JPH09233964A

JPH09233964A - 予熱天井付き縦断換気鶏舎

Info

Publication number: JPH09233964A
Application number: JP4627396A
Authority: JP
Inventors: Katsuhiko Yasuda; 勝彦安田; Yoshitaka Imamura; 芳敬今村
Original assignee: TOYO SYST KK; Toyo System Co Ltd
Current assignee: TOYO SYST KK; Toyo System Co Ltd
Priority date: 1996-03-04
Filing date: 1996-03-04
Publication date: 1997-09-09

Abstract

(57)【要約】【課題】冬期における従来の縦断換気鶏舎の問題点を改
良し、鶏舎内の入気口付近も排気口付近も、できるだけ
均一の温度となるようにして換気を行える縦断換気鶏舎
を提供する。【解決手段】鶏舎の一方の妻面に設けた入気口から鶏舎
内に外気を取り入れ、他方の妻面の排気口に取り付けた
排気ファンによって鶏舎外へ排出する縦断換気鶏舎に関
し、入気口側から鶏舎長さの少なくとも約１／８に相当
する部分（９）に、熱伝導の良好な材料製の天井（１
１）を設けてケージ列を収容した室（１２）の上方に天
井裏（１３）を形成し、冬期には鶏舎の補助入気口（１
５）から取り入れた外気を、前記天井裏に導入してケー
ジ室内の温空気との間接熱交換により予熱した後に、天
井に設けた供給口（１５）からケージ室内に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、養鶏用の鶏舎にお
いて、一方の妻面に設けた入気口から取り入れた外気
を、他方の妻面の排気口に取り付けた排気ファンによっ
て鶏舎を縦断する方向に流し、前記排気口から鶏舎外に
排気して換気する、いわゆる縦断換気（トンネル換気と
もいう）鶏舎に関する。

【０００２】

【従来の技術】縦断換気は、設備費が安く、鶏舎内の部
分的な空気のよどみであるデッドスポットがなく、また
舎内風速を出しやすくクーリングパッド（紙や不織布の
ような水を吸収できる多孔性材料でつくられ、上方から
水を滴下させて全体を水で含浸させ、これを通過する空
気を冷却して取り入れるので舎内温度を低下できる）を
取り付けやすいので、特に夏場には鶏舎内を良好な環境
に保つのに有効であることは知られている。

【０００３】しかしながら従来の縦断換気鶏舎では、特
に寒冷地で、冬期に冷たい空気が取り入れられる入気口
側と排気口側との間に温度差が大きく開き、入気口側が
排気口側より数度或いはそれ以上も低いという問題点が
あったが、特に入気口側から鶏舎の長さの少なくとも約
１／８に相当する部分の温度が大幅に低下する傾向にあ
ることがわかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような冬期における従来の縦断換気鶏舎の問題点を改
良し、鶏舎内の入気口付近も排気口付近も、できるだけ
均一の温度となるようにして換気を行える縦断換気鶏舎
を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による予熱天井付き縦断換気鶏舎は、鶏舎の
一方の妻面に設けた入気口から鶏舎内に外気を取り入
れ、他方の妻面の排気口に取り付けた排気ファンによっ
て鶏舎外へ排出するようにし、入気口側から鶏舎長さの
少なくとも約１／８に相当する部分に、熱伝導の良好な
材料製の天井を設けてケージ列を収容した室の上方に天
井裏を形成し、冬期は鶏舎の補助入気口から取り入れた
外気を、前記天井裏に導入してケージ室内の温空気との
間接熱交換により予熱した後に天井に設けた供給口から
ケージ室内に供給することを特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明による予熱天井付き縦断換
気鶏舎は上記のような構成を有するが、その一実施態様
では、前記補助入気口が、鶏舎の長手方向両側壁の上部
に設けられ、予熱空気が、鶏舎の長手方向仕切り壁の上
部に設けた供給口からケージ室内に供給されるようにな
っている。また、補助入気口はこれと同様であるが、予
熱空気の供給口を、天井に長手方向に平行に設けた供給
スリット又はスリットを中断した多数の供給口で構成す
ることもできる。

【０００７】さらに他の実施態様では、前記補助入気口
が、例えば鶏舎の屋根の頂部に長手方向に設けられた小
屋根付きの入気口、両屋根間の段差を利用した長手方向
入気口、又は両屋根上部それぞれ設けられた長手方向の
入気口等であって、予熱空気が、鶏舎の長手方向両側壁
上部の供給口からケージ室内に供給されるようになって
いる。

【０００８】このような構成をとることによって、補助
入気口から天井裏に取り入れられた冷たい冬の外気は、
天井裏を横断する間に熱の良好な伝導体（例えば鋼板）
でつくられた天井板を介して、ケージ室内の温空気と間
接熱交換して予熱された後に天井に設けた供給口からケ
ージ室内に供給されるので、入気口側と排気口側の温度
差を縮小できるのである。

【０００９】本発明による予熱天井付き縦断換気鶏舎で
は、入気口側から鶏舎長さの少なくとも約１／８に相当
する部分に熱伝導の良好な材料製の天井を設けることが
肝要であり、予熱のための天井を設けていない鶏舎内の
部分については、後記の実施例に示すように、天井を設
ける必要はない。

【００１０】しかしながら、鶏舎の全長にわたって予熱
天井と同材料製の天井を設けてもよいし、予熱天井以外
の部分については通常の断熱材料製の天井を設けてもよ
い。このように鶏舎の全長にわたって天井を設けた場合
には、予熱天井部のある予熱室以外では予熱されない空
気が供給口からケージ室内に供給されるように、例えば
前者においては、鶏舎両側壁上部の補助入気口から取り
入れられた外気は、補助入気口と対向する天井下方の供
給口から直接ケージ室内に供給してもよいし、後者にお
いては、取り入れられた空気は予熱されないので、予熱
空気と同様の供給口からケージ室内に供給してもよい。
以下、本発明による予熱天井付き縦断換気鶏舎のいくつ
かの実施態様を示す図面を参照しながら、本発明をさら
に詳細に説明する。

【００１１】

【実施例】図１においては、４列のケージ列１が鶏舎内
に長手方向に配置され、図の左側の妻面２及び長手方向
両側壁４の妻面寄りの一部には入気口５が設けられ、図
示の実施態様では、入気口５はクーリングパッド６で覆
われて遮光されている。入気口５から取り入れられた空
気は、クーリングパッド６によって冷却され、鶏舎１内
に供給されて、鶏舎内を図の左から右に流れて、ケージ
内のトリに新鮮な空気を供給しながらトリの体温で暖め
られ、図の右側の妻面３の排気口７に取り付けられた排
気ファン８によって、強制的に外部の大気中に放出され
る。

【００１２】図２はこれらの妻面２及び３を示したもの
で、図２Ａではクーリングパッド６が妻面２の入気口５
を覆い、図２Ｂでは排気ファン８が妻面３の排気口７に
取り付けられているのが良く理解されよう。これらのク
ーリングパッド６は、気温の高い夏期以外は使用され
ず、本発明の対象である冬期には入気口５も閉ざされる
ので、入気口５及びクーリングパッド６についてはこれ
以上触れない。

【００１３】図１の左側（入気口側）の斜線を施した部
分９は、本発明の対象である空気予熱部であり、図３Ａ
にその垂直横断面図が示されている。鶏舎の側壁４の上
部に長手方向に設けた補助入気口１０から取り入れられ
た外気は、例えば鋼板のような熱伝導の良好な材料でつ
くられた天井１１によってケージ列１が配置されたケー
ジ室１２と隔てられた上方の天井裏１３に導入され、こ
の天井裏１３内を図の左から右に横断する間に、天井板
を介して下方のケージ室１内の温空気で予熱され、鶏舎
の中央仕切り壁１４上部の天井に長手方向に設けられた
供給口１５からケージ室１２内に供給される。

【００１４】冬期には、空気予熱部９より下流のケージ
室１への空気供給も図３Ｂに示すように、空気予熱部用
の補助入気口１５と同様に設けた補助入気口１６から取
り入れられるが、下流のケージ室１には天井が張られて
いないので、取り入れ空気は側壁上部に長手方向に設け
られた供給口１７からケージ室内に供給される。なお斜
線を施した部分１８は邪魔板であって、予熱部天井裏１
３の鶏舎妻面２と反対側を閉鎖しており、またそれ以外
にも、天井を設けていない鶏舎上方部分の空気の流れを
制限するために、鶏舎内上部に適宜設けてある。こうし
て空気予熱部９の、及びそれ以外のケージ室１２内に内
側又は外側の横方向から供給された空気は、排気ファン
８によって全体としてケージ室内を縦断して流れ、右側
妻面３から排出される。

【００１５】図４及び図５は、空気予熱部９用の補助入
気口及び供給口の他の三つの実施態様を垂直横断面図で
示す。図４Ａの実施態様では、予熱される空気は、屋根
２８の頂部に長手方向に設けた小屋根２９の下方の間隙
である補助入気口３０から、天井３１の上方の天井裏３
３内に取り入れられ、天井裏３３を左右に分かれて流れ
る間に予熱され、側壁２４上部に設けられた供給口３５
からケージ室３２内に供給される。

【００１６】上記の態様と類似した図４Ｂの実施態様で
は、予熱される空気は、比較的傾斜の急な屋根３８の上
端部と比較的傾斜の緩い屋根３８′の上端部との間に形
成された間隙である補助入気口４０から天井４１の上方
の天井裏４３内に取り入れられ、上記態様と同様に予熱
され、側壁３４上部に設けられた供給口４５からケージ
室４２内に供給される。

【００１７】図５に示すさらに他の実施態様では、予熱
される空気は、図３Ａの場合と同様に、鶏舎の両側壁４
４上部に長手方向に設けられた補助入気口５０から天井
５１上方の天井裏５３内に取り入れられ、図の左右から
中央の方へ流れる間に予熱され、天井５１の長手方向に
設けられたスリット状の供給口５５から、下方のケージ
室４２の通路部分に供給される。以上述べたいずれの実
施態様の場合も、天井裏１３、３３、４３、５３からケ
ージ室１２、３２、４２、５２内に予熱空気を供給する
供給口１５、３５、４５、５５、並びに予熱しない空気
を供給する供給口１７は、その開度を自動又は手動で調
節できるのが好ましい。

【００１８】

【発明の効果】本発明による予熱天井付き縦断換気鶏舎
は、入気口側から鶏舎長さの少なくとも約１／８に相当
する部分を予熱部として、鋼板のような熱伝導の良好な
材料製の天井によってケージ室の上方に設け、冬期の冷
たい空気を鶏舎の側部又は上部の補助入気口からこの天
井裏内に導入することによって、天井を介してケージ室
内の温空気と熱交換させて予熱し、予熱後に天井に設け
た供給口からケージ室内に供給するので、従来の縦断換
気鶏舎の問題点であった、入気口側と排気口側との温度
差を縮小するという顕著な効果を奏することを可能とし
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による予熱天井付き縦断換気鶏舎の一実
施態様の内部の平面略図。

【図２】図１の鶏舎の両妻面の図。

【図３】予熱部及びそれより下流のケージ室の一実施態
様の垂直横断面図。

【図４】予熱部の他の二つの実施態様の垂直横断面図。

【図５】予熱部のさらに他の実施態様の垂直横断面図。

【符号の説明】

１ケージ列２、３鶏舎の妻面４、２４、３４、４４鶏舎の側面５入気口６クーリングパッド７排気口８排気ファン９空気予熱部１０、３０、４０、５０予熱室の補助入気口１１、３１、４１、５１同天井１２、３２、４２、５２同ケージ室１３、３３、４３、５３同天井裏１４鶏舎の中央仕切り壁１５、３５、４５、５５予熱空気の供給口１６予熱部以外のケージ室の補助入気口１７同供給口１８邪魔板２８、３８、３８′ 鶏舎の屋根２９小屋根

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鶏舎の一方の妻面（２）に設けた入気口
（５）から鶏舎内に外気を取り入れ、他方の妻面（３）
の排気口（７）に取り付けた排気ファン（８）によって
鶏舎外へ排出する縦断換気鶏舎において、入気口（５）
側から鶏舎長さの少なくとも約１／８に相当する部分
（９）に、熱伝導の良好な材料製の天井（１１）を設け
てケージ列を収容した室（１２）の上方に天井裏（１
３）を形成し、冬期は鶏舎の補助入気口（１０）から取
り入れた外気を、前記天井裏（１３）に導入してケージ
室（１２）内の温空気との間接熱交換により予熱した後
に天井に設けた供給口（１５）からケージ室内に供給す
ることを特徴とする予熱天井付き縦断換気鶏舎。
【請求項２】前記補助入気口（１０）が、鶏舎の長手
方向両側壁（４）の上部に、予熱空気の供給口（１５）
が、鶏舎の長手方向仕切り壁（１４）の上部に設けられ
ることを特徴とする請求項１記載の予熱天井付き縦断換
気鶏舎。
【請求項３】前記予熱空気の供給口（５５）が、天井
（５１）に長手方向に平行に設けた供給スリット又はス
リットを中断した多数の供給口であることを特徴とする
請求項２記載の予熱天井付き縦断換気鶏舎。
【請求項４】前記補助入気口（３０、４０）が、鶏舎
の屋根（２８、３８、３８′）の頂部又は上部に設けら
れ、予熱空気が、鶏舎の長手方向両側壁（２４、３４）
上部の供給口（３５、４５）からケージ室（３２、４
２）内に供給されることを特徴とする請求項１記載の予
熱天井付き縦断換気鶏舎。