JPH0240919Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内径にほぼ等しい口を持つた広口
の器体上端を覆う蓋体に内容液加圧ポンプを備
え、該ポンプから器体の口に嵌め付けた着脱式の
中蓋を介し器体内に加圧空気を送り込んで内容液
を加圧し、器体内外を連通させるよう中蓋に設け
られた内容液導出路を通じて内容液を器体外へ押
出し注出するようにした、内容液加圧注出式液体
容器に関する。

従来の技術 近時、排液や内部洗浄に便利なことから広口容
器、つまり内径にほぼ等しい口を持つた器体を採
用したものが広く用いられている。この型式のも
ので加圧注出を行うのに、例えば実開昭55−
79939号公報で知られるように中蓋に内容液導出
路を設けることが行われている。これにより蓋体
の開閉に中蓋および内容液導出路が伴わず開閉操
作を楽にするし、蓋開放時、中蓋を取外すとそれ
に内容液導出路が付随し、器体の広い口はそのま
ま全開できると共に蓋にも邪魔物がないので、排
液、内部洗浄に特に便利となる。

考案が解決しようとする問題点 しかし上記従来例における中蓋は蓋体に装備さ
れた内容液加圧ポンプからの加圧空気を器体内に
送込めるようにする通気部を持つているだけであ
るから、器体内に給液するだけの場合でも中蓋を
取外さなくてはならず使用に不便であるという問
題点を有している。

そこで本考案は、内容液加圧注出に支障なく、
給液、排液、内部洗浄の全てに便利な内容液加圧
注出式液体容器を提供することを目的とするもの
である。

問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、内径にほ
ぼ等しい口を持つた広口の器体上端を覆う蓋体に
内溶液加圧ポンプを備え、該ポンプから器体の口
に嵌め付けた着脱式の中蓋を介し器体内に加圧空
気を送り込んで内容液を加圧し、器体内外を連通
させるよう中蓋に設けられた内容液導出路を通じ
て内容液を器体外へ押し出し注出する内容液加圧
注出式液体容器において、中蓋に、前記内容液導
出路と、該内容液導出路を避けた位置に開口する
給液口を設け、前記蓋体に、それが閉じ状態のと
き前記給液口を閉じる栓体を設け、該栓体に、前
記内容液加圧ポンプから器体内への給気通路を設
けたことを特徴とするものである。

第１図、第２図に示される実施例について説明
すれば、１は器体であつて、金属製外装ケース２
内に金属製内容器３を収置し、容器３の底部外周
にヒータ４を巻着した電気ポツトをなしている。
内容器３は、外装ケース２の下端に装着された底
板５の中央へ螺合する中ネジ６によつて押し上げ
られ、外装ケース２の上端内フランジ７との間に
シールパツキング８を介し挾着されている。外装
ケース２の上端には、金属製の皿形肩部材９がカ
シメ付け１０されて、器体１の上端をなし、肩部
材９の底部に器体１の口部１１が開口されてい
る。

肩部材９上には、それを覆う蓋体１２が設けら
れ、肩部材９の後部へ枢着１３して開閉自在とさ
れている。蓋体１２は、その自由端部に、肩部材
９側に設けられた係止部１４と弾性係合するスラ
イドロツク部材１５が設けられ、部材１５の係止
部１４への係合によつて閉じ状態に係止されるよ
うにしている。この係止は、ロツク部材１５をそ
の外方へ臨む操作部１６によりスライド操作し
て、係止部１４との係合を外すことにより解除さ
れる。１７はロツク部材１５を係止部１４との係
合位置を保つよう付勢しているばねである。

蓋体１２には、内容液加圧用の手動ベローズポ
ンプ１８が内蔵され、蓋体１２の天面に臨む押圧
板１９によつて押圧され、底板２０に開口してい
る吐出口２１から器体１の内容器３内へ加圧空気
を送り込むようにされている。２２はポンプ１８
の吸気口、２３はその吸気口弁、２４はポンプ１
８および弁２３に兼用の復元ばねである。

器体１の口部１１には、金属製の中蓋２５が着
脱自在に装着され、中蓋２５に、内容器３内への
加圧空気送り込みにより加圧されて押し出されよ
うとする内溶液を外部へ導く内容液導出路２６
と、該導出路２６を避けた位置に開口する給液口
２７とが設けられている。導出路２６は、内容器
３内へ垂下される垂設管部２６ａと、器体１の上
端一側へ張り出す横設管部２６ｂとが、中蓋２５
の中心から片寄つた位置にビス２９により取付け
られた基部体３０によつて接続され、基部体３０
内の接続通路３１途中に転倒時止水弁３２が内蔵
されている。

給液口２７は、円形に大きく開口され、蓋体１
２の底板２０のポンプ吐出口２１開口部周りに螺
着３３した栓体３４によつて、蓋体１２の開閉に
伴いそれと同時的に開閉されるようにしている。
栓体３４は、給液口２７を閉じるとき、ポンプ吐
出口２１と内容器３内とを連通させる給気通路３
５を形成しており、ポンプ１８から内容器３内へ
の加圧空気送り込みにより内容器を注出できるよ
うにしている。３６は底板２０の下面に形成され
た栓体３４を螺着３３する保持筒である。３７は
中蓋２５外周に装着された器体口部１１との間の
シールパツキング、３８は栓体３４外周に装着さ
れた給液口２７との間のシールパツキング、３９
は内容液導出路２６の基部体３０と中蓋２５との
間のシールパツキング、４０は外装ケース２と内
容器３との間の断熱材である。

第３図は、栓体３４を保持筒３６にシールパツ
キング４１を介し嵌着して、蓋体１２に着脱自在
なよう装着し、内容液導出路２６は、その横設管
部２６ｂを、基部体３０と共に垂設管部２６ａか
ら切り離し、蓋体１２の底板２０に形成した他の
保持筒４２へヘリコイド係合４３して着脱自在に
保持している。これにより、蓋体１２を開くと、
栓体３４が給液口２７から離れてそれを開放し、
横設管部２６ｂは基部体３０と共に蓋体１２に追
随して持ち上がる。従つて、中蓋２５上面には何
もなく、給液口２７からの給液作業が楽である。
横設管部２６ｂは、保持筒４２を中心として例え
ば120゜位回動して着脱されるもので、蓋体１２や
ロツク部材１５は、横設管部２６ｂの前記着脱の
回動を妨げない状態に形成し、また設けられる。

また、中蓋２５は、熱伝導性の低いステンレス
スチール製中空体で、内部空間を真空断熱空間４
４としてある。この真空断熱空間４４は、例え
ば、中蓋２５の継ぎ目４５を真空空間内でろう付
けすることにより形成される。

第４図は、中蓋２５に形成される給液口２７
を、半月形に開口することにより、前記各実施例
の場合に比し大きくして、給湯し易くしている。
給液口２７は仮想線のように開口してもよい。

第５図は、栓体３４を蓋体１２の底板２０に一
体形成し、ポンプ吐出口２１を直接内容器３内に
臨ませ、給気通路を兼用するようにしている。こ
れによつて、特別な栓体やその取付け構造が不要
となる。内容液導出路２６は、その全体が中蓋２
５の孔５１に対し着脱自在に嵌め込まれ、蓋体１
２に対しては分離状態としている。５２は蓋体１
２を閉じ状態に係止するレバー型ロツク部材であ
る。

蓋体１２は、扁平軸５３を肩部材９の一部開放
軸受孔５４へ係入させて枢着され、蓋体１２が特
定の角き角α、例えば90゜のとき軸受孔５４に対
しその開放部５５を通じ扁平軸５３を係脱して着
脱できるようにされている。５６は真空二重瓶で
ある。

この考案によれば、内径にほぼ等しい口を持つ
た広口の器体の口に嵌め付けた着脱式の中蓋に給
液口を開設し、器体上端の蓋体に設けられた栓体
によつて、蓋体の開閉に伴いそれと同時的に開閉
されるようにしたから、蓋体を開くだけで中蓋の
給液口が開放され、そのまま器体内に給液でき、
使用に便利である。しかもこの給液口は加圧注出
のための通気路も兼用して内容液導出路とは別個
に単純化して設けられているので、特別な取付部
材を不要とし、構造の複雑化やコストアツプを招
かない。

したがつて、内容液加圧注出に支障なく、給
液、排液、内部洗浄の全てに便利な内容液加圧注
出式液体容器を構造簡単で価に提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の縦断面図、第２図は一部の
斜面図、第３図は他の実施例の一部断面図、第４
図は変形例の一部斜面図、第５図は別の実施例の
一部断面図である。 １……器体、３……内容器、９……肩部材（器
体上端）、１１……口部、１２……蓋体、１３…
…枢着、１８……手動ベローズポンプ（内容液加
圧ポンプ）、２１……吐出口、２５……中蓋、２
６……内容液導出路、２７……給液口、２６ｂ…
…横設管部、３３……螺着、３４……栓体、３５
……給気通路、３６……保持筒、４２……保持
筒、４３……ヘリコイド係合。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内径にほぼ等しい口を持つた広口の器体上端
   を覆う蓋体に内容液加圧ポンプを備え、該ポン
   プから器体の口に嵌め付けた着脱式の中蓋を介
   し器体内に加圧空気を送り込んで内容液を加圧
   し、器体内外を連通させるよう中蓋に設けられ
   た内容液導出路を通じて内容液を器体外へ押し
   出し注出する内容液加圧注出式液体容器におい
   て、 中蓋に、前記内容液導出路と、該内容液導出
   路を避けた位置に開口する給液口を設け、 前記蓋体に、それが閉じ状態のとき前記給液
   口を閉じる栓体を設け、 該栓体に、前記内容液加圧ポンプから器体内
   への給気通路を設けた ことを特徴とする内容液加圧注出式液体容器。 (2) 内容液導出路は、中蓋に固設されている実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の内容液加圧注
   出式液体容器。 (3) 内容液導出路は、中蓋に着脱自在に装着され
   ている実用新案登録請求の範囲第１項記載の内
   容液加圧注出式液体容器。 (4) 内容液導出路は、中蓋上面に器体一側へ張り
   出すように設けられる横設管部が、中蓋に対し
   着脱自在にされている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の内容液加圧注出式液体容器。 (5) 横設管部は、蓋体へ着脱自在に保持されてい
   る実用新案登録請求の範囲第４項記載の内容液
   加圧注出式液体容器。 (6) 栓体は、蓋体に着脱自在に保持されている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の内容液加圧
   注出式液体容器。 (7) 栓体は、蓋体に固設されている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の内容液加圧注出式液体
   容器。 (8) 栓体は、蓋体の底板に一体成形されている実
   用新案登録請求の範囲第７項記載の内容液加圧
   注出式液体容器。 (9) 蓋体は、器体上端一側へ開閉自在なよう枢着
   されている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の内容液加圧注出式液体容器。 (10) 蓋体は、着脱自在に設けられている実用新案
   登録請求の範囲第１項または第９項に記載の内
   容液加圧注出式液体容器。