JPH024102Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガラス切りなどに用いるカツターに
関し、更に詳しくは、回転刃の切削側と反対側か
ら回転刃の外周を回転支持具で、支承してなるカ
ツターに関する。

従来のガラス切りは、円板状の切刃を、それと
別体にされた支軸を介してホルダに回転可能に設
けられている。そして、近年では、切刃の寿命を
長くするため、ならびに切れ味を良くするため、
刃先部は超高圧焼結体で形成されるようになつて
きた。しかし、支軸においては、鋼材、もしくは
焼入れされたものが使用され、さらに、支軸の耐
久性を考慮して超硬鋼材でも形成されている。と
ころが、切刃は支軸で支承されており、しかも、
切刃の刃先が非常に高い硬度を有しているから、
刃先の使用限界の到達前に支軸が摩耗もしくは、
破損し、切刃が使用可能であるにもかかわらず、
刃の回転が円滑でなくなり、支軸の摩耗などのた
めに、ガラスに切り筋を入れることが不可能とな
る。また、支軸の折損により、切刃が脱落して紛
失する恐れがある。このため、このような切刃の
支持具は大変不経済である問題を有するものであ
る。

本考案の目的は、作業時に切刃である回転刃を
支軸で支持することなく、被切削物と反対側の切
刃の外周から、外周に凹溝を有する刃先支持具で
支持する構成にしたことで、刃先の回転を円滑に
なしうるとともに刃先をその寿命の限界まで使用
可能にすることである。

本考案のカツターは、外周に凹溝を周設してな
る２個の円盤状刃先支持具をホルダーの下端に凹
溝が同一方向になるよう離間して枢着するととも
に前記２個の刃先支持具の凹溝と回転刃の外周上
部が接する位置のホルダー下端に回転刃を枢着
し、かつ回転刃下端をホルダー下縁から突出させ
てなることを要旨とする。

本考案の実施例を図面の第１図ないし第３図に
基づいて説明すると、１は、ドーナツ状の回転刃
で、その外周に超高圧焼結体からなる刃先２が先
端を鋭角にして形成され、この回転刃の中央部分
３が、その厚さ方向に非固定状に挿入した支軸４
でホルダ５の一端に設けられたみぞ状の凹部６内
に枢着され、かつ、回転刃１の両側面が凹部６に
軽く接触した状態で設けられている。支軸４は回
転刃１が非作業時にホルダ５から抜け出すことを
阻止するのみであるから、切刃１と支軸４とは遊
嵌状態とされている。そして、回転刃１は、ホル
ダ５の下端から、刃先２が突出して、板ガラスな
どの被切削物に切り筋が形成可能にされている。
７，７は回転刃１の被切削物と反対側で、かつ、
回転刃１の軸線と平行な軸線を有する２個の円板
状の刃先支持具で、外周に凹溝８を周設してお
り、凹溝８の内側縁部が刃先２の両傾斜面と接触
するよう形成されているが、刃先２の先端は非接
触状態とされている。これらの刃先支持具７は、
厚さ方向の両側に設けられた軸線と同一とした軸
９、および軸９に取り付けられたボールベアリン
グ１０を介してホルダ５の凹部６に回転可能に枢
着されている。２個の刃先支持具７は、軸線を互
いに平行とし、かつ、軸線間の中央に回転刃１の
軸線が位置するように配置されて、回転刃１の外
周面と凹溝８とは接するよう構成されている。な
お、回転刃１の軸線は必ずしも軸線間の中央に配
置されることは要しないものである。１１は、座
金１２，１３を介して、前記刃先支持具７をその
軸線方向に抜け出すことを阻止するための止ねじ
である。

この実施例のカツターは、ホルダ５の下端から
突出した回転刃１の刃先２を被切削物である板ガ
ラスなどに圧接して移動させることで、刃先２が
回転し板ガラスなどに切り筋を形成するものであ
る。この切り筋の形成において、刃先２に対する
被切削物への圧力は、回転刃１の外周において刃
先２の形成面を刃先支軸具７で被切削物方向に圧
接することによる。すなわち、回転刃１は、被切
削物に当たると、逆の方向へ移動しようとする。
ところが、その逆方向に位置する回転刃１の被切
削物と反対側に設けられた２個の刃先支持具７
が、該刃先支持具７の外周の凹溝８と回転刃１の
刃先２とが嵌合することで、回転刃１が支承され
る。そして２個の刃先支持具７は、被切削物から
等距離にされているから、回転刃１をそれの径方
向への移動を阻止するとともに、凹溝８が回転刃
１の厚さ方向への移動も阻止する。同時に、回転
刃１の両側面が、ホルダ５の凹部６で支承されて
いるから、回転刃１の軸線が傾斜することもな
い。したがつて、回転刃１は、被切削物に対し確
実に、かつ正確に切り筋を形成するとともに、回
転刃１の円周と刃先支持具７の凹溝８とが径の大
きい部分で接触しているから、回転刃１の回転が
円滑である。更に、作業時において、支軸４が回
転刃１を支持していないから、支軸４が摩耗、も
しくは破損する恐れは全くない。

本考案の他の実施例を第４図に示す。この実施
例では、刃先支持具７，７をドーナツ状とし、内
周にボールベアリング１０を直接嵌装したもので
ある。したがつて、ボールベアリング１０は１個
の刃先支持具７に対し、１個のボールベアリング
１０を使用すれば足りるから、コストの低減を図
ることが可能であるとともに、ホルダ５の厚さも
薄くすることが可能である。

本考案のカツターは、切り筋を付す回転刃を支
持する構成として、支軸を用いることなく、外周
に凹溝を周設した２個の円盤状刃先支持具で回転
刃を被切削物方向へ押した状態とすることで、回
転刃の回転を円滑なものとするとともに、支軸の
切損等を考慮することなく、回転刃の寿命の限界
まで使用可能であるから、高価な回転刃を無駄に
することなく経済的に使用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は一部を
断面した正面図、第２図は一部を断面した側面
図、第３図は回転刃と刃先支持具のみの説明のた
めの拡大正面図、第４図は他の実施例の断側面図
である。 １：回転刃、５：ホルダ、７：刃先支持具、
８：凹溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外周に凹溝を周設してなる２個の円盤状刃先
   支持具をホルダの下端に凹溝が同一方向になる
   よう離間して枢着するとともに、前記２個の刃
   先支持具の凹溝と回転刃の外周上部が接する位
   置のホルダ下端に回転刃を枢着し、かつ回転刃
   下端をホルダ下縁から突出させてなるカツタ
   ー。 (2) 回転刃の枢着を遊嵌状態としてなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のカツター。