JP2506467Y2 - 動物飼育装置 - Google Patents

動物飼育装置

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JP2506467Y2
JP2506467Y2 JP1992015194U JP1519492U JP2506467Y2 JP 2506467 Y2 JP2506467 Y2 JP 2506467Y2 JP 1992015194 U JP1992015194 U JP 1992015194U JP 1519492 U JP1519492 U JP 1519492U JP 2506467 Y2 JP2506467 Y2 JP 2506467Y2
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努 黒澤
一也 吉田
一之 銀
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Dai Dan Co Ltd
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Dai Dan Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば安全性試験等に
用いられる実験動物飼育室の空調換気システムにおい
て、飼育環境を改善した動物飼育装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の実験動物飼育室の空調換気
システムの一般的な例を示す。
【0003】即ち、実験動物飼育室1内には複数の棚よ
りなるラック2が設けられ、このラック2の各棚にはそ
れぞれ実験動物を入れたケージ3が設置される。前記実
験動物飼育室1には天井に空気の吹出口4が設けられ、
側壁下部または天井面等に排気用の吸込口5が設けられ
る。而して、吹出口4より実験動物飼育室1内に吹出さ
れた清浄な空気は矢印のように循環して吸込口5より排
気される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の実験動物飼育室の空調換気システムでは部屋
単位または区域単位でバリアを構築しているため、以下
のような問題点があった。 (1) バリアは区域あるいは部屋単位で構築されてお
り、区域あるいは部屋内の汚染拡散に関して無防備であ
る。 (2) 換気の考え方が部屋を換気することを目的とし
ており、ケージ内の換気は間接的な作用に依存してい
る。 (3) 部屋内の臭気は滞留する傾向にあり、効率よく
排気されていない。 (4) 汚染防止、臭気の滞留防止のために膨大な換気
量が必要である。 (5) 臭気強度増加防止のために頻繁に床敷等の交換
によるし尿の処理が必要である。 (6) 区域あるいは部屋単位のバリアを確保するため
入退室ごとに入室者から動物を守るためのシステム(更
衣、シャワー等)が必要である。
【0005】そこで、本考案は上記の事情に鑑みてなさ
れたもので、ケージ個別単位でバリアを構築することに
より、ケージ間の相互汚染を防止し得、且つ飼育室全体
の換気量を低減してもケージ内の換気量を多くでき、し
かも臭気が飼育室内へ拡散するのを防止し得、さらにケ
ージ内の陰圧を防止し得る動物飼育装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】本考案は上記目的
を達成するために、動物飼育室内に設けられたラック
と、このラックの棚板を兼用し下面の一部に吹出口が設
けられた給気ダクトと、前記ラックの背面板を兼用し一
部に吸込口が設けられた排気チャンバーと、前記ラック
内に設置されそれぞれフィルタが設けられた排気口及び
給気口を有する密閉したケージとよりなる動物飼育装置
において、前記ケージの給気口が前記給気ダクトの吹出
口に連結され、前記ラック側の排気陰圧がケージ内圧に
影響しないように前記ケージの排気口と前記排気チャン
バーの吸込口との間に間隔をもたせ、且つ前記排気チャ
ンバーの吸込口からの逆流が直接前記ケージの排気口に
到達しないように前記排気チャンバーの吸込口と前記ケ
ージの排気口との位置をずらすように前記ケージを設置
したことを特徴とするもので、ケージ個別単位でバリア
を構築することにより、ケージ間の相互汚染を防止し、
且つ飼育室全体の換気量を低減してケージ内の換気量を
多くでき、しかも臭気が飼育室内へ拡散するのを防止す
ることができ、さらにケージ内の陰圧を防止してケージ
内を陽圧に保つので外部からの汚染の可能性をなくす
とができるものである。
【0007】
【実施例】以下図面を参照して本考案の実施例を詳細に
説明する。図面において矢印は空気の流れを示す。
【0008】図1(a),(b)は本考案の一実施例の
断面図と正面図を示し、実験動物飼育室21内には複数
の棚よりなるラック22が設けられる。このラック22
は排気チャンバー23が背面板を兼用し、この排気チャ
ンバー23には排気ダクト24が連結される。前記排気
チャンバー23はラック22の棚側の一部に吸込口が設
けられる。また、前記ラック22は給気ダクト26が棚
板を兼用し、この給気ダクト26の下面の一部に吹出口
が設けられる。各給気ダクト26は給気チャンバー26
1を介して給気ダクト262に連結される。前記ラック
22の各棚にはそれぞれ実験動物を入れたケージ28が
設置される。
【0009】このケージ28は図2に示すように、ケー
ジ本体281に密閉カバー282が被せられて構成さ
れ、この密閉カバー282の上面には給気口29が設け
られる。この給気口29にはフィルタ30が設けられ
る。前記給気口29はケージ28が前記ラック22内に
設置されるとき、前記給気ダクト26の吹出口27に連
結されるように設けられる。また、前記密閉カバー28
2には前記排気チャンバー23側に排気口31が設けら
れ、この排気口31にはフィルタ32が設けられる。前
記排気口31はケージ28が前記ラック22内に設置さ
れるとき、排気チャンバー23の吸込口25の近傍に間
隔をもたせるように設けられると共に、吸込口25に対
向しないように位置をずらせるように設けられる。尚、
前記実験動物飼育室21の天井には室内用空調吹出口3
3が設けられると共に、空気吸込口34が設けられる。
これとは別に、ケージ28の空調空気は給気ダクト26
から送られる。空調空気はケージ28を通った空気が排
気チャンバー23を通って排気される。ケージ28内の
換気を説明すると次のようになる。
【0010】図2に示すように、密閉したケージ28に
フィルタ30付きの給気口29とフィルタ32付きの排
気口31を設置し、ケージ28の給気口29は棚板を兼
用した給気ダクト26の吹出口27の位置に連結して設
置する。ケージ28の排気口31はラック22の背面に
設けた吸込口25の近傍に間隔をもたせて設置すると共
に、吸込口25に対向しないように位置をずらせて設置
する。
【0011】ケージ28の給気口29へは給気ダクト2
6の吹出口27から吹き出されるクリーンな空気を押し
込む形で送気し、ケージ28の排気口31からはケージ
28内を陽圧に保つ風量だけが排気される。よって、ケ
ージ28内はクリーンで陽圧になっているため、ケージ
28の外部からの汚染はない。この実施例はケージ28
内を陽圧に保つので、外部からの汚染の可能性をなくす
ことができる。
【0012】以上のように、給排気口を設けた気密構造
のケージを、給気ダクトの構造をした棚板の下面に清浄
な空気を流す吹出口を設け、棚側に吸込口を取り付けた
背面板兼用の排気チャンバーを設けたラックに設置する
ことにより、ケージ単位で清浄なバリアを構築すること
ができる。
【0013】又、ケージ単位でバリアを構築し、なおか
つケージ内の空調を可能とするために、かぶせ蓋により
密閉したケージの上部にフィルタ付きの給気口と、ケー
ジ背面側側面部にフィルタ付きの排気口を設け、ケージ
の給気口の位置が給気ダクト兼棚板の下面の吹出口の下
部に連結する位置に設置し、吹出口から流出するクリー
ンな空気がケージの給気口を介して押し込まれるように
することにより、ケージ内を適切に換気することができ
る。
【0014】尚、排気チャンバーの吸込口に連結される
ようにケージの排気口が設けられた構造では、給気系統
が何等かの異常で停止し、排気系統だけが正常に作動す
る状態では、その排気陰圧によりケージ内が陰圧になる
可能性がある。しかしながら、この装置がケージ単位で
バリアを構築する目的を有することから、ケージ内の陰
圧は避けなければならない。
【0015】そこで、本実施例では、ラック側の排気陰
圧がケージ内圧に影響しないように、ケージ28の排気
口31と排気チャンバー23の吸込口25を連結せず、
これらの間に間隔をもらせるようにケージ28を設置し
た。
【0016】また、排気チャンバー23の吸込口25か
ら逆流があったとしても直接ケージ28の排気口31に
到達しないように排気チャンバー23の吸込口25とケ
ージ28の排気口31との位置をずらすようにケージ2
8を設置した。このような構成で常時の運転状況では、
ケージ28から排出された排気は間接的に排気チャンバ
ー23の吸込口25に吸い取られる状態となる。
【0017】次に、本考案の応用として熱源空調機付き
ユニットについて説明する。即ち、本発明に係るラック
に熱源及び送風機を組み込んだユニットを組み合わせる
ことによって、飼育室の増改築や一般の部屋に飼育ラッ
クを設置しただけで動物飼育室としたい場合のニーズに
対応できる。
【0018】又、本考案の他の応用としてエアーカーテ
ン組み込み型について説明する。即ち、図3に示すよう
に、ラック最前列の最上段(または最下段)にエアーカ
ーテンノズル40を設け、このエアーカーテンノズル4
0から線状の速い気流を吹き出すことによって、ラック
内外の分離を図りラック内の清浄度を向上させることが
できる。尚、エアーカーテンは各段に設置してもよい。
【0019】
【考案の効果】以上述べたように本考案によれば以下の
ようなメリットがある。 (1) ケージ単位でもバリアが構築できるシステムで
ある。したがって、臭気が飼育室内へ拡散するのを防止
できる。
【0020】(2) ケージ内の小さなエリアだけを換
気するため、ケージ内の換気効率が上がる。なおかつ動
物飼育室当りの空調空気量が低減でき、省エネルギーに
寄与できる。
【0021】(3) 従来システムとは異なり、クリー
ンな空気しかケージ内に入らない構造となっているので
ケージ外からの汚染がない。したがって、ケージ間の相
互汚染を防止し、これによる実験上のリスクを最小限に
とどめることができる。
【0022】(4) 新しい換気システムの採用により
従来システムと比較すると、飼育室全体の換気量を低減
して、ケージ内の換気量は4倍以上増加する。したがっ
て、ケージ内の換気量増加により臭気及び水分の除去が
効率よく行われるため、床敷によるし尿の処理回数を減
少できる。 (5) ケージと飼育室の空調は同一系統でも別系統で
も行える。 (6) ケージ単位でバリアを構築しているため、入室
者からの汚染はなく、入室時に動物を守るシステム(更
衣、シャワー等)が不必要になる。 (7)ケージ内が陰圧にならないため、排気系からの逆
流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す断面構成図及び正面図
である。
【図2】図1のケージ部の一例を示す構成図である。
【図3】本考案の応用例を示す構成図である。
【図4】従来の実験動物飼育室を示す構成図である。
【符号の説明】
21…動物飼育室、22…ラック、23…排気チャンバ
ー、24…排気ダクト、25…吸込口、26…給気ダク
ト、27…吹出口、28…ケージ、29…給気口、3
0,32…フィルタ、31…排気口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉田 一也 埼玉県入間郡三芳町北永井390 ダイダ ン株式会社技術研究所内 (72)考案者 銀 一之 山口県光市中央三丁目8番9号 白銀工 業株式会社内

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物飼育室内に設けられたラックと、こ
    のラックの棚板を兼用し下面の一部に吹出口が設けられ
    た給気ダクトと、前記ラックの背面板を兼用し一部に吸
    込口が設けられた排気チャンバーと、前記ラック内に設
    置されそれぞれフィルタが設けられた排気口及び給気口
    を有する密閉したケージとよりなる動物飼育装置におい
    て、 前記ケージの給気口が前記給気ダクトの吹出口に連結さ
    れ、前記ラック側の排気陰圧がケージ内圧に影響しない
    ように前記ケージの排気口と前記排気チャンバーの吸込
    口との間に間隔をもたせ、且つ前記排気チャンバーの吸
    込口からの逆流が直接前記ケージの排気口に到達しない
    ように前記排気チャンバーの吸込口と前記ケージの排気
    口との位置をずらすように前記ケージを設置した ことを
    特徴とする動物飼育装置。
JP1992015194U 1992-03-23 1992-03-23 動物飼育装置 Expired - Lifetime JP2506467Y2 (ja)

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JPH0611456U JPH0611456U (ja) 1994-02-15
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