して生成したと考えられて
いる相も詳細に観察すると鋼板表面部においては
粒径1μm程度の微細なフエライト粒の集合体と
なつており、これら微細フエライト粒の特定の粒
界をかこむように更に微細な炭化物が点列状に析
出した状態になつていて、これらの炭化物の境界
部分にはクロム欠乏層が存在している。これらの
微細フエライト粒の集合体のマトリツクスのCr
濃度は、熱間圧延中にフエライト相であつた粒径
100μm程度の粗大フエライト粒相と比べて1〜
2%程度低い値となつている。このようにクロム
濃度が局部的に著しく変動しているマトリツクス
は硝・弗酸を主体とする酸洗例えば60g/
HNO3+20g/HF、50℃、40秒等の通常条件
で酸洗された場合には、このような部分が優先的
に溶解するので、酸洗後顕著な粒界腐食が生じ表
面の凹凸が他の酸洗液(硝酸や塩酸を主体とした
酸)を使用した場合と比べて大きくなる。このよ
うな凹凸の大きな表面をもつた板をそのまま冷間
圧延すると、凸部分のメタルが凹部分のメタルに
倒れこみ、一部は重なり合つたり、また、倒れこ
んだ部分がちぎれたりする等の欠陥が生じる。こ
のような重なり合つた部分やちぎれた部分が最終
焼鈍後も残存して、表面欠陥とみなされている。
このような表面欠陥を防ぐには、酸洗後、冷間圧
延する前に凹凸を細かい目のベルト研磨紙で研磨
して平滑にすればよいが、経済的ではない。しか
しながら、熱延まま材にメカニカルデスケーリン
グを行つた後、200〜400g/の硫酸で酸洗し、
その後以下に示す温度xと濃度yを有する硝酸で
スマツト処理を行うと酸洗後に粒界腐食が発生せ
ず凹凸の程度が少なく、酸洗後研磨しなくても表
面欠陥が発生しにくくなる。 x≦90℃ y<176−19/10・x 即ち、硫酸が200g/未満では酸洗時間が遅
延し、400g/を越えると過酸洗になり、また、
硝酸温度xが90℃を越えると粒界腐食が起り易く
なり、濃度yが上記範囲を越えるとやはり粒界腐
食が起り易くなる。 次に冷間圧延の条件について述べる。冷間圧延
を前段に大径ロールで圧延するのはr値を向上さ
せリジングを小さくし、更にかぶさりによる表面
欠陥を発生させないことにある。大径ロールで冷
間圧延後後段を小径ロールで実施するのは値を
向上させ、リジングを小さくし、且つ表面性状を
更に改善することにある。値は最終焼鈍工程で
{111}集合組織を発達させればよいが、発明者の
研究によれば、{111}集合組織は、冷間圧延工程
での塑性変形として、出来るだけ剪断変形による
変形が少ない場合に発達することを見い出した。 ステンレス鋼の冷間圧延は、ロール径50mmφ程
度のゼンジミア圧延機で圧延されているのが一般
的であり、ロール径200mmφ以上のタンデム冷間
圧延機で圧延される普通鋼の圧延と比べて、生産
性が著しく低い欠点がある。従つて普通鋼を圧延
しているタンデム冷間圧延機でステンレス鋼の圧
延が出来れば、生産性が増加するので、経済効果
が大きい。 ところでこのような大径ロールで圧延すると、
小径ロールで圧延する場合と比較して剪断変形が
少なくなるため最終焼鈍工程で{111}集合組織
がより発達する。通常の430鋼の化学成分のほか
にAl約0.12%ご含み、本発明の方法により熱間圧
延した素材の場合には径200mmφのロールで圧延
することで径50mmφのロールで圧延する場合に比
べ、値で約10%〜30%程度の向上がみられる。
ロール径を200mmφ以上とした理由は以上の結果
によるものである。発明者の研究によると、この
ような値向上効果は、冷間圧延すべき全圧延量
の60%以上を大径ロールで圧延しておけば、残り
部分の圧延は小径ロールで圧延しても効果が変ら
ないので、大径ロール冷延率を60%以上としたも
のである。その理由は、60%加工以後の加工にお
いては、冷延集合組織はロール径のわずかの変化
には影響されないからである。 次に、リジングについて考察する。熱延材を小
径ロールで圧延する場合は、大径ロール圧延と比
較して板厚中心領域での変形で相対的に少なくな
るため、熱延ままの状態で存在している{100}
集合組織が冷間圧延、焼鈍後にも再結晶しないで
そのままの形で残存する割合が多くなり、結果と
してリジング性が劣化することになる。かかる
{100}集合組織は冷間圧延、再結晶の最終安定方
位であり、ロール径がより大径で且つ、冷延率が
より高くなると逆に小径ロールで冷間圧延した場
合よりも早く安定方位に到達することになり、逆
に{100}集合組織の集積度が小径ロール圧延の
場合より高くなり、リジング性が劣化することに
なる。即ち、リジング性を劣化させる{100}集
合組織の集積度は、冷延率とロール径との間に相
関関係があり、冷延率、ロール径の夫々が大にな
るに従つて先ず減少し、そして、再び増加する現
象を示す。結局{100}集合組織の集積度の最小
値になる冷延率、ロール径が存在する。一方、
{100}集合組織の集積度が最小値になる冷延率、
ロール径は圧延される材料の状態によつても異な
る。 本発明における如く、熱延板焼鈍されていない
材料は焼鈍を施した材料に比べ、{100}集合組織
の集積度が高いので仕上焼鈍後の{100}集合組
織の集積度が最低値を示す冷延率、ロール径はよ
り大きい側に移行する。また、本発明の如く、素
材にいわゆるα′相と呼ばれる硬い相が存在する場
合はこれらの相の周辺で様々な滑り変形が生じる
ため、{100}集合組織の集積度が増加しにくい状
態になる。 このように、本発明ではロール径を大径側に移
してもリジング性が劣化しない範囲を確認してロ
ール径を定めたものであるが、最大700mmφ程度
のロールを使用し、90%程度の高圧下率で圧延し
てもリジング性の劣化は生じない。 本発明で冷間圧延の前段を200mmφ以上700mmφ
までのロール径の圧延機により冷間圧延すること
を規定したのは、以上の理由にもとづくものであ
る。従つて加工性(値、リジング性)及び生産
能率の観点からは、全圧延量をタンデム冷間圧延
機で1回の冷間圧延をすればよいことになる。し
かしながら表面性状を考慮すると、前段を大径ロ
ールとし、後段を小径ロールとするのが有利であ
る。その理由は次の通りである。まず前段を200
mmφ以上の大径ロールで冷間圧延すると、前記の
如く酸洗工程で鋼板表面に凹凸が生じても、著し
く大きな凹凸でない場合には、小径ロールによる
冷間圧延の場合と比べて表面層部分の剪断変形が
少ないため凸部が凹部部分に倒れ込み、重なり部
分が発生することに基づく表面欠陥が発生しなく
なるため、冷間圧延前に凹凸部分を平滑化する研
磨工程が不必要となる。以上が本発明で200mmφ
以上の径を有する大径ロールによる冷間圧延が必
要であるとした第2の理由である。このような凹
凸にもとづく表面欠陥を防止する目的のみであれ
ば、全冷間圧延工程を大径ロールを備えたタンデ
ム冷間圧延機で圧延すればよいが、普通鋼の圧延
に使用されているタンデム冷間圧延機で全工程を
圧延する場合は、ステンレス鋼板に必要な表面光
沢が得られない欠点がある。この理由は、大径ロ
ールで高速冷間圧延する場合においては、潤滑油
の粘度にもよるが、ロールバイトにおける潤滑油
膜厚さが厚くなり、鋼板表面の凹部に存在する油
により、いわゆるオイルピツトと呼ばれるくぼみ
が出来、表面光沢が劣化する傾向があるからであ
る。更に通常普通鋼圧延に使用しているタンデム
冷間圧延機をそのままステンレス鋼の冷間圧延に
使用する場合、圧延油、ロールの表面粗度、クラ
ウン等は普通鋼の圧延に適したように調整されて
おり、これらをステンレス鋼圧延に適した状態に
変更することでステンレス鋼としての形状、表面
性状もほぼ得られるが、ステンレス鋼圧延を行う
ごとに条件を変えるのは経済的でなく、従つて全
工程をタンデム冷間圧延機で圧延することは経済
性の観点から好ましくない場合がある。従つて冷
間圧延の後段最終ゲージまでを100mmφ以下小径
ロールによりステンレス鋼に適した潤滑油を用
い、ロール表面粗度を整えて追加の冷間圧延を行
えば、普通鋼圧延の条件をそのまま利用できると
共にオイルピツトは修復され表面粗度が小さくな
り光沢のすぐれたステンレス鋼板を得ることがで
きる。全圧延量の60%以上を冷間圧延の前段で大
径ロールにより圧延することによつて、酸洗時の
凹凸は浅くなり、更に表面層の加工硬化が進行す
るため、その後小径ロール圧延を行つても前記の
如き重なりが生じなくなり、重なりに基づく表面
欠陥の発生はみられない。又小径ロールとするこ
とで、ロールと圧延材との接触面積が小さくなる
ため、油膜切れや、オイルピツト等の発生が防止
できるので、ロールの表面粗度を細かくしておけ
ば表面光沢のよい薄鋼板とすることができる。こ
の場合のロール径は小さい程良いが、100mmφ以
下であれば効果が発揮できるので、大径ロール径
による冷延に引続く小径ロールの径は100mmφ以
下と限定したものである。100mmφ以下のロール
で冷延すべき量は多い程、大径ロール圧延によつ
て生じたオイルピツト、表面粗ささ(大径ロール
圧延の場合のロール表面粗度が大きい場合)等の
改善が可能となるが、小径ロールによる圧下量は
冷間圧延前の板厚の少なくとも1%以上の圧延を
行うことにより改善可能である。 以上の理由から本発明で、大径ロールと小径ロ
ールの組合せによる冷間圧延法を提案したもので
ある。 本発明の方法に従つた冷間圧延は普通鋼薄板と
ステンレス鋼薄板をともに生産している工場即ち
普通鋼圧延をタンデムミルで行い、ステンレス鋼
薄板を専用のゼンジミア冷間圧延機で行つている
工場において、普通鋼圧延に使用しているタンデ
ム冷間圧延機でそのままステンレス鋼を最終板厚
まで圧延するか、または上記タンデム冷間圧延機
で中間板厚まで圧延後引続きゼンジミア冷間圧延
機で圧延することにより、従来プロセスの如く全
冷延工程をゼンジミア冷間圧延機で圧延する場合
と比べ、冷間圧延工程の生産性が著しく向上する
のみでなく、加工性(値、リジング性)が向上
し、酸洗後、板表面の凹凸を減少させるための特
別の研磨工程も不必要となるなど、品質、コスト
の両面できわめてすぐれた冷間圧延技術といえる
ものである。本発明の目的を達成しうる冷間圧延
機としては、前記した通り既存のタンデム冷間圧
延機もしくはタンデム冷間圧延機とゼンジミア冷
間圧延機を組合わせてもよいし、タンデム冷間圧
延機の後段のスタンドのロール径を小径ロールと
した冷間圧延機を用いてもよい。 次に最終焼鈍を850〜1000℃の温度範囲で60秒
以内と規定したのは、特に降伏点を低くして加工
性を向上することを目的としたものである。本発
明の場合、熱延疵発生防止の観点からスラブ加熱
温度は1150℃以上1300℃までの範囲内で高温程好
ましいが、このような高温スラブ加熱を行うと、
本発明の如くAl添加鋼の場合も、熱間圧延工程
でのAlNの析出による固溶Nの低減効果が期待
出来ない。しかも通常のフエライト系ステンレス
鋼板の焼鈍条件800〜820℃約20秒以内の焼鈍で
は、この焼鈍工程でも、AlNの析出が殆んど期
待出来ないので低降伏点化がはかれない。しかし
ながら本発明に従つて最終焼鈍を850℃以上1000
℃以下の温度で、焼鈍温度が低温程長時間となる
ように加熱することでAlNが析出し、降伏点を
高めている固溶Nを低減することが可能となるの
で、高温スラブ加熱を行い、且つ熱延板焼鈍を省
略しても低降伏点化をはかることができる。 尚本発明鋼の基本成分としてAlを0.08%〜0.5
%の範囲で含有させる理由は、Al0.08%未満で
は、(i)冷延性が低下し、冷間圧延工程で耳割れ、
破断等が生じ、安定した冷間圧延が不可能であ
る、(ii)酸洗時の表面の凹凸が大きくなり、この凹
凸部分が冷間圧延中に重なつたり、重なつて薄く
なつた部分がちぎれたりして最終製品の表面疵と
なる、(iii)値が低下する、(iv)降伏点が著しく高く
なり、伸びもも少なくなる等々の欠陥が生ずるた
めであり、Alを0.08%以上、好ましくは、0.1%
以上添加することにより、これらの欠陥が防止で
きる。Al添加量は多い程よいが0.5%を超えて添
加しても、その効果はあるがわずかであり、ほぼ
飽和してくるので、その上限を0.5%と定めた。 (実施例) 以下本発明を実施例に従つて詳細に説明する。 実施例 第1表に示した成分のフエライト系ステンレス
鋼スラブを1240℃の温度に加熱後、7パスで厚さ
20mmの粗圧延片とし、引続き6パスの圧延で厚さ
3.0mmの熱延板とした。熱延終了温度は870℃であ
り、650℃の温度で捲取つた。こうして製造した
熱延板をシヨツトブラスト処理した後、90℃の温
度で300g/のH2SO4濃度で40秒、引続き50
g/のHNO3濃度で50℃の温度で40秒かけて脱
スケールを行つた。ついでワークロール径500mm
φの5スタンドのタンデム冷間圧延機で1mm厚ま
で冷間圧延した後、55mmφのロール径を有するゼ
ンジミア冷間圧延機で4パスで厚さ0.4mmまで冷
間圧延を行つた。ついで875℃の温度で30秒間の
焼鈍を行つた。 比較のためAlを含有していない430鋼(第1表
比較鋼)を、従来法(840℃×4hrの熱延板焼鈍を
行つた後、ゼンジミア冷間圧延機だけで製品とす
る方法)で処理した薄鋼板を比較品とした。 このようにして製造した薄鋼板の値、リジン
グ性、降伏点、表面性状、冷延性などをまとめて
第2表に示した。第2表から明らかな如く、本発
明による製品は、熱延板焼鈍工程が省略されてい
るにもかかわらず、表面品質、値、リジング
性、降伏点のいずれも従来材と同等以上の品質で
あることがわかる。
【表】
【表】 (発明の効果) 以上詳記したように、本発明によれば、従来の
フエライト系ステンレス鋼板の製造においては不
可欠であつた熱延板焼鈍工程及び酸洗後の表面研
磨工程を省略しうると共に生産性の高いタンデム
冷間圧延機により主たる冷間圧延を行うという極
めて経済的な製造方法により表面欠陥のない、加
工性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼板を提
供しうるものであるから産業上裨益するところが
極めて大である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Al0.08〜0.5重量%を含有するフエライト系
    ステンレス鋼のスラブを1150〜1300℃の温度範囲
    に加熱した後、粗圧延機及び複数の連続仕上圧延
    機からなる熱間圧延機列によつて仕上温度850℃
    以上で熱間圧延し、600〜700℃の温度範囲で捲取
    つた後、メカニカルデスケーリングを行ない、
    200〜400g/の硫酸で酸洗した後、下記式に示
    す温度と濃度を有する硝酸でスマツト処理し、次
    いでワークロール径200mm以上の冷間圧延機で冷
    間圧延後、850〜1000℃の温度範囲で60秒以内の
    最終焼鈍を行うことを特徴とする表面性状及び加
    工性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼板の製
    造方法。 x≦90℃ y<176−19/10・x 但しx:硝酸温度 y:硝酸濃度 2 Al0.08〜0.5重量%を含有するフエライト系
    ステンレス鋼のスラブを1150〜1300℃の温度範囲
    に加熱した後、粗圧延機及び複数の連続仕上圧延
    機からなる熱間圧延機列によつて仕上温度850℃
    以上で熱間圧延し、600〜700℃の温度範囲で捲取
    つた後、メカニカルデスケーリングを行ない、
    200〜400g/の硝酸で酸洗した後、下記式に示
    す温度と濃度を有する硝酸でスマツト処理し、次
    いでワークロール径200mm以上の冷間圧延機から
    なる複数の連続冷間圧延機列によつて冷間圧延す
    べき全圧下量の60%以上を圧延し、続いてワーク
    ロール径100mm以下の冷間圧延機によつて残りの
    圧下量を圧延し、しかる後850〜1000℃の温度範
    囲で60秒以内の最終焼鈍を行うことを特徴とする
    表面性状及び加工性のすぐれたフエライト系ステ
    ンレス鋼板の製造方法。 x≦90℃ y<176−19/10・x 但し、x:硝酸温度 y:硝酸濃度
JP8842985A 1985-04-24 1985-04-24 表面性状及び加工性のすぐれたフエライト系ステンレス鋼板の製造方法 Granted JPS61246326A (ja)

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JPS61246326A (ja) 1986-11-01

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