JPH024041Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は包装用容器の化粧用底箱に係り、主
として中元、歳暮用としての贈答品における布張
化粧された底箱に改良を施したもので、贈答用と
しての包装用容器内で各種の詰合せ商品を固定す
るパツキン枠に化粧布を極めて簡易に張装できる
ようにした包装用容器の化粧用底箱に関するもの
である。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

従来から、中元、歳暮用としての贈答品として
各種の商品を詰合せており、それらが贈答用の包
装用容器内で動かずにしつかりと固定されるよう
適当なパツキン枠が容器底部に装着されている。
すなわち、第４図に示すように、このパツキン枠
１０１は、一般的には肉厚な紙片の折込構造によ
つたものとし、包装上、豪華な印象を与えるよう
に化粧布１０２が張装されている。この化粧布１
０２は、商品の外形に対応した凹所が枠組される
よう折込形成された立体状のパツキン枠１０１
に、凹所内に商品がしつくりと陥没嵌合されるよ
う、脹み（余裕、マチ）を有するものとして固着
されている。この化粧布１０２は、商品が立体的
なものであるからその周囲に余裕がなければなら
ず、また、パツキン枠１０１と化粧布１０２とは
離反せずに相互がしつかりと連結されていなけれ
ばならない。そのため、パツキン枠１０１周囲に
襞状での余裕を持たせた状態で糊付けしている
も、これは、化粧布１０２自体が機械的なバキユ
ーム方式での移行処理が困難であり、また、周囲
からの重ね合せ状での襞を設けての貼着を必要と
する故に、手作業によらざるを得なかつた。した
がつて、例えば、中元、歳暮のシーズンなどで、
一時的に大量に用意する必要が生じた場合には、
これに即応できず、大量処理が困難であつた。

これを解決すべく、例えば実公昭59−10019号
公報の如く、パツキン枠と化粧布とを糊付けせず
に、パツキン枠に設けた切欠部に化粧布を強制挿
入するとしても、それは手作業によるものであつ
た。また、実公昭59−17783号公報の如く、パツ
キン枠と化粧布とを別体として組合せるも、その
組合せ時の完全結合を工夫しなければならないも
のであつた。更には、実公昭59−33810号公報の
如く、パツキン枠に切設したスリツトに軟質シー
トを嵌入させるも、やはり、その機械的処理は困
難であつた。

〔考案の目的〕

そこで、この考案は叙上の如き従来存した点に
鑑み案出されたものであり、機械的処理が可能と
なる構造となして、一時的、大量に構成できるよ
うにし、必要とする異なつた包装化粧形態での注
文に迅速に対処可能なものとしたのである。

〔発明の概要〕

そのため、この考案にあつては、商品収納凹所
を形成すべく一方向で凹凸状に縮小されるパツキ
ン枠に、縮小方向に直交する方向での所定の幅員
の襞を設けた化粧布を張装し、この化粧布の周囲
を平板状に伸張されているパツキン枠に固着した
ことに存し、こうすることで、包装化粧形態が異
なつたものの場合でも、それに対応して一時的、
大量に処理できることに成功したものである。

〔考案の実施例〕

以下、図面を参照してこの考案の実施例を説明
すると次の通りである。

図において示される符号１は所定の包装用容器
であり、例えば中元、歳暮用としてデザインされ
た外観を呈するように肉厚な紙片の折込等によつ
て組立形成されている。

この包装用容器１底部には、包装用容器１内に
収納されるウイスキー瓶、グラス、調味料容器そ
の他の商品Ｇを嵌合支持すべく、化粧布２が張装
されたパツキン枠５がセツトされる。パツキン枠
５は、商品収納凹所６を形成すべく一方向で凹凸
状に縮小されるように形成されており、その縮小
形態、商品収納凹所６形状その他は収納する商品
Ｇに対応して適宜に設定、構枠される。

第１図及び第２図に示すパツキン枠５は、直方
体状の商品Ｇを収納載置するのに好適なものとし
たのであり、具体的には、長方形状の基板の両端
に、包装用容器１内側面に当接する当接起立片７
を折曲連設し、両端近傍両側に設けた切目によつ
て外側には上方に山折状に起立せしめて係止部８
となし、内側は谷折状に倒伏せしめて中央部と連
続する水平状の商品収納凹所６となしたものであ
る。

第３図に示すパツキン枠５は、例えば長い首部
を有する２本のウイスキー瓶を収納載置するのに
好適なものとしたのであり、具体的には、長方形
状の基板の両端に、包装用容器１内側面に当接す
る当接起立片７を折曲連設し、いずれか一端がわ
を凹状に窪み形成し、他端がわを凸状に突出形成
し、凸状部分には瓶の首部を嵌合可能な嵌合切欠
９を切設し、凹状部分及び嵌合切欠９を商品収納
凹所６となしたものであり、商品収納凹所６中央
を区画し、かつ凹状部分と凸状部分とを連続させ
ている立脚部分を仮止め支持する補助板１０を嵌
合し、組立形成したものである。

パツキン枠５自体は、収納すべき商品Ｇの形状
に対応して種々に変更でき、形状、構造、更には
多数の部材の組合せ等、任意に選定できるもので
あり、図示例に限定されるものではない。ただ、
所定形状の基板においては、一方向で凹凸状に谷
折り、山折りされることで縮小されることが要求
され、一般的には、凹状部分に商品収納凹所６が
形成されるものとする。

一方、このようなパツキン枠５に張装される化
粧布２は、パツキン枠５の縮小方向に直交する方
向での所定の幅員の襞３を設けて成り、この化粧
布２の周囲は、平板状に伸張されているパツキン
枠５に固着されるようになつている。化粧布２自
体は、例えばサテン（繻子織物）を素材とし、パ
ツキン枠５の縮小方向両端、すなわち、前記当接
起立片７面に接着剤等を介して重ね合せ状で固着
される固着部４を両端に有しており、所定の幅員
で設けられた襞３をそのまま維持してパツキン枠
５両端に固着され、また、縮小方向両側は、パツ
キン枠５表面を完全に包覆するようパツキン枠５
裏面に接着剤等を介して折返し状で固着されるも
のとしてある。なお、襞３の幅、数は図示例に限
定されず、それは、パツキン枠５大きさ、商品収
納凹所６深さその他によつて適宜に選定すること
が可能である。

しかして、化粧布２のパツキン枠５に対しての
張装は、例えば、ロール状にして保持されている
原反布から引き出し、その引き出し工程中で所定
の間隔での折込状での襞３を形成し、その後、搬
送されている平板伸張状のパツキン枠５周囲に接
着剤等を介してアーム、ローラその他にて押圧し
ながら、化粧布２周囲を固着するものである（図
示せず）。

化粧布２が張装された伸張状のパツキン枠５
は、その縮小方向で凹凸状となるよう縮小される
ことで、商品収納凹所６が形成され、その状態で
包装用容器１内にセツトされるのであり、商品収
納凹所６内に所定の商品Ｇが収納された後、展示
更には包装されて贈答用に供される。

〔考案の効果〕 この考案は叙上のように構成されており、化粧
布２が張装されているパツキン枠５をその縮小方
向で縮小し、所定の包装用容器１内にセツトすれ
ばよく、縮小することで形成された商品収納凹所
６内に商品Ｇを収納するものである。

したがつて、パツキン枠５に張装される化粧布
２は、一方向で凹凸状に縮小されるパツキン枠５
における縮小方向に直交する方向での所定の幅員
の襞３を設けてあり、また、平板状に伸張されて
いるパツキン枠５に周囲を固着したから、縮小方
向ではその縮小分に対応した、また、縮小方向に
直交した方向では襞３分に対応した夫々の余裕が
得られ、商品収納凹所６内に立体状の商品Ｇが載
置されても、それをしつくりと体裁良く収納でき
るのである。

すなわち、従来は、立体的に組立てたパツキン
枠に凹所を形成し、その凹所内に陥没されるよう
襞を形成しながら手作業で立体状のパツキン枠周
囲に化粧布を固着していたのに比し、この考案に
よれば、平板状のパツキン枠５周囲に重ね合せ状
あるいは折返し状にして、襞３折りはされるも平
板状である化粧布２周囲を固着すればよいから、
機械的に処理できるものとなり、一時的、大量に
構成することが可能となるのである。そのため、
例えば、中元、歳暮シーズン等で、詰合せ、セツ
トすべき各種の詰合せ商品Ｇの変更、それによつ
た形状、構造が異なるものとなつたパツキン枠５
に化粧布２を張装する場合でも、迅速に処理で
き、必要とする時期に大量に提供することが可能
である。

以上説明したように、この考案によれば、主と
して、中元、歳暮用としての贈答品の包装用容器
における底箱の構成に際し、化粧布をパツキン枠
に極めて簡易に張装することができ、しかも、そ
の作業は機械的に処理できることで、例えば、商
品詰合せの変更等によつて一時的、大量に処理す
る必要が生じた際にもこれに十分に対応できるも
のであり、構成簡単で安価に提供できる等の実用
上極めて有益な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及至第３図はこの考案の実施例を示し、
第１図は分解斜視図、第２図は収納状態での断面
図、第３図はパツキン枠の他例を表わす斜視図、
第４図は従来例の一部切欠斜視図である。 Ｇ……商品、１……包装用容器、２……化粧
布、３……襞、４……固着部、５……パツキン
枠、６……商品収納凹所、７……当接起立片、８
……係止部、９……嵌合切欠、１０……補助板、
１０１……パツキン枠、１０２……化粧布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 商品収納凹所を形成すべく一方向で凹凸状に縮
   小されるパツキン枠に、縮小方向に直交する方向
   での所定の幅員の襞を設けた化粧布を張装し、こ
   の化粧布の周囲を平板状に伸張されているパツキ
   ン枠に固着したことを特徴とする包装用容器の化
   粧用底箱。