JPH035577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、チヨコレート、砂糖等の食品、芳香
剤、石鹸等の物品を充填して成る包装体に関する
もので、特に折畳み可能でしかも立体的な装飾機
能を持つ包装体に係る。

［考案の技術的背景とその問題点］ 贈答用の物品や、使用時に室内の目に見える箇
所に置かれる物品については、その包装形態が装
飾性に富むことが重要である。特に、芳香剤やバ
レンタインデーのチヨコレート等の場合は、その
意匠が物品の販売上大きな比重を占めている。そ
のため、従来から、各種の装飾機能を付した包装
体や容器が開発されているが、従来から知られて
いるものは、包装体自身や容器を予め希望とする
意匠に成形した固定的なものがほとんどである。

例えば、引き出物として使用されるレリーフ状
の砂糖やチヨコレートの様に、物品全体をある特
定の形状に成形しその周囲を透明フイルムで包ん
だり、逆に所定の形状に成形した容器や袋の内部
に物品を収納することで、物品全体を一つの立体
的な形状としたものである。

しかし、この様な従来の包装体は、物品が固定
的であるため形状の変化に乏しく、しかも内部に
充填する物品の量を大くしないと立体的な装飾を
持つ包装体を得ることができない欠点があつた。

また、従来の立体的な包装体は、そのままでは
外部に凹凸があるので、輸送・保管時に箱詰めに
する際に無駄なスペースが多く、緩衝材等も多く
必要であることから、包装並びに輸送コストが嵩
む問題点もあつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の様な従来技術の問題点を解消
するために提案されたもので、その目的は、少量
の内容物で立体感に富んだ動きのある装飾が可能
であり、しかも輸送・保管時には包装体の外部に
不要な突出物がなく、包装・輸送コストの低減が
可能な折畳み包装体を提供することにある。

［考案の概要］ 本考案の折畳み包装体は、折れ線を挾んで２つ
折に折畳み可能とした基板と、この基板の内側に
おいて、基板とは反対方向に折畳み可能とした装
飾板とから成り、この基板若しくは装飾板を所定
の厚さを持つ中空部として、その内部に内容物を
収納したもので、基板を断面略Ｌ字状に屈曲した
場合に、装飾板がその内側で基板表面から山形に
浮上り、立体的な装飾模様を形成する様にしたも
のである。

［考案の実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面により説明す
る。

第１図は、本考案の第１実施例を示すもので、
長方形の基板１の中央には、折れ線２が形成さ
れ、この折れ線２によつて基板１の左右１ａ，１
ｂが手前方向に折曲げられて重なり合う様になつ
ている。この基板１の中央部には、上下の切れ線
３ａ，３ｂによつて挾まれた装飾板４が設けら
れ、この装飾板４の両端は前記折れ線２と同方向
に延びる連結部５ａ，５ｂによつて基板１に連結
されている。装飾板４の中央には、前記折れ線２
と同方向に延び、しかも折れ線２とは反対方向に
屈折する折れ線６が形成されている。そして、上
記基板１及び装飾板４は、共に所定の厚さを持つ
中空状をなし、その内部に内容物が充填されてい
る。

なお、この中空部を持つ基板１及び装飾板４
は、合成樹脂製のフイルムを重ね合わせ、その周
囲及び折れ線部分をヒートシールすることにより
構成することができる。また、内容物の充填は、
周囲のヒートシールと同時に行つても良いし、一
部に充填口を残しておき、充填後にそこを密封す
ることもできる。

また、前記装飾板４の形状は、本実施例では、
単なる四角形となつているが、例えば、内容物が
チヨコレートの様な場合はハート形、結婚式の引
き出物に使用する場合は松竹梅や鶴亀、芳香剤の
場合は香りのイメージに合せた各種の意匠を選ぶ
ことができる。また、図柄に限らず、装飾と共に
表示機能を必要とする場合は、文字等を表すこと
もできる。

この様な構成の本実施例の容器は、その輸送・
保管時には、基板１を折れ線２の部分から２つ折
に折重ねる。すると、装飾板４は基板１の内側に
おいて２つ折に折重ねられるので、全体の外観は
四角の箱状若しくはノート状となり、外部に装飾
板の様な突起物が露出しない。なお、装飾板４を
その折れ線５とは反対に折畳めば、装飾板４は基
板１中央の開口部１０内に収納されるので、更に
全体を薄く折畳むことが可能である。

一方、包装体の開封時には、第１図の如く、基
板１を断面略Ｌ字形に開けば、内側に折畳まれて
いた装飾板４が山形に浮上り、立体的な装飾模様
が形成される。これは、包装体自身の厚さに比較
して立体感に富んだものであり、従来の装飾的な
包装体に比較して遥かに少ない内容物で優れた装
飾効果を上げることができる。特に、基板１を開
くと同時に装飾板が浮上ることは、従来の固定的
な包装体になり特異な装飾効果を発揮する。ま
た、これを室内等に放置する場合も、基板１を開
く角度を変えることにより、装飾板の立体感を変
えることができ、その点でも固定的な包装体に比
べて装飾機能が優れれている。

次に、第２図に示す本考案の第２実施例につい
て説明すると、この実施例は、１枚の基板１の表
面に、別部材とした装飾板４をその両側縁の部分
で接合したものである。この場合、装飾板４のみ
が中空状の部材で内容物が充填されており、基板
は板紙等の剛性のある材料で形成されている。こ
の実施例においても、前記第１実施例と同様に全
体を折畳んで輸送・保管することができ、しかも
その際基板１が内容物を充填した装飾板４を外側
から保護するので、内容物の損傷等の不都合がな
い。なお、第２実施例において、基板１を中空状
とした装飾板４の背面板と共通な部材によつて構
成することもでき、その場合は、前記第１実施例
と同様に基板１の中央部に開口部（図中１点鎖線
参照）が形成されることになる。

一方、第３図に示す第３実施例は、前記第２実
施例とは逆に、周囲の基板１に内容物を充填し、
装飾板４を板紙で構成したものである。この実施
例では、装飾板が板紙の様な細工の容易な材料で
構成されているので、前記各実施例に比較して複
雑な装飾模様を形成することができる利点があ
る。

なお、この場合、装飾板４は、図示の様に、中
空状をなす基板１の表面板１１をそのまま利用し
て構成することも可能であるが、基板１の中央に
装飾板の大きさの開口部が形成されることが好ま
しくない場合は、第２図の基板の様に中央に開口
部のない基板１の表面に別部材とした装飾板を張
付けることもできる。

［考案の効果］ 以上の実施例に示す様に、本考案によれば、折
畳み可能とした基板の内側に、基板とは反対方向
に屈折される装飾板を設けるという簡単な構成に
より、少ない内容物で優れた立体的装飾機能を有
し、しかも物品の輸送・保管が容易でそのコスト
も低くて済む折畳み包装体の提供が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の折畳み包装体の一実施例を
示す斜視図、第２図は同じく第２実施例の斜視
図、第３図は第３実施例の斜視図である。 １……基板、２……折れ線、３ａ，３ｂ……切
れ線、４……装飾板、５ａ，５ｂ……連結部、、
６……折れ線、１０……開口部、１１……表面
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 折れ線を挾んで表面を内側として２つ折に折
   畳み可能とした基板と、この基板の内側におい
   て、基板とは反対方向に折畳み可能とした装飾
   板とを備え、且つ基板若しくは装飾板の少なく
   とも一方が中空状をなし、その内部に内容物が
   充填されていることを特徴とする折畳み包装
   体。 (2) 装飾板が、基板の折れ線と交差する複数の切
   れ線によつて、基板から区画形成されたもので
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の折畳
   み包装体。 (3) 装飾板が、基板とは別部材から成り、基板の
   表面に接合されたものである実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の折畳み包装体。 (4) 基板若しくは装飾板が板紙状をなし、その一
   部が中空状を成した装飾板の背面若しくは基板
   の表面板を構成している実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の折畳み包装体。