JPH0240941B2 - Chikushanokankisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、畜舎の換気装置に関する。即ち、
鶏、豚等の家畜が成育する畜舎内の空気を舎外の
空気と入れ換える換気装置に関するものである。

〔従来の技術〕

家畜が成育する畜舎内の換気は次のようにして
行われている。即ち、畜舎の側壁に吸気口と排気
口が形成され、排気口に排気フアンを備え、吸気
口から外気が取り入れられ、排気フアンによつて
畜舎内の空気は外部へ排出される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この場合、冬期等に冷たい外気が入ると畜舎内
の温度が下がり、また舎内の暖気とぶつかり結露
を生じたり、また畜舎内に場所によつて温度差を
生じ、特に、吸気口側よりも排気口側の温度が高
くなる傾向にある。

本発明は上記点に鑑みてなされたもので、換気
を行つても畜舎内の温度を常に一定の均一な温度
に維持できる畜舎の換気装置を提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本発明の構成は、畜
舎の側壁に吸気口と排気口が形成され、排気口部
に排気フアンが設けられた畜舎の換気装置におい
て、前記吸気口が設けられた畜舎側壁を貫通して
畜舎の内部から外部へわたつて延出するダクトを
設けるとともに、このダクト内に畜舎内の暖気を
外部へ送風するための暖気送込みフアンを設け、
且つ前記吸気口と外部に露出するダクト部分とを
包含し外部から遮蔽された混合室を設け、且つこ
の混合室内のダクトの周面に多数の通孔を設ける
とともに、混合室に外気の入気口を設けたことを
特徴とする。

〔作用〕

冬期等は、暖気送込みフアンを作動させる。こ
れによつて、畜舎内の暖気がダクト内に吸入され
て、ダクトに設けられた通孔から混合室内に暖気
が噴出し、入気口から混合室内に流入した外気と
混合し、適度の温度に暖められた外気が吸気口を
通つて畜舎内に流入する。そのため、畜舎内の温
度が低下せず、一定の範囲の温度に維持でき、ま
た場所によつて温度差を生じることがなく、舎内
温度の平均化がはかられる。

また、ダタト内の暖気が混合室で外気によつて
冷やされて結露するため、除湿された暖気がダク
トの通孔から噴出して外気と混合し、畜舎内に流
入するため、畜舎内除湿効果がある。

そして、上記以外のときなどは、暖気送込みフ
アンは作動させずに、外気をそのまま畜舎内に取
り入れればよい。

そして、畜舎内の空気は、排気フアンによつ
て、排気口から排出される。

このようにして、畜舎内の換気が行われつつ、
畜舎内は一定で均一な温度に維持できる。

〔実施例〕

第１図は畜舎の側面断面図、第２図は正面図、
第３図は平面断面図、第４図はダクトの説明図で
ある。

畜舎１は、長尺な三角屋根の建物で、横方向に
長尺な一対の対向する側壁２と、これらの上方に
設けられた山形屋根３と、これらによつて囲まれ
た空間の両端を閉塞する端壁４とで構成されてい
る。そして、畜舎１内は、側壁２の上端位置に水
平な天井５が設けられ、下方の空間は長手方向の
両端部に設けられた隔壁６によつて家畜の成育す
る部屋７と、その両端部に位置するフロント部８
に仕切られている。そして、一方の側壁２には吸
気口９が形成され、他方の側壁２には排気口１０
が形成されている。吸気口９は、部屋７の端から
端にわたつて水平方向に延びる細長い矩形状の開
口で、側壁２の上下方向の中央に設けられてい
る。この吸気口９部の部屋７内には、吸気口９の
下端から斜め上方に延びる案内板１１が設けら
れ、吸気口９から流入する外気はこの案内板１１
によつて上方部へ案内される。そして、吸気口９
の下部の部屋７の外には、上下２列にビニールダ
クト１２，１３の一部が配設されている。上方の
ダクト１２は、一端が開口し、この開口端１４は
家畜が成育する部屋７の長手方向の端部で側壁２
間の中間の上方部に配置され、ダクト１２はこの
開口端１４から部屋７の隅部に向かつて下方に延
び、この隅部の側壁２に設けられた貫通孔を貫通
して部屋７の外に出て、それから部屋７の外側を
水平に端から端まで延び、他端は閉塞されてい
る。そして、このダクト１２の水平部分の開口端
１４寄りの端部には暖気送込みフアン１５が設け
られ、またこのダクト１２の部屋７の外の水平部
分には、周面に多数の通孔１６が長手方向全長に
わたつて設けられ、暖気送込みフアン１５によつ
て家畜の成育する部屋７内の暖気が、ダクト１２
内を通つて水平部分の通孔１６から噴出するよう
に構成されている。下方のダクト１３も上方のダ
クト１２と同様の構造で、上方のダクト１２の開
口端１４が配置されている側と反対側の端部の対
向する位置に、そのの開口端１７が配設され、そ
の開口端１７から部屋７の隅部に向かつて下方に
延び、この隅部の側壁２に設けられた貫通孔を貫
通して部屋７の外に出て、それから部屋７外側を
水平に端から端まで延び、他端は閉塞されてい
る。そして、このダクト１３の水平部分の開口端
１７寄りの端部には暖気送込みフアン１８が設け
られ、またこのダクト１３の部屋７の水平部分に
は、周面に多数の通孔１９が長手方向全長にわた
つて設けられ、暖気送込みフアン１８によつて家
畜の成育する部屋７内の暖気が、ダクト１３内を
通つて水平部分の通孔１９から噴出するように構
成されている。

そして、部屋７の外側に露出したダクト１２，
１３部分と吸気口９部に、外気と暖気の混合室２
０を形成する。この混合室２０はダクト１２，１
３の長手方向の両端部の外側に側壁２から垂直に
突出する端壁２１と、これらの端壁２１の上端部
に設けられた屋根２２と、ダクト１２，１３の前
方に設けられた巻き上げ可能なカーテン２３とか
ら形成され、カーテン２３を適宜巻き上げること
によつて外気を取り入れる入気口２４を形成す
る。したがつて、カーテン２３によつて入気口２
４の開口面積を調節でき、外気の取り入れ量を調
節できるものである。

前記排気口１０は、部屋の端から端にわたつて
水平方向に延びる細長い矩形状の開口で、側壁２
の上下方向の下方部に設けられている。そして、
この排気口１０には長手方向に間隔をおいて多数
の排気フアン２５が設けられ、また部屋７の外側
には排気口１０から下方に延びる排気ダクト２６
が設けられている。

したがつて、冬期等には、暖気送込みフアン１
５，１８を作動させる。これによつて、家畜の成
育する部屋７の暖気が開口端１４，１７からダク
ト１２，１３内に吸入されて、ダクト１２，１３
に設けられた通孔１６，１９から混合室２０内に
暖気が噴出し、入気口２４から流入した外気と混
合し、適度の温度に暖められた外気が吸気口９を
通つて家畜の成育する部屋７内に流入する。その
ため、家畜の成育する部屋７内の温度が低下せ
ず、一定の範囲の温度に維持でき、また場所によ
つて温度差を生じることがなく、舎内温度の平均
化がはかられる。

また、ダクト１２，１３内の暖気が混合室２０
で外気によつて冷やされて結露し、その水滴がダ
クト１２，１３の下部に設けられた通孔１６，１
９から排出される。したがつて、除湿された暖気
がダクト１２，１３の通孔１６，１９から噴出し
て外気と混合し、部屋７内に流入するため、家畜
が成育する部屋７内の除湿効果がある。

そして、上記以外のときなどは、暖気送込みフ
アン１５，１８は作動させずに、外気をそのまま
家畜の成育する部屋７内に取り入れればよい。

そして、家畜の成育する部屋７内の空気は、排
気フアン２５によつて、排気口１０から排気ダク
ト２６を通つて外部へ排出される。

このようにして、畜舎１内の換気がが行われつ
つ、畜舎１内は一定で均一な温度に維持されるも
のである。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、畜舎内の
換気を行う場合、鶏の顕熱等により温められた舎
内空気を利用することにより、舎内温度の維持及
び均一化が容易となり、飼料効率が向上する。

また、畜舎内の暖気がダクト内で外気によつて
冷やされて、結露し、除湿された暖気が結合した
外気が畜舎内に流入するため、畜舎内が除湿され
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は畜舎
の側面断面図、第２図は正面図、第３図は平面断
面図、第４図はダクトの説明図である。 １は畜舎、２は側壁、７は家畜の成育する部
屋、９は吸気口、１０は排気口、１２，１３はダ
クト、１４，１７は開口端、１５，１８は暖気送
込みフアン、１６，１９は通孔、２０は混合室、
２３はカーテン、２４は入気口、２５は排気フア
ン、２６は排気ダクト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 畜舎の側壁に吸気口と排気口が形成され、排
   気口部に排気フアンが設けられた畜舎の換気装置
   において、前記吸気口が設けられた畜舎側壁を貫
   通して畜舎の内部から外部へわたつて延出するダ
   クトを設けるとともに、このダクト内に畜舎内の
   暖気を外部へ送風するための暖気送込みフアンを
   設け、且つ前記吸気口と外部に露出するダクト部
   分とを包含し外部から遮蔽された混合室を設け、
   且つこの混合室内のダクトの周面に多数の通孔を
   設けるとともに、混合室に外気の入気口を設けた
   ことを特徴とする畜舎の換気装置。