JPH0240998B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は所定の報時時刻になると窓から鳩体が
飛び出して報時を行う鳩時計の改良に関するもの
で、一般家庭において室内装飾を兼ねた掛時計に
利用されるものである。

（従来の技術） 従来の鳩時計は報時時刻になると鳩の鳴声を発
生すると共に扉が開き、窓から鳩体が飛び出すよ
うになつている。

鳩体が出没する機構の鳩時計については各種提
供されているが、最も一般的なものは時計内の鳩
体が正面（扉に向つて直角の状態）に位置し、そ
のままの状態で直線的に出没するようになつてい
る。

従つて時計の奥行きは鳩体の長さを必要とする
ために必然的に時計を厚型にしていた。

鳩時計を薄型化した一例として、第５図に示し
た特開昭57−60276号のように、屈折したレール
２を利用して鳩体２４が斜め横向きに収納される
機構の鳩時計が知られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、鳩体に設けた誘導杆３の先端部がレー
ル２の溝５を摺動するため、摺動音を発するばか
りでなく、円滑さに欠け、特にレール２の屈曲部
２ａを円滑に曲ることができず止まつてしまう欠
点のあることが判明した。また、レール２は箱体
に直接取付けられているため組立て難く、箱体に
取付け後鳩体２４とレール２とのタイミング調整
を必要としていた。

本発明は屈曲したレールは使用せずに鳩体を横
向きに箱体内に収納し、徐々にしかも円滑に正面
を向いて飛び出させ、さらに出没する際の騒音を
防止し、組立てを容易にすることを目的としてい
る。

（問題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明の鳩時計
は、外箱に取付けた窓枠の中央下部に窓枠に対し
直角にレールを設け、該レールを摺動するスライ
ダに支持杆を回転自在に設けて該支持杆の先端部
には、鳩体を取り付けた鳩体取付杆の一端部を回
動自在に連結し、該鳩体取付杆の他端を扉に固定
して前記開閉扉と前記スライダとの間に２本の扉
開閉棒の端をそれぞれ回動自在に取り付けること
により構成されてなる。

（実施例） 以下図に示す実施例により本発明を詳述する。
第１図は本発明の第１実施例を示す斜視図、第２
図から第４図は第１図の作動状態を示した図であ
る。

符号２はレールで、前端は窓枠１０の中央下部
に固定され、窓枠１０に対し直角方向に設けられ
ている。

符号４はスライダで、レール２に摺動自在に取
り付けられ、上部に支持杆６と２本の扉開閉棒１
６が設けられている。

支持杆６はＬ字形状を有し、スライダ４に回動
自在に設けられ、先端部にピン８を介して鳩体取
付杆１１が回動自在に連結され、該鳩体取付杆１
１の中央上部に鳩体２４が取り付けられている。

鳩体取付杆１１は支持杆６より長くかつやや曲
折して形成され、一端を支持杆６に連結し、他端
はピン１２を介して回動自在に腕杆１４の一端に
連結されている。

内方へ緩やかに曲折した腕杆１４の他端は左扉
２０に固定されている。

扉開閉棒１６は開閉扉たる左扉２０，右扉１８
とスライダ４との間に１本づつ設けられる。一端
はスライダ４に回動自在に取り付けられ、他端は
左扉２０、右扉１８にそれぞれ回動自在に取り付
けられている。

次に、上記構成に係る鳩時計の作動を説明す
る。スライダ４が時計体（図示省略）からの駆動
力で前方へ押し出されると第３図に示したよう
に、扉開閉棒１６が左扉２０、および右扉１８を
同時に押して左扉２０，右扉１８を開く。左扉２
０の開きで腕杆１４が引張られ、扉が約1/3程度
開く間に鳩体２４は大きく向きを変え、さらに鳩
体２４は徐々に向きを正面に変えながら第４図に
示す如く窓枠の外側へ押し出される。

スライダ４が内方へ引き戻されると２本の扉開
閉棒１６によつて左扉２０、および右扉１８は第
３図に示したように徐々に閉まり、鳩体２４は少
しずつ向きを横方向に変えながら第２図に示した
ように元の位置に複帰する。上記実施例によれ
ば、鳩体２４は扉の開きによつてできた空間に向
けて向きを変えながら飛び出してゆくので、鳩体
２４の飛び出し量が多くなる利点がある。

次に第６図ないし第８図に示す本発明の第２実
施例を説明する。

レール２は、前端が窓枠１０の中央下部に固着
され、窓枠１０に対して直角方向に設けられてい
る。スライダ４は、レール２上を摺動自在に取り
付けられ、その上部に支持杆６と２本の扉開閉棒
１６が設けてある。

支持杆６は略直線状をなし、一端にピン７を介
してスライダ４上に回動自在に連結され、他端は
ピン８を介して鳩体取付杆１１に回動自在に取り
付けられる。

鳩体取付杆１１は支持杆６に比して極端に短か
く、その中央上部に鳩体２４が取り付けられてい
る。鳩体取付杆１１の一端は前述支持杆６に連結
し、他端はピン１２を介して回動自在に腕杆１４
の一端に連結されている。

内方へ緩やかに曲積した腕杆１４の他端は左扉
２０に固定されている。

２本の扉開閉棒１６は開閉扉たる左扉２０、右
扉１８とスライダ４との間にそれぞれ設けられ
る。一端はスライダ４に回動自在に取り付けら
れ、他端は左扉２０、右扉１８にそれぞれ回動自
在に取り付けられている。

このような構成を有する鳩時計の動作をさらに
説明する。鳩時計の時計体（図示省略）にスライ
ダ４を連動させることにより所定の時刻にスライ
ダ４が駆動され、第８図に示す如く扉開閉棒１６
を介して左扉２０，および右扉１８が開く。この
扉が僅かに開くとき、腕杆１６に引張られて鳩体
２４は素早く小さく回転し、その後扉が開くとと
もに鳩体２４は大きく回転しながら正面に向きを
整え、そのまま直線的に窓から外へ飛び出してゆ
く。

スライダ４を内方へ引き戻すと、２本の扉開閉
棒１６によつて左扉２０および右扉１８に徐々に
閉まり、鳩体２４は飛び出すときと逆の動作をし
ながら元の位置に復帰する。

（発明の効果） 本発明によれば、リンク機構を利用して鳩体を
横向きに収納するようにしたもので、以下に記述
するいくつかの効果がある。

ａ 鳩体取付杆、腕杆、支持杆を連結したことに
より鳩体が扉と略平行に収納されるようになつ
たため、時計箱体の奥行きが小さくなり、鳩時
計の薄型化、小型化が可能になる。

ｂ 開閉扉、レールおよび鳩体等がユニツトとし
て組立てられるので、組立てやすくなるととも
にそのユニツトを箱体へ取付けるのみでよく、
鳩体とレール等との調整が不要になる。

ｃ 支持杆、鳩体取付杆、腕杆の作用により窓か
ら飛び出す鳩体の距離が長くなり、鳩体の実物
感が良好になる。

ｄ スライダは直線のレール上を摺動するので、
摺動音も殆んどなく、円滑に作動する。

ｅ 支持杆、鳩体取付杆、腕杆は最も抵抗の少な
いピンで連結されており、扉開閉棒も両端が回
動自在に支持されているので抵抗は少なく、従
つて弱い駆動力で稼働する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す鳩時計の鳩
飛出し機構の斜視図。第２図から第４図は本発明
の作動状態を示した説明状態図。第５図は従来の
鳩時計における鳩体の作動状態を示した図。第６
図は本発明の第２実施例を示す鳩時計の鳩飛出し
機構の斜視図。第７図、第８図は第１図における
鳩体の作動状態を示した説明状態図。 ２…レール、４…スライダ、６…支持杆、１０
…窓枠、１１…鳩体取付杆、１４…腕杆、１６…
扉開閉棒、１８…右扉、２０…左扉、２４…鳩
体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外箱に取付ける窓枠に設けた開閉扉が所定時
   刻毎に開いて鳩体が出没する鳩時計において、窓
   枠の中央下部に該窓枠に対し直角方向のレールを
   設け、該レールを摺動するスライダに支持杆を回
   転自在に設けて該支持杆の先端部に鳩体取付杆の
   一端部を連結するとともにその他端部に腕杆の一
   端部を回動自在に連結し、該腕杆の他端を扉に固
   定するとともに前記開閉扉とスライダとの間には
   扉開閉棒を回動自在に取り付けてなり、鳩体が横
   向きに収納されることを特徴とする鳩時計。